作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

死亡事故賠償金

死亡事故の賠償金|賠償金の相場や相続人、事例をご紹介

死亡事故の賠償金はどうする?
  • 死亡事故の賠償金の相場は?
  • 死亡事故の賠償金は誰が請求・相続する?
  • 死亡事故における賠償金の例は?

死亡事故の場合、被害者は死亡してしまっているため、他の人が代わりに賠償金の請求・受け取りをすることになります。
その請求方法や相続人、賠償金の相場について、詳しく解説していきます。


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死亡事故の賠償金|計算方法と相場

死亡事故の賠償金内訳

死亡事故で受け取れる賠償金は、以下の通りです。

死亡事故の賠償金

死亡慰謝料

交通事故で死亡した本人や遺族の精神的苦痛に対する補償。

死亡逸失利益

死亡したことによって得られなくなった将来の収入・利益に対する補償。

葬儀関係費

葬儀等のためにかかった費用に対する補償。

この他、交通事故から死亡までの間に入通院期間があった、休業した場合には、

  • 入通院慰謝料
  • 治療関係費
  • 休業補償

を受け取ることができます。

死亡事故の賠償金額相場

死亡事故の賠償金額の相場は、過去の判例をもとに設定された弁護士基準で計算すると、以下のようになります。

死亡慰謝料

死亡慰謝料の相場(弁護士基準)
死亡者 相場
一家の支柱 2800万円
母親・配偶者 2500万円
その他 2000万~2500万円

死亡逸失利益

死亡逸失利益は、以下のように計算されます。

死亡逸失利益の計算

年収×(1‐生活費控除率)×死亡により就労できなくなった年数に対するライプニッツ係数

生活費控除率とは、死亡事故がなければ得られたはずの収入から、死亡した被害者が消費したであろう金額を差し引くための数値です。

生活費控除率
死亡者 被扶養者 生活費控除率
一家の支柱 1 40
一家の支柱の場合かつ被扶養者2人以上の場合30% 2 30
女性
(主婦、独身、幼児等を含む)
30
男性
(独身、幼児等を含む)
50

ライプニッツ係数は、受け取った死亡慰謝料を預金・運用した結果生じる利息を予め控除するための数値です。
これは、死亡によって働けなくなった年数に応じて決まっています。

葬儀関係費

弁護士基準による葬儀関係費の請求額は、以下のようになります。

葬儀関係費

上限150万。それより高額が認められた判例も

その他

交通事故の賠償金計算には、弁護士基準の他、任意保険基準自賠責基準があります。

任意保険基準

示談交渉の際に加害者側が提示してくる金額基準

自賠責基準

加害者側自賠責保険から支払われる、最低限の金額基準

最終的に受け取れる賠償金額は、基本的に加害者側任意保険会社との示談交渉で決められます。
そのため、任意保険会社が提示してくる任意保険基準の金額も知っておくと安心です。

自動計算機で簡単に計算

以下の自動計算機を使うことで、簡単に死亡事故の賠償金相場を知ることができます。


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死亡事故の賠償金|相続人と請求方法

死亡事故の賠償金|請求・相続人

死亡事故の賠償請求は、遺族であれば誰でもできるというわけではありません。
賠償請求は、死亡した被害者の相続人が行います。

配偶者が必ず相続人となりますが、もう一人、相続人となる人がいればその人も相続人となります。
もう一人の相続人は、以下の順番で検討していきます。

相続人の検討順
  1. ① 子
  2. ② 子が死亡しておりいなければ孫
  3. ③ 子や孫がいなければ親や祖父母
  4. ④ 親や祖父母がいなければ兄弟姉妹
  5. ⑤ 兄弟姉妹が死亡しておりいなければその子

なお、相続人として賠償請求を行った遺族は、以下の割合で得た賠償金を相続します。

相続人の相続割合
相続人 相続割合
配偶者と子(孫) ・配偶者:1/2
・子(孫):1/2
配偶者と親や祖父母 ・配偶者:2/3
・親:1/3
配偶者と兄弟姉妹(その子) ・配偶者:3/4
・兄弟姉妹(その子):1/4

