作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

脊柱管狭窄症後遺症

脊柱管狭窄症の後遺症|手術後の後遺症とは?脊柱管狭窄症は後遺障害認定される?

脊柱管狭窄症の後遺症とは?

交通事故に遭い、脊柱管狭窄症後遺症を負ってしまった…
ご自身やご家族がそのような状況に陥ると非常に不安になりますよね。

  • そもそも「脊柱管狭窄症」とは?
  • 脊柱管狭窄症の手術で後遺症が残る?
  • 脊柱管狭窄症の後遺症認定とは?

脊柱管狭窄症を負い、後遺症が残ると今後の生活にも影響してくる可能性もあります。
脊柱管狭窄症についてあらかじめ詳しく知っておきたいですよね。
今回は、「脊柱管狭窄症の後遺症」を中心に解説していきます。


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交通事故での脊柱管狭窄症とは?手術後の後遺症は?

交通事故での脊柱管狭窄症とは?

脊柱管狭窄症」と聞いてもピンとこない方も多いと思います。
脊柱管狭窄症とは、脊柱管の一部が狭くなってしまい、神経が圧迫されたことにより発症します。
神経が圧迫され、腰や足に痛みが出る状態を脊柱管狭窄症と呼びます

主な原因としては、加齢や運動、交通事故などが挙げられ、

  • 背骨が変形してしまった場合
  • 背骨と背骨の間にある椎間板が変形してしまった場合
  • 背骨と背骨をつないでいる靭帯が肥厚した場合

に発症することが多いです。
また、高齢者の方がなりやすく、腰痛や脚のしびれなどの症状が現れるケースが多く見られます。
脊柱管狭窄症の具体的な症状をみていきましょう。

●主な症状
〇腰痛
〇歩いていると増してくる脚の痛み(痛くて休み休みでしか歩けなくなる:間欠性跛行)
〇脚のしびれや感覚の異常
●痛みは多くの場合、前かがみになったり、座ったりすると楽になる
〇腰が前に曲がると狭くなった脊柱管が広がるため

引用元:https://medley.life/diseases/54c0fb616ef458e905f199bf/

以上のような症状が現れます。
脊柱管狭窄症の診断方法としては、

  • 脊柱管が狭くなっている度合いや、脊髄の圧迫の度合いなどを調べるための画像検査
  • 骨の変形や靭帯の骨化を確認するレントゲン検査やCT検査
  • 脊髄の状態を調べるためのMRI検査

となります。
交通事故に遭い、腰や脚の痛みやしびれがおさまらない場合は脊柱管狭窄症になっている可能性があります。
速やかに病院へ行き、画像検査やCT、MRIなどの検査を受けた方が良いでしょう。

脊柱管狭窄症に手術は必要?

脊柱管狭窄症になった場合、手術が必要なのではないか、と心配される方も多いと思います。
脊柱管狭窄症の治療法としては以下の方法が挙げられます。

●まずは腰に巻くコルセット(サポーター)を装着して経過をみることが多い
〇前かがみになると脊柱管が広がりやすいので、腰に巻いた時に前傾姿勢となるようにサポートする
●症状がよくならない場合は、背骨の一部を切り取ることで、脊柱管を広げるような手術を行う場合もある
〇ただし手術による合併症(出血・術後の筋力低下・誤嚥性肺炎など)も多く、ほとんどの場合には保存的治療が選択される
●内服薬で根本的に治療することは難しい
〇症状に合わせて痛み止めが使われる
・NSAIDs:痛み止め
・プレガバリン:神経の障害による痛みを抑える
・血管拡張薬(鎮痛作用があるもの)
・ビタミンB12:神経の回復を促す

引用元:https://medley.life/diseases/54c0fb616ef458e905f199bf/

以上のように、初めは保存的治療が試みられるようです。
もっとも、保存的治療で良くならない場合は、手術をする場合もあります。
痛みやしびれの症状が現れるのが、歩いたり立ちっぱなしのときに限定される際は、手術をすれば間欠性跛行などの症状は、ほぼなくなると考えられます。

脊柱管狭窄症の後遺症とは?手術後も後遺症は残る?

脊柱管狭窄症になった場合、後遺症が残るかどうかは非常に心配な点です。
脊柱管狭窄症になると後遺症としては「しびれ」や「麻痺」などが挙げられます。
では、手術をすれば後遺症は残らないのでしょうか。

残念ながら、安静時にも痛みなどの症状がある場合、一部では手術を行ったとしても後遺症が残ってしまうことや悪化することもあるようです。
後遺症の症状の中でも特に「しびれ」は残りやすいようです。
手術では、神経の圧迫を完全に取り除けることもあります。
しかし、脊髄や神経が回復できないほど損傷している場合には、しびれや麻痺が後遺症として残る可能性があるということです。

手術前の保存療法時や、後遺症が残ってしまった場合には、リハビリをすることになります。
リハビリの方法をみてみましょう。

脊柱管狭窄症のリハビリ方法
  • 電気治療やマイクロ波による温熱療法などの物理療法
  • マッサージ、ストレッチ、鍼灸治療などの手技療法

などの方法で、症状の軽減、改善を目指します。
他にも、適度の運動が重要となります。
ある程度運動しておかないと、基礎体力や足腰の筋力が損なわれます。
よって、無理のない程度の運動療法がおこなわれることもあります。

ただし、誤った運動により腰に負担をかけてしまうと、痛みの再発や悪化につながります。
自己流で行わず、最初は専門家指導の下で行った方が良いかもしれません。
運動療法に取り組むことで、実際に症状が改善したというケースもあるようです。

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脊柱管狭窄症は後遺障害に認定される?後遺障害認定されるとどうなる?

