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交通事故が起きてしまったときに使う保険。
普段あまりイメージすることもない、難解な制度だとお考えの方もいらっしゃると思います。
ですが保険を上手く活用することで治療にかかる費用を安くおさえられたり、相手方から貰う保険金が高くなるかもしれません。
そのためにも、保険についてよく知っておきましょう。
目次
今回は専門家の解説を交えつつ、保険について詳しく見ていきましょう。
生命保険、自動車保険、傷害保険…。
保険には様々な種類があります。
ここでは交通事故の際に使える保険を確認していきましょう。
交通事故にあって損害を受けた場合、加害者側が加入している保険から保険金が支払われます。
代表的な2つの保険を紹介します。
自賠責保険とは、自動車が必ず加入している保険です。
事故を起こした場合、被害者に対し最低限の補償をしてくれます。
ただし、その補償額には上限があります。
金額 | |
---|---|
傷害事故 | 120万円 |
後遺症の残る傷害事故 | 75~4000万* |
死亡事故 | 3000万円 |
*常時介護を要する神経系統等への著しい障害
任意保険とは、加害者側が任意で加入している保険です。
自賠責保険でカバーしきれない損害は、こちらから支払われます。
現在、加入率は約88%となっています。
自賠責保険 | 任意保険 | |
---|---|---|
加入 | 強制 | 任意 |
補償範囲 | 対人補償のみ・上限あり | 商品によって異なる・上限なしのことが多い |
自分がどれだけ支払いを受けられるか知るためにも、相手方の保険を知ることは重要です。
事故現場で相手が何の保険に加入しているのかの確認を忘れないようにしましょう。
交通事故にあったときでも、
など、十分な賠償を受け取れない恐れがあるときは、自身の加入している保険から保険金を受け取ることも考えられます。
そのため、事故が起きた時は念のため自分の保険会社にも連絡をしましょう。
以下、代表的なものを紹介します。
などの特徴があり、広く補償を受けることができます。
相手方の自動車が任意保険に加入しておらず賠償が受けられない場合
などに保険金を受け取ることが出来ます。
ですがその対象は
死亡事故・後遺症の残る傷害事故
に限られます。
被保険車に乗車中の被害者であれば、誰でも補償される
のが特徴です。
ですが支払い金額は一定で、金額もさほど高くはありません。
人に対する損害 | 物に対する損害 | |
---|---|---|
相手への賠償 | 対人賠償保険 | 対物賠償保険 |
自分への補償 | 人身傷害保険または無保険車傷害保険 搭乗者傷害保険 |
車両保険 |
いずれも、相手方の無資力などの不安からいち早く解放されることができます。
さらにこれらの保険は、使用しても保険の等級が下がらないこともあります。
そのため、保険料が上がることを恐れず積極的に使うことも選択肢に入れてください。
相手方が任意保険に加入している場合、原則として治療費は相手方保険会社が支払ってくれます。
相手方が任意保険に加入していない場合、被害者側で一時治療費を立て替えて支払い、後に自賠責保険に請求する必要があります。
この時、自賠責保険では傷害の場合120万円までしか支払ってくれないことに気を付けてください。
相手方が任意保険に加入している場合であっても、稀に立替えを請求されることがあります。
後々の争いを避けるためにも、なるべく早い段階で保険会社が直接病院に払うよう交渉しましょう。
多くの任意保険には示談代行サービスというオプションがついています。
これにより、被害者の示談交渉の相手方となるのは加害者本人ではなく保険会社の担当者となります。
互いに示談金額を示し、合意がされたならば示談書が送付されます。
それに署名・押印し返送することで示談金が振り込まれます。
病院で治療をする場合、「健康保険は適用できません」と言われることがあります。
ですが、交通事故の治療であっても健康保険は問題なく使用できます。
交通事故の治療費は多額になりがちなので、病院としては自由診療の方が都合が良いのです。
どこの病院でも健康保険を利用することはできますが、せっかくなら治療に親身になってくれる病院を選ぶのが良いでしょう。
なお、交通事故の治療で健康保険を使う際は第三者行為による傷害届と交通事故証明書が必要となります。
必ずこれらを健康保険組合に届け出てください。
健康保険を利用するメリットは何より
自己負担額を3割以下に抑えられる
ことです。それによって
自賠責保険の治療費を安く抑え、治療費以外の補償にあてられる
という利益があります。
なお、まれなことではありますが治療に健康保険が効かない診療が含まれることがあります。
その場合に健康保険の利用に固執すると、より良い治療を受けられなくなることがあります。
では、どういった時に健康保険を使うべきなのでしょうか。
こういった場合には、健康保険を使って費用を抑えておくことが被害者の方の有利につながります。
使用しなかった場合 | 健康保険を使用した場合 | |
---|---|---|
治療費を払ってくれないとき | 被害者が100万支払う | 被害者が30万支払う |
被害者側の過失30%のとき | 加害者側の保険会社が病院に70万 被害者が病院に30万支払う |
加害者側の保険会社が病院に21万 被害者が病院に9万支払う |
