作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故で尺骨骨折|逸失利益はいくらもらえる?後遺障害の認定申請手続きの方法は?

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自動車事故で尺骨骨折を負ってしまった場合、逸失利益を相手方に請求できる場合があります。

このページでは、

①尺骨骨折の逸失利益を計算する方法

②後遺障害慰謝料などの計算方法

③弁護士に相談・依頼することのメリット

などを解説していきます。
※掲載情報はすべて2019年の最新版です。

1尺骨骨折の逸失利益はいくら?計算方法を解説

交通事故の悩みは弁護士に相談
Q1

【尺骨骨折】って何?部位・症状を解説

尺骨とは、前腕骨を構成している骨の1つで、橈骨とともに肘関節と手関節を形成しています。

尺骨と橈骨は平行に並んでおり、小指側に位置するのが尺骨で、親指側に位置するのが橈骨です。

尺骨を手首付近で骨折してしまうと、関節可動域に支障が出る場合があります。

また、尺骨が骨幹部(中間の細い部分)で骨折すると強い痛みや腫れが生じます。加えて、橈骨と尺骨の両方が骨幹部で折れてしまった場合、通常、前腕はその骨折部位で大きく変形します。

なお、交通事故などで強い外力が加えられると尺骨骨折が生じる可能性があります。

自動車事故の後、前腕や手首に痛みや腫れが生じた場合は、病院で診断してもらい適切な処置を受けることを推奨します。

逸失利益とは
Q2

【尺骨骨折】の逸失利益はいくら?

尺骨骨折を負って後遺障害が残ると、何級の後遺障害等級が認定されうるのでしょうか。

尺骨骨折で認定の可能性がある主な後遺障害等級は14級9号12級13号12級8号12級6号10級10号8級8号8級6号7級9号です。

なお、逸失利益は以下の計算方法で求めることが可能です。

基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

「労働能力喪失率」と「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」については以下の表から求めることができるので、ぜひご活用ください。

後遺障害等級と労働能力喪失率
等級 労働能力喪失率
1 100%
2 100%
3 100%
4 92%
5 79%
6 67%
7 56%
8 45%
9 35%
10 27%
11 20%
12 14%
13 9%
14 5%
就労可能年数とライプニッツ係数
就労可能年数 ライプニッツ係数
1 0.95
5 4.33
10 7.72
20 12.46
30 15.37
被害者請求の流れ
Q3

【尺骨骨折】後遺障害の被害者請求・事前認定の違いは?

後遺障害の認定申請手続きを行い、等級が認定されれば、後遺障害慰謝料も相手方から支払ってもらうことができます。

後遺障害等級の認定申請をする場合、被害者請求または事前認定という申請方法で後遺障害等級認定の申請をすることになります。

「被害者請求」は被害者自身が加害者側の自賠責保険に対して直接「後遺障害等級認定の申請」をすることです。

被害者自身が手続きをすることになるため、手間はかかります、

しかし、後遺障害等級の認定に向けて医証を集める、などの積極的な活動をすることが可能なので、認定の可能性が高まるなどの利点があります。

事前認定は加害者側の任意保険会社に後遺障害等級認定の申請手続きをやってもらう手段です。

事前認定は手間がかからないというメリットがあります。

しかし、「被害者請求」と異なり、加害者側の任意保険会社は後遺障害等級の認定に向けた積極的な活動をしてくれないため、等級認定の可能性が「被害者請求」よりも低いというデメリットがあります。

2慰謝料の自動計算|尺骨骨折の後遺障害慰謝料を計算しよう

お金に関すること
Q1

慰謝料計算機を利用して尺骨骨折の後遺障害慰謝料を計算するには?

自動車事故で尺骨骨折などを負うと、傷害慰謝料や後遺障害慰謝料などを受け取ることが可能です。

以下の慰謝料計算機を使用すれば、適切な弁護士(裁判)基準の慰謝料金額を計算することができます。

慰謝料計算機の使い方についてですが、ケガの程度や給与額などの情報を入力した後、「慰謝料を計算する」ボタンを押せばすぐに計算結果が出ます。

弁護士に相談
Q2

自賠責基準と裁判基準の差異|尺骨骨折の後遺障害慰謝料額は弁護士依頼でアップする?

