作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

脳挫傷保険金

脳挫傷の保険金|脳挫傷とは?交通事故での脳挫傷で保険金は受け取れる?

脳挫傷で保険金はもらえる?

交通事故の被害者となり、脳挫傷という重傷を負った…
治療や入通院など、様々な損害を受けることになります。
脳挫傷保険金を受け取ることはできる?
と不安になる方も多いと思います。

  • 脳挫傷は保険金を受け取れる?
  • そもそも脳挫傷とは?
  • 脳挫傷の原因や症状、後遺症は?

など、疑問や不安がたくさんありますよね。
今回は、「交通事故による脳挫傷の保険金」を中心に詳しく解説していきます。


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交通事故での脳挫傷で保険金は受け取れる?

脳挫傷で受け取れる保険金とは?

脳挫傷を負うと、治療費や入通院費などの負担がかかります。
脳挫傷を負った交通事故被害者は、保険金をもらえるのかが非常に心配だと思います。
脳挫傷の被害者は、以下の方法で保険金を受け取ることができます。

  • 加害者側の保険からの保険金
  • 被害者側の保険からの保険金

それぞれの手段について詳しくみていきましょう。

①加害者側の保険からの保険金

脳挫傷の原因が、加害者が存在する交通事故であれば、加害者側の自動車保険から保険金を受け取ることができます。
まずは、加害者が加入している「自賠責保険」から傷害や後遺障害に対する保険金を受け取ります。
もっとも、自賠責保険基準での保険金は低額となります。
脳挫傷の治療でかかった費用のすべてを賄えない場合があります。
その際、加害者側が「任意保険」にも加入している場合は、足りない部分は任意保険で賄われます。

任意の自動車保険と自賠責保険の関係

自賠責の限度額を超える分の保険金は任意保険から受け取ることになります。
加害者側の保険から受けとる保険金は、「対人賠償保険金」です。

「対人賠償保険金」は、交通事故で相手側の車に乗っていた人や歩行者を怪我させたり、死亡させてしまった場合などに支払われる保険金です。
法律上の損害賠償責任を負担する場合に、自賠責保険の補償上限を超える損害賠償をカバーすることができます。
加害者側の保険から保険金を受け取る場合は、示談交渉をすることになります。

②被害者側の保険からの保険金

加害者側に100%過失がある場合は、加害者側の保険から保険金を受け取ることになります。
もっとも、交通事故では、被害者にも過失が認められる場合があります。

被害者にも過失があれば、過失割合分が加害者側に請求できる保険金から減額されます。
しかし、被害者にも過失が認められつ場合、被害者自身の任意保険から保険金を受け取ることができます。
その代わり、自分自身の保険を利用すると次回からの保険料が上がることもあります。

原則的に、被害者にも過失が認められる場合に受け取れますが、場合によっては、過失がないときでも保険金を受け取ることができるケースもあります。
被害者自身の保険から受け取ることができる保険金を確認しておきましょう。

被害者自身の任意保険からの保険金
人身傷害補償保険金
過失割合に関わらず、保険会社の基準によって支払われる保険金(実損害額)。
同乗者の損害は、基本的に無条件に補償される。
搭乗者傷害保険金
自分の車に乗っている人(運転者・同乗者)が死亡、怪我をしてしまった場合に、自賠責保険や対人賠償保険などとは別に支払われる保険金。
無保険車傷害保険金
賠償能力が十分でない車の過失による事故に巻き込まれた場合に支払われる保険金。
自損事故保険金
運転手自身の責任で起こした事故により、運転手自身が死亡、怪我をしてしまった場合に支払われる保険金。

被害者自身が任意保険で上記のような保険に加入していると、被害者に過失がある際も保険金が受け取れます。
他にも、加害者側が無保険だった場合や自動車運転中ではなかった場合も治療費や休業損害のカバーを受けられることがあります。
ご自身やご家族がどんな保険に加入し、どんな補償がされるのか把握しておきましょう。

脳挫傷で保険金を受け取る他の方法は?

