6人の弁護士がこの記事に回答しています

交通事故に遭ったら|これからどうなる?解決までの道筋を弁護士が解説!

イメージ画像
  • 交通事故発生後の流れは?
  • もし示談交渉がうまくいかなかったら?
  • ADR機関って何?

交通事故解決に関するこうした疑問に、弁護士が答えていきます。


1

交通事故の解決方法|全体の流れと解決方法の種類

Q1

交通事故発生から解決までの流れは?

交通事故の発生から解決までの流れは、以下のようになっています。

交通事故の流れ
用語

症状固定

交通事故によるけがが、これ以上治療を続けても大幅な改善は見込めない状態になること

後遺障害認定

症状固定による後遺障害の症状や状態に応じて等級を付けること

交通事故は、主に示談の成立によって終了します。

示談交渉は、通常治療終了後に始まります。

上の図の流れをもう少し詳しくすると、以下のようになります。

交通事故発生後から被害者がすること
行動内容
交通事故直後の対応 ・相手に関する情報を確認
・目撃者に捜査協力を依頼
・警察への届け出
・警察の取り調べに応じる
治療 ・治療費や交通費などの領収書を保管
症状固定~後遺障害等級認定 ・被害者請求または事前認定を行う
示談 ・示談金額の計算
・加害者側と示談金額の交渉
・交渉がまとまらなければADR機関、裁判、調停

後遺障害等級認定の流れ

後遺障害等級が認定されると、後遺障害慰謝料と逸失利益が受け取れます。

後遺障害等級認定の申請方法は2つあります。

被害者請求事前認定です。

被害者請求の流れ
事前認定の流れ

被害者請求事前認定のメリット・デメリットは以下の通りです。

被害者請求・事前認定の比較
被害者請求 事前認定
メリット ・等級の認定に有利な資料を加えられる
→納得感が高い
書類集めに手間がかからない
デメリット 書類集めに手間がかかる ・追加資料の提出はしにくい
→必要最低限の資料のみの提出になりがち
→納得感が低い

後遺障害等級認定の申請には、

  • 被害者請求
  • 事前認定

の2種類がある

Q2

示談金の項目は?

示談金に含まれる項目は、以下通りです。

交通事故示談金の内訳
内訳 意味
①治療費 けがの治療費
②通院交通費 入通院の際の交通費
③看護料 看護が必要だった場合の費用
④入院雑費 入院中の電話代など
⑤診断書作成費等 診断書作成の費用
⑥休業損害 けがで休業した期間の補償
⑦傷害慰謝料 けがや入通院による精神的苦痛への慰謝料
⑧後遺障害慰謝料 後遺障害による今後の精神的苦痛への慰謝料
⑨逸失利益 後遺障害によって得られなくなった収入の補償金
⑩死亡慰謝料 死亡したことに対する慰謝料
⑪死亡逸失利益 死亡したことで得られなくなった収入・利益の補償
⑫葬儀関係費 葬儀関係の費用

⑦⑧は後遺障害等級が認定された場合のみ
⑩~⑫は被害者死亡の場合のみ

被害者死亡の場合、①~⑦は死亡するまでに治療等が必要だった場合のみ受け取れます。

これらの項目を含んだ示談金を加害者側から受け取ることによって、交通事故は解決となります。

2

示談の流れと注意点

Q1

示談の効力は?

示談が成立すると、

被害者は加害者側にそれ以上賠償請求ができなくなる

という効力が発生します。

示談成立後は賠償請求ができないということを念頭に、納得のいく交渉をすることが大切です。

ただし、示談成立後に後遺障害が発覚し、後遺障害等級認定を受けた場合は別です。

この場合は、示談成立後でも後遺障害慰謝料と逸失利益を請求することができます。

Q2

示談交渉の流れは?

