6人の弁護士がこの記事に回答しています

【交通事故】弁護士特約の使い方|特約がない場合は?むちうちでは使えない?

イメージ画像

交通事故後、相手方と争う段階になったときに心強いのが弁護士です。

ですが弁護士費用が高いと、相談をお迷いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな時は、ご自身の保険に弁護士費用特約がついていないか確認してみましょう。

  • 弁護士特約はどのタイミングで使ったらいいの?
  • どんな事件でも弁護士特約は使えるの?
  • 弁護士特約がついてなかったんだけど、弁護士は使わない方がいい?

目次

弁護士特約を活用し、事故後にかかる費用を上手に節約しましょう。

1

交通事故の弁護士特約の使い方

イメージ画像
弁護士特約

正確には弁護士費用特約。

自動車に起因する事故について生じる弁護士費用等を保険会社が支払うという特約。

1事故・1名あたり300万までの弁護士費用10万までの法律相談・書類作成費用を補償する内容が一般的。

弁護士特約は、多くの自動車保険のオプションとしてつけられます。

では、実際に利用する際はどのような手順を踏んだらよいのでしょうか。

Q1

交通事故で弁護士特約を使う場合の流れ

①交通事故を得意とする弁護士を探す

インターネットなどで、交通事故に強い弁護士を探します。

自身の事故を対象としている弁護士か気を付けましょう。

②保険会社の同意を得る

弁護士特約を利用するには、保険会社の事前の同意が必要です。

  • 今回の事故に弁護士特約が利用できるか
  • いくらまで補償されるのか
  • (自分以外に使う場合)対象者に利用させることはできるか

をご自身の保険会社に問い合わせましょう。

保険会社から、会社の紹介する弁護士に依頼してはどうかと言われることもあります。

ですが通常は、事前に連絡をいれれば自分で選んだ弁護士に依頼できます。

せっかく弁護士費用が軽くなるのですから、自分で選んだ弁護士に依頼しましょう。

利用が可能だと言われたならば、

相談する予定の弁護士の連絡先を伝えましょう。

③弁護士に弁護士特約を使う旨を伝える

弁護士に相談をし、実際に依頼したいと思ったならば

  • 弁護士特約を使用する旨
  • 保険会社の担当者の連絡先

を依頼先弁護士に伝えましょう。

④委任状・委任契約書の作成

相手方との交渉などをすべて弁護士に委任する、という旨の委任状を作成します。

⑤弁護士費用の請求

依頼先の弁護士が保険会社に、直接弁護士費用等を請求します。

被保険者が立て替える必要はありません。

弁護士特約を利用する際の事前準備
相談・依頼先の弁護士を探す
自身の保険会社に弁護士特約を利用したい旨を伝える
弁護士に弁護士特約を利用する旨を伝える
Q2

交通事故のどのタイミングで弁護士特約を使用すればいい?

イメージ画像

交通事故、特に人身事故に関しては事故が起こってから一週間以内の初動が大切です。

治療方針などにもアドバイスを貰えるため、なるべく早くに相談をするのがよいでしょう。

それ以外にも事故や示談交渉について疑問が生じた時などに、弁護士への依頼をご検討ください。

一般に、交通事故で弁護士に任せた方がいいと言われるタイミングは

  • 示談金額に納得がいかないとき
  • 適切な後遺障害等級認定を受けたいとき
  • 保険会社との交渉が難航しているとき
  • 治療に専念したいとき
  • 相手方が損害賠償請求に応じないとき

などが挙げられます。

Q3

弁護士特約を使用する場合の弁護士費用

弁護士費用特約を利用すると、多くの弁護士事務所は通常とは異なる計算式を使います。

参考までに、アトム法律事務所の弁護士費用は以下のようになっています。

弁護士特約がある場合の報酬基準
着手金(税込) 成功報酬(税込)
経済的利益*が125万円以下 11万円 22万円
125万円を超え300万円以上 経済的利益の8.8% 経済的利益の17.6%
300万円を超え3000万円以上 経済的利益の5.5%+9.9万円 経済的利益の11%+19.8万円
3000万円を超え3億円以上 経済的利益の3.3%+75.9万円 経済的利益の6.6%+151.8万円
3億円を超える 経済的利益の2.2%+405.9万円 経済的利益の4.4%+811.8万円

*弁護士の介入により増額できた金額を指す。

目安として、損害賠償額1700万円以下であれば、弁護士費用は300万円を超えません。

2

弁護士特約のメリット|むちうちなど軽い症状でも使える?