保険金を受け取る方法として、加害者側の自賠責保険や任意保険、被害者側の任意保険が挙げられます。
その他の保険金を受け取る方法としては、被害者自身が加入している「生命保険」からの保険金です。
生命保険は、病気だけでなく、不慮の事故などの災害によって死亡した場合にも保険金が受け取れます。

加害者側や被害者自身の自動車保険とは別に、保険金を受け取ることが可能な場合があります。
生命保険からの保険金の種類としては以下のようなものが考えられます。

生命保険からの保険金
①死亡保険金
被契約者が死亡もしくは高度の障害状態に陥った際に支払われる保険
②医療保険金
入院時や手術時に支払われる保険金。
健康保険に加入しているが、それではカバーされない差額ベッド代や、入院時の生活費、先進医療費などに備える保障。

脳挫傷で死亡したり、重度の障害が残存したりする場合があります。
ご自身やご家族の生命保険についても万が一に備えて確認しておくことをお勧めします。

また、生命保険にはそれぞれ特約を付加することが可能です。
特約を付加することによって、脳挫傷に対してより手厚い保障を受けることが可能です。

生命保険の特約
①災害入院特約
怪我で入院した場合に入院給付金が支給されるもの。
②災害割増特約
交通事故などの突発的で偶然起きる事故による死亡の場合、死亡保険金を上乗せできるもの。
③傷害特約
交通事故などの突発的で偶然起きる外来的な事故による死亡の時に、死亡保険金を上乗せできるもの。
交通事故などの突発的で偶然起きる外来的な事故によって所定の障害状態になった場合は、その障害の程度に応じて給付金が支払われる。

上記の特約は、交通事故での確率を元に作られています。
よって、年齢も関係なく保険料も安価です。

例え、特約を付けていなかったとしても生命保険や自動車保険から怪我に対する補償を受け取ることは可能です。
特約に加入していれば、保険金を受け取ることもできますが、月々の保険料を余分に払っているとも考えられます。
事故への保障に偏った保険となっていないか、検討してみましょう。

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交通事故で負う「脳挫傷」とは?

交通事故が原因の脳挫傷の症状は?

脳挫傷(外傷性脳挫傷)は、頭部を強打した場合などに、脳組織が破壊されてしまうことが原因となり発症します。
脳挫傷の症状を具体的にみてみましょう。

●主な症状
〇嘔吐
〇頭痛
●脳挫傷の局所の症状
〇半身の麻痺
〇感覚障害
〇言語障害(言葉が出てこない、ろれつが回らない)
〇けいれん発作
〇意識障害
●大量の出血や脳浮腫による症状
〇脳が圧迫され、脳ヘルニアの状態に進行し、死に至ることがある

引用元:https://medley.life/diseases/55129a106ef4582c3f85cd9c/

以上の症状のほかにも、記憶障害などの症状も現れることがあるようです。
どの症状も日常生活に大きな影響を及ぼしそうです。

また、脳挫傷でも脳へのダメージが小さければ、ほとんど症状がみられないこともあるそうです。
しかし、脳は非常にデリケートで事故後すぐに症状がなくても後に症状が現れることがあります。
交通事故で頭を強く打った場合は、頭部CTやMRIなど、脳の精密検査を受けましょう。

治療法は?

脳挫傷などによって一度死んでしまった脳細胞は再生しません。
では、脳挫傷の治療をどう行うのか疑問に思う方も多いと思います。
脳挫傷の治療法をみてみましょう。

●脳挫傷そのものに対する根本的な治療はない

○出血や脳浮腫などに対する対症療法(手術や薬物療法)が中心となる

○その後、リハビリテーションで徐々に脳機能の回復を目指す

●血腫が小さい、もしくは脳浮腫が軽度の場合

○出血が引くのを待つため、治療を行わずに様子を見ることもある

○薬物療法

  • 脳圧降下薬(グリセオールやマンニトール)の点滴注射
  • 血腫に対する漢方薬での対症療法

●出血がひどく血腫が大きい場合、もしくは脳浮腫が強い場合は手術を検討することがある

○手術:頭蓋骨の一部を切り取ることで、内部の圧力が高まり過ぎないようにする

●低体温療法

○効果と副作用のどちらが大きいかの判断が難しく、常に行われるような治療ではない

引用元:https://medley.life/diseases/55129a106ef4582c3f85cd9c/

現在の治療では、脳細胞を再生させるといった根本的治療は困難なようです。
よって、脳挫傷の治療法としては基本的に脳挫傷の周囲に生じた出血に対応したり、頭蓋骨の骨折の治療となります。
出血に対する治療としては主に、穿頭、または開頭血腫除去術が行われるようです。

穿頭・開頭血腫除去術とは、

  • 頭蓋骨に穴を空ける
  • 頭蓋骨の一部を切り外す

ことにより、内部に溜まった血液を洗い流す手術のことをいいます。

手術で脳内に溜まった血液を取り除けば、出血が原因の症状については改善される可能性があります。
しかし、多量の出血があるケース以外では、症状の改善はあまり期待できません。

脳挫傷への治療

失われた部分を周囲の脳機能で補うためのリハビリが主となる

脳挫傷の後遺症の症状は?

