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交通事故の被害にあった…事故直後から示談成立まで、事故の流れをスピード解説!

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交通事故の被害にあった直後から示談成立までの流れ、ご存知ですか?

  • 事故直後、加害者に確認する情報や警察への届け出をどうするか
  • 示談金として請求できる項目や、金額の計算方法は
  • どのような場合に裁判を起こすのか

交通事故の被害者が気になる、事故直後から示談成立までの流れを一気に解説します!


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事故直後から治療終了まで

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Q1

事故直後の対応は?

加害者に情報を確認

交通事故で負った損害の賠償は、示談金として加害者に請求します。

示談金をしっかり請求するためには、被害者の対応も重要です。

事故直後からの対応が、最終的に請求できる示談金額を決定するのです。

事故にあった直後には、加害者からの情報確認が必要となります。

加害者の氏名や連絡先、勤務先車両の情報を確認します。

確認できなければ、賠償金の支払いが遅れるリスクがあります。

事故直後に加害者から確認する情報の例
内容 確認書類
本人情報 氏名、連絡先 免許証、名刺
勤務先 会社名、連絡先 名刺、社員証
車両情報 ナンバー、保有者 プレート、車検証

加害者が加入している保険会社も確認しましょう。

任意保険に加入しているか自賠責のみかで、賠償金が変わります。

通常、示談交渉は加害者本人ではなく保険会社の担当者と行うことになります。

保険の種類と、関連する証明書
任意保険
任意保険証書
自賠責保険
自動車損害賠償責任保険証明書

任意保険と自賠責の違いについては、以下の記事をご参照ください。

警察への届出

事故にあわれたら、まずは病院へ行き医師の診察を受けてください。

診断書をもらって、すみやかに警察に届け出を行ってください。

すこしでも怪我をしていれば人身事故として届け出してください。

人身事故として届け出すれば、警察は念入りに調査を行います。

詳細な刑事記録が作成されるので、示談で争いになったときに役立ちます。

物損事故として届け出すると、簡素な記録しか作成されません。

人身事故と物損事故の比較
人身事故 物損事故
警察での扱い 重大な事故 軽微な事故
作成される証拠名* 実況見分調書 物件事故報告書
証拠の特徴 内容が詳細 内容が簡素

*物損と人損の両方の場合にて、交通事故証明書が作成されます

警察が行う現場検証には被害者や加害者も参加します。

正確な刑事記録のために、捜査には積極的に協力しましょう。

事故の目撃者にも連絡先を確認し、協力をお願いできます。

Q2

治療終了のタイミングとは?

治療費は加害者側の保険会社が負担

事故で怪我をすれば、病院に入院や通院をして治療を行います。

被害者が治療のために支払う費用は、加害者側の保険会社に請求できます。

示談金を受け取る時には既払金として扱われ、二重受け取りはできません。

治療中に支払われる費用の例
  • 治療費
  • 通院交通費
  • 入院雑費

治療は、症状固定と呼ばれる段階まで続けられます。

それ以上の治療を続けても症状の大幅な改善が見込めなくなる段階です。

症状固定の段階と保険会社が判断すれば、治療費の打ち切りを打診してきます。

支払いが打ち切られた後は、治療費は被害者の自己負担となります。

交通事故の治療費については、以下の記事も参照ください。

後遺障害が残った場合は…

軽い怪我であれば、症状固定時には完治しています。

重傷であれば、症状固定後にも症状が残り続ける場合があります。

症状固定後に残った症状は後遺障害と呼びます。

後遺障害がのこった場合、後遺障害慰謝料などの項目が示談金に追加されます。

追加される金額は、後遺障害の等級で変わります。

後遺障害等級は、審査機関に申請して認定してもらう必要があります。

後遺障害慰謝料の基準については、以下の表をご覧ください。

弁護士基準による慰謝料の相場
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示談の開始時期と計算方法

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Q1

示談はいつ開始する?

