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交通事故の後遺障害についてこのような疑問をお持ちの方はいませんか?
ご覧のページでは後遺障害について徹底解説していきます。
人身交通事故の被害者になったとき、
病院での治療が終了しても、何らかの症状がずっと尾を引いて残ってしまう
つまりは、
後遺症
が残ることがあります。
後遺症 | 治療終了後に残存する症状 (一般用語) |
後遺障害 | 一定の要件を満たす後遺症 |
後遺障害は、その症状ごとに全部で16の階級に分かれています。
全16階級の一覧をご紹介しましょう。
内容 | |
第1級 | 1.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 2.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
第2級 | 1.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 2.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの |
内容 | |
第1級 | 1. 両眼が失明したもの 2. 咀嚼及び言語の機能を廃したもの 3. 両上肢をひじ関節以上で失ったもの 4. 両上肢の用を全廃したもの 5. 両下肢をひざ関節以上で失ったもの 6. 両下肢の用を全廃したもの |
第2級 | 1. 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの 2. 両眼の視力が0.02以下になったもの 3. 両上肢を手関節以上で失ったもの 4. 両下肢を足関節以上で失ったもの |
第3級 | 1. 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの 2. 咀嚼又は言語の機能を廃したもの 3. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 4. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 5. 両手の手指の全部を失ったもの |
第4級 | 1. 両眼の視力が0.06以下になったもの 2. 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの 3. 両耳の聴力を全く失ったもの 4. 1上肢をひじ関節以上で失ったもの 5. 1下肢をひざ関節以上で失ったもの 6. 両手の手指の全部の用を廃したもの 7. 両足をリスフラン関節以上で失ったもの |
第5級 | 1. 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの 2. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 4. 1上肢を手関節以上で失ったもの 5. 1下肢を足関節以上で失ったもの 6. 1上肢の用を全廃したもの 7. 1下肢の用を全廃したもの 8. 両足の足指の全部を失ったもの |
第6級 | 1. 両眼の視力が0.1以下になったもの 2. 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの 3. 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの 4. 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 5. 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの 6. 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの 7. 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの 8. 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの |
第7級 | 1. 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの 2. 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 3. 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 4. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 6. 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの 7. 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの 8. 1足をリスフラン関節以上で失ったもの 9. 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 10. 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの 11. 両足の足指の全部の用を廃したもの 12. 外貌に著しい醜状を残すもの 13. 両側の睾丸を失ったもの |
第8級 | 1. 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの 2. 脊柱に運動障害を残すもの 3. 1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの 4. 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの 5. 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの 6. 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 7. 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 8. 1上肢に偽関節を残すもの 9. 1下肢に偽関節を残すもの 10. 1足の足指の全部を失ったもの |
第9級 | 1. 両眼の視力が0.6以下になったもの 2. 1眼の視力が0.06以下になったもの 3. 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの 4. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの 5. 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの 6. 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの 7. 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 8. 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの 9. 1耳の聴力を全く失ったもの 10. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 11. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 12. 1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの 13. 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの 14. 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの 15. 1足の足指の全部の用を廃したもの 16. 外貌に相当程度の醜状を残すもの 17. 生殖器に著しい障害を残すもの |
第10級 | 1. 1眼の視力が0.1以下になったもの 2. 正面を見た場合に複視の症状を残すもの 3. 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの 4. 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 5. 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの 6. 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの 7. 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの 8. 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの 9. 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの 10. 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 11. 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
