交通事故｜膝の痛みが…後遺症の慰謝料、等級は？半月板損傷など後遺障害を解説

半月板損傷とは？症状は？

半月板損傷とは、膝関節内にある半月板が断裂することです。
半月板損傷の主な症状は、次のとおりです。

半月板損傷の症状

膝の痛み

ひざを深く曲げたときなど

キャッチング

膝を伸ばしたとき引っ掛かかるような違和感

ロッキング

ひざが完全に伸びなくなる

半月板損傷になる原因は？

半月板は、膝関節内のクッションの役割をする軟骨です。横方向から衝撃をうけて膝をひねると、半月板が大腿骨と脛骨に挟まれて断裂をおこしてしまいます。

たとえば・・・

自動車に跳ね飛ばされ、膝が曲がったまま着地したため、膝を捻挫した

このような事故で、半月板損傷がおこります。

半月板損傷の治療とは？

半月板は、現在の医療技術では、切除すると再生しません。そのため、関節内のクッション機能温存すべく、縫合による修復術が優先されます。

しかし、縫合が難しい場合、症状を緩和する鎮痛剤や、リハビリ治療が施されます。

それでも、痛みなどの症状が緩和されない場合には、半月板の損傷部位を部分的に切除する手術が行なわれます。

後遺症が残ったときには…後遺障害等級を認定してもらおう

これらの治療によっても回復せず、膝の痛みの後遺症が残ってしまうこともあります。
そのような場合には、後遺障害認定を申請して等級認定をうけましょう。

治療終了後に残存する後遺症については、後遺障害認定をうけなければ治療終了後の損害について賠償請求できません。

• 後遺障害慰謝料
• 後遺障害逸失利益

これらの損害について賠償請求するなら、後遺症について後遺障害等級を認定してもらう必要があります。

半月板損傷の後遺症では、「膝の痛み」の診断内容に応じて、12級13号、14級9号が認定される可能性があります。

後遺障害慰謝料の相場は、それぞれ次のとおりです。

※単位：万円

注意点

膝の痛みについて、半月板損傷が見落とされ、「膝の打撲・膝の捻挫」と診断されることがあります。
半月板損傷が陳旧性のものになると（＝時間が経過してしまうと）、痛み・しびれ等の後遺症がのこる可能性が高くなります。

当初の診断名が「打撲・捻挫」となっているような場合でも、MRI画像で半月板の修復状況を明らかにすれば、12級13号、14級9号の獲得を目指すことができます。

少なくとも、治療開始時のMRI撮影と、治療終了時のMRI撮影は必須になります。

ちなみに、膝が曲がりにくいといった症状がある場合、12級7号が認定される可能性もあります。
もっとも、近年では関節鏡術（＝内視鏡による手術）の精度が高まり、12級7号が認定されることは少なくなっています。

関節運動は、性別や年齢によって個人差があるので、可動域制限（＝どのくらい曲がらないのか）については、自分の健側（＝後遺障害が残っていない側）と比べて判定されます。

目安となる可動域角度は、以下のとおりです。

弁護士基準によれば、慰謝料は290万円になります。

※単位：万円

膝靱帯損傷とは？症状は？

膝靱帯損傷（ひざじんたいそんしょう）とは、膝の靱帯に損傷を負うことです。膝靱帯損傷の主な症状は、次のとおりです。

正常では存在しない異常な関節運動が生じている関節を動揺関節といいます。
とくに、靱帯損傷が原因で異常な関節の動きがある場合、「関節の不安定性」と称されます。

このような動揺関節については、硬性補装具を必要とする場合が多く、関節の機能障害として後遺障害が認定されやすいです。

膝靱帯を損傷する原因は？

膝靱帯損傷は、膝に大きな力が加わったときにおこります。

膝には、内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯の4つの靭帯があります。

膝付近への力のかかり方や、力が加わった方向によって、損傷する靱帯が変わります。同時に複数の靱帯を損傷することもあります。

半月板損傷にともなって、内側側副靱帯、前十字靱帯を損傷することも多いといわれています。

膝靱帯損傷の治療法とは？

膝のぐらつきを検査する触診、MRI、レントゲン、内視鏡などの検査によって、膝靱帯損傷の診断がなされます。

膝靱帯損傷の治療法は、軽症の場合、装具、サポーター、テーピングなどで固定するなど保存療法です。重症の場合、別の部位の腱を移植するなどの手術がほどこされます。

膝靱帯損傷による後遺障害については、

• 膝が曲がらない機能障害
• 膝の痛み・痺れの神経症状
• 膝の不安定性（動揺関節）

などが挙げられます。これらの後遺障害等級については、以下のとおりです。

靱帯損傷によって、膝が曲がりにくくなってしまった場合は、その程度に応じて膝関節の機能障害として後遺障害8級7号、10級11号、12級7号が認定される可能性があります。