示談交渉の流れは、以下のようになっています。

交通事故の示談までの流れ

※基本的には、示談は加害者側の保険会社から示談金を提示されることで始まります。

示談は、交通事故によってかかった費用全てが確定してから開始されます。

そのため、けがの治療終了後後遺障害等級認定後に開始されます。

示談成立後の流れは、以下の通りです。

  1. ① 加害者側の保険会社から示談書が送られてくる
  2. ② 示談書の内容をよく確認し、署名・捺印して保険会社に返送
  3. ③ 保険会社内での事務手続きが終わったら、示談金が振り込まれる
Q3

どのように交渉が行われる?示談相手は?

示談相手や示談金の支払い主は、加害者側の任意保険会社加入状況によって異なります。

示談交渉の相手と示談金の支払い主
加害者が任意保険加入済み 加害者が任意保険未加入
示談交渉相手 加害者側の任意保険会社 加害者
示談金の支払い主 加害者側の任意保険会社 加害者

示談金は、加害者側の自賠責保険会社と、任意保険会社または加害者によって支払われます。

詳しい内訳としては、以下の通りです。

任意の自動車保険と自賠責の関係

上の図は、加害者が任意保険に加入済みの場合のものです。

加害者が任意保険未加入であれば、「任意の自動車保険」の部分は加害者自身になります。

自賠責保険は、被害者に対して最低限の補償を行う保険です。

そのため、自賠責保険側が算出した最低限の補償金を受け取るだけで、示談交渉はできません。

自賠責保険による補償金を超える部分の金額を、その支払い主と示談交渉で決めるということです。

示談が成立しても、その日のうちに示談金が受け取れるわけではありません。

保険会社側の事務的な手続きなどを経て、示談金を受け取ることができます。

示談金が振り込まれるまでの期間
任意保険会社との示談 加害者との示談
振り込まれるまでの期間 2週間 ・示談書に支払期限を記載することが多い
・分割払い

任意保険会社から示談金を受け取る場合は、およそ2週間前後で振り込まれます。

ただし、間に弁護士を挟んだ場合は、弁護士の職務上の口座を経由することが多いです。

したがって、その分被害者の口座への振り込みは遅れます。

加害者から示談金を受け取る場合、加害者の資力によっては分割支払いになることもあります。

その場合は、支払いが遅くなることもあるため、注意が必要です。

  • 示談が成立すると、それ以上賠償金の請求はできなくなる
  • 示談交渉の相手は、加害者の任意保険加入状況による
  • 示談金は、示談成立後すぐに振り込まれるわけではない
3

示談がうまくいかなかったら…ADR機関、裁判、調停の違いとは?

Q1

示談交渉で争点となりやすい点は?

示談交渉の際に特に争点になりやすいのは、

  • 逸失利益
  • 休業損害
  • 傷害慰謝料

です。

逸失利益は、後遺障害による労働能力喪失率によって大きく変わります。

これは後遺障害等級ごとに割合が決められています。

しかし、実情を鑑みて、認定された後遺障害等級の労働能力喪失率よりも低い割合を適用されることもあります。

休業損害では、決められた計算式によって算出された一日当たりの所得と実休業日数から算出されます。

しかし、一日当たりの所得が低くなるように計算されていることも多いです。

傷害慰謝料は以下のような表から算出しますが、この表には2種類あります。

被害者側が用いる弁護士基準のものと保険会社基準のものがあり、基本的に弁護士基準の方が高い金額が設定されています。

▼弁護士基準の表

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

弁護士基準で算出した傷害慰謝料と保険会社基準で算出した傷害慰謝料との間で話し合いが必要になります。

Q2

ADR機関とは?

示談がうまくまとまらなかった場合、ADR機関を使うことができます。

ADR機関とは、

裁判所以外の場所で弁護士等の専門家が第三者として仲裁をしてくれる

場所です。

交通事故に強いADR機関として代表的なのは、

  • 公益財産法人日弁連交通事故相談センター
  • 公益財団法人交通事故紛争処理センター

です。

ADR機関は、交通事故以外の民事上の紛争も取り扱います。

そのため、利用する際には交通事故に強いADR機関を選択するようにしましょう。

Q3

裁判と調停の違いは?

