作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故でバレリュー症候群|逸失利益はいくらもらえる?後遺障害の認定申請手続きはどうやる?

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人身事故でバレリュー症候群を負ってしまった場合、逸失利益を相手方に支払ってもらえる場合があります。

このページでは、

①バレリュー症候群の逸失利益はいくらになるのか

②後遺障害慰謝料などの計算方法

③弁護士に交渉してもらうことの利点

などを解説していきます。
※掲載情報はすべて2019年の最新版です。

1バレリュー症候群の逸失利益を計算する方法とは

交通事故の悩みは弁護士に相談
Q1

【バレリュー症候群】って何?部位・症状を解説

バレリュー症候群とは、交通事故でむちうちなどを負った2~4週間後に体調不良を感じる症状のことです。

バレリュー症候群の主な症状は、頭痛やめまい、吐き気、耳鳴り、血圧低下などです。

レントゲン検査やCT、MRI検査でも他覚的所見が認められない場合が多い点にご注意ください。

そのため、交通事故との因果関係を認めてもらうためには定期的な通院と自覚症状を詳細に医師に訴え続けることが重要です。

交通事故後、しばらく経ってから不調を感じた場合は、病院で診断してもらい適切な処置を受けることを推奨します。

逸失利益とは
Q2

【バレリュー症候群】の逸失利益はいくら?

バレリュー症候群が生じて後遺障害が残った場合、何級の後遺障害等級が認定されうるのでしょうか。

バレリュー症候群で認定の可能性がある主な後遺障害等級は14級9号12級13号です。

なお、逸失利益は以下の計算方法で求めることが可能です。

基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

「労働能力喪失率」と「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」については以下の表から求めることができるので、ぜひご活用ください。

後遺障害等級と労働能力喪失率
等級 労働能力喪失率
1 100%
2 100%
3 100%
4 92%
5 79%
6 67%
7 56%
8 45%
9 35%
10 27%
11 20%
12 14%
13 9%
14 5%
就労可能年数とライプニッツ係数
就労可能年数 ライプニッツ係数
1 0.95
5 4.33
10 7.72
20 12.46
30 15.37
被害者請求の流れ
Q3

【バレリュー症候群】後遺障害の被害者請求・事前認定はどうやる?

後遺障害等級の認定申請を行い、等級が認定されれば、後遺障害慰謝料も相手方から支払ってもらうことができます。

後遺障害等級の認定申請をする場合、被害者請求または事前認定という手段で後遺障害等級認定の申請をすることになります。

「被害者請求」は交通事故の被害者本人が加害者側の自賠責保険に対して直接「後遺障害等級認定の申請」を行うことです。

被害者自身が手続きをすることになるため、手間はかかります、

しかし、後遺障害等級の認定に向けて医証を集める、などの積極的な活動をすることができるため、認定の可能性が高まるなどのメリットがあります。

事前認定は加害者側の任意保険会社に後遺障害等級認定の申請手続きを代わりに行ってもらう方法です。

事前認定は手間がかからないというメリットがあります。

しかし、「被害者請求」と異なり、加害者側の任意保険会社は後遺障害等級の認定に向けた積極的な活動をしてくれないため、等級認定の可能性が「被害者請求」よりも低いという短所があります。

2【慰謝料計算】バレリュー症候群の後遺障害慰謝料をすぐに計算

お金に関すること
Q1

慰謝料計算機を使ってバレリュー症候群の後遺障害慰謝料を計算するには?

人身事故でバレリュー症候群などを負うと、傷害慰謝料や後遺障害慰謝料などを受け取ることが可能です。

以下の慰謝料計算機を使えば、弁護士(裁判)基準の適切な慰謝料金額を算出することができます。

慰謝料計算機の使い方についてですが、通院期間や休業した期間などの情報を入力し、「慰謝料を計算する」ボタンを押下すればすぐに計算結果が表示されます。

弁護士に相談
Q2

弁護士基準と自賠責基準の違い|バレリュー症候群の後遺障害慰謝料額は弁護士依頼で増額?

