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後遺障害等級は、後遺障害慰謝料や逸失利益に大きな影響を与える大切なものです。
実際の後遺障害に見合わない等級が認定された場合には、異議申し立てができます。
その後遺障害等級の異議申し立てについて、詳しく見ていきましょう。
目次
後遺障害等級認定の異議申し立てを行うと、そこから再審査が行われます。
再審査から結果が出るまでの期間は非公開です。
しかし、一般的に一度目の審査期間よりも長くなることが多いようです。
ここで、一度目の審査期間を確認してみましょう。
上記表記載の審査期間よりも長くなると考えると、結果が出るまでに数カ月かかることが多いと考えられます。
後遺障害等級に対する異議申し立てが認められる可能性は、以下の通りです。
割合(件) | |
---|---|
等級変更有 | 760(約6%) |
等級変更無 | 11143(約92%) |
再調査・その他 | 290(約2%) |
参考:「平成27年度 自動車保険の概況」
上記表を見ると、後遺障害等級の異議申し立てが認められる割合は極めて低いことが分かります。
後遺障害等級の異議申し立てを認めてもらうためには、どのような工夫をしたらいいのでしょうか。
後遺障害等級の異議申し立てのために適切な資料を用意するためには、まず前回の審査結果に至った理由を分析しましょう。
先方が後遺障害の状態についてどのように理解したのか、どのような点が認められ、どのような点が認められなかったのか。
どこをもっと伝えれば、より正確に後遺障害の状態を伝えられるのか。
それを分析したうえで、適切な資料を用意しましょう。
前回の審査結果の理由は、
によって知ることができます。
内容 | |
---|---|
結果通知書 | 審査結果が出た際に送られてくる |
理由開示の申し入れ | 自賠責保険会社に申請 30日以内に書面で届く |
後遺障害等級の異議申し立てには、症状固定から3年という時効があります。
ただし、3年以内なら何度でも異議申し立てが可能です。
焦らずにじっくりと審査結果の理由を分析して、効果的な資料を提出できるよう、準備することがポイントです。
後遺障害等級の審査は基本的に、提出された書類のみから行われます。
しかし、異議申し立ての際には、審査を行う自賠責損害調査事務所に弁護士とともに出向き、担当者や審査に携わる医師に面会する場合もあります。
症状固定
交通事故によるけがが、これ以上治療を続けても大幅な改善は見込めない状態になること
後遺障害等級認定の審査では、医療照会が行われることがあります。
等級認定を行う自賠責損害調査事務所が申請者の担当医に対し、文書にて症状や所見について質問すること。
医療照会は、
以下後遺障害の異議申し立ての際
提出された資料のみでは等級を判断しかねる際
に行われます。
医療照会の際には、申請者は医療照会の同意書にサインするだけです。
そのため、医師がどんなことを聞かれ、どんな答え方をしたのかを知らされるとは限りません。
事前に症状などについてどう答えるか、医師と相談しておくことが大切です。
医療照会に備えて、医師と打ち合わせをしておくことも大切
後遺障害等級の異議申立て先は、一度目の後遺障害等級認定の方法によって変わります。
後遺障害等級認定の申請方法についてはこちら
後遺障害等級認定に必要な資料を被害者が全て用意し、加害者側自賠責保険会社を介して申請をするのが被害者請求です。
一度目の申請の際に被害者請求をしていた場合には、異議申し立ては加害者側自賠責保険会社に対して行います。
被害者請求をしている場合、一度目の申請結果が出ると直ちに加害者側自賠責保険会社から後遺障害慰謝料が支払われます。
異議申し立ての際には、このお金は返す必要はありません。
異議申し立てによって等級が下がり、後遺障害慰謝料が減ることはないからです。
診断書以外の資料は加害者側任意保険会社が用意し、後遺障害等級認定の申請を行うのが事前認定です。
一度目の申請の際に事前認定をしていた場合には、異議申し立ては加害者側任意保険会社に対しても加害者側自賠責保険会社に対しても行うことができます。
では、後遺障害等級の異議申し立ての流れを見ていきましょう。
一度目の後遺障害等級認定で非該当になったとしても、異議申し立ては可能です。
なぜ非該当になったのか、理由をしっかりと分析したうえで異議申立てすることが大切です。
後遺障害等級の異議申し立ての際に提出書類は、以下の通りです。
異議申立書には、以下の内容を記載します。
内容 | |
---|---|
宛名 | 異議申立先 |
日付 | 異議申立書の作成日 |
申請者情報 | 氏名・住所・連絡先など |
事故日 | 交通事故証明書記載のもの |
証明書番号 | |
異議申立の趣旨 | 認定を求める等級 |
異議申立の理由 | 異議申立に至った理由 |
添付書類 | 添付資料の名称 |
異議申立の理由は、分かりやすく、論理的に書くことがコツです。
後遺障害によって勤務体制がどのように変わったか、どのような検査を受けてどのような結果が出たかなどについて書きましょう。
ただこんな症状がある、と書くだけではなく、普段仕事でこんな動きをするから影響がある、などのように具体的に書きましょう。
痛みを感じる、という内容も、単に痛みを感じると書くよりも、痛みを感じるためこれができない、などと書く方が伝わりやすいです。
添付資料として異議申立書とともに提出する新たな証拠としては、以下のものが考えられます。
上記のような資料を、前回の認定結果の理由を踏まえて用意し、添付しましょう。
交通事故の衝撃の程度、負傷の程度に疑義が持たれていると思われる場合には、交通事故の刑事記録も添付しましょう。
後遺障害等級認定の結果に異議申立てしたい場合には、弁護士に相談することがお勧めです。
弁護士に相談することで、以下のようなメリットが考えられます。
交通事故に強い弁護士は通常、後遺障害等級認定のサポートも行っています。
そのため、後遺障害等級のアドバイスをもらうために弁護士に相談することは非常に有効です。
後遺障害等級の異議申し立てのために、新たに医師の診断書や意見書を提出することもあります。
実は、医師が必ずしも後遺障害認定に詳しいとは限らないのです。
弁護士から、後遺障害等級認定に有利な診断書の書き方等をアドバイスしてもらうことも、ポイントです。
ではここで、アトム法律事務所の弁護士が後遺障害等級認定のサポートを行った例をご紹介します。
異議申立ではなく初回の後遺障害等級認定の申請ですが、弁護士はこのようにサポートを行います。
サポート内容 |
---|
・診断書作成について、弁護士が医師に内容を確認 ・医師に訂正、加筆を依頼 ・診断書の内容が充実したものに |
結果 |
後遺障害等級14級に認定 |
以下の慰謝料計算機での計算でもわかるように、後遺障害等級が変われば、得られる後遺障害慰謝料や逸失利益も大きく変わります。
後遺障害等級認定の異議申し立てが認められる割合が約6%ということを考えても、弁護士に相談して万全の準備をすることがベストです。
後遺障害等級認定の異議申し立てに向けて弁護士に相談したいけれど、費用が気になる…
という方も多いのではないでしょうか。
アトム法律事務所は、無料相談を行っています。
アトム法律事務所は、事務所での対面相談の他、
電話やLINEでの無料相談
も行っています。
是非お気軽にご連絡ください。
野尻大輔
後遺障害等級の異議申し立てを認めてもらうためには、適切な書類を提出することが重要です。
異議申し立ての際には、再審査で検討してもらうための資料を送る必要があります。
この資料が適切なものであれば、より後遺障害の状態をうまく伝えることができるのです。