脳挫傷で後遺症が残存した際は、重症になることが多いです。
脳挫傷は、脳組織に損傷が生じるので、全身に残る後遺症としては様々な症状が挙げられます。
脳挫傷の後遺症としてもっとも重いものは「遷延性意識障害」です。
「遷延性意識障害」とは、いわゆる植物状態となってしまうケースです。

植物状態までにならなくても、上半身や下半身に麻痺が生じたり、失明することもあります。
また、外見的な障害が残らなくても、事故前と比べて人格が変容したり、物忘れが激しくなったりなど「高次脳機能障害」が発生することもあります。
他にも「外傷性てんかん」という、意識障害や転倒を伴う反復性の発作が生じる後遺症もあります。

交通事故によって、後遺症が残ると、被害者は「後遺障害の認定手続き」を行います。
後遺障害認定後、後遺障害等級が認められると、被害者は等級に見合った自賠責保険金を受け取ることが可能です。
後遺障害の等級が認定されるかどうかで受け取れる保険金も大きく上下します。
後遺障害認定の手続きについては以下の記事をご覧ください。

脳挫傷の後遺障害の症状と等級の関係を表で確認しておきましょう。

脳挫傷の後遺障害まとめ
遷延性意識障害 高次機能障害 外傷性てんかん
症状 重度の昏睡状態が継続するもの。植物状態とも呼ばれる。 脳損傷が原因で、人格に変化を来たし、記憶保持等の知的側面に異常が生じるもの。 反復性の発作を伴う脳疾患。意識障害や転倒、状況にそぐわない行動を示すことがある。
後遺障害等級 1 13級、5級、7級、9 5級、7級、9級、12

また、後遺障害で受け取れる保証は等級で大きく異なりますが、さらに後遺障害慰謝料には基準があり、それぞれで貰える金額が異なります。
もっとも、高額となるのが「弁護士基準」となります。
被害者自身が示談交渉しても弁護士基準の保険金は受け取ることができません。
加害者側との示談交渉を弁護士に依頼すると弁護士基準で示談金(慰謝料など)を受け取ることが可能です。


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【弁護士無料相談】脳挫傷の保険金がもらえるか不安…

交通事故の被害者が弁護士に無料相談できる窓口は?

交通事故の被害者となり、脳挫傷の怪我を負った…
後遺障害等級の申請・示談交渉などわからないことだらけですよね。
また、保険金を受け取れるかも非常に不安だと思います。
当事務所では、弁護士無料相談できる窓口をご用意しております。

  • LINE無料相談
  • 電話無料相談

以上のご自身のご都合の良い方法で弁護士に相談することが可能です。
相談には、交通事故に注力している弁護士が順番に対応しております。
お一人で悩まずにまずは弁護士に相談してみましょう。


弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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脳挫傷の保険金に関するQ&A

脳挫傷でもらえる保険金とは?

①加害者側の保険からの保険金②被害者自身の保険からの保険金の2つに分かれます。脳挫傷の原因となる交通事故が自損事故ではなく相手がいる事故の場合、相手方が加入している自賠責保険などから保険金を受け取ります。しかし、被害者にも何らかの過失が認められた場合は、相手方の保険金にくわえて、被害者自身の加入する任意保険から保険金を受けとることができます。 被害者自身の任意保険をつかう時の注意

脳挫傷で生命保険からも保険金が受けとれる?

生命保険からの保険金を受けとれる可能性があります。たとえば①死亡保険金②医療保険金などがあげられるでしょう。また、生命保険の契約内容によっては特約がつけられる場合もあります。災害入院特約、災害割増特約、傷害特約などがあげられます。個別の加入内容によりますので、ご自身が契約されている保険の内容をご確認ください。 被害者が受けとれる可能性がある生命保険金

脳挫傷の後遺障害等級は?

脳挫傷はときに「遷延性意識障害」など非常に重い後遺障害が残るケースもあり、認定される可能性がある後遺障害等級は幅広いです。遷延性意識障害では後遺障害1級、高次脳機能障害では1級・2級・3級・5級・7級・9級、外傷性てんかんでは5級・7級・9級・12級に認定される可能性があります。 脳挫傷の後遺障害まとめ

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