イメージ画像
Q1

弁護士費用特約のメリット|示談金受け取りまでの期間が短くなる?

弁護士特約の利用により、費用の心配なく相手方保険会社との交渉を弁護士に一任できます。

そうすることで、以下のようなメリットがあります。

  • 面倒な手続きを弁護士に一任できる
  • 治療や仕事に専念できる
  • 受け取れる慰謝料が増額される
  • 交渉や示談が早期にまとまりやすくなる

示談交渉開始から和解までの期間は事案によって様々です。

傾向として、後遺症以外の争いがある場合は3~6カ月、訴訟になると平均して約1年かかります。

早期に弁護士に依頼することによって、程度に差はあれど迅速な解決が期待できます。

また、次項で述べるように補償の対象範囲が非常に広いのも特徴です。

なお、自動車保険の内容は保険会社によってさまざまです。

以下に述べられているのは、あくまで一例です。

実際の利用の際には、ご自身の加入している保険をよく確認しましょう。

Q2

対象事故|物損事故やむちうちでも弁護士特約は使った方がいい?

弁護士特約の対象事故

自動車に関わる被害事故

契約の車のみならず、タクシー・バス・原付・他人の車に乗っている際の事故も補償されます。

もちろん、物損事故むちうちなどの軽い人身事故にも適用されます。

そのような事故の場合、弁護士費用が300万円を超えることは滅多に無いので安心して依頼できます。

ただし、物損事故や軽い人身事故は受け付けていない弁護士もいます。

事前の無料相談などで、交渉を一任してもいいと思える弁護士を見極めましょう。

Q3

対象範囲|着手金・成功報酬も弁護士特約でカバーできる?

弁護士特約の対象範囲
  • 相談料
  • 書類作成費用
  • 訴訟費用、仲裁費用、和解費用、調停費用

(着手金、成功報酬金、時間制報酬、手数料、実費、日当)

訴訟のみならず、示談や調停のためにかかった費用も対象です。

また、弁護士以外にも司法書士や行政書士への費用も多くの場合補償されます。

Q4

対象者|交通事故にあった家族や同乗者は含まれる?

イメージ画像
弁護士特約の利用対象者
  • 被保険者
  • 被保険者の配偶者、同居の親族、別居している未婚の子
  • 被保険自動車の搭乗者、所有者

このように、被保険者以外が事故にあった場合の弁護士費用も対象となります。

また被害者が複数いる場合は、被害者ごとに300万円までの補償がなされます。

3

弁護士特約のデメリット|交通事故でも弁護士特約が使えない場合とは

イメージ画像
Q1

原則として弁護士費用特約を利用することにデメリットはない?

弁護士特約の保険料相場は?

弁護士特約を使うこと自体のデメリットは、基本的にはありません。

弁護士特約を利用するだけでは保険の等級は下がらず、保険料も増えません。

なお、弁護士特約をつけることで、保険料の負担は最大で平均して年2500円程度増加します。

現在、1年以内に人身事故に遭う確率は0.46%です。

50年以内では約21%、3人家族の場合は約50%になります。

さらに物損事故は人身事故の数倍~10倍ほど発生しています。

物損事故でも利用できると考えれば、弁護士特約の費用対策効果は非常に高いと言えるでしょう。

Q2

対象外事故|交通事故の加害者側では弁護士特約は使えない?