示談金が計算できるようになってから

事故で被害者が負った損害の賠償は、示談金として加害者に請求できます。

示談交渉は、おおよその損害額が計算できるようになった段階で開始されます。

基本的には、治療が終了した時点から示談交渉が始まります。

後遺障害が残った場合は、等級の認定結果が出た後に開始します。

また、もし被害者が死亡した場合は、お葬式が終わってから始めます。

示談交渉開始の時期
関連項目 示談交渉開始の時期
傷害事故 入通院の期間 治療が終了してから
後遺障害の場合 後遺障害等級 等級が認定されてから
死亡事故 葬式費用 葬式が終わってから

示談が成立するまでの流れについては、以下の図もご覧ください。

交通事故の示談までの流れ

請求項目の内訳

示談金には様々な請求項目が存在します。

示談金の内訳は、事故の種類や被害の程度によって変わります。

主に、治療関係費慰謝料逸失利益に大別できます。

示談金項目の種類

治療関係費

治療費や入通院費など、事故によって負った怪我の治療に関係する費用。

慰謝料

事故によって被害者や遺族が被った精神的苦痛に対する賠償金。

逸失利益

後遺障害や死亡により失われた、被害者や遺族が将来得るはずだった利益に対する賠償金。

また、入通院により休業を余儀なくされた場合は休業補償を請求できます。

被害の種類ごとの請求項目を、以下にまとめました。

交通事故の請求可能項目(例)
傷害 後遺障害 死亡
治療関係費 〇*
慰謝料 傷害慰謝料 後遺障害慰謝料 死亡慰謝料
逸失利益 ×

*事故から死亡までの間に、治療が発生した場合

Q2

示談の計算方法は?

領収証や証明書から計算

示談金額は、事故の状況や被害者本人の収入などによって変わります。

入通院の期間や、後遺障害等級などによっても増減します。

計算のためには、領収証や証明書などの書類が必要となります。

示談金額計算に必要な資料(例)
請求項目 必要資料
治療関係費 病院の領収書など
休業補償 休業損害証明書など
後遺障害慰謝料 後遺障害等級票など

休業損害や逸失利益の計算は、やや複雑です。

休業損害の場合、休業日数や一日当たりの収入が関わります。

休業損害の計算方法

1日当たりの補償金額(会社員の場合):

事故前3か月の給料の合計額 ÷ 90日

支払われる補償金額:

1日当たりの補償金額 × 実際に休業した日数(実休業日数)

逸失利益の計算には、収入にくわえて事故当時の被害者の年齢が関係します。

逸失利益の計算方法

基礎収入 × 後遺症による労働能力喪失率 × ライプニッツ係数*

*就労可能年数から法定利率を複利計算して求められる係数

休業損害や逸失利益の計算に必要な書類は、会社員か自営業かで変わります。

会社員の場合は、休業損害証明書や給与明細が必要となります。

自営業の場合は確定申告書を参照することになります。

過失割合によって受取り額が変わる

多くの交通事故では、被害者の側にも過失が存在します。

示談金額は、被害者の過失に応じて減額されます。

そのため、被害者と加害者それぞれの過失割合を計算します。

過失割合とは

交通事故における、加害者と被害者それぞれの過失を数値化したもの。

例:加害者の過失が80%、被害者の過失が20%のとき、過失割合は8対2

このとき、被害者が受け取る示談金額は20%減額される。

過失割合を計算するときには、まず事故の類型を判断します。

そして、事故に含まれる諸々の要素を修正要素として計算に入れます。

これらを見積もるためには、事故時の状況を正確に示す資料が必要となります。

過失割合を計算するときには、実況見分調書などの刑事記録を参照します。

ドライブレコーダーなど、被害者自身が準備した証拠を用いる場合もあります。

以下は、過失割合の修正要素の例です。

直進車対右折車の衝突事故(20対80)での、過失割合の修正要素*
修正要素 直進車の過失割合
直進車:15km以上の速度違反 10
直進車:30km以上の速度違反 20
右折車:早回り右折 5
右折車:合図なし 10

*表の数字は目安であり、実際の計算とは異なる場合があります

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示談金が支払われるまで

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Q1

裁判になる場合とは?

