7人の弁護士がこの記事に回答しています

交通事故における保険の種類を解説|賠償金の支払いの流れとは?

イメージ画像

交通事故の保険の種類について、このような疑問をお持ちの方はいませんか?

  • 自賠責保険任意保険について知りたい!
  • 賠償金の請求の流れについて知りたい!
  • 労災保険健康保険は使ってもいいの

ご覧のページでは保険の種類や請求の流れについて徹底解説していきます。


1

交通事故の自賠責保険について解説

交通事故において、事故加害者が加入している保険は主に2種類あります。

自賠責保険

任意保険

です。

Q1

そもそも自賠責保険とは?

自賠責保険はすべての自動車に加入が義務付けられている保険です。

自動車事故の被害者が最低限の補償をうけられるよう、法的に整備されています。

特色

対人補償のみで対物補償はない

被害者保護の観点から過失相殺に制限がある

補償の額に上限がある

ひとつずつ特色を見ていきましょう。

対人補償のみで対物補償はない

あくまで自賠責保険は、

交通事故被害者が最低限の補償をうけられるようにすること

を目的として法的に整備されています。

物損事故において、自賠責保険から補償をうけることはできません。

また人身事故についても、物損部分については自賠責保険から補償をうけることはできません。

過失相殺に制限がある

これは事故被害者にとっては有利な特色です。

自賠責保険は、事故被害者保護の観点から

被害者の過失割合が7割未満の場合

につき、過失相殺を行わず、賠償金を減額しません

過失割合・過失相殺

交通事故においては、被害者側にも一定の落ち度が認められるのが通常である。

過失割合とは

加害者の事故責任と被害者の落ち度を割合として示したもの

過失相殺とは

過失割合に応じて被害者への賠償額を減額すること

被害者の過失割合が7割以上の場合に限り、以下の表の割合で賠償額が減額されます。

自賠責保険の過失相殺
・後遺障害

・死亡

に係る事故

通常の傷害事故
過失割合
7割以上8割未満
2割減額 2割減額
過失割合
8割以上9割未満
3割減額
過失割合
9割以上10割未満
5割減額

減額の割合が実際の過失割合よりも緩やかであることがお分かりになるかと思います。

また被害者の損害額が20万円以下の場合には、過失割合に関わらず減額は行われません

Q2

自賠責保険の補償額の限度とは?

上記の特色はともかく、自賠責保険でもっとも注意しなければならないのは、

自賠責保険は支払われる賠償額に上限がある

という点です。

治療費、休業補償、傷害慰謝料など傷害部分の上限額は

120万円

です。

後遺障害慰謝料や逸失利益など、後遺障害部分の上限額は等級ごとに下記の表のとおりです。

後遺障害賠償の上限額
等級 金額
要介護1 4000万円
要介護2 3000万円
1 3000万円
2 2590万円
3 2219万円
4 1889万円
5 1574万円
6 1296万円
7 1051万円
8 819万円
9 616万円
10 461万円
11 331万円
12 224万円
13 139万円
14 75万円

自賠責保険は被害者が『最低限』の補償をうけられるようにするための保険です。

補償の内容は充実しているとは言えず、多くの事故でこれら上限額以上の損害が発生してしまいます。

2

交通事故の任意保険について解説

自賠責保険で賄えない部分について補償してくれる保険

それが任意保険です。

Q1

任意保険とは?

任意保険はその名の通り、車の保有者が任意で加入する保険です。

現在では多くの運転者が加入していると言われています。

事故の相手方が任意保険に入っていれば、自賠責保険を超過した人身部分の損害について補償をうけられます。

また、相手方の任意保険に

対物賠償責任保険

が入っていれば、物損部分についても補償をうけられます。

自賠責保険と任意保険
自賠責保険 任意保険
補償 最低限 自賠責に上乗せ
過失相殺 制限あり 制限なし
物損 補償なし 補償あり*

*当該の任意保険に対物賠償責任保険が入っている場合に限る。

Q2

保険金の請求の流れとは?