第11級 | 1. 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの 2. 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの 3. 1 眼のまぶたに著しい欠損を残すもの 4. 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 5. 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの 6. 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 7. 脊柱に変形を残すもの 8. 1手のひとさし指、なか指又はくすり指を失ったもの 9. 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの 10. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの |
第12級 | 1. 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの 2. 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの 3. 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 4. 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの 5. 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの 6. 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 7. 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 8. 長管骨に変形を残すもの 9. 一手のこ指を失ったもの 10. 1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの 11. 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの 12. 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの 13. 局部に頑固な神経症状を残すもの 14. 外貌に醜状を残すもの |
第13級 | 1. 1眼の視力が0.6以下になったもの 2. 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの 3. 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの 4. 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの 5. 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 6. 1手のこ指の用を廃したもの 7. 1手のおや指の指骨の一部を失ったもの 8. 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの 9. 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの 10. 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの 11. 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの |
第14級 | 1. 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの 2. 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 3. 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの 4. 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの 5. 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの 6. 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの 7. 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの 8. 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの 9. 局部に神経症状を残すもの |
たとえば、交通事故の中でも相談の多い「むちうち症」は、
に該当する可能性があります。
等級表の中に規定されていない後遺症であっても、
表示されている障害の内容と同程度に相当するもの
については、後遺障害として認定されます。
後遺障害が複数ある場合、基本的には以下のような仕組みで等級を繰り上げます。
5級以上の後遺障害が複数ある場合 |
一番重い等級を3級繰り上げ |
8級以上の後遺障害が複数ある場合 |
一番重い等級を2級繰り上げ |
13級以上の後遺障害が複数ある場合 |
一番重い等級を1級繰り上げ |
それ以外 |
等級の繰り上げはなし 一番重い等級を後遺障害の等級とする |
ただこれはあくまで原則的な仕組みとなります。
後遺障害の認定の実務においては、傷害の状況に合わせてより柔軟に併合の処理が進められています。
また併合の処理の結果、実質的に1級以上の等級となるような場合でも1級あつかいとなります。
後遺障害慰謝料などが、特別に増額されるといったこともありません。
後遺障害は、
自賠責損害調査事務所
という第三者機関の審査を経ることで認定にいたります。
自賠責保険に必要な書類を提出することで、審査を受けることができます。
この申請の方法には、
の2通りがあります。
まず2つの方法のいずれにしても、後遺障害の申請は症状固定の後となります。
これ以上治療を継続しても回復が見込めないという状況になること
事前認定と被害者請求のそれぞれの流れは以下の通りです。
事前認定の流れ
事前認定は、必要書類の提出などはすべて相手方の任意保険会社が行います。
被害者請求の流れ
被害者請求は、必要書類の記入・提出などはすべて被害者自身が行います。
事前認定のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット |
・手間がかからない |
デメリット |
・自分に有利な医証などを提出できない ・申請過程を把握できない ・認定の結果がわかるのが遅い ・認定されても自賠責保険分の保険金がすぐに支払われない |
事前認定は、
後遺障害診断書の作成を済ませて相手方保険会社に提出すれば後は待つだけ
という手軽さが最大のメリットです。
逆に言えば、後遺障害診断書を提出した後はすべて相手方保険会社任せとなってしまいます。
後遺障害の認定がなされやすいようにするための特別な努力、工夫などは普通してくれません。
被害者請求のメリット・デメリットは、事前認定の裏返しとなります。
メリット |
・自分に有利な医証などを提出できる ・自分に不利な事情を補う文書を提出できる ・認定の結果がはやくわかる ・後遺障害が認定されると自賠責保険分の保険金が先行して支払われる |
デメリット |
・手間がかかる |
手間がかかるというデメリットについてですが、これは弁護士に依頼し代行してもらうことで解消できます。
実務上、後遺障害の認定は非常に厳しいものとなっています。
とくに「むちうち症」など、他覚的な所見に表れにくい症状は後遺障害認定をうけることが困難となります。
後遺障害の申請は、万全を期した上で臨む必要があるのです。
後遺障害認定のために、必要な努力はすべてはらうべきです。
被害者請求ならば、
ので、後遺障害認定の可能性をあげることができます。
後遺障害認定の結果に不服がある場合には、異議申立てをすることができます。
異議申立てをすることによって等級が下がる
といったことはないので、不服があるならば異議申し立てをするべきと言えるでしょう。
しかし、異議申立てにより認定結果が覆る可能性はきわめて低い!
異議申立てをする際には感情論に走ることなく、
ことが重要です。
異議申立ての流れは以下の通りです。
なお、この異議申立書に決まった書式はありません。
ただ単に異議申立書を提出しただけの場合、認定の結果が覆ることはほぼないと言っていいでしょう。
異議申立ての理由を裏付ける資料が重要となります。
裏付け資料の具体例としては以下のようなものがあります。
医師の診断書、意見書
日常生活状況報告書
被害者本人や同居家族の手で、障害が日常生活に及ぼしている影響などを具体的に記す
前回未提出の医証
「後遺障害認定の結果が覆る可能性はどれくらいあるのか」
この点をかえりみず、ただやみくもに異議申立てをしても時間を浪費するだけとなってしまいます。
異議申立てをする際には、交通事故案件をよくとり扱う弁護士に相談するべきでしょう。
より有効な裏付け資料の収集、提出などの活動により、異議申立てについて認められる可能性があがります。
そのようなお悩みをお持ちの方は、なるべく早くに弁護士に相談することが重要です。
早ければ早いほど、
などについて確かな知識を手に入れることができます。
一度示談書にサインをしてしまったら、後からその内容を変えることは原則できません。
気がかりなことを抱えたままでいると、ストレスもたまってしまいます。
などを活用し、ご自身のお悩みを払拭してください。
岡野武志
一般用語としての「後遺症」のうち、
一定の要件を満たし賠償の対象となるような症状
のことを
後遺障害
と呼称します。