弁護士特約の対象外事案
  • 自身が完全な加害者の場合
  • 被保険者の故意または重大な過失により、本人に損害が生じた場合
  • 日常生活の事故の場合
  • 自然災害で損害が発生した場合

主に上記などの状況では、弁護士費用特約の対象外となることがあります。

自身が完全な加害者の場合

交通事故では怪我をした側・させた側両方に過失があることが多いです。

ですが過失割合が10:0のように完全な加害者といえる場合、弁護士費用特約は利用できません。

そのようなときは、そもそも被保険者に損害賠償請求権が無いためです。

過失割合が10:0になるのには以下のような場合があります。

  • 停車中の車に後ろから追突
  • 駐車場で駐車している車への衝突
  • 相手が青信号で進行中、自分の信号無視で衝突

過失割合については、以下の記事も参照してください。

被保険者の故意または重大な過失によって本人に損害が生じた場合

被害者を保護する必要性が小さいため、そのような場合に補償はなされません。

無免許運転・酒酔い運転・その他犯罪行為の最中の事故なども弁護士特約の範囲外です。

日常事故の場合

原則として、弁護士特約の範囲は自動車を起因とする事故に限られます。

なお保険会社によっては、自動車の関わらない日常事故も補償していることもあります。

ただし数は多くないため、弁護士に依頼する前に必ず確認しましょう。

自転車同士、自転車と歩行者の事故など、車以外の事故には原則として弁護士特約は使えません。

ですが日常事故を補償している場合は、利用できることもあります。

自然災害で損害が発生した場合

地震・噴火・津波・洪水・台風などの災害にもとづく損害は、弁護士費用の対象外となります。

損害を請求する相手方が存在しないためです。

以上に述べられている以外にも、様々な理由で特約の対象範囲外となることがあります。

まずは保険会社に問い合わせて、利用が可能かを確かめましょう。

その理由に納得いかない場合には弁護士にもご相談ください。

Q3

対象範囲外|労災への請求は弁護士特約の補償範囲外?

加害者以外に対する請求の場合

弁護士特約は、あくまで加害者に対する損害賠償請求を補助するものです。

よって加害者以外への労災など被害者自身の保険会社などへの請求は弁護士特約の範囲外です。

弁護士以外に対する依頼の場合

ほとんどの保険会社では、弁護士以外に司法書士・行政書士への費用も補償の範囲になっています。

ですが、司法書士や行政書士への費用を含まず弁護士費用のみを対象としている保険もあります。

保険会社への問い合わせの際に、その点も確認すればなお安心です。

Q4

対象外者|家族に損害賠償請求するとき弁護士特約は使えない?

イメージ画像
弁護士特約の対象外
  • 記名被保険者およびその配偶者、同居の親族、別居の未婚の子
  • 被害者の父母、配偶者または子
  • 契約車の所有者

上記のいずれかに損害賠償請求を行う場合

被保険者が上記のいずれかに損害賠償請求を行う場合は、弁護士費用特約は使えません。

自動車保険はまず被保険者やその家族を保護するもので、利益の相反が生じてしまうからです。

また、身内同士で故意に保険金を請求することを防ぐ必要から被害者の家族への請求にも使えません。

まとめ

弁護士費用特約の対象

対象内 対象外
事故 自動車による事故
その他の車に乗車している時の事故
歩行・自転車乗車中の自動車事故
日常の事故*
被保険者が完全に加害者の事故
被保険者の故意・重大な過失により本人に損害が生じた事故
自然災害による損害の発生
補償範囲 相手方への損害賠償請求のための弁護士費用
相談・文書作成費用
相手方以外への請求のためにかかる弁護士費用
利用権者 被保険者
被保険者の同居の親族**
被保険者の別居の未婚の子
同乗者・車の所有者
被保険者の別居の既婚の子供
被保険者本人・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子に請求する場合
被害者自身の父母・配偶者・子に請求する場合
契約車の所有者に請求する場合

*補償範囲に含めている保険会社もある
**6親等以内の血族・配偶者および3親等以内の姻族

4

交通事故で弁護士特約がない場合、弁護士費用はいくらになる?

イメージ画像

自動車保険に弁護士保険特約をつけていなかったような場合、どういった手段をとればよいのでしょうか?