脊柱管狭窄症は後遺障害認定される?

脊柱管狭窄症で考えられる後遺症は、脊髄やその他の神経が圧迫されることにより生じる、腰や脚のしびれや痛みです。
また、脊柱管狭窄症の治療として脊椎固定術が行われた場合には脊柱の変形障害という後遺症が残る可能性があります。
さらに、脊椎固定術によりせき柱の可動域制限が生じるという脊柱の運動障害といった後遺症が残る可能性があります。

脊柱管狭窄症の後遺症を申請し、後遺障害として認定されると保険金を受け取ることが可能です。
後遺症認定の申請の仕方は以下の記事をご覧ください。

脊柱管狭窄症が後遺障害認定されると、1~14級の等級が決められます。
その等級によって、受け取れる保険金の金額も大きく異なります。

脊柱管狭窄症では、症状によって後遺障害等級が異なります。
例えば、腰や脚にしびれが残った場合は、ほとんどの場合局部の神経系統の障害である12級13号または14級9号となります。
ただし、圧迫が脊髄にまで達している場合、まれに7級4号が認定される可能性があります。
また、脊柱管狭窄症の治療として脊椎固定術が行われた場合の脊柱の変形障害としては11級7号が認定される可能性があります。
さらに、脊椎固定術により胸腰部の可動域制限が1/2以下に制限された場合の脊柱の運動障害としては8級2号が認定される可能性があります。
このように脊柱管狭窄症の後遺障害等級は14級~8級(7級)と様々です。

脊柱管狭窄症の後遺障害等級
傷害の状態 後遺症等級
神経系統の障害 74号*
1213
149
脊椎固定術を実施 117
脊椎固定術により胸腰部の可動域制限が1/2以下に制限 82

*認定されることは少ない

脊柱管狭窄症の後遺症が認定されるとどうなる?

脊柱管狭窄症について等級が認定されると、その等級に応じて後遺障害慰謝料を受け取ることが可能です。
交通事故の慰謝料には3つの基準があります。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準

慰謝料の弁護士基準は、自賠責基準や任意保険基準に比べて大幅に高くなります。
もっとも、弁護士基準で慰謝料を受け取るためには弁護士に交渉を依頼するしかありません。
後遺障害慰謝料とは、交通事故の被害者が後遺障害を負った場合、それによる精神的苦痛をお金に換算したものです。
通常、被害者が弁護士をつけずに本人だけで保険会社と交渉していると、任意保険基準といって、大幅に低い水準の慰謝料しか払ってもらえません。
自賠責基準は、最低限の補償のため、さらに低額となります。
参考に弁護士基準と任意保険基準の後遺障害慰謝料を比較してみましょう。

脊柱管狭窄症の後遺障害慰謝料
任意保険基準* 弁護士基準
7 500 1000
8 400 830
11 150 420
12 100 290
14 40 110

*旧任意保険支払基準による。

上記の通り、弁護士基準と任意保険基準を比較すると大きな差があります。
また、自賠責基準は任意保険基準よりもさらに低額になります。
脊柱管狭窄症に対して適切な後遺障害慰謝料を受け取るためには弁護士に相談してみることをお勧めします。
また、交通事故の保険金として受け取れるのは、慰謝料だけではありません。
ご自身が慰謝料を含む様々な項目でいくら受け取ることができるのか非常に気になりますよね。
以下の慰謝料計算機では、

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 休業損害
  • 後遺障害逸失利益

などを含んだ示談金の一部を計算できます。
ご自身がいったいおおよそいくらもらえるのか気になる方はぜひご利用ください。


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【弁護士無料相談】交通事故で脊柱管狭窄症の後遺症を患った…

交通事故被害者が弁護士に無料相談できる窓口は?

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相談には、交通事故に注力している弁護士が順次対応しております。
お一人で悩まずに、まずは弁護士に相談してみましょう。


弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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脊柱管狭窄症の後遺症Q&A

脊柱管狭窄症の後遺症には何がある?

代表的な後遺症としてはしびれ・麻痺があげられます。脊柱管狭窄症は、脊柱の一部が狭くなってしまい、神経が圧迫されたことで腰や足に痛みが出る状態のことを言います。交通事故では背骨・椎間板の変形などで発症する恐れがあります。神経の圧迫が手術で改善できなかった場合、後遺症が残る可能性があります。 脊柱管狭窄症のリハビリ方法

脊柱管狭窄症の後遺障害は何級に認定される?

しびれや痛みの多くは、後遺障害12級13号または14級9号、圧迫の程度がひどい場合は7級4号に認定される可能性があります。そのほか脊柱固定術が行われた場合の脊柱変形、動かしづらさなども後遺障害に認定される可能性がある後遺症です。詳細な後遺障害等級や定義は下記のページからご確認ください。 脊柱管狭窄症で認定される後遺障害等級

脊柱管狭窄症で後遺障害慰謝料はいくらもらえる?

後遺障害等級と慰謝料を算定する基準次第です。基準は①自賠責保険の基準②任意保険の基準③弁護士基準の3つがあります。慰謝料が最も高額になるのは弁護士基準で、最も相場が低いのが自賠責基準です。任意保険基準は自賠責基準を少し上回るようですが、現在詳細は非公開です。以前公開されていた任意保険基準を元に後遺障害7級の慰謝料を比べると、弁護士基準:1000万円、任意保険の基準:500万円と2倍の金額差です。 後遺障害等級ごとの慰謝料表

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