死亡事故の賠償金|示談の開始時期

死亡事故の場合、賠償金額を決める示談交渉は、基本的に四十九日を過ぎ、加害者の刑事裁判が終わってからが一般的です。

明確に法律等で決められているわけではないので、それより早く交渉を開始することも可能です。

しかし、早い段階で示談交渉してしまうと、以下のような点で不利益が出る可能性があります。

刑事裁判前に示談交渉をすると

示談成立を以て被害者側の感情もある程度癒えたとして、刑が軽くなる可能性がある

特に加害者に対する処罰感情が強い場合には、刑事裁判が終わるまでは示談をしないことも考えられます。

死亡事故|見舞金・香典に注意

死亡事故の賠償金とは別に、加害者から見舞金香典を渡されることがあります。

見舞金とは

加害者の反省や謝罪の気持ちを表すお金のこと。

見舞金や香典を受け取る際に注意すべきことは以下の通りです。

①加害者の認識を確認する

基本的に見舞金や香典は賠償金とは別物です。
しかし、加害者としては賠償金の一部を先払いするつもりで見舞金や香典を用意している可能性もあります。

ここで認識が異なっていると、示談交渉の際にもめる原因になるため、受け取る際は加害者の認識を確認しておきましょう。

②刑事罰への影響を考える

香典や見舞金は、葬儀など刑事裁判よりも前に渡される可能性が高いです。

香典や見舞金を受け取ってしまうと、加害者の謝罪を受け入れたとして加害者の刑事罰が軽くなる可能性があります。

そうした影響も考えて、香典や見舞金を受け取るかどうか検討しましょう。受け取りたくない場合は、拒否しても問題ありません。

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死亡事故の賠償金トラブル

加害者が賠償金を払えない

任意の自動車保険と自賠責保険の関係

元々賠償金は、加害者側の自賠責保険と任意保険から支払われることになっています。
そのため、基本的には加害者に資力がないからと言って賠償金が支払われないことはありません。

しかし、強制加入である自賠責保険に対し、任意保険は任意加入です。
加害者が任意保険に加入していなかった場合には、上の図のうち任意保険による支払分は、加害者自身に請求することになります。

この場合、加害者の支払分については

  • 加害者に資力によっては分割払いになる
  • 加害者に資力がなく支払いを踏み倒される

という可能性があります。

加害者に賠償金を支払ってもらえなくて困っている、分割払いを待っている余裕がないという場合には、以下の手段をとることができます。

とることのできる手段
  • 被害者自身の加入する保険を利用する
  • 加害者の個人賠償責任保険への加入を確認する
  • 示談書を公正証書にする

これらの手段についての詳細はこちらをご覧ください。

提示された慰謝料が少ない

示談交渉の際に加害者側が提示してくる金額は、低めに算出されたものであることが多いです。

そのため、示談交渉の中で、提示された金額を増額させていく必要があります。この時にポイントとなるのが、示談交渉を弁護士に代行してもらうということです。

増額交渉(弁護士なし)

示談交渉相手は加害者側任意保険会社であることが一般的です。
任意保険会社は、弁護士の主張でないと聞き入れないという方針をとっていることも多いです。

そのため、提示された金額を交渉の中で増額させるには、弁護士に示談交渉を代行してもらうことが重要なのです。

死亡事故の賠償金請求例

死亡事故の死亡慰謝料、死亡逸失利益の事例をご紹介します。

死亡事故の賠償金例①
けが・症状 くも膜下血腫
年齢 52歳(事業所得者)
入通院日数
賠償金 死亡慰謝料:500万円
死亡逸失利益:1019268
死亡事故の賠償金例②
けが・症状 内臓破裂
年齢 77歳(無職)
実通院日数
賠償金 死亡慰謝料:2400万円
死亡事故の賠償金例③
けが・症状 心臓破裂
年齢 25歳(給与所得者)
実通院日数
賠償金 死亡慰謝料:3300万円
死亡逸失利益:70508554

死亡事故の賠償金詳細について、さらに詳しくは、以下の

死亡事故実例データ

をご覧ください。


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死亡事故の賠償金は弁護士に相談

弁護士に相談するメリット

交通事故でご家族が亡くなってしまった場合、その悲しみの中で、賠償金請求に向けた準備をしていかなくてはなりません。
示談交渉の際には加害者側の任意保険会社が一般的とはいえ、加害者サイドの人と接しなくてはならないという精神的な負担もあります。

しかし、弁護士に相談することによって、

  • 賠償金請求に向けた準備を代わりにしてもらえる
  • 加害者サイドの人と接する負担が減る
  • 十分な金額を得られる可能性が高まる

というメリットがあります。

その場でできる無料相談

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弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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