元来は、

事故被害者が事故加害者に賠償金を請求

事故加害者が自賠責保険や任意保険にそれぞれ保険金を請求

という流れになります。

ただ、これでは被害者・加害者とも手続きが煩雑になり、要する時間も長くなります。

現在、交通事故の賠償金や保険金の請求手続きについては、

一括払い制度

を利用するのが一般的です。

一括払い制度とは

任意保険会社が自賠責保険分もふくめ、一括肩代わりして払う

任意保険会社はあとから自賠責保険会社に自賠責保険の分の金額を請求する。

一般的に、交通事故発生後の保険金・賠償金などの流れは以下の通りとなります。

任意保険会社の担当者が事故被害者の窓口となる

② 任意保険会社は、まず治療費入院費など事故直後にひとまず入り用となるお金を肩代わりする

③ 治療等が終了し賠償金の算定が可能になったら被害者と示談交渉

④ 示談交渉でとり決められた賠償金のうち、すでに払った治療費等を除いた金額を被害者に支払う

⑤ 任意保険会社は自賠責保険会社に自賠責保険分のお金を請求する

3

交通事故における「被害者が加入している保険」について解説

交通事故の被害者になったときには、

被害者自身が加入している各種の保険

も活用できます。

主に交通事故では、

労災保険

健康保険

被害者加入の自動車保険

が問題となります。

これら保険は、

事故加害者が任意保険に入っていない場合

ひき逃げ事故に遭い、加害者が特定できていない場合

などで役に立ちます。

Q1

労災保険とは?

労災保険は、労働者の業務に関する傷害などを補償する保険です。

通勤の途中で事故に遭った

業務時間中に事故に遭った

といった場合、労災保険を適用することができる場合もあります。

労災保険の特色

メリット

過失割合を問題としない

支給額に上限がない

デメリット

治療費の対象が自賠責保険よりも狭い

慰謝料は対象外

休業補償は最大でも80%しかもらえない

労災保険は自賠責保険との二重取りをすることはできません

労災保険を先行させるべきか自賠責保険を先行させるべきかは、事故態様によって異なります。

理論上は、

自賠責保険労災保険で賄えなかった分について労災保険自賠責保険を請求する

といったこともできるのですが、上記の通り、労災保険と自賠責保険は給付の額や対象が大きく異なるため一筋縄にはいきません。

Q2

健康保険とは?

健康保険は病院の診察代や薬代のうち7割を保険者が負担してくれる、というものです。

病院によっては

「交通事故では健康保険は使えない」

といった説明をうけることもありますが、これは誤りです。

健康保険の請求の流れ

健康保険を利用したい旨を病院に申し入れます。

嫌な顔をされたりすることもありますが、事故被害者の立場からすれば健康保険を利用して損になることはありません。

極力、健康保険を利用するべきです。

健康保険利用の流れ

① 加入する健康保険に「第三者の行為による傷病届」を提出

② 病院で診察を受け、3割の自己負担分について病院に支払う。

場合により病院が肩代わりしてくれるケースもある

③ 自己負担分について加害者に求償する。

(病院が肩代わりしてくれた場合、病院が加害者に求償する

④ 健康保険が7割の健康保険負担分について加害者に求償する。

「第三者の行為による傷病届」は最寄りの全国健康保険協会の都道府県支部などで入手可能です。

Q3

被害者加入の自動車保険とは?

たとえば、車両の任意保険の中には

人身傷害補償保険

搭乗者傷害保険

無保険車傷害保険

などがセットになっているプランなどもあります。

人身傷害補償保険

被保険者が事故で傷害を負ったりしたときなどに過失割合に関わらず保険金が支払われる、という保険。

搭乗者傷害保険

被保険自動車の運行で、その自動車に乗車していた人が死傷したときに保険金が支払われる、という保険。

無保険車傷害保険

無保険の車両によって引き起こされた事故により傷害を負うなどしたとき保険金が支払われる、という保険。

「自身の過失割合が相当大きく、相手方保険会社の補償の額が小さい!」

といったときでも、これら保険に加入していればその過失分について充当されるわけです。

注意しなければならないのは、これら保険は「保険会社の支払い基準」によって保険金が支払われるという点です。

人身傷害補償保険

裁判基準での金額が支払われるわけではなく、あくまで保険会社独自の基準の額が支払われる。

負った損害のすべてについて補償されない可能性もある。

搭乗者傷害保険

通常、支払われる保険金は一定額があらかじめ規定されている。

また、その金額も大きいものではない。

無保険車傷害保険

一般的に被保険者が死亡したり後遺障害を負ったりした場合のみの補償となる。

4

交通事故のお悩みを弁護士に無料相談!

イメージ画像
Q1

スピーディーに弁護士に無料相談したいなら

事故加害者が自賠責保険にしか入っていない!

事故加害者側とのやりとりがめんどくさい!

そのようなお悩みをお持ちの方は、なるべく早くに弁護士に相談することが重要です。

早ければ早いほど、

弁護士に依頼した場合の費用対効果

補償の増額の見込み

弁護士による手続き代行の利便性

などについて確かな知識を手に入れることができます。

一度示談書にサインをしてしまったら、後からその内容を変えることは原則できません。

気がかりなことを抱えたままでいるのは、得策とは言えないのです。

24時間、365日無料で利用可能なLINE相談窓口

24時間、365日無料ですぐに相談の予約ができる電話窓口

などを活用し、ご自身のお悩みを払拭してください。