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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
腰痛は、交通事故による様々なけがを原因として発生します。
軽い症状と思われがちですし、腰痛が後遺症(後遺障害)として認められるのか不安な方も多いでしょう。
交通事故による腰痛はどのような後遺障害等級に該当し、それにより受け取れる慰謝料はいくらなのか、弁護士が解説いたします。
目次
奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医
藤井 宏真医師
腰痛は、交通事故で脊髄や神経、筋肉が損傷することで発生します。
元々腰痛を発症しやすい状態にあり、100%交通事故が原因であると言い切れない場合もあります。
交通事故で腰痛が発生する原因として、以下のけがが挙げられます。
それぞれのけがの概要と、それが発生する原因をご紹介します。
① | 椎間板ヘルニア ▼概要:背骨と背骨の間にある椎間板が変性し,椎間板の内部組織が椎間板から飛び出た状態 ▼原因:首や腰に力がかかり、椎間板が変形したことによる神経圧迫 |
---|---|
② | 腰椎すべり症 ▼概要:ブロック状に積み重なる椎体が前後にずれる ▼原因:腰部への衝撃(もとも腰椎分離症*であり、腰椎が滑りやすい状態である人も多い) |
③ | 腰部脊柱管狭窄症 ▼概要:脊柱管およびその中の脊髄、神経が圧迫される ▼原因:腰椎圧迫骨折(加齢等により元々少し圧迫されている人も多い) |
④ | 骨盤骨折 ▼概要:骨盤骨を骨折すること ▼原因:骨盤付近への衝撃 |
⑤ | 腰椎捻挫(むちうち) ▼概要:腰椎周辺の神経や筋肉が損傷する ▼原因:腰部に衝撃を受け、体が鞭のようにしなる |
*椎骨が割れ、椎体部分と椎弓部分が2つに分離している状態。ジャンプなど軽い動作でも発生しやすく、発生しても特に問題がなく気づかないことも多い。
腰痛の場合、骨の状態や年齢などから、元々腰痛が発生しやすい状態にあったということがあります。
そうした場合には、たとえ交通事故がきっかけで腰痛を感じるようになったとしても、それはあくまで最後の一押しだったにすぎず、交通事故だけが原因であるとは言えないと判断される可能性もあります。
腰痛の原因となる交通事故でのけがは、主に整形外科で治療を受けることになります。
レントゲン撮影やCT検査、その他けがに応じた検査で患部の骨や神経等の損傷を確認し、治療方針を決めていきます。
腰痛では、病院ではなく整骨院で治療を受けたいという人もいます。
しかし、交通事故による腰痛は、まずは必ず整形外科で治療を受けてください。
整骨院通院で発生した治療費や慰謝料の請求は、それが病院の医師の指示によるものでない限り認められない可能性が高いからです。
整骨院での治療も受けたい場合は、
ということに注意してください。
での整骨院通院の注意点について、さらに詳しくはこちらをご覧ください。
腰痛の原因となるけがについては、程度が軽ければ保存療法がおこなわれます。
具体的には、
などです。
腰痛の原因となっているけががずれの大きな骨折であったり、腰痛が日常生活に多大な影響を及ぼしていたりする場合には、手術が行われることもあります。
具体的には、痛みの原因となっている部分を取り除く手術や、痛みの原因となっている部分を内側から固定する手術が行われます。
これ以上治療を行っても大幅な回復は見込めないと判断された症状。
交通事故の場合、その部位と程度についての審査を経て14段階の後遺障害等級が与えられる
交通事故によるけがで腰痛が残った場合、その原因となったけがに応じて以下のような後遺症として扱われます。
それぞれが該当する後遺障害等級については、次の章で詳しく説明します。
上述した後遺障害等級に認定されると、相手方から支払われる金銭が増えます。
後遺障害が残った場合に追加で支払われる金銭の一つが、後遺障害慰謝料です。
後遺障害によって今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償
また、後遺障害慰謝料の他に支払われるものとして逸失利益があります。
後遺障害が残ったことで労働能力が失われ、得られなくなった将来の収入に対する補償。
(異動や退職を余儀なくされた、出世が難しくなったなど)
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数
なお、「労働能力喪失率」は障害の部位や程度、被害者の職業などを考慮して増減することがあります。
主婦などの場合の年収算定方法や、ライプニッツ係数一覧などはこちらの記事をご覧ください。
注意点として、後遺障害慰謝料の金額は示談交渉で決められるということがあります。
