作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

外傷性てんかん後遺障害

外傷性てんかんの後遺障害|薬で予防なら14級?自覚症状から見る等級、慰謝料相場

外傷性てんかんの後遺障害とは?

外傷性てんかんは後遺障害の何級にあたる?

外傷性てんかんの後遺障害についてお悩みの方からは、よく以下のような疑問や質問が寄せられます。

  • 外傷性てんかんの慰謝料の相場とは?
  • 外傷性てんかんの症状ごとの後遺障害の等級とは?
  • 外傷性てんかんの種類、原因、治療法とは?

ご覧の記事では交通事故にくわしい弁護士が外傷性てんかんの後遺障害について徹底解説していきます。

「外傷性てんかんの後遺障害等級についていち早く知りたい!」

そのような方は、「外傷性てんかんの等級相場|労災等級表1級~14級の基準とは?」からご覧ください。

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外傷性てんかんの後遺障害|慰謝料の相場を計算

人身交通事故において通常、相手方の任意保険会社は

過去蓄積されてきた裁判例に基づく基準よりも、さらに低額な基準

に基づいて示談を締結しようとしてきます。

慰謝料金額相場の3基準比較

過去蓄積された裁判に基づく基準を弁護士基準と言います。

外傷性てんかんの慰謝料の金額を計算|慰謝料計算機

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外傷性てんかんの後遺障害|後遺症の症状ごとに等級を解説

交通事故などにより頭部に外傷を負ったりしたとき、てんかん発作が起きることがあります。
とくに、受傷後1週間を過ぎてから発生しているてんかん発作は「外傷性てんかん」と呼ばれます。

外傷性てんかんの症状|自覚できる?薬物治療(イーケプラ等)で予防できる?

外傷性てんかんの発作は、受傷した脳の一部分が異常かつ過剰な電気信号を発することで生じます
その発作の種類は、主に以下の3つに分けられます。

外傷性てんかんの発作の種類

単純部分発作

脳の一部分で異常な電気信号が発せられて起こる。
意識ははっきりとしている発作。

複雑部分発作

脳の一部分で異常な電気信号が発せられて起こる。
意識障害が生じ得る態様の発作。

二次性全般化発作

脳の一部分で起こった電気信号の異常が脳の全体に波及し起こる。
意識障害が生じる態様の発作。

外傷性てんかんの場合、いきなり脳全体で電気信号の異常が生じるということはないと言われています。
まず脳の一部分で電気信号の異常が起こり、稀にその異常が脳全体に波及するという態様となります。

これら発作の具体的な症状は、主に以下の通りとなります。

外傷性てんかんの主な発作の症状
意識障害 症状
単純部分発作 ・手足や顔がつっぱる
・ねじれる
・けいれんする
・異常な光や色が見える
・人の声が聞こえる
・手足がしびれる
・吐き気を催す
など
複雑部分発作 有*1 ・急に動作を止める
・ぼーっとする
・口をもごもごと動かす
・手を叩く
・あたりをふらつく
・身体全体を激しくくねらせる
・自転車を漕ぐような動きをする
など
二次性全般化発作 ・多くは強直間代発作*2を起こす
・口の中を噛む(発作中)
・呼吸を止める(発作中)
・散瞳(発作中)
・失禁(発作中)
・睡眠に移行する(発作後)
・意識がもうろうとする(発作後)
・頭痛や筋肉痛(発作後)
・吐き気や嘔吐(発作後)
など

*1前頭葉を異常の起源とする場合、意識障害が現れない場合も多い。
*2大きなうなり声をあげ転倒、手足を伸ばした格好で強直、その後手足を一定のリズムで揺らすという発作。

外傷性てんかんではこれら発作が生活の中で突然、間欠的に起こります。
いつ発作が起きるかわからず、日常生活に不便が生じるのです。

意識障害を呈するてんかん発作の自覚症状

意識障害を呈するてんかん発作では、発作中その症状を自覚することはできません。

  • 急に動作を止める
  • ぼーっとする
  • 口をもごもごと動かす
  • あたりをふらつく

といった発作についても、その症状を自覚することはできず、また発作終了後もその症状を記憶していません。

抗てんかん薬で予防できる?

