交通事故｜眼球破裂｜後遺症の慰謝料はいくら？失明、視力低下の後遺障害等級は何級？

眼球破裂とは？膜がやぶれること？

「眼球破裂」とは、強い外力が加わることで角膜や胸膜が破裂した状態のことです。

眼球を覆う膜が破裂すると、眼球の中の硝子体やブドウ膜が出てきてしまいます。

眼球破裂の症状は？

症状としては、次のようなものが挙げられます。

重症の場合は、失明に至る可能性があるため、必ず医療機関にかかるようにしましょう。

何科を受診すればいいの？

眼球破裂の場合、眼科を受診しましょう。

夜間だったり、救急車を読んだりした場合は、救急科で対応してもらえます。

いずれにしても、急を要する状態なので、早期の受診が必須です。

眼球破裂は、問診、視診、CT検査、超音波検査などで眼球の状態について診察をうけます。
また、異物混入の有無、合併症の有無についても確認されます。

軽症の場合は、治療用のコンタクトレンズを装用することで眼球が回復する場合もあります。

重症の場合は、角膜の縫合手術をおこない眼球の状態を元に戻します。

最初の手術から1～2週間程度おいて複数回手術が行なわれることもあれば、角膜縫合と同時に合併症（例：外傷性白内障、硝子体出血、網膜剥離など）の手術が行われることもあります。

場合によっては、眼球摘出手術が必要になることもあります。

このほか、感染症のリスクもあるため、感染が確認されたら抗菌薬治療が開始されます。

後遺障害等級認定とは？

眼球破裂の場合、視力低下や失明といった後遺症が残る可能性が非常に高いです。
後遺症が残ってしまったら、必ず「後遺障害等級認定」を受けましょう。

治療中の損害のほかに、後遺症に関する慰謝料、逸失利益の賠償をうけることができるようになります。

眼球破裂の等級は？

失明や視力低下の後遺障害等級は、症状に応じて1級から13級に認定される可能性があります。

たとえば、片方の眼球摘出の場合、一眼が「失明」したことになるので8級が認定されます。

複数の後遺障害は併合〇〇級になる

眼球破裂をともなう交通事故では、頭や顔面へのダメージが大きいので、

• 高次脳機能障害
• 外貌醜状（がいぼうしゅうじょう）

などが同時に生じることも多いです。

また、眼球について、視力障害以外の症状が併存することもあるでしょう。

このように複数の後遺障害がある場合、「併合」の方法で等級が決められます。

具体的な併合のルールは、次のとおりです。

具体例｜追突事故で眼球、まぶた、脳挫傷、外貌醜状などを負った場合

たとえば、タクシーの追突事故で乗客が負傷した事案では、複数の後遺障害が残り、併合6級とされています。

併合のルール③により、13級以上の後遺障害が2つ以上ある場合なので、最も重い7級を1等級繰り上げて、併合6級になります。

治療中の損害について

まず、治療中の損害として、治療費、休業損害、入通院慰謝料などの賠償金がもらえます。

後遺症に関する損害について

次に、治療終了後の損害として、後遺障害に関する逸失利益、慰謝料などの賠償金がもらえます。

これは、いわゆる「後遺症」についての損害賠償金です。

これらの賠償金については、その後遺症について後遺障害等級が認定された場合にのみ受け取ることができます。

その他

そのほか、物損があれば修理費を賠償してもらえます。
被害者の方が亡くなられた場合には、死亡に関する逸失利益、慰謝料などの賠償金がもらえます。

後遺障害慰謝料の相場は？

後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害等級ごとに相場があります。⇊

ここでは、弁護士基準と自賠責基準の相場を整理しました。

※単位：万円

弁護士基準、自賠責基準とは？

慰謝料の算定基準には、弁護士基準、任意保険基準、自賠責基準の3種類があります。

保険会社から提示される示談金は、裁判の相場をもとにした弁護士基準と比べて、どうしても少額になりがちです。
交通事故で適正な慰謝料金額を知りたい方は、無料相談などを活用して弁護士までお尋ねください。

逸失利益とは？後遺障害で思うように働けないときの補償？

眼球破裂の後遺症によって、今までどおりに労働できなくなってしまった場合、本来ならば得られたであろう収入が得られなくなった損害について、賠償請求ができます。

このような損害のことを「逸失利益」といいます。

• 以前の労働能力を100％とした場合に、現在の労働能力は何％なのか（労働能力喪失率）
• 後遺障害によって思うように働けない期間は、何年間なのか（労働能力喪失期間）
• 将来受け取るはずだった収入を、現在受けとれる利益はどのくらいあるのか（中間利息控除）

というような視点で、逸失利益は計算されます。⇊

労働能力喪失率は？等級ごとに決まっている？

後遺障害等級ごとの労働能力喪失率は、次のとおりです。⇊

※要介護第1級・要介護第2級の労働能力喪失率は、いずれも100％。

このような等級ごとの相場をもとに、個別事案にあった労働能力喪失率が決定され、逸失利益が計算されることになります。

実際に認められた労働能力喪失率は？

両目の失明や、片目の失明については、相場どおりの労働能力喪失率が認められることが多いです。

労働能力喪失期間は、一般的には定年を67歳とし、それまでの期間で計算されます。
もっとも、67歳を超えていたとしても実際に働いているといった事情があれば、働ける年齢までの期間が労働能力喪失期間とされることもあります。

逸失利益についてはこちらの記事もどうぞ。⇊

逸失利益の相場を判例と計算方法から導こう

交通事故で後遺障害が残ったとき・被害者が死亡した時に支払われる「得られなくなった」収入の補償である『逸失利益』。その計算方法と近時の事例を紹介。ただし計算式通りの額が得られるとは限らない？増額するために出来ることは？便利な2020年民法改正後のライプニッツ係数表つき。

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眼球破裂の後遺症について適切な等級を認定してもらうには、医師の後遺障害診断書に必要十分な記載をしてもらう必要があります。
眼球破裂以外の後遺障害を負っているケースも多く、複数の後遺障害を適切に認定してもらわなければなりません。
医師は治療のプロですが、書類作成のプロとはいいがたい側面があります。
後遺障害認定のポイントについては、交通事故に詳しいアトム法律事務所の弁護士に是非一度おたずねください。

また、目の障害では、慰謝料のほか逸失利益の補償金額も大きな問題になります。
示談交渉にむけて、仕事や生活にどのくらいの支障がでているのか等、しっかりと主張を固めておくことが大切です。

今後の示談交渉や、後遺障害等級認定の流れなど、ご不明点があればお気軽にご相談ください。
早期にご不安を解消していただくことが、適切な示談金を獲得する近道です。