次項で後遺障害慰謝料の金額をご紹介しますが、それらはあくまでも基準です。
交渉次第ではこれからご紹介する金額よりも低額な金額になる場合もあります。
慰謝料の増額交渉は弁護士でないと聞き入れてもらえないことも多いので、示談交渉については一度弁護士に相談しておくことをお勧めします。
では、実際に腰痛で後遺障害等級の申請をして、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。
治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6カ月以上経っている必要があります。
これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。
症状固定の診断を受けたら、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。
後遺障害の申請には、2種類の方法があり、どちらを選択するかによって申請者自身で集める資料が変わります。
両者の違いを表にして比較します。
事前認定と被害者請求
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
請求者 | 相手方保険会社 | 被害者自身 |
メリット | 資料収集の手間がない | 自分で資料を確認できる |
デメリット | 自分で資料を確認できない | 資料収集の手間がかかる |
提出された資料をもとに、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。
結果は30日以内に出ることが多いですが、判断が難しい・経過を見る必要があると判断された場合には、数ヶ月~数年かかることもあります。
こうした審査が長期化するケースは、高次脳機能障害などに多いです。
より細かな認定手順についてはこちらの記事を参照してください。
交通事故によるけがで腰痛が後遺症となった場合、その原因に応じて以下の後遺障害等級が認定されます。
腰痛の場合
等級 | 症状 |
---|---|
6級 | 脊柱に著しい変形を残すもの →画像で圧迫骨折や破裂骨折や脱臼などが確認でき、なおかつ以下のどれかに該当するもの ①2個以上の椎体の前方の高さの合計が、後方の椎体の高さの合計よりも、1個の椎体分以上低くなっている ②1個以上の椎体の前方の高さの合計が、後方の椎体の高さの合計よりも、1/2個の椎体分以上低くなっており、側彎度が50度以上となっているもの |
11級 | 脊柱に変形を残すもの →以下のどれかに該当するもの ①レントゲンなどの画像で圧迫骨折や脱臼が認められる ②脊柱固定術が行われた ③3個以上の脊柱について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けた |
12級 | ▼骨盤骨に著しい変形を残すもの →裸体となった時に変形がわかる ▼局部に頑固な神経症状を残すもの →画像その他により、痛みやしびれなどの原因が医学的に証明できる |
14級 | 局部に神経症状を残すもの →痛みやしびれなどの原因が、医学的に説明可能 |
慰謝料の金額の算定方法は、相手方が提示してくるもの(自賠責基準・任意保険基準)と、弁護士が交渉することで請求できるもの(弁護士基準)で大きく異なります。
交通事故による腰痛に対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。
腰痛の場合
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
6級 | 498万円 | 1180万円 |
11級 | 135万円 | 420万円 |
12級 | 93万円 | 290万円 |
14級 | 32万円 | 110万円 |
腰痛は、交通事故による様々なけがを原因として後遺症になります。
その一方で、レントゲン写真などでは異常が映らなったり、本当は痛みはないのではないかと疑われたりして、後遺障害等級が認定されなかったり、低い慰謝料金額を提示されたりする可能性もある症状です。
適切な後遺障害等級に認定され、十分な補償を受け取るためには、弁護士に依頼することが一番です。
後遺障害等級認定の申請や示談交渉などを一任することで、手続きの煩雑さを省きながらも専門的な知識や経験を生かした対策をとることができます。
腰痛による慰謝料はいくらになるのか、通院に関する注意、後遺障害等級の申請方法など、どのようなことでも結構です。
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(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
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