作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故手のしびれ後遺障害

【交通事故】手のしびれは後遺症?どんな怪我の後遺障害?後遺障害慰謝料はいくら?

手のしびれは後遺障害認定される
この記事のポイント
  • 手のしびれは後遺障害12級または後遺障害14級に認定される可能性がある
  • 手のしびれを画像検査神経学的検査で医学的に示すことが重要であり、12級と14級の分かれ目にもなりえる
  • 弁護士に依頼することで、3倍~の慰謝料増額が可能

「交通事故の被害にあい、手のしびれを感じる…。」
これらは神経症状として後遺障害に認定されうるものです。

  • 手のしびれはどんな怪我で起こる?
  • 手のしびれは後遺障害に認定される?
  • 手のしびれの後遺障害慰謝料の相場は?

藤井宏真医師

奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医

藤井 宏真医師

むちうち、胸郭出口症候群、脊髄損傷など、手のしびれの原因となりうる病気や怪我は多数あります。
画像検査や神経学的検査によって、手のしびれの原因を探っていきます。

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手のしびれ|こんな怪我の後遺症で手がしびれる

手のしびれとは

手のしびれといっても、色々な症状があります。

感覚異常

  • ピリピリ突き刺すような痛み
  • ジンジンと焼けるような感覚

運動麻痺

思うように力が入らない、動かせない

運動失調症

  • 何かを持とうとすると手が震える
  • 箸がうまく使えない

人によって「手がしびれる」という感覚はさまざまです。
それでは、どんな怪我の後遺症として手がしびれる可能性があるかをみていきましょう。

手のしびれを引き起こす怪我

交通事故の被害にあい、「手のしびれ」が残ってしまった…。
実は、手のしびれは珍しい症状ではありません。
「神経症状」と区分され、いろいろな怪我の後遺症として残る可能性があります。

  • むちうち
  • 椎間板ヘルニア
  • 胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
  • 脊髄損傷
  • 慢性硬膜下血腫
  • 脳挫傷

これらの怪我・症状はいずれも後遺症として「手のしびれ」が発生する可能性があります。
交通事故の被害では比較的軽度とされている「むちうち」から、生命にかかわる可能性のある慢性硬膜下血腫、脳挫傷まで幅広い怪我が該当します。

それぞれの症状の詳細が知りたい方は以下のリンクから関連記事をお読みください。

手のしびれは後遺障害にあたる?

後遺症(後遺障害)

十分な治療を行っても、これ以上良くも悪くもならないという状態で残存する症状
交通事故の場合、その部位と程度により14段階の後遺障害等級で区分される

手のしびれは神経症状に区分されます。
認定される可能性があるのは、後遺障害12級または後遺障害14級です。

それぞれの後遺障害等級の詳細は次の章で詳しく説明します。

手のしびれで慰謝料が増えるって本当?

手のしびれの後遺症により増える保険金|後遺障害慰謝料と逸失利益

後遺障害等級に認定されると、加害者側から支払われる金銭が増えます。
後遺障害が残った場合に追加で支払われる金銭の一つが、後遺障害慰謝料です。

後遺障害慰謝料

後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償

また、後遺障害慰謝料の他に支払われるものとして逸失利益があります。

後遺障害の逸失利益

後遺障害が残ったことで労働能力が失われ収入が減ることへの補償
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数

なお、「労働能力喪失率」は障害の部位や程度、被害者の職業などを考慮して増減することがあります。
複雑な計算式をつかわず、「計算機」でもすぐ分かります。下記の関連記事より「計算機」を試してみてください。

要注意

手のしびれについては、労働能力の喪失がいつまで認められるかがポイントです。
たとえばむちうちでは、労働能力の喪失期間は12級で10年程度14級で5年程度が目安とされています。
これまでの判例や結果を踏まえて見通しをお伝えすることもできますので、弁護士にご相談下さい。
後遺障害慰謝料の適切な獲得を共に目指していきましょう

後遺障害等級の申請方法|手のしびれの場合

では、実際に「手のしびれ」で後遺障害等級の申請をして、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。

後遺障害等級認定の手続きの流れ

①症状が固定される

治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6ヶ月以上経っている必要があります。
これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。

②後遺障害診断書・手のしびれに関する医学的所見の用意

症状固定の診断を受けたならば、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。

後遺障害の申請には、2種類の方法があります。

事前認定の流れ
被害者請求の流れ
  • 被害者が後遺障害診断書のみを任意保険会社に提出する事前認定
  • 被害者が経過証明書などその他の資料も用意して自賠責保険に提出する被害者請求

