作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故てんかん

交通事故でのてんかんの症状・後遺障害慰謝料を解説

交通事故でてんかんになったら…

交通事故に遭うと、てんかんになることがあります。
てんかんになるとその後の生活でも発作が起こるなどして影響が出ます。

  • 何故交通事故でてんかんになるの?
  • てんかんの後遺障害慰謝料はいくら?
  • てんかんの治療はいつまで続くの?

交通事故によるてんかんに関するこうした疑問について、分かりやすく解説していきます。


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交通事故のてんかんの原因・症状

交通事故のてんかんのしくみと原因

てんかんのしくみ

人間の脳からは、日々様々な信号が発せられています。
通常この信号については、興奮シグナルと抑制シグナルがバランスよく効いており、過剰に信号が出すぎたり信号が少なくなりすぎたりしないようになっています。
しかし何らかの理由でこの興奮と抑制のシグナルのバランスが崩れることがあります。
それがてんかんです。

てんかんでは、興奮シグナルが強く働きすぎたり抑制シグナルが弱くなったりして信号が過剰に発せられ、大脳の神経細胞が過剰な興奮状態になるのです。

交通事故におけるてんかんの原因

交通事故で脳からの信号に異常が発生する原因としては、頭部外傷があります。
頭部外傷により脳内が損傷したり圧迫されたり、低酸素状態になったりすると、てんかんが生じます。
具体的には、脳挫傷頭蓋骨骨折などが挙げられます。
脳挫傷についてはこちら
頭蓋骨骨折についてはこちら

交通事故のてんかんの症状

てんかんの症状には、

  • 単純部分発作
  • 複雑部分発作
  • 二次性全般化発作

があります。

1つずつ見ていきましょう。

単純部分発作
原因 脳の一部で異常な信号が発せられる
症状 ▼手足のしびれ、つっぱり
▼痙攣、ねじれ
▼吐き気
▼異様な光や色が見える など
▼意識障害はなし

このうちのどの症状が出るかは、脳のどの箇所からの信号に異常が生じるかによって異なります。
一部見てみましょう。

  • 前頭葉:運動発作(痙攣など)
  • 側頭葉:自律神経発作(腹痛、悪寒、発汗など)、精神発作(未視感、既視感、不安感など)
  • 頭頂葉:体性感覚発作(体にピリピリ感があるなど)、後頭葉:視覚発作(異様な光など)
複雑部分発作(前頭葉)
原因 前頭葉で異常な信号が発せられる
症状 ▼体を激しくくねらせる
▼自転車こぎのような動きをする など
▼意識障害がある
複雑