いずれの場合も、被害者側が負担する金額が少なく済みます。
自動車保険は、一般に交通事故リスクの低いドライバーほど保険料が安くなります。
ですので、事故を起こすことで保険の等級がダウンし、保険料の割引率が下がることがあります。
よって、割引される保険料>損害賠償額である場合などに、加害者が任意保険を使わないと判断することがあるのです。
被保険者である加害者が保険を使わないと決めた時は、相手方の自賠責保険から治療費を請求する必要があります。
この場合、一旦金額を立て替える必要があります。
また、訴訟で損害賠償額が確定したような場合、相手方の任意保険会社に直接請求することもできます。
では健康保険以外にも、保険を使って治療費を安くする手段はないのでしょうか。
業務中・または通勤中の交通事故で被保険者が死傷した場合には、労災保険が使用できます。
なお、補償は治療費と休業損害に限られ、慰謝料は含まれません。
自動車の運転中の事故により被保険者が死傷した場合に人身傷害保険が使用できます。
単独事故の場合も支払われるので被害者に有利になることが多いです。
加害者が任意保険に加入していた場合、病院の窓口で
「支払いについては加害者の保険会社に直接請求してほしい」旨を伝えれば、保険会社に直接請求してくれることがあります。
もしも一旦立替しなければならない場合であっても、必ず領収書を保管し、健康保険を使用するようにしましょう。
まだ治療が続いているのに、相手方保険会社が治療費の打ち切りを打診してくることがあります。
治療費を打ち切られてしまうと、以後の治療費は自己の負担で支払わなければならなくなってしまいます。
症状によって、打ち切りまでのおおよその期間は以下の通りです。
症状 | 期間 |
---|---|
打撲 | 1カ月 |
むち打ち | 3カ月 |
骨折 | 6カ月 |
いかなる段階でもまだ治療が必要ならば、その治療費は加害者側から支払われるべきです。
よって、担当医に治療継続の必要性を示した診断書を作成してもらい、保険会社に提出することなどが効果的です。
場合なども、打切りの原因となることがあります。
保険会社はあくまで企業なので、必ずしも被害者に寄り添ってくれるとは限りません。
納得のいく保険金を支払ってもらうためにも、
ことを心がけましょう。
保険会社の担当者は示談のプロです。
彼らと交渉を行うには、被害者の方も法律の知識や保険についても知っておかなければなりません。
どういった資料が必要なのか、実際に支払われる相場はいくらなのか。
不安に思うことがあれば、まずは弁護士にご相談ください。
治療費は実費ですから具体的な金額もわかりますが、問題はそうでない慰謝料です。
特に慰謝料については、各保険会社の提示する自賠責保険基準・任意保険基準と、弁護士が入った場合に請求できる弁護士基準で大きな差が出ます。
慰謝料が低すぎると感じるような場合は、是非弁護士に相談してください。
保険金の支払い時期は、自賠責保険と任意保険どちらに請求するか、示談交渉で争いがあるかなどで変わってきます。
短期で済む場合 | 長期になる場合 | |
---|---|---|
完治・症状固定まで | 6カ月程度 | 1年以上* |
示談交渉期間 | 3カ月程度 | 1年以上** |
振込まで | 2カ月程度 |
*後遺障害等級の認定が長引く場合など
**過失割合に争いがある場合など
なお、交通事故の損害賠償請求権にも時効があります。
交渉が長引いている時や、保険会社との間で連絡がうまくいっていない場合は損害賠償の請求が出来なくなることもあります。
そのようなことを防ぐためにも、交渉中に不安があれば弁護士にご相談ください。
保険会社から、保険契約に基づいて支払われる損害の賠償金を保険金と言います。
実際に保険金がいくらになるかは、保険金に含まれる費目それぞれの額によって決定します。
治療関係費・慰謝料・休業損害・逸失利益
これらは、入通院日数や傷害の程度、被害者の年収、仕事を休む必要があった日数などから計算されます。
交通事故にあったときに支払われる保険金の相場は、以下の計算機で算定することができます。
原則として、交通事故の際に支払われる保険金は全て非課税です。
保険金は「交通事故によって生じた損害の賠償」という性格を持ちます。
つまり新たに得た収入ではないため、基本的には課税されないのです。
ですので、確定申告の必要もありません。
もっとも、例外として課税されるケースもあります。
などは、例外的に課税対象となる場合があります。
保険金詐欺とは、保険会社をだまして保険金を支払う実態があると誤解させ、保険金を詐取することです。
治療を受けていないのに、治療を受けたとして保険会社に治療費や慰謝料を支払わせているとみなされると、保険金詐欺の疑いがかかることがあります。
このような点を注意することで、保険金詐欺と疑われることを避けられます。
治療費や保険金の支払いについては様々な保険会社が関わってくるため、個人では対応が困難になることもあります。
より良い選択肢を選ぶためにも、まずはお気軽にご相談ください。
アトム法律事務所ではLINE、電話での無料相談を受け付けています。
交通事故の治療中は、治療費が支払われるのか、きちんと損害が補償されるのかと不安に陥りがちです。
落ち着いて治療に専念するためにも、そういった事項を弁護士に確認しておくと安心です。
野尻大輔
一方で支払われる保険金は、保険会社独自の基準であり、弁護士基準よりも低額になります。