裁判という選択肢

示談交渉では、示談金額や過失割合についての合意を目指します。

被害者も加害者も納得のいく金額が決まれば示談成立です。

  • いつまでたっても、示談金額が合意できる見込みがない
  • お互いの主張する過失割合がどうしても一致しない
  • 加害者側の態度が不誠実で非協力的

…このような場合には、裁判を検討することになります。

裁判では、客観的な証拠に基づいて裁判官が判決を下します。

被害者であるからといって、有利な判決が出るとは限りません。

自分の主張に正当性があるか、裁判を提起する前に念入りに検討しましょう。

一般の人でも裁判を提起することはできます。

しかし、裁判の申請手続きは複雑で手間がかかります。

専門家である弁護士に任せることがおすすめです。

交通事故の裁判の流れ

示談を拒否すると…

示談よりも怪我の治療や社会復帰を優先したい、という被害者もいます。

示談交渉は負担が大きく拒否したい、ということもあるでしょう。

しかし、示談を拒否すると賠償金が得られなくなるおそれがあります。

賠償を請求する権利には時効があり、基本的には数年で失われます。

賠償金を受け取れないと、治療費や車の修理代なども自己負担になります。

すみやかに示談交渉を開始することを、おすすめします。

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示談の注意点とは?

冷静に交渉しよう

被害者としては、示談金はできるだけ高い金額を請求したいものです。

他方で、加害者側は金額を低くしようとします。

金額をめぐって争いになると、ストレスがたまってしまいます。

保険会社の担当者の言動は、被害者にとって腹立たしいことがあります。

しかし、怒鳴ったりクレームを付けたりすると、示談交渉が難航してしまいます。

担当者に問題があれば、保険会社に連絡して担当者を交代してもらいましょう。

示談交渉が負担に感じられた場合、弁護士が代理することも可能です。

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示談成立すると、その後は請求できない

加害者への請求は示談成立で終了します。

基本的には、示談成立後に追加で請求することはできません。

納得のいかない金額で示談を成立させないようにしてください。

後悔のない示談を行うためには、念入りな準備が必要です。

示談を開始する前に、被害者側にとって有利な点を全て明らかにしましょう。

請求可能な最大金額を計算してから、示談に挑むのです。

示談金や過失割合の計算は複雑です。

被害者本人が行うと、請求可能な項目を見逃すおそれがあります。

弁護士に相談し、計算してもらうと安心でしょう。

示談交渉の各タイミングにおける注意点
示談金計算時
請求可能な項目の見落としはないか
示談交渉中
示談成立に向けて建設的な交渉が行えているか
示談成立直前
示談金額に後悔はないか
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事故直後から示談成立まで、交通事故は「弁護士に相談」

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交通事故の被害者が弁護士に相談するメリットは?

事故直後の対応から示談成立まで、駆け足で説明いたしました。

示談金の計算や示談交渉は、弁護士に任せると安心できそうですね。

また、弁護士の出番は事故直後にもあります。

事故直後、被害者の方には対応が難しい場合もあります

加害者への情報確認や警察への届け出も、弁護士が協力いたします。

事故の被害にあわれた方は、まずはスマホで無料相談をしてください。

365日24時間、いつでもお電話がつながります。

示談が成立するまで、交通事故に詳しい弁護士の徹底サポートを約束します。

SNS相談では、無料で弁護士に相談できます。

質問も24時間受け付け、回答を順次行います。

対面相談の予約も、SNS相談をご利用ください。

早い段階での相談が、示談金額を決定する

  • 警察には人身事故として届け出したか
  • 示談金の請求項目に、見逃した要素はないか
  • 示談金額の計算方法は正確か

…事故直後からの示談金請求まで、弁護士は被害者の力になります。

交通事故の被害にあった方はすぐに弁護士に連絡をください。

示談金の計算から示談交渉、裁判まで、徹底的にお助けいたします。

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