作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故記憶障害

交通事故|記憶障害が後遺症で残ったら…原因や症状、慰謝料を解説

交通事故による記憶障害を解説

交通事故に遭うと、記憶障害が生じる場合があります。
その記憶障害にもいくつかの種類があり、症状は様々です。

  • 交通事故で発生する記憶障害にはどのようなものがある?
  • 記憶障害が後遺症として残ったら慰謝料はどうなる?
  • 記憶障害が残ったら弁護士に相談するべき?

交通事故で記憶障害が残るとその後の生活にも支障が出る場合があります。
そうした場合、ご本人や周りの方がスムーズに対応できるよう、分かりやすく解説していきます。


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交通事故|記憶障害の原因と症状

交通事故|記憶障害の症状

記憶障害は高次脳機能障害の1つで、いくつかのの種類があります。
それぞれの症状は以下の通りです。

記憶障害の種類と症状
逆向性健忘 受傷前数年~数十年の記憶がない
▼受傷前の自分の経験の記憶がない
▼受傷前の社会に関する記憶がない
前向性健忘 受傷前のことは覚えているが、受賞後に新しいことを覚えられない
▼物の置き場を忘れる
▼何度も同じことを質問する
▼一日の予定を記憶できない
▼さっき食事をとったことを忘れる
▼作業を中断すると何をしていたか忘れてしまう
▼約束を忘れる
見当識の障害 今日の日時、ここはどこかがわからなくなる
出典健忘 ある情報をいつどこで知ったのか忘れてしまう
作話 周りの人の話や見たことなどの外的な刺激に影響され、過去の記憶を修復して空想的な話を作り出す

この他、注意障害や人格の変化が伴うこともあります。

高次脳機能障害にはほかにも症状があり、複数の症状を併発することもあります。
高次脳機能障害についての詳細はこちらの記事をご覧ください。

交通事故における記憶障害の原因

交通事故の場合、

などによって記憶障害が発生する可能性があります。

こうした傷病によって、全脳基底部や側頭葉、視床が損傷することが、記憶障害の原因として挙げられます。

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交通事故|記憶障害が後遺症で残ったら

記憶障害の後遺障害等級と慰謝料

交通事故で記憶障害が残り、後遺障害等級が認定されると、後遺障害等級慰謝料を受けることができます。
該当する可能性のある等級と、過去の判例をもとに設定された、各等級に対する後遺障害慰謝料の金額目安をご紹介します。

記憶障害の後遺障害等級と慰謝料
11号/2800万円
高度の痴呆があり、常時看護が必要
21号/2370万円
著しい判断能力の低下が見られ、看視が欠かせない
33号/1990万円
新しいことが一切覚えられず注意力も散漫で、仕事や学習ができない状態
52号/1400万円
単純な作業の繰り返しは可能だが、新しい作業を覚えるのが難しかったり、環境が変わると作業を継続できなかったりする
74号/1000万円
簡単な店番程度ならできるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどから、一般人と同等程度の作業を行うことができない
910号/690万円
仕事や学習は出来るが、作業効率や作業維持力などに問題がある
1213号/290万円
意思疎通、手順の理解や判断、8時間程度の継続作業、協調性のいずれかに多少の困難を感じる
149号/110万円
仕事や日常会話は概ね問題ないものの、わずかな労働能力の喪失がある

実際に記憶障害で後遺障害等級が認定された例を見てみましょう。

5級2号
  • 高校生(男・固定時18歳)
  • 携帯電話でのメールやギター、近所での買い物などができ、ある程度の認知、判断、学習能力は認められる
  • 以下の記憶障害がみられる
  • 初めての場所で道に迷う
  • ストーブの火をつけたまま忘れる
  • 学習に大変な時間と労力を要する

その他の高次脳機能障害の症状

怒りやすい、興奮しやすい

(東京地判平16.9.22 交民37・5・1294)

5級2号
  • デザイン担当嘱託社員(男・固定時45歳)
  • 復職後デザイン能力に低下は見られず
  • 以下の記憶障害がみられる
  • 記憶力の低下
  • 持続力の低下