後遺障害慰謝料の相場は、それぞれ次のとおりです。

※単位：万円

後遺障害等級を獲得するためのポイントは？

膝関節が曲がらないといっても、その程度はさまざまです。

• 可動域角度の範囲
• 人工関節・人工頭骨の挿入置換の有無

によって、認定される等級が異なります。

用語の解説

「用を廃した」「著しい障害」「障害」の用語の意味は、それぞれ次のとおりです。

膝の可動域角度の目安は、次のとおりです。

膝の痛み・痺れについては、膝の神経症状として後遺障害12級13号、14級9号が認定される可能性があります。

後遺障害慰謝料の相場は、それぞれ次のとおりです。

※単位：万円

膝の後遺障害によって、関節の安定性が損なわれ、正常ではありえない関節運動が生じている関節のことを「動揺関節」といいます。

※「常に硬性補装具を必要とするもの」は、8級7号「関節の用を廃したもの」に準じて、8級が認定される。
※「時々硬性補装具を必要とするもの」は、10級11号の「関節の機能に著しい障害を残すもの」に準じて、10級が認定される。
※「重激な労働等に際してのみ、硬性補装具を必要とするもの」「習慣性脱臼」「弾発膝」は、12級7号の「関節の機能に障害を残すもの」に準じて、12級が認定される。

膝の不安定性（動揺関節）の後遺障害慰謝料は、次のとおりです。

※単位：万円

後遺障害等級を獲得するためのポイントは？

留意点

膝の動揺関節の後遺障害を立証するためには、ストレスXP撮影、MRI撮影が非常に重要な役割を果たします。

膝の動揺性の度合いは、ストレスXP撮影によって検査します。
次のような動揺性が認められれば、後遺障害認定を獲得できる可能性が高まります。

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弁護士に交通事故の解決を依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
それは・・・
①弁護士基準による算定で慰謝料を増額できる
②後遺障害等級の獲得のサポートをしてくれる
③弁護士費用特約があれば費用倒れにならない
という3つのメリットがあります。

①弁護士基準による慰謝料相場とは？

慰謝料の算定基準には、弁護士基準、任意保険基準、自賠責基準の3種類があります。

弁護士基準は、被害者側の弁護士が、保険会社との示談交渉で用いる基準のことです。
弁護士基準は、実際の裁判例の相場を参照したもので、3種類の基準のうち最も高額になります。

これに対して、自賠責基準は、自賠責保険の支払基準です。
任意保険基準は、任意保険会社の支払基準ですが、実際のところ自賠責基準と同程度であるといわれています。

保険会社の提示額は、弁護士基準と比べれば、少なくなりがちです
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②後遺障害等級の獲得をサポートしてくれる？

後遺障害等級の認定とは、後遺障害の重さを認定してもらう手続きです。
後遺障害の重さは、1級～14級にわかれており、1級がもっとも重い等級になります。

入通院治療が終了し、症状固定をむかえたら、後遺障害診断書などの必要書類を準備して、損害保険料率算出機構に申請します。

後遺障害診断書は、申請の必要書類のうち最も重要なものです。
医師に依頼する前に、きちんと後遺障害診断書の書き方についてポイントを押さえておきましょう。

後遺障害認定の申請手続は、被害者請求と事前認定の2通りです。
被害者請求とは、被害者みずからが申請する手続きです。

事前認定とは、被害者が保険会社を通じて申請する手続きです。

被害者請求の場合、より柔軟に認定に資する書類を提出できるので、認定を受ける者にとって有利といえます。

被害者請求のデメリットとしては一点、資料の準備について手間がかかることです。
ですが、この点については弁護士のサポートがあれば着実に進めることができます。

戦略的に等級を獲得するためには、後遺障害の被害者請求について流れをしっかり押さえることが大切です。

③弁護士費用特約があれば費用倒れにならない？

弁護士費用特約とは・・・

• 被害者側が加入する自動車保険の特約
• 保険会社が弁護士費用の全部または一部を負担
• 事故相手が車やバイクであれば利用できる

という特約です。

交通事故の解決を弁護士に依頼しようと思っても、

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と足踏みされる方もおられると思います。

ですが、このような弁護士費用特約がついていれば、費用倒れになる心配はありません。

このような点も含めて、まずは無料相談をご活用いただき、交通事故の解決への一歩を踏み出していただきたいと思います。

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