アトム法律事務所顧問医
奈良県立医科大学附属病院
藤井 宏真先生
外力により鼓膜に穿孔が生じ閉鎖しない状態を指す。耳掃除中の転倒など直接的な外力によるものを直達性、事故や殴打など急激な圧変化によるものを介達性という。
難聴や耳閉感、出血のほか、介達性の場合外耳道の裂傷や腫れなどの合併損傷を呈している場合もある。重症例では手術も検討され得る。
耳掃除中の転倒など鼓膜に直接外力が加わったケースの他、球技スポーツや平手打ちなどの殴打、スキューバダイビング、過度な耳管カテーテル通気なども原因になり得る。
外傷性鼓膜穿孔は自然閉鎖する確率が高い。
ただしケガの態様によっては自然閉鎖が遅れるため、外科的な措置が必要となる場合もある。手術には鼓膜穿孔閉鎖術と鼓膜形成術があり、前者は新鮮化した穿孔部にキチン膜を貼付するものとなる。後者はケガの態様に合わせ様々な手法が検討される。
細菌感染が疑われる場合、耳鳴りがする場合などには、薬物療法も行われる。
いずれにせよまずは専門の医療機関を受診し判断を仰ぐべきである。
アトム法律事務所顧問医
奈良県立医科大学附属病院
藤井 宏真先生