作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

頚椎捻挫慰謝料

【弁護士が解説】頚椎捻挫の慰謝料計算|通院〇カ月・後遺症12級・14級でいくら?

頚椎捻挫の慰謝料っていくら?
この記事のポイント

頚椎捻挫で3カ月通院したときの入通院慰謝料は25万~53万円

頚椎捻挫で後遺障害14級が認められたときの後遺障害慰謝料は32万~110万円

慰謝料を多く受け取るためには弁護士を交渉に関わらせることが重要

頚椎捻挫(けいついねんざ)は、交通事故の中でも最も頻繁に起こる症状で、一般的にはむちうちとも呼ばれています。
交通事故で衝突した際の刺激などで生じてしまうことが多く、首の痛みや手指のしびれなどを伴います。
では頚椎捻挫となって通院し、あるいは通院したものの後遺症が残ってしまった場合には慰謝料はいくら受け取れるのでしょうか。
「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2つに分けて、弁護士が解説します。

  • 頚椎捻挫での入通院慰謝料はいくら?
  • 頚椎捻挫での後遺障害慰謝料はいくら?
  • 慰謝料を増やすためにはどうしたらいい?


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交通事故の頚椎捻挫|基礎知識

交通事故の頚椎捻挫とは?頚部捻挫・腰椎捻挫との違いは?

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頚椎捻挫

交通事故や転倒・頭をぶつけた場合など、首を強く後ろに曲げる力がかかることで発症する状態

同様の症状を示す病名・俗称として

外傷性頸部症候群

頚部捻挫

頸部挫傷

頚椎打撲

むちうち損傷

などの呼び名があります。

「腰椎捻挫」も似たような症状が出ますが、受傷部分が頚部(首)ではなく腰部であることが違いです。

頚椎捻挫の症状は?

頚椎捻挫には様々な症状が出ますが、代表的なものは以下の通りです。

頚椎捻挫の症状

首の痛み

肩こり

頭痛

めまい

吐き気

手指のしびれ

腰痛

この他に顔面のしびれ、眼の炎症、自律神経症状などを発症することもあります。

頚椎捻挫の症状固定はいつ?

頚椎捻挫は、一般的には2~3カ月で治癒すると言われています。
ですが後遺障害を残すような症状の場合、6カ月以上の継続的な通院が必要と言われています。

頚椎捻挫で残る「後遺症」で慰謝料が増える?|手のしびれ、頭痛が出ることも?

後遺障害(後遺症)

十分な治療を行っても、なおこれ以上は良くも悪くもならないという状態で残ってしまう症状

この後遺障害が残ると、そのぶん慰謝料が増えることがあります。
ですので、症状が残っている場合は必ず病院で言うようにしましょう。
頚椎捻挫の代表的な後遺障害は以下の通りです。

頚椎捻挫の後遺障害(後遺症)

首の痛み

首の不快感

腕や指のしびれ、脱力感

このほかにも、頭痛やめまいなど頚椎捻挫の症状が残存することもあります。
これらの多くは首などの神経が圧迫されることで起こる神経由来の症状であるという共通点があります。

なお、多くの場合頚椎捻挫は後遺障害を残さずに完治します。
頚椎捻挫では、受傷した際に椎間板や脊髄を損傷していた場合に後遺症が残ることがあるのです。
実際にこれらの症状によっていくら慰謝料が増えるのかは「後遺障害慰謝料」の項で解説します。

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頚椎捻挫の入通院慰謝料|通院3カ月・6カ月の相場計算方法

入通院慰謝料の3つの計算方法とは?

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入通院慰謝料

傷害を負って入院・通院した精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
「傷害慰謝料」も同じものを指す

慰謝料金額相場の3基準比較

入通院慰謝料を含む慰謝料には、3つの算定基準があります。

自賠責保険での金額算定に使われる自賠責基準

各保険会社での金額算定に使われる任意保険基準

過去の裁判例に基づいた弁護士基準

3つの使いどころを簡単にまとめると、以下のようになります。

(損害が120万円以下の場合)相手方の自賠責保険が支払ってくれる金額が自賠責基準

(損害が120万円より高い場合)相手方の保険会社が提示してくる金額が任意保険基準

弁護士に依頼することでこちら側が提示・請求できる金額が弁護士基準

ということになります。
それぞれの基準に基づく金額は原則として
自賠責基準≦任意保険基準<弁護士基準です。

通院3カ月・6カ月の場合の入通院慰謝料

では仮に、

通院3カ月、入院なし

実際に通院した日数は30日

という場合で、3つの基準を比べてみましょう。

なお、「任意保険基準」は各保険会社内の基準ですので、あくまでも目安となります。

比較

頚椎捻挫で通院3カ月の入通院慰謝料

自賠責基準 任意保険基準* 弁護士基準
252000 378000 53万円

*任意保険基準の額は各保険会社で異なる

もう一つの例として

通院6カ月、入院なし

実際に通院した日数は60日

の場合、入通院慰謝料は以下のようになります。

比較

頚椎捻挫で通院6カ月の入通院慰謝料

自賠責基準 任意保険基準* 弁護士基準
504000 643000 89万円

どちらの場合であっても、弁護士基準ではひと際高い慰謝料を請求できることがわかります。
何故このような違いが出るのか、参考に各基準の計算方法を見てみましょう。

自賠責基準の慰謝料計算方法

自賠責基準では、以下のような算定方法が用いられます。

自賠責基準の入通院慰謝料算定方法

1日あたり4200円

「通院開始から終わりまでの期間」と「実際に通院した日数×2」のどちらか短い方を通院期間として算定する

任意保険基準の慰謝料計算方法

任意保険基準は、各保険会社が個別に内部で基準を持っているため定まった基準ではありません。
ですが過去にはおおむね、以下のような算定方法が用いられていました。

任意保険基準の入通院慰謝料算定方法(一例)

