作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故足切断

交通事故で足切断|後遺障害等級は何級に該当する?慰謝料はいくら?

交通事故足切断の後遺症…
この記事のポイント
  • 交通事故では足切断の後遺障害を負うことがある
  • 足切断では、1~7級の後遺障害等級が認定される可能性がある
  • 弁護士への依頼で、2~3倍程度の慰謝料増額が期待できる

交通事故にあって足を切断することになってしまったら、その後の人生に大きな影響がおよびます。足を失うという後遺症に対して、適正な慰謝料などの補償は得られるのでしょうか。

  • 足切断の原因となる状況とは?
  • 足切断が後遺障害と認定される具体的な基準は?
  • 後遺障害認定で得られる慰謝料の金額は?

藤井宏真医師

奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医

藤井 宏真医師

足切断の原因となるのは、交通事故などに伴う外傷性のものと、糖尿病などの疾患による血行障害性のものに分けられます。

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足切断の基礎知識|足を失う原因とは

足切断の原因は?

足切断の原因は以下のようなものがあげられます。

足切断にいたる原因

外傷による足切断としては、バイク事故・自動車事故といった交通事故が原因であることが多い

  • 鋭利なものと接触した
  • 物と物の間に挟まれた
  • 解放骨折・粉砕骨折などで骨が壊死して治療の一環で切断した

とくにバイクは自動車と違って体が露出しているので、衝撃をダイレクトに受けやすくなります。
交通事故などの外傷以外では、糖尿病・動脈閉塞症などが原因で足切断となる可能性もあります。

足切断は後遺障害に認定される?

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後遺症(後遺障害)

十分な治療を受けても、改善が期待できなくなった状態で残存する症状
交通事故の場合、障害の部位と障害の程度に応じて14段階の後遺障害等級で区分される

足切断は後遺障害に認定されます。足切断ではどのような等級になるかは次の章で詳しく説明します。

足切断で慰謝料は増えるのか?

足切断で増える保険金|後遺障害慰謝料と逸失利益

後遺障害等級に認定されると、相手方から支払われる金銭が増加します。
後遺障害の認定で追加される金銭の一つが後遺障害慰謝料です。

後遺障害慰謝料

後遺障害を負ったという精神的な苦痛に対して支払われる損害賠償

後遺障害慰謝料の他に、追加される金銭として逸失利益があります。

逸失利益

後遺障害が残ったことで労働能力が喪失・低下し、将来的な収入が減ることへの補償
<計算方法>
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数

逸失利益の計算で用いられる「労働能力喪失率」は、障害の部位・程度、被害者の職業などから総合的に判断して増減することがあります。
主婦などの場合における年収算定方法やライプニッツ係数一覧などはこちらの記事をご覧ください。

後遺障害等級の申請方法|足切断の場合

足切断で後遺障害等級の申請をし、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れについて順を追って確認していきます。

後遺障害等級認定の手続きの流れ

①症状固定

治療を継続しても、症状の改善が期待できなくなった状態を症状固定と言います。

症状固定のタイミング

後遺障害等級認定を受ける場合、原則として事故発生から約6ヶ月以上経っている必要があります。
治療期間が6ヶ月よりも短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなるので注意が必要です。

②後遺障害診断書・医学的資料の用意

症状固定の診断を受けたら、後遺障害診断書などの資料を後遺障害等級認定に向けて準備します。

後遺障害の申請は2種類の方法からいずれかを選択します。

事前認定の流れ

事前認定▶被害者が後遺障害診断書のみを任意保険会社に提出

被害者請求の流れ

被害者請求▶被害者が後遺障害診断とともに医学的資料なども用意して自賠責保険に提出

被害者請求は資料を集める手間が必要になりますが、後遺障害等級の認定に有利な資料をご自身で精査できるのが強みです。弁護士に依頼すれば資料収集も任せることもがきます。

比較

事前認定と被害者請求

事前認定 被害者請求
請求者 相手方保険会社 被害者自身
メリット 資料収集の手間がない 自分で資料を確認できる
デメリット 自分で資料を確認できない 資料収集の手間がかかる

③損害保険料率算出機構による審査

提出された資料をもとに損害保険料率算出機構という専門の認定機関が後遺障害等級の審査を行います。
足切断に関しては足を失ったという後遺症の存在が明らかであるため、等級認定をめぐって争われる事例は少なくなっています。とはいえ念のためにも、記載が充実した後遺障害診断書や医学的資料を準備することは認定においては重要なポイントになります。
審査結果をふまえ、自賠責保険会社が等級認定を行います。

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交通事故による「足切断」の後遺障害

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交通事故による足切断の後遺障害等級は何級?

交通事故による足切断で認定される可能性のある後遺障害等級は以下のようになります。

後遺障害等級

交通事故による足切断

等級 内容
1 5 両下肢を膝関節以上で失つたもの
2 4 両下肢を足関節以上で失つたもの
4 5 1下肢を膝関節以上で失つたもの
7 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
5 5 1下肢を足関節以上で失つたもの
7 8 1足をリスフラン関節以上で失つたもの
用語

▼「膝関節」
膝にある関節のこと
▼「足関節」
足首にある関節のこと
▼「リスフラン関節」
足の甲の中央あたりにある骨と指につながる骨の関節

交通事故による足切断の後遺障害慰謝料の相場は?

慰謝料の金額は、相手方が算定に用いる基準(自賠責基準・任意保険基準)と、弁護士が算定に用いる(弁護士基準)で大きく異なります。
交通事故による足切断に対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。

後遺障害慰謝料

交通事故による足切断

等級 自賠責基準 弁護士基準
1 5 1100万円 2800万円
2 4 958万円 2370万円
4 5 712万円 1670万円
7
5 5 599万円 1400万円
7 8 409万円 1000万円

等級ごとに異なりますが、弁護士への依頼で2倍以上の後遺障害慰謝料の請求が可能になります。
慰謝料の増額をご希望の方は、なるべく早い段階から弁護士と相談しておくことが大切です。

慰謝料金額相場の3基準比較
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足切断の後遺症のお悩みは弁護士にご相談ください

LINE相談

足切断の後遺症を負ったら日常生活に大きな影響がおよぶことが容易に想像できます。

にも関わらず相手方の保険会社から提示される損害賠償(示談金)は、被った損害に対して不十分であることが多いです。

損害に対して十分な補償を得るには、弁護士に依頼することが一番です。

保険会社との示談交渉などを弁護士に一任することで、慰謝料増額の可能性が高くなります。また、面倒な保険会社とのやり取り・手続きなどからも解放されます。

  • 足切断による慰謝料はどのくらいなのか
  • 通院に関する注意点
  • 後遺障害等級の申請方法

など、不安な点や疑問に思われていることどのようなことでも結構です。

まずは気軽にLINE・電話での無料相談をご利用ください。


弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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