その他の高次脳機能障害の症状

協調性の問題など人格トラブルにより退職

(京都地判平17.12.15 自保ジ1632・5)

記憶障害で妥当な慰謝料を得るポイント

交通事故を原因として記憶障害が残り、上で解説したような等級に認定されると、後遺障害慰謝料を得られます。

しかし、この等級・慰謝料については、

  • 必ずしも等級が認定されるとは限らない
  • 交渉次第では低めの慰謝料金額になる可能性もある

という点に注意が必要です。

後遺障害等級認定は、基本的に提出した資料のみを見て審査が行われます。したがって、戦略的な資料集めがポイントとなります。
後遺障害等級認定については、交通事故案件を扱う弁護士が専門家としてサポートをしています。

また、後遺傷害慰謝料については、実際の金額は加害者側との示談交渉次第になります。
上でご紹介した金額は過去の判例をもとに定められた金額基準ですが、加害者側の保険会社は、それよりも大幅に低い金額を提示してくることが一般的です。

増額交渉(弁護士なし)

交渉は基本的に、弁護士による主張でないと聞き入れてもらえないことがほとんどです。

後遺障害等級認定についても示談交渉についても、弁護士に相談することが成功のポイントということができます。

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交通事故|記憶障害は弁護士に相談を

記憶障害|弁護士に依頼した場合の事例

では、実際に弁護士に依頼した結果後遺障害等級が認定された結果と、示談金額が増加した事例をご紹介します。
記憶障害の原因である頭部外傷や高次脳機能障害に関する、アトム法律事務所の事例です。

アトム法律事務所|後遺症認定実績
等級 後遺症 獲得示談金*
14 外傷性くも膜下出血 474万円
9 脳挫傷・高次脳機能障害 3487万円
7 高次脳機能障害 4183万円
7 高次脳機能障害 1809万円
1 脳挫傷・肋骨骨折 3129万円

*後遺障害慰謝料を含む示談金の総金額

アトム法律事務所|示談金額増加の事例
等級 獲得金額 症状など
910 1855万円
3000万円
20代男性
外傷性くも膜下出血、高次脳機能障害、びまん性軸索損傷
弁護士の交渉で当初の提示額が約1.6倍に
910 1924万円
2823万円
40代男性
脳挫傷、硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血など
弁護士の交渉で当初の提示額が約1.5倍に
916 781万円
1700万円
10代男性
急性硬膜下血腫、頭蓋骨陥没骨折
弁護士の交渉で当初の提示額が約2倍に
11 1193万円
3500万円
20代女性
脳挫傷・くも膜下出血・頭蓋骨骨折
弁護士の交渉で当初の提示額が約3倍に

アトム法律事務所では、LINE・電話で無料相談が可能です。
相談の際、無理に契約を勧めることもありません。
提示された示談金が妥当かどうかのご相談、後遺障害等級認定のご相談も多く寄せられています。
お気軽にご連絡ください。

交通事故|弁護士費用の負担は軽減できる

弁護士に相談したいけれど、その後の弁護士費用が不安…
そのような場合でも、弁護士費用の負担は簡単に軽減させることができます。

弁護士費用の負担軽減の方法

弁護士費用特約を使う

→被害者自身が加入する保険に弁護士費用を負担してもらえる制度。加入者の家族も利用できる。

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アトム法律事務所|無料相談とお客様の声

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素人の私に解らない事、不安な事など納得いくまで教えて下さいました。しかも返事に全く時間をかけず、不安でいる時間が少なくてすみました。

わざわざご足労いただき、事故当時者の母の様子や生活状況などの詳細をつぶさに見ていただき、それを相手側保険会社へ、しっかりお伝えいただいた結果が、今回の大幅増額につながったと感じました。

納得のいく結果となりました事、又相手側との交渉の経緯も詳しく分かりやすく説明していただき、本当にスッキリしました。

支部長’17

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弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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