外傷性てんかんは、基本的には抗てんかん薬による薬物治療が行われます。
外傷性てんかんでは、主に以下のような薬を使用します。

外傷性てんかん治療の主な薬
  • イーケプラ錠
  • ビムパット錠
  • テグレトール錠
  • ラミクタール錠
  • エクセグラン錠

など

これら薬について、

  1. 基本的には単体で1日決められた量、回数を内服する
  2. 症状が改善しない場合、複数の薬を併用する

という用法で、治療が行われます。

なおこうした薬物治療を継続しても症状が改善しない場合もあります。
その場合にはてんかんに対する外科的な治療も検討されます。

てんかんの外科治療
  • 脳の異常が生じている部位を切除する
  • 異常が生じている部位に切れ込みを入れる

といった手術が検討される。

外科治療の結果、より大きな後遺症が残存すると見込まれる場合には、手術の適応とはなりません。
また手術をしても、すべてのてんかん発作について寛解するわけではありません。

交通事故の後遺症として外傷性てんかんが残存した場合には、後遺障害認定をうけて補償を受けとることを目指します。

後遺障害とは

一般用語としての「後遺症」のうち、

一定の要件を満たし賠償の対象となるような症状

のことを「後遺障害」と呼称します。

後遺症と後遺障害の違い
後遺症 治療終了後に残存する症状
(一般用語)
後遺障害 一定の要件を満たす後遺症

後遺障害の認定にあたっては、労災補償の際に使用される障害等級表が準用されます。
障害等級表は全部で14の階級に分かれており、症状ごとに細かに等級の基準が設定されています。

外傷性てんかんの等級基準

ここでは外傷性てんかんが後遺障害何級に該当し得るのかについてくわしく見ていきます。

発作頻度が1か月に2回以上の場合

まず、1か月に2回以上てんかんの発作が起きる場合、普通は相当高度な高次脳機能障害を負っています。

高次脳機能障害
  • 記憶
  • ものごとの判断
  • 思考
  • 感情のコントロール

など、脳の機能の中でもより知的な活動についての障害。

1か月に2回以上発作が起きるという態様の外傷性てんかんは、

高次脳機能障害の第3級以上の認定基準

により障害等級を認定することになっています。

高次脳機能障害の等級についてくわしく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。

発作頻度が1か月に2回未満の場合

発作の頻度が1か月に2回未満の場合、
どの程度の労務に服すことができるのか
によって後遺障害の等級が決定されることになっています。

  • 後遺障害慰謝料(後遺障害を負った精神的苦痛への賠償)
  • 労働能力喪失率(労働能力がどれだけ低下したかの基準)

と共に、等級を見てみましょう。

外傷性てんかんの後遺障害
法規の定義 慰謝料*1 労働能力喪失率*2
52 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 1400万円 79
74 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 1000万円 56
910 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 690万円 35
1213 局部に頑固な神経症状を残すもの 290万円 14

*1あくまで原則的な弁護士基準での慰謝料の相場
*2あくまで原則的な相場

法規の、

  • 特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

といった表現は、あまりに漠然としているかと思います。

そこで実務上は、

転倒する発作等」の有無、頻度

などによって等級が決定されていきます。

転倒する発作等

以下のいずれかの態様に該当する発作を指す。

  • 意識障害の有無を問わず転倒する発作
  • 意識障害を呈し状況にそぐわない行為を示す発作

具体的には以下の態様のとき、各等級が認定され得ます。

等級の実務上の認定基準
52
1か月に1回以上、転倒する発作等が生じる
74
数か月に1回以上、転倒する発作等が生じる
or
1か月に1回以上、転倒する発作等以外の発作が生じる
910
数か月に1回以上、転倒する発作等以外の発作が生じる
or
服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されている
1213
発作の発現はないが、脳波上に明らかにてんかん性棘波(てんかん特有の脳波)を認める

外傷性てんかんの後遺障害|症候性とは?脳震盪も原因になる?

てんかんには様々な種類があり、また電気信号異常の生じる場所によって症状に差異が生じたりもします。

てんかんの

  • 種類
  • 治療法
  • 原因

などについてよりくわしく知りたいという方はコチラの記事もご覧ください。


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外傷性てんかんの後遺障害のお悩みは弁護士に相談

  • 外傷性てんかんについて後遺障害等級の認定を受けたい!
  • 交通事故の外傷性てんかんについて相手の提示する賠償金が少ない!

そのようなお悩みをお持ちの方は弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に依頼していただければ、

  • 後遺障害の認定に有利な証拠の収集、提出
  • 相手方任意保険会社との交渉

といった活動により、賠償額の増額が見込めます。

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人身事故のご相談であれば、対面/電話/LINE/メールの相談費用は無料となります。
ぜひお気軽にご相談ください。

弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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