作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
くも膜下出血|後遺障害の等級や慰謝料、症状を解説
交通事故では、くも膜下出血が発生する可能性があります。
くも膜下出血ではその後、後遺障害が残ることもあり、そうなると後遺障害等級の認定・慰謝料の請求が必要になります。
- くも膜下出血で残る可能性のある後遺障害とは?
- くも膜下出血で後遺症が残った場合にもらえる慰謝料は?
- 交通事故でくも膜下出血になったら弁護士に相談すべき?
こうした交通事故によるくも膜下出血に関して、分かりやすく解説していきます。
目次
くも膜下出血で生じる症状
くも膜下出血|頭痛・吐き気がする
くも膜とは頭蓋骨の下にある膜の1つです。
このくも膜の下、脳の表面に広がっている血管から出血が起こることを、くも膜下出血といいます。
くも膜下出血が起こると、脳やくも膜、その下にある軟膜等が刺激を受け、頭痛や吐き気を感じることがあります。
くも膜下出血|意識が朦朧とする
くも膜下出血による出血量によっては、脳内の圧が高くなり、脳に血が流れなくなる場合があります。
こうした場合には、意識が朦朧としたり、意識を失ったりする可能性があります。
くも膜下出血|記憶障害がある
交通事故でくも膜下出血が起きると、前脳基底部に損傷が生じることがあります。
前脳基底部には、記憶を司る海馬などが含まれているため、ここが損傷を受けると記憶障害が生じる可能性があります。
前脳基底部が損傷を受けた場合の記憶障害としては、以下のものが挙げられます。
▼逆向性健忘
損傷を受ける数年~数十年前の記憶が無くなる
▼見当識の障害
今日がいつか、ここはどこかがわからなくなる
▼前向性健忘
損傷後の新しいことを覚えられなくなる
など
くも膜下出血|併発しうる症状
交通事故でくも膜下出血が生じるのは、頭部に衝撃を受けた時です。
この時、その衝撃によってくも膜下出血だけでなく他の傷害も併発していることが多いです。
特に多いと言われているのは
- 脳挫傷
- びまん性脳損傷
です。
交通事故でくも膜下出血が生じた場合は、同時にこうした他の障害による症状が出ることもありますので、確認しておきましょう。
脳挫傷 | ▼吐き気・嘔吐 ▼痺れ、麻痺 ▼意識障害 ▼眠気・錯乱 ▼言語障害 ▼視覚障害 ▼痙攣 ▼遷延性意識障害(植物状態) ▼外傷性てんかん など |
---|---|
びまん性脳損傷 | ▼意識障害 ▼異常肢位 ▼記憶障害 ▼麻痺 など |
脳挫傷についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
くも膜下出血で後遺障害が残った場合
くも膜下出血|後遺障害等級と慰謝料
交通事故で後遺障害が残ると、それに応じた後遺障害等級が認定されます。
後遺障害等級が認定されると、後遺障害慰謝料を受け取れるようになります。
くも膜下出血およびそれと併発した傷害による後遺障害の多くは、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に関わるものが多く、高次脳機能障害として扱われます。
では、高次脳機能障害が該当する後遺障害等級とその慰謝料について見ていきましょう。
1級/2800万円 |
---|
常に要介護 |
2級/2370万円 |
随時要介護 |
3級/1990万円 |
終身労務に服することができない |
5級/1400万円 |
特に軽易な労務以外服することができない |
7級/1000万円 |
軽易な労務以外服することができない |
9級/690万円 |
服することができる労務に相当の制限がある |
くも膜下出血で後遺障害等級が認定されるには
くも膜下出血などで高次脳機能障害の後遺障害等級認定を受ける際の注意点は、以下の通りです。
- MRI画像などで脳の損傷や出血があったことを医学的に証明できることが重要
- 高次脳機能障害の認定審査は時間がかかる
後遺障害等級認定は基本的に提出した資料のみが判断材料になります。
したがって、後遺障害の存在を証明できる医学的な証拠があることが非常に重要になります。
また、そうした資料を提出しても、その資料からは申請者が主張するほど重い症状があるとは推測できないとして、低めの等級が認定されてしまう場合もあります。
後遺障害の存在・程度を正しく理解し妥当な等級を認定してもらうためには、後遺障害の存在と程度の両方を十分に伝えられる工夫が必要です。
また、後遺障害等級認定の審査は、多くの場合30日以内に結果が出ます。
しかし、高次脳機能障害の場合は途中経過を見る必要があったり判断が難しかったりして、結果が出るまでに数ヶ月~数年かかることもあります。
こうしたことを踏まえて考えると、後遺障害等級認定は弁護士に相談することがお勧めです。
弁護士は後遺障害等級認定のサポートも行っているため、
- 経験と知識に基づくサポートが受けられる
- 審査に時間がかかっても、何もわからず待つよりも安心感がある
というメリットがあります。
※後遺障害等級認定の審査が今どの段階にあるのか、いつまでに結果が出るのかは弁護士にもわかりません
後遺障害慰謝料は示談交渉次第
後遺障害慰謝料についての注意点は、以下の通りです。
- 実際に受け取れる金額は示談交渉で決まる
- 加害者側保険会社は低い金額を提示してくる
上で各後遺障害等級の慰謝料金額をご紹介しました。
しかしそれは、あくまでも過去の判例をもとに定められた基準にすぎません。
実際は、加害者側と示談交渉で話し合って金額が決められます。
この時、加害者側保険会社は上でご紹介した金額よりも大幅に低い金額を提示してくる可能性が高いです。
その上、増額の交渉については弁護士の主張でないと聞き入れないという方針をとる保険会社も多いです。
したがって、妥当な慰謝料金額を得るためには、示談交渉を弁護士に代行してもらうことが重要です。
くも膜下出血の後遺障害は弁護士に相談
アトム法律事務所の事例
実際に弁護士に依頼して後遺障害等級が認定された例、加害者側から提示された金額が増額した例をご紹介します。
くも膜下出血やそれとともに発生しやすい脳挫傷等に関する、アトム法律事務所の事例です。
等級 | 後遺症 | 獲得示談金* |
---|---|---|
14級 | 外傷性くも膜下出血 | 474万円 |
9級 | 脳挫傷・高次脳機能障害 | 3487万円 |
7級 | 高次脳機能障害 | 4183万円 |
7級 | 高次脳機能障害 | 1809万円 |
1級 | 脳挫傷・肋骨骨折 | 3129万円 |
*後遺障害慰謝料を含む示談金の総金額
等級 | 獲得金額 | 症状など |
---|---|---|
9級10号 | 1855万円 →3000万円 |
20代男性 外傷性くも膜下出血、高次脳機能障害、びまん性軸索損傷 弁護士の交渉で当初の提示額が約1.6倍に |
9級10号 | 1924万円 →2823万円 |
40代男性 脳挫傷、硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血など 弁護士の交渉で当初の提示額が約1.5倍に |
9級16号 | 781万円 →1700万円 |
10代男性 急性硬膜下血腫、頭蓋骨陥没骨折 弁護士の交渉で当初の提示額が約2倍に |
1級1号 | 1193万円 →3500万円 |
20代女性 脳挫傷・くも膜下出血・頭蓋骨骨折 弁護士の交渉で当初の提示額が約3倍に |
アトム法律事務所では、LINEや電話での無料相談を行っています。
- 後遺障害等級に認定される可能性はあるか
- 加害者側に提示された慰謝料金額は妥当か
などの相談を多く受けています。
相談の際、無理に契約を勧めることもありません。
安心して、お気軽にご連絡ください。
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(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
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岡野武志弁護士