賠償金額の計算方法には弁護士(裁判)基準自賠責基準があります。

この2つのうちでは、弁護士基準で計算されたほうが高額な金額になります。

そもそも「弁護士基準」とは、過去の裁判結果を基準にして算出されている金額のことを言います。

弁護士事務所に依頼すれば、「弁護士基準」で慰謝料などが支払われる見込みがあります。

自賠責基準では人身事故で尺骨骨折などを負った被害者に最低限の補償がなされます。

加害者側の自賠責保険から保険金が支払われるのですが、「自賠責基準」ではもらえる金額が「弁護士(裁判)基準」よりも低額になります。

加えて、自賠責保険では傷害分の補償の上限額が120万円と決められています。

お金に関すること
Q3

賠償金と慰謝料の違いは何?尺骨骨折の通院中に登場する頻出単語の意味を解説

自動車事故で負った尺骨骨折で入院・通院しているとき、慰謝料示談金賠償金といったお金に関する言葉をいろいろと目にしました。これらに違いはあるのでしょうか?

尺骨骨折の「慰謝料」や「示談金」はひとつひとつ違う意味を持っています。

慰謝料は交通事故によって生じた痛みや苦しさなどの精神的なダメージが金銭的に評価されたものです。

尺骨骨折などにおける示談金は示談によって当事者双方が合意した金額で、通常、示談金の中には慰謝料が含まれています。示談金を人身事故の加害者側から支払ってもらったら、原則的には後から追加で請求することはできません。

ただし、例外として、示談書の中に「後遺障害が生じた場合は別途協議する旨」を記載して示談をすれば、後から後遺障害分の慰謝料などについて協議できる可能性があります。

賠償金は加害者から加えられた損害が金銭的に評価されたもののことを指します。「慰謝料」は精神的損害に対する賠償金として請求可能です。

加えて、物損事故で支払うことになった車両の修理費なども賠償金として請求可能です。こちらの「賠償金」に関しても、通常は「示談金」の中に含まれます。

3尺骨骨折|弁護士なしで示談交渉は可能?

増額交渉(弁護士あり)
Q1

尺骨骨折の示談の手続きは被害者本人だと難しい?

尺骨骨折を負うことになった人身事故の件で、加害者側の任意保険会社と示談のやり取りをしたい。

そのようなとき、弁護士なしで示談交渉を進めることはできるのでしょうか。

弁護士に依頼すると弁護士費用を出すことになるため、不可能でなければ自分だけで示談の手続きを進めたいところですが…

現実的な話として、人身事故の被害者が示談のやり取りを一人で進めることは難しいと言えます。

加害者側の任意保険会社の示談担当者は示談交渉の場数を踏んでいる人物です。

事故に遭われた方が直接話し合いの場に出ても、上手く主張できず、自分の要求を通せない可能性が考えられます。

また、示談交渉では、交渉する人物が弁護士資格を所持していなければ加害者側の任意保険会社は慰謝料の増額などに応じてくれない可能性が高まります。

相手は、話し合いの場に出ている人物が弁護士かどうかによって示談金額などを決定しています。

被害者側に弁護士がついていない場合、仮に自身が上手く主張できたとしても、腑に落ちる示談内容にならない場合があります。

弁護士費用特約
Q2

弁護士費用特約について|尺骨骨折を負った事故被害者は特約を利用しよう

弁護士費用特約って何なのでしょうか?

この特約を使うと尺骨骨折などを負った被害者にとってどのような利点があるのでしょうか。

弁護士費用特約のメリットや、使える条件についてこれから解説していきます。

この特約は、任意保険と契約した際に付けることが可能な特約です。

尺骨骨折などを負うことになった交通事故の裁判や示談交渉で弁護士を利用したとき、その弁護士費用を被害者側の任意保険会社が支払ってくれる特約のことです。

人身事故で尺骨骨折を負った場合などで利用可能な弁護士費用特約ですが、その内容については任意保険会社により若干異なります。

ただ、この特約でカバーの対象となる弁護士費用は通常300万円とされています。

また、法律相談費用に関しては、1案件につき10万円までとなっているケースが多いです。

交通事故の悩みは弁護士に相談
Q3

尺骨骨折の後遺障害について相談可能な弁護士の探し方とは?

法律事務所に尺骨骨折の後遺障害について聞いてほしいことがある…そのようなとき、弁護士ならどこに話しても問題ないのでしょうか。

実は、尺骨骨折の後遺障害の相談先は誰でもいいということはありません。

一部には交通事故案件にあまり注力していない事務所も存在しています。

しかし、交通事故案件を積極的に受任している弁護士なら、慰謝料を適切な金額にするために活動してくれたり、治療の打ち切り対応などについて相談に乗ってくれることがあります。

尺骨骨折の後遺障害に関する相談は、多くの交通事故案件を経験したことがあるアトム法律事務所であれば対応できる可能性があります。

人身事故被害者の方のお力になれるかもしれないので、自動車事故被害者の方はぜひ、アトム法律事務所にご相談ください。

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