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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故で顔に傷が残ってしまったら…
顔は何かで覆い隠したりすることが難しく、人目につきやすいところです。
また被害者の職業によっては、顔に傷があることで
など、影響は計り知れません
全てをお金で解決することは難しいですが、慰謝料を適切にもらうことは最低限のスタートラインです。
弁護士が解説しますので、最後まで読んでみてください。
目次
奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医
藤井 宏真医師
傷の深さや大きさ、受傷部位などにより瘢痕(きずあと)が残ることも考えられます。
顔面部の外傷では、口唇の裂傷も多いです。
出血を止めて傷は塞がっても、傷あとが残ることがあります。
また、交通事故の手術でメスを入れることになったとします。
その手術の痕が「傷」として残ってしまうことも考えられます。
顔の傷は形成外科の受診が良いでしょう。
「形成外科」は、身体の「見た目」がよくない状態になったのを改善する(治療する)外科です。
ですから、顔の傷はもちろん、身体に出来た傷跡については形成外科、または皮膚科を受診するのが良いでしょう。
交通事故の治療は当日開始を原則としておきましょう。
また、日本頭蓋顎顔面外科学会からも初期治療の大切さが訴えられています。
顔に傷が残るということは、頭部・顔面に外傷を受けていることが多いと思います。
顔の傷以外の怪我や影響を早く知るためにも、早めに病院を受診しましょう。
ケガの種類には、擦り傷から切り傷、損傷の激しい挫滅創、動物などによる咬み傷などがありますが、顔はその治療結果が最も見える場所であり、ケガした人のQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼすことから、初期治療が極めて大切となります。
引用元:https://www.jscmfs.org/general/disease12.html
治療方法は、損傷部位や程度によってさまざまです。
調べた結果は傾向とし、医師の指示に従うようにしてください。
強い衝撃により皮膚の下にある前頭筋が断裂するほどの衝撃が加わることもある。
こめかみ付近では「顔面神経」が通っており、傷の深さ次第では神経が損傷してしまうこともあります。早期の神経縫合が必要です。
眼球や視神経への影響はもちろん、眼の周囲の骨の骨折(眼窩底骨折)にも注意が必要で、早期対応が必要です。
出血を伴う場合は鼻骨骨折の可能性も考えられます。骨折箇所によって、外鼻変形・鼻孔の狭窄など影響はさまざまですので、早期の治療開始が求められます。
十分な治療を行っても、これ以上良くも悪くもならないという状態で残存する症状
交通事故の場合、その部位と程度により14段階の後遺障害等級で区分される
顔の傷で認定される可能性がある後遺障害は外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)と呼ばれています。
ある一定の基準が設けられており、その基準にそって後遺障害等級認定が行われます。
「傷」とひとくちでいっても、広い範囲にあとが残ってしまったもの、線状のあとがのこっているもの、ケロイド状になってしまっているもの、色素沈着してしまっているもの…様々にあります。
それぞれがどのような症状であり、等級が何級になるかは次の章で詳しく説明します。
後遺障害等級に認定されると、加害者から支払われる金銭が増えます。
後遺障害が残った場合に追加で支払われる金銭の一つが、後遺障害慰謝料です。
後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
また、後遺障害慰謝料の他に支払われるものとして逸失利益があります。
後遺障害が残ったことで労働能力が失われ収入が減ることへの補償
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数
逸失利益の計算は少し複雑です。関連記事では、逸失利益が自動で計算できる<計算機>や逸失利益の仕組みを紹介していますので、ぜひ活用してみてください。
顔の傷で加害者側と意見が割れやすいのは「労働能力喪失率」です。これまでの判例の一部を抜粋してみました。
▼労働能力喪失が認められた
▼労働能力喪失が認められなかった
手や腕を失ったり、機能が制限されるということは労働能力喪失と結びつけて考えやすいのですが、顔に傷が残った→労働能力が下がることの因果関係を示すのは、周囲を納得させる論理・根拠が必要です。ですから、被害者個人で加害者側と交渉するのではなく、まずは弁護士への依頼・相談をおすすめします。
では、実際に顔の傷で後遺障害等級の申請をして、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。
治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6カ月以上経っている必要があります。
これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。
症状固定の診断を受けたならば、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。
顔の傷の場合は、このような特徴があります。
他の後遺障害では面談までは行われません。
具体的な後遺障害認定のフローを確認していきましょう。
後遺障害認定には2つの方法があります。
(1)事前認定
(2)被害者請求
それぞれメリット・デメリットがありますので、一概には言えません。