各保険会社ごとに定められた表を用いる

実通院日数が月1~4日の場合は1/3~1/2に減額する

実通院日数が月5~9日の場合は1/2~2/3に減額する

弁護士基準の慰謝料計算方法

弁護士基準は、過去の裁判で請求が認められた慰謝料額から定められています。
原則として入通院期間を基礎として他覚所見のないむちうち、打撲などの場合それ以外の症状の場合で別の表を利用して算定します。

弁護士基準の入通院慰謝料算定方法

多くの頚椎捻挫では、他覚所見のないむちうち、打撲などの場合の表を用いる

入通院期間が長期の場合は「通院開始から終わりまでの期間」と「実際に通院した日数×3」のどちらか短い方を通院期間として算定することがある

結局、頚椎捻挫で入通院慰謝料を多くもらうには?

慰謝料を多く受け取るには、もっとも金額算定基準の高い弁護士基準での請求を行うのが一番です。
ですが、個人で弁護士基準の金額を主張しても相手方が受け入れてくれるとは限りません。
スムーズに交渉を進めるには、弁護士に依頼する必要があります。

なぜなら、弁護士基準というのはつまるところ「裁判になればこれだけ支払われる」という金額です。
弁護士が介入してくると訴訟を起こされる可能性が高くなります。訴訟をすると費用が余計にかかってしまいますから、保険会社はそれを避けるため、弁護士基準に近い金額の支払いを認めてくれる傾向があるのです。

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頚椎捻挫の後遺障害慰謝料|290万円と110万円の差は?

頚椎捻挫の後遺障害等級と慰謝料

イメージ画像

首の痛みなどの後遺障害が残ってしまい、後遺障害等級に認定された場合は後遺障害慰謝料が追加で支払われます。

後遺障害慰謝料

後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
14段階の後遺障害等級に応じて支払われる

この後遺障害慰謝料にも入通院慰謝料と同様に3つの基準があり、金額も自賠責基準≦任意保険基準<弁護士基準となっています。

では実際に、頚椎捻挫の場合の後遺障害等級と慰謝料を見てみましょう。

後遺障害慰謝料

12級13号

1213号 局部に頑固な神経症状を残すもの
自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準
93万円 100万円* 290万円

*任意保険基準の額は各保険会社で異なる

後遺障害慰謝料

14級9号

149号 局部に神経症状を残すもの
自賠責基準 任意保険基準 弁護士基準
32万円 40万円* 110万円

*任意保険基準の額は各保険会社で異なる

こちらの場合であっても、弁護士基準が最も高額になっていることがわかります。
そして、「12級」の290万円と「14級」の110万円でも大きな差があります。この差はなぜ生じているのでしょうか。

①12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」とは?

局部とは体の一部、神経症状とは痛みやしびれなど神経由来の症状を指します。

「頑固」については明確な基準はなく、

神経付近の損傷などがMRI検査やCT検査で確認できている

損傷部位と痛み・しびれの生じる部位との医学的な関連性がある

痛み、しびれの存在を証明する検査結果

などが揃い、痛み・しびれ症状を医学的に証明可能であれば、後遺障害等級12級に認定される可能性があります。

②14級9号「局部に神経症状を残すもの」とは?

他覚的所見に乏しい場合、痛みやしびれの原因となった損傷を証明するのは困難です。それでも

一定以上の通院期間があり症状が一貫している

事故直後に一応の損傷が確認できている

など、痛み・しびれ症状を医学的に説明・推定可能であれば、後遺障害等級14級に認定される可能性があります。

結局、頚椎捻挫で慰謝料はいくら受け取れる?

「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」を含めた、相手方から受け取れる保険金総額の目安を知るには慰謝料計算機が便利です。
後遺障害等級や、通院日数を記入するだけで金額が算定されます。
最初に「軽傷・むちうち」の項目を選んだうえでお試しください。


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頚椎捻挫や慰謝料に関するご不安は弁護士にご相談ください

LINE相談

頚椎捻挫は交通事故で最も頻繁に起こる外傷です。
ですがその内で適正な慰謝料を受け取っている人はあまりいない、というのが現状です。
多くの被害者が、相手方保険会社の提示してくる金額をそのまま受け取っているためです。
首の痛み、頭痛、めまいなど、頚椎捻挫の症状はより的確に評価され、その精神的苦痛に見合ったぶんの慰謝料が支払われなければなりません。
もしも事故にあって現在首の痛みを覚えている方や、相手方保険会社の提示した金額にご不安のある方はぜひLINE・電話での無料相談をご利用ください。
交通事故に注力している弁護士が、皆様の疑問にお答えします。


弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

全国10事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2019年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。