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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
逸失利益とは、後遺障害が残らなければ将来的に得られたであろう経済的利益に対する補償です。後遺障害が残ると今までと同じように働くことができず、収入が減ってしまいます。このような収入の減額分を損害として交通事故の相手方に請求することができるのが逸失利益です。
後遺障害が認定されると症状固定以降の収入の減額分を請求することができます。
後遺障害認定の有無にかかわらず、症状固定前までの収入の減額分も交通事故の相手方に請求することもできます。これを休業損害といいます。
症状固定前 | 休業損害 |
症状固定後 | 逸失利益 |
逸失利益は収入の減額分に対する補償ですが、現実の収入がない主婦のような方でも請求することができます。
サラリーマンなどの給与所得者・自営業者は交通事故前年度の実際の収入にもとづいて逸失利益を計算します。一方、主婦の場合は女性労働者の平均賃金にもとづいて逸失利益を計算します。
逸失利益は、交通事故の怪我によって被った損害項目のうちの一つです。
交通事故で怪我を負ったり後遺障害が認定されると、逸失利益以外にも得られる損害賠償があります。
▼症状固定前 |
治療費 |
交通事故による怪我の治療費用 |
休業損害 |
怪我で休業した期間の収入減額分 |
入通院慰謝料 (傷害慰謝料) |
入通院で受けた精神的苦痛に対する損害賠償 |
その他 |
病院までの交通費、入院雑費などの費用 |
▼症状固定後(後遺障害認定) |
逸失利益 |
後遺障害が後遺障害が残らなければ将来的に得られたであろう経済的利益に対する補償 |
後遺障害慰謝料 |
後遺障害が残ったことで受けた精神的苦痛に対する損害賠償 |
逸失利益をふくめたこのような損害賠償の項目を請求することができます。
後遺障害14級に該当するような症状は、「むちうち」として称されるケースが多いです。むちうちは、首や肩などの痛み・しびれ/頭痛・めまいなど、さまざまな神経症状がみられます。
自賠責保険における後遺障害等級14級は、「局部に神経症状を残すもの」と定義されています。
後遺障害14級・むちうちについてさらに詳しくはこちら
後遺障害14級の逸失利益は、基本的につぎのような計算式で求めることができます。
(基礎収入額)×(労働能力喪失率:5%)×(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)
このような計算式にあてはめることで、逸失利益を計算することができます。
逸失利益の計算式を紹介しましたが、式に登場する項目が何を意味するのか理解していなければ、計算式自体がよくわからないと思います。算定項目について、ひとつずつ解説していきます。
基礎収入とは、後遺障害が残らなければ将来的に得られたであろう年収のことです。
事故前に得ていた収入を基礎として計算するのが原則です。
基礎収入は、事故前の職業や立場によって計算方法が異なります。もっともいくつかのパターンに分けて考えることができます。
▼給与所得者▼(サラリーマンなど)
→源泉徴収票などから交通事故前年度の収入を算定
▼個人事業主▼(経営者など)
→確定申告書などから交通事故前年度の収入(所得)を算定する
▼無職者▼(主婦・学生など)
→賃金センサスの平均賃金から収入を算定する
ここで紹介した基礎収入額の算出方法は原則的な話なので、目安として留めておいてください。
労働能力喪失率とは、後遺障害が残ったことで年収を低下させた割合のことです。もっと簡単にいうと、働けなくなった程度をパーセンテージで示したものということになります。
後遺障害の等級ごとに労働能力喪失率の基準が設定されています。
5%
もっとも、このような基準はあくまで目安です。14級だから労働能力喪失率が5%で必ず計算されるとはかぎりません。職業や労働の内容など様々な事情を考慮して決定されることになります。
労働能力喪失期間とは、後遺障害が残ったことで年収が低下する期間のことです。労働能力喪失期間は、症状固定時~67歳までが原則とされています。
もっとも、後遺障害等級14級9号の場合は労働能力喪失期間を「症状固定から3~5年」程度で打ち切って計算されるケースが多くなっています。
14級の症状として代表的なむちうちなどの神経症状は、後遺障害のなかでも比較的軽いとされています。
このような後遺障害では労働能力の喪失が67歳まで続かず、時間の経過とともに支障が軽減されると考えられているからです。
労働能力喪失期間については争いの原因となるのがしばしば見受けられます。労働能力喪失期間について疑問をお持ちの方は、交通事故案件に注力している弁護士に相談ください。
ライプニッツ係数とは、中間利息控除をおこない、逸失利益を現在価値分に換算するためのものです。
逸失利益をはじめとした損害賠償は、一括払いで受け取るのが原則です。しかし、一括で受け取ると利息が発生することになります。
たとえば、銀行口座に貯金しておくだけで利息が付きます。ほかにも、資産運用をおこない利益を得るなどすることが考えられます。
逸失利益は収入の減額分を補償することが目的なので、そこから利息が発生して増額すると本来の補償目的とずれが生じます。
損害賠償を支払う側と受け取る側との公平性を保つために、利息分をあらかじめ差し引いておく際に用いられるのがライプニッツ係数です。
逸失利益についてさらに詳しくはこちら
逸失利益の意味や計算方法が分かったところで気になるのは、最終的に受け取ることができる損害賠償の総額ではないでしょうか。
逸失利益をはじめとした慰謝料などの損害賠償総額を簡単に自動計算できるツールを紹介します。
年齢・収入など必要な項目をご入力いただくだけで、逸失利益などの賠償金額を算定します。
保険会社から提示があった示談金が妥当なものなのか気になるという方は、一度お試しください。
「逸失利益が何なのかよく分からない…」
「保険会社から提示された示談金が低すぎる!」
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後遺障害が残らなければ将来的に得られたはずの経済的な利益を補償するのが逸失利益です。後遺障害に認定されることで請求が可能になる損害賠償です。逸失利益の対象となるのは、後遺障害が認定された後からではなく、症状固定以降の収入減額分となります。 逸失利益を分かりやすく解説
主婦の方でも、後遺障害が認められれば逸失利益を請求することができます。専業主婦は現実の収入はないものの、家事そのものは労働社会において金銭的に評価される労働であると認められています。女性労働者の平均賃金をもとに逸失利益は計算されることになります。 主婦の逸失利益も請求できる
逸失利益の基本的な計算式は、[(基礎収入額)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)]となっています。後遺障害14級の場合、労働能力喪失率を「5%」として計算することになるのが特徴です。 逸失利益の計算方法を解説