しかし弁護士依頼と被害者請求の組み合わせが最も後遺障害認定の確率を高め、慰謝料の増額が期待できることは実感いただけるとかと思います。
被害者が後遺障害診断書のみを任意保険会社に提出する方法です。
被害者側の手間は最小限で済みます。
被害者は、後遺障害診断書以外にも
などを併せて提出できます。
提出資料を自分で精査でき、期待している等級への工夫が可能となるのです。
事前認定と被害者請求
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
請求者 | 相手方保険会社 | 被害者自身 |
メリット | 資料収集の手間がない | 自分で資料を確認できる |
デメリット | 自分で資料を確認できない | 資料収集の手間がかかる |
提出された資料をもとに、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。
顔の傷に関しては、面談が行われる可能性もあります。
面談には弁護士が立ち会うことも可能です。
審査結果をふまえ、自賠責保険会社が等級認定を行います。
より詳細な後遺障害認定のポイントは。次の下の記事を参照してください。
<関連記事>後遺障害認定
交通事故の被害にあい、結果として顔に傷が残ってしまった場合に認定される後遺障害等級は以下のようになります。
顔の傷による顔面醜状
等級 | 内容 |
---|---|
7級12号 | 外貌に著しい醜状を残すもの |
9級16号 | 外貌に相当程度の醜状を残すもの |
12級14号 | 外貌に醜状を残すもの |
内容をもう少し詳しく見ていきましょう。
「著しい」とは程度がひどい・はなはだしいという意味です。
著しさには一定の決まりがあります。
以下の通り表に示します。
できもの・傷などが治った後、皮膚に残るあとをさします。
黒褐色の変色、白斑などの変色や色素沈着も含みます。
顔の傷の定義
等級 | 内容 |
---|---|
7級12号 | 鶏卵大以上の瘢痕 10円硬貨大以上の組織陥没 |
9級16号 | 5センチメートル以上の線状痕 |
12級14号 | 10円硬貨以上の瘢痕 3センチメートル以上の線状痕 |
顔の傷は、まっすぐ残るとは限りません。
「W」などのようにギザギザに残ることもあるでしょう。
「W」のように直線でまっすぐでない場合は、すべての辺の長さを足し算します。
単純に傷の直径ではなく、傷の長さを測ることになります。
後遺障害の補償範囲は「人目につく」ことが前提となっているので、眉毛や頭髪などによって隠れる部分については「外貌醜状」とは取り扱わないことになります。
例えば、まゆげの生える方向と完全に一致した3.5cmの縫合あとがあったとします。
そのうち、1.5cmは完全に眉毛と重なっており、眉毛からはみ出る部分は2cmとなった場合、12級14号の基準(3cm)を下回るので、後遺障害等級認定はなされません。
慰謝料の金額の算定方法は、相手方が提示してくるもの(自賠責基準・任意保険基準)と、弁護士が交渉することで請求できるもの(弁護士基準)で大きく異なります。
顔の傷に関する慰謝料を下表にまとめました。
顔の傷による顔面醜状
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
7級12号 | 409万円 | 1000万円 |
9級16号 | 245万円 | 690万円 |
12級14号 | 93万円 | 290万円 |
以前、後遺障害等級認定においては「外貌醜状(顔の傷)」には性差がありました。
女性の方が同じ顔の傷でもより重い後遺障害と考えられてきたのです。
しかし、今は性差は設けられていません
気を付けておきたいのはそもそも「後遺障害」に認定されるかというところです。労働能力の低下が後遺障害認定の要件ですが、顔の傷で認められることは簡単ではありません。
そこで、交通事故の解決実績が豊富な弁護士への相談をおすすめします。
顔の傷は被害者の心に強いダメージを与えます。
にも関わらず、加害者側の保険会社から提示される慰謝料・逸失利益は被害者の受けた損害に対して不十分なことがあります。
損害に対する十分な補償を受け取るためには、弁護士に依頼することが一番です。
保険会社との示談交渉などを弁護士に任せてみませんか?
慰謝料増額が叶うだけではなく、手続きの煩雑さなどから解放されます。
顔の傷による慰謝料はいくらになるのか、通院に関する注意、後遺障害等級の申請方法など、どのようなことでも結構です。
まずはお気軽にLINE・電話での無料相談をご利用ください。
(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
認定される可能性があります。「線状の傷」「へこみ」「変色・色素沈着」など、顔に残った傷は「外貌醜状」という後遺障害に該当する可能性があります。また、交通事故の手術で顔にメスを入れることになり、その痕が残ってしまった場合も後遺障害認定対象となります。 顔の傷に関する基本情報
後遺障害慰謝料が認められますので、受けとるお金が増えます。後遺障害慰謝料は、入院や通院したことへの慰謝料(入通院慰謝料)とは別物です。後遺障害慰謝料を受けとるには、後遺障害認定の申請をしなくてはいけません。ちなみに、通常の後遺障害審査は書面のみが原則とされますが、顔の傷などの外貌醜状においては面談が行われるケースもあります。詳細な申請フローは以下のページから確認できます。 顔の傷の後遺障害認定の申請フロー
顔の傷などの醜状障害は、後遺障害7級12号、9級16号、12級14号認定の可能性があります。後遺障害慰謝料は、弁護士基準で算定すると7級12号:1000万円、9級16号:690万円、12級14号:290万円が相場です。自賠責保険の基準や任意保険の基準の算定結果と比べて、弁護士基準で算定すると慰謝料の相場は高くなります。 等級決定で重要な傷の大きさ・長さ