被害者請求は手間がかかりますが、後遺障害等級の認定に有利な資料を自分で精査できるのが強みです。なお、弁護士に資料収集作業を任せることもできます。

比較

事前認定と被害者請求

事前認定 被害者請求
請求者 相手方保険会社 被害者自身
メリット 資料収集の手間がない 自分で資料を確認できる
デメリット 自分で資料を確認できない 資料収集の手間がかかる

③損害保険料率算出機構による書面審査

提出された資料をもとに、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。
審査結果をふまえ、自賠責保険会社が等級認定を行います。
重要なのは、「しびれ」の存在を医学的に証明できるかということです。
次の章で具体的な検査方法を紹介しますので、読んでみてください。

より細かな認定手順、後遺障害診断書の書き方などについては以下の記事を参照してください。

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後遺障害|手のしびれ

手のしびれ|後遺障害等級は何級?

手のしびれという神経症状は

  • 後遺障害12級13号
  • 後遺障害14級9号

これらに認定される可能性があります。

12級と14級はどのような後遺障害等級かをチェックしてみましょう。

後遺障害等級

手のしびれ

等級 症状
1213 局部に頑固な神経症状を残すもの
149 局部に神経症状を残すもの

12級と14級は「頑固な」という表現の有無が違います。
この「頑固さ」は、自覚症状だけでは不足です。
後ほど解説する医学的な検査で示していきます。
医学的な検査結果が示せれば、「12級」認定をなる可能性が高まります。

手のしびれ|後遺障害慰謝料はいくら?

慰謝料の金額の算定方法は、加害者側が提示してくるもの(自賠責基準・任意保険基準)と、弁護士が交渉することで請求できるもの(弁護士基準)で大きく異なります。
手のしびれに対応する後遺障害慰謝料の基準は以下のようになります。

後遺障害慰謝料

手のしびれ

等級 自賠責基準 弁護士基準
1213 93万円 290万円
149 32万円 110万円

同じ後遺障害等級でも、計算する基準が変わるだけで、これだけの差が出ます。
弁護士に依頼することで、12級も14級も3倍以上の増額が期待できます。

手のしびれ|しびれを示す医学的検査とは?

しびれを示す医学的検査は2つあります。

  1. 画像検査
  2. 神経学的検査

順番にみていきましょう。

①画像検査

レントゲン検査、MRI検査などの検査結果。

  • レントゲン検査:脊柱管のずれ頸椎骨の並び・曲がり骨棘等による神経根の圧迫の有無や程度の診断につながります。
  • MRI検査:神経組織の圧迫椎間板ヘルニアの有無の確認に有用とされています。
②神経学的検査
  • 深部腱反射:腱を打診することで発生する反射を確認します。腱反射は末梢神経の障害により減弱、消失します。
  • 徒手筋力テスト:筋力低下の有無、度合いを確認する検査です。神経が障害されていると、障害部位に応じた筋力の低下がみられます。
  • 感覚検査:皮膚の触覚、痛覚の検査です。神経の障害部位に応じて感覚が鈍化したり、消失したりします。
  • スパーリングテスト・ジャクソンテスト:頭部を圧迫して軸圧を加える検査。圧迫を加えることで、障害が存在する場合には神経根の支配領域に疼痛やしびれがみられる。

あえて神経根症状を誘発して、障害の有無を確認する方法

画像検査や神経学的検査の結果を示せれば12級認定の可能性は高まります
一方でこれらの医学的所見がなければ14級あるいは非該当(等級なし)という判断になることもあります。
そもそも「しびれ」という症状だけで後遺障害認定を目指すことは簡単なことではありません。
ですから、できるだけ早期に弁護士に依頼・相談することがポイントといえるでしょう。

ちなみに後遺障害認定が「非該当(等級なし)」となった場合には、再度認定申請を出すことも可能です。
関心がある場合は、関連記事も併せてお読みください。


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後遺症「手のしびれ」に関するお悩みは弁護士にご相談ください

LINE相談

手のしびれは色々な怪我の後遺症となる可能性があります。その一方で、第3者には認められにくい症状のひとつといえるでしょう。
しかし手がしびれてしまうと日常の動作はもちろん、仕事への影響も計り知れません。
にも関わらず、相手方保険会社から提示される慰謝料・逸失利益は被害者の受けた損害に対して不十分なことがあります。
損害に対する十分な補償を受け取るためには、弁護士に依頼することが一番です。

保険会社との示談交渉などを一任することで慰謝料増額が叶うだけではなく、手続きの煩雑さなどから解放されます。

手のしびれによる慰謝料はいくらになるのか、通院に関する注意、後遺障害等級の申請方法など、どのようなことでも結構です。

まずはお気軽にLINE・電話での無料相談をご利用ください。


弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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