Q1

家族の保険に弁護士特約がついていないか確認

弁護士特約は、被保険者の家族も利用できます。

まずは同居のご親族などの保険に弁護士特約がついていないか、確認してください。

また、火災保険にも弁護士特約がついている場合があります。

自動車保険のみならず、そちらの保険も調べてみてください。

Q2

弁護士特約がなくても弁護士に依頼すべき場合とは?

慰謝料の増加が見込める場合

弁護士費用を支払う場合であっても、費用以上の利益が見込めるのなら弁護士に依頼すべきです。

特に弁護士が介入することによって増額しやすいのは、慰謝料です。

よって、慰謝料の増加見込み額>弁護士費用の場合は、特約がなくとも弁護士に依頼すべきです。

このような回収額と弁護士費用の兼ね合いについても、ご相談を受け付けています。

また、相手方との交渉に自分の時間を割かなくていいという利点もご考慮ください。

多額の慰謝料増額が見込めるのは以下のような場合です。

  • 入院2カ月・通院6カ月を超える
  • 後遺障害が認定されている・認定の可能性が高い
  • 被害者が死亡した事故

自身に過失が無い場合

被害者側の過失割合が0の場合、被害者が加入する保険会社は交渉などを代行してくれません。

なぜならば、金銭的な利害関係が無いにも関わらず介入することは法律違反になるためです。

そのように被害者個人が相手方保険会社と交渉する場合は、弁護士に依頼すべきでしょう。

Q3

交通事故の解決を弁護士に依頼するときの費用相場はいくら?

交通事故の弁護士費用は事務所によってばらつきがありますが、アトム法律事務所では以下の通りです。

着手金無料+回収額の11%+報酬金22万円(税込)

他の事務所も交通事故に関してはおおむね同様の設定をしているところが多いようです。

なお、弁護士費用特約を利用する場合とは計算式が異なるのでお気をつけください。

Q4

裁判を起こすことで加害者に弁護士費用を請求できる?

裁判を起こし勝訴した場合、損害賠償額の10%程度を弁護士費用として請求できます。

デメリットとしては争いが長引いてしまうこと、必要に応じ出頭する必要があることがあげられます。

裁判で弁護士費用を回収することの特徴
メリット 遅延損害金が上乗せされる・賠償金が増える場合がある
デメリット 敗訴するリスクがある・紛争まで時間的手間が増える
5

交通事故で弁護士特約の利用をお考えの際は弁護士にご相談を

Q1

24時間365日受付中!

弁護士特約は、弁護士への相談や依頼を身近にすることのできる手段です。

ぜひご自身の保険内容をご確認のうえ、弁護士特約がついているのならご利用をお考えください。

依頼を前提とする必要はなく、ご相談だけでも気軽にご利用いただけます。

アトム法律事務所ではLINE・電話での無料相談を受け付けています。

弁護士特約がついていない場合でも、結局は弁護士に依頼した方がお得になることもあります。

そういった費用の兼ね合いや相場についてのご相談も受け付けております。

?

弁護士費用特約に関するQ&A

弁護士費用特約の使い方の流れは?

弁護士費用特約を利用する場合は、まず交通事故を専門的にあつかう弁護士を探します。弁護士が見つかったら特約を利用する旨、保険会社に伝えて同意を得ます。実際に弁護士に依頼することになったら、弁護士に特約を使用すること・保険会社の担当者の連絡先を伝えましょう。 弁護士費用特約 利用時の流れ

弁護士特約を利用したらどんなメリットがある?

弁護士特約を利用して弁護士に依頼すると保険会社とのやり取りなどをすべて一任することができます。示談交渉は3~6ヶ月で終わるものから、長くなると1年程度の期間を要することも少なくありません。弁護士に依頼することで迅速な解決が期待できるでしょう。 弁護士費用特約を利用するメリット

弁護士特約の利用にはデメリットはない?

弁護士特約の利用自体に特段のデメリットはないといえます。強いて言うなら、弁護士特約を付帯することで月々の保険料の負担が増加する点です。もっとも、事故にあった時に負う可能性のある高額な損害賠償という負担を考えれば、弁護士特約を付帯する費用対策効果は高いとも言えます。 弁護士費用特約を利用するデメリット

全国/24時間/無料相談

無料相談窓口のご案内