作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故逸失利益

交通事故の逸失利益|計算式を徹底分解、わかりやすく解説します

交通事故の逸失利益計算の基本

交通事故における「逸失利益」には①逸失利益②死亡逸失利益の2つがあります。

逸失利益後遺障害が残らなければ就労から得られたであろう利益をさします。

死亡逸失利益は交通事故により死亡しなければ就労から得られたであろう利益をさします。

この記事では、主に①の逸失利益について解説しています。

  • 逸失利益はどう計算する?
  • 基礎収入?ライプニッツ係数?よくわからない…
  • 主婦・子ども・高齢者・無職は逸失利益がもらえない?

↓②死亡逸失利益について知りたい方は、以下の関連記事をお役立てください。


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逸失利益の計算式|就労の有無と年齢がポイント

逸失利益とは

逸失利益というのは就労で得られたはずのお金なので、「就労しているか・いないか」が一つのキーワードになります。

そして、もう一つは年齢です。

おさえておきたいPOINT

(1)被害者の就労の有無
(2)就労可能年齢は原則18歳から67歳まで
※被害者の職業によっては就労可能年数を延ばした逸失利益が認められる場合があります。

この2点を踏まえると、逸失利益の計算式が2つあることも納得いただけるかと思います。

有職者または就労可能者
基礎収入 ✖ 労働能力喪失率 ✖ 就労可能年数に対するライプニッツ係数
症状固定時に18歳未満の未就労者
基礎収入 ✖ 労働能力喪失率 ✖( 67歳までのライプニッツ係数ー18歳に達するまでのライプニッツ係数)

症状固定とは、怪我の治療を続けても、これ以上良くも悪くもないタイミングのことです。

関連記事:症状固定とは?誰が決める?

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逸失利益の計算|基礎収入とは

有職者の場合

基礎収入は、原則「交通事故にあう前の給与」です。有職者の場合は源泉徴収票や給与明細で示すことが可能です。

自営業者の場合は、前年度の確定申告書をつかって示すことになるでしょう。

弁護士ポイント

自営業者によっては、確定申告書が実際の売り上げと一致していないこともあるようです。
ご不安があれば弁護士にご相談下さい。

主婦の場合

専業主婦の場合、家事労働を仕事と位置付けます。実際には「金銭」が発生していませんので、「賃金センサス」という国が調査している統計の平均を用います。

兼業主婦の場合は、実収入と賃金センサスを比較します。実収入のほうが高ければ実収入を、賃金センサスのほうが高ければ賃金センサスの結果を計算に使います。どちらかなので、賃金センサスと実収入を足し算することはありません。

弁護士ポイント

主婦であることを理由に逸失利益はない、というのは違います。もしこのように相手方から提案されたら、そのまま受け入れずに弁護士に相談してください。

18歳未満の子どもの場合

賃金センサスを元に計算します。女の子の場合は、男女をふくむ全労働者の全年齢平均賃金で算定するのが基本です。

大学生になっていなくても、大卒であることが見込まれる場合、大卒の賃金センサスを基礎収入として認定されることも可能です。

弁護士ポイント

相手方によっては、大卒の賃金を認めないという主張をする場合もあります。判例によると、交通事故前から被害者がもっていた「将来の夢」や「学校での成績」、「進路相談の内容」などから、大学進学を十分想定できるケースもあります。弁護士と一緒に適正な逸失利益を求めていきましょう。

無職の場合

無職であっても将来働いて収入が得られる可能性を説明できれば逸失利益を認められます。

労働能力・労働意欲将来就労していることが否定できないことが重要です。

弁護士ポイント

加害者側から提案される示談内容で逸失利益が認められていなくても、ただ受け入れるのではなく、一度弁護士にご相談下さい。

高齢者の場合

症状固定時に就労していなくても、就労できることが確からしいと認められれば、賃金センサスを元にして算出できます。

ただし、

身体能力(身体の老化)から就労が難しい

就労先が見つかりにくい

ことから若年層に比べると説明は難しいとされています。

弁護士ポイント

高齢者の主婦の場合も、その方が家事労働の主体である等を理由に十分認められたケースもあります。加害者提案の示談内容をよく確認すると同時に、内容が妥当かを弁護士に確認することをオススメします。

<弁護士アドバイス>

逸失利益で「賃金センサス」を使うかどうか

「賃金センサス」のどの数値を計算に採用するか

逸失利益は、相手方と意見が対立することも多いものです。
有職者は別として、主婦・子ども・無職・高齢者などは、弁護士だから被害者の方の利益を第一に主張します。
しかし、相手方が被害者を最優先にしてくれるとは限りません。場合によっては、不当に逸失利益を低く見積もられることもありえます。

基礎収入の算定・設定は弁護士に依頼することをオススメします。

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逸失利益の計算|労働能力喪失とは

後遺障害によって労働能力が失われた割合のことです。後遺障害等級ごとに目安が定められています。職業や後遺症の部位・程度など個別の状況で増減します。

後遺障害等級と労働能力喪失率
等級労働能力喪失率
1100%
2100%
3100%
492%
579%
667%
756%
845%
935%
1027%
1120%
1214%
139%
145%

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逸失利益の計算|就労可能年数とは

就労可能年数は67歳を一つの軸にして、状況に応じて計算方法を変えます。
以下の①②③を元に「1番長い年数」を就労可能年とみなします。

① 原則として67歳までを就労可能年数と考えます。

② 67歳を超える者は「簡易生命表」に基づいて平均余命の2分の1とします。

③ 67歳までの年数が平均余命の2分の1より短くなる者は、平均余命の2分の1とします。

「簡易生命表」は厚生労働省のHPから確認可能です。

補足

後遺障害は、将来的に回復の見込みがないものをさします。
しかし中には、その症状が時間の経過と共に軽減・改善していくと想定されるものがあります。それは「むちうち」です。

労働能力喪失期間

12級の労働能力喪失期間:10年程度
14級の労働能力喪失期間:5年程度

むちうちの労働能力喪失期間はこの年数で算定されることが一般的です。

5

逸失利益の計算|ライプニッツ係数とは

就労可能年数に応じたライプニッツ係数を確認しましょう。
以下の表をみれば、現在の年齢からひとめで就労可能年数がわかります。
被害者の年齢が18歳未満か18歳以上かで表が分かれていますので、参照先は注意が必要です。


6

交通事故の逸失利益に関する質問・相談を受け付けています

ここまでお読みいただきありがとうございます。
逸失利益は被害者の方の収入が高いほど、そして年齢が若いほど増額傾向にあります。
また、示談金(損害賠償金)に逸失利益が占める割合は高くなりやすく、適正な金額の認定が欠かせません。

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「逸失利益」のひとことアドバイス

逸失利益の適正な獲得には、被害者の方の状況を正しく主張することが欠かせません。そうでないと、本来は見込めるはずの基礎収入が認められなかったり、労働能力喪失率を不適切に下げられたりして、低額な逸失利益で示談を結ぶことになりかねません。弁護士に依頼していただければ、これまでのノウハウや解決事例を元にして主張していきますので、より納得のいく逸失利益獲得を目指せます。

逸失利益の関連記事をピックアップしましたので、ぜひお役立てください。

弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。