慰謝料などの計算の仕方には弁護士(裁判)基準自賠責基準の2つがあります。

この2つのうちでは、弁護士基準で計算されたほうが高額な金額になります。

そもそも「弁護士基準」とは、過去の裁判例を基準にして計算されている金額のことを指します。

法律事務所に依頼した場合、「弁護士基準」で賠償金を受け取ることができる可能性があります。

自賠責基準では自動車事故でバレリュー症候群などを負った被害者に最低限の補償がなされます。

加害者側の自賠責から保険金を受け取るのですが、「自賠責基準」だと受け取る金額が「弁護士(裁判)基準」よりも低額になります。

加えて、自賠責保険では傷害分の補償の上限額が120万円となっています。

お金に関すること
Q3

慰謝料と示談金の違いは何?バレリュー症候群の示談で出てくる重要単語を解説

人身事故で負ったバレリュー症候群で入院・通院しているとき、慰謝料示談金賠償金といったお金に関する文言をいくつも見ました。それぞれの意味は異なるのでしょうか?

バレリュー症候群の「慰謝料」や「示談金」はひとつひとつ異なる意味を持っています。

慰謝料は事故によって生じた痛みなどの精神的な苦痛が金銭的に評価されたものを指します。

バレリュー症候群などにおける示談金は示談によって双方が合意した金額で、示談金の中には通常、慰謝料が含まれています。示談金を加害者側から支払ってもらったら、基本的には後から追加でお金を請求することはできません。

ただし、示談書の中に「後遺障害が生じた場合は別途協議する旨」を記載した上で示談をすれば、後から後遺障害分の慰謝料などについて協議できる場合があります。

賠償金は加害者に加えられた損害が金銭的に評価されたものをいいます。「慰謝料」は精神的損害に対する賠償金として請求可能です。

加えて、車をぶつけられて発生した車両修理費なども賠償金として請求可能です。この「賠償金」に関しても、通常は「示談金」の中に含まれます。

3バレリュー症候群|弁護士なしで示談交渉をやるメリットはある?

増額交渉(弁護士あり)
Q1

バレリュー症候群の示談交渉は自分だけだと不可能?

バレリュー症候群を負うことになった人身事故の件で、相手方と示談手続きをしたい。

そのようなとき、自力で示談交渉を進めることはできるのでしょうか。

弁護士に頼むと弁護士費用を負担することになるため、可能なら自分だけで示談交渉をしたいところですが…

現実的な話として、交通事故の被害者が示談手続きを一人で進めることは困難でしょう。

加害者側の任意保険会社の担当者は交渉に関してプロです。

被害者本人が直接話し合いの場に出ても、上手く交渉できず、自分の要求を通せない事態になることが考えられます。

また、示談交渉においては、交渉する人物が法律の専門家である弁護士でなければ加害者側の任意保険会社の示談担当者に態度を変えられます。

相手は、話し合いの場に出ている人物が弁護士か否かにもとづいて慰謝料金額などを決定しています。

被害者側に弁護士がついていない場合、もしも被害者本人が上手く主張できたとしても、納得のいく示談内容で話がまとまらない場合があります。

弁護士費用特約
Q2

弁護士費用特約って?バレリュー症候群を負った事故被害者は特約を活用しよう

任意保険の弁護士費用特約とは何なのでしょうか?

この特約を利用すればバレリュー症候群などを負った被害者側にどのような利点があるのでしょうか。

弁護士費用特約を使える条件や、メリットについてこれから解説していきます。

弁護士費用特約は、任意保険との契約時に付けることができる特約です。

バレリュー症候群などを負うことになった交通事故の示談交渉や裁判で弁護士に依頼した場合、その弁護士費用を被害者側の任意保険会社が負担してくれる特約のことを指します。

交通事故でバレリュー症候群を負った場合などで利用可能な弁護士費用特約ですが、その内容については任意保険会社ごとに多少の差異があります。

ただ、こちらの特約でカバーしてもらえる弁護士費用は一般的に300万円とされています。

また、法律相談費用に関しては、1案件につき10万円までとされているケースが多いです。

交通事故の悩みは弁護士に相談
Q3

バレリュー症候群の後遺障害について相談できる弁護士の見つけ方は?

弁護士事務所にバレリュー症候群の後遺障害の件で話したいことがある…そのようなとき、弁護士なら誰に相談しても大丈夫なのでしょうか。

実は、バレリュー症候群の後遺障害の相談先は誰でもいいとは限りません。

中にはあまり交通事故案件に注力していない法律事務所もあります。

しかし、積極的に交通事故案件を受任している弁護士なら、示談金を高額にするために活動してくれたり、後遺障害等級の認定申請などについてアドバイスなどをしてもらえる可能性が高まります。

バレリュー症候群の後遺障害に関する相談は、交通事故案件の経験豊富なアトム法律事務所であれば対応できる可能性があります。

人身事故被害者の方のお悩みを解決できるかもしれないので、人身事故被害者の方はぜひ、アトム法律事務所にご相談ください。

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