調停裁判の違いは、以下のようなところにあります。

調停

民間人である調停委員が間に入って、解決に向けて話し合いの手助けをしてくれる。

結果の決定権は当事者にある。

栽培

裁判官が両者の言い分を聞き、判決を下す。

結果の決定権は裁判官にある。

調停では、調停委員が第三者として間に入ってくれます。

あくまで調停委員に決定権はなく、ただ仲介役として話し合いのサポートをしてくれます。

裁判になると、裁判官が判決を下します。

調停における調停委員と裁判における裁判官とでは、結果に対する権限が違うのです。

ADR機関も含めたその他の特徴をまとめた表は、以下のようになります。

ADR機関・調停・裁判の違い
ADR機関 調停 裁判
決着までの期間 スピーディなスケジューリングが可能 3か月以内が多い 長い時間がかかる
費用・手軽さ ・簡単に利用できる
・無料
・手続きが簡単
・訴訟を起こす場合の半額ほど
・手続きが複雑
・費用がかかる
決定権 基本的に当事者 当事者 裁判官
  • 示談交渉では逸失利益、休業損害、傷害慰謝料が争点になりやすい
  • 示談がまとまらなければ、ADR機関、調停、裁判にて決着をつけることができる
4

示談交渉をうまくまとめるためのポイント

Q1

弁護士に依頼するメリットは?

示談交渉を弁護士に依頼するメリットには

  • 示談交渉の経験豊富な保険会社と対等に交渉できる
  • 知識と経験をもとに交渉してもらえる
  • 示談準備のサポートもしてもらえる

というものがあります。

一度示談が成立してしまうと、基本的にはそれ以上賠償請求することはできません。

だからこそ、交通事故の示談に強い弁護士に依頼して、可能な限り高い示談金額で合意することが重要です。

Q2

弁護士による示談交渉の事例

実際に弁護士に示談交渉を依頼して示談金額が上がった例を見てみましょう。

アトム法律事務所の例です。

被害者一人での交渉では、ここまで示談金額を上げることは難しいです。

示談金額が上がった例
保険会社の提示額 依頼から増額までの期間 増額結果 ポイント
4か月 5万円→700万円 顔の傷に対する金額。
→写真撮影報告書などを作成し、傷の影響を主張
2か月 351万円→2100万円 主婦の方の休業損害や逸失利益がかなり低額
→法的根拠に基づき再計算、交渉
3週間 257万円→1185万円 労働能力喪失率が低く設定されていた
→症状やその影響の大きさを粘り強く主張
4か月 621万円→2300万円 職業柄けがによる明らかな減収が見られず、逸失利益が低額に
将来的な減収や昇給への支障などを主張
2か月 150万円→364万円 労働喪失期間が短く計算されていた
→正しい労働喪失期間を主張

アトム法律事務所『交通事故の慰謝料.com』(https://xn--u9j691gec457gdmeqoat28s0li.com/)より

示談交渉相手である保険会社は、知識も経験も被害者より大変豊富です。

そのため、示談交渉の主導権を保険会社に握られてしまうことがほどんどです。

弁護士に依頼して、主張をしっかりととおしてもらうことが重要です。

Q3

まずは無料相談|弁護士に相談すべきか迷ったら…

弁護士へ依頼する際に気になるのが、

  • すでに示談金の提示をされている場合、依頼して増額の余地があるのか
  • 弁護士費用はどれくらいかかるのか

ということでしょう。

弁護士費用は弁護士事務所ごとに設定されているので、一概にいうことはできません。

しかし、無料相談が可能な弁護士事務所もあります。

アトム法律事務所もその一つで、まずは無料相談で提示された示談金の増額の余地を聞くことが可能です。

実際に弁護士に依頼することになった場合には、加入している保険を確認してみてください。

弁護士費用を負担してもらえるかもしれません。

◎弁護士へ依頼する際のポイント

まずは無料相談にて、交通事故の概要や提示された示談金などを弁護士に伝える

示談交渉のポイント示談金増額の余地について聞くことができる

弁護士費用特約を利用して弁護士に依頼

→保険会社に弁護士費用を負担してもらえる

全国/24時間/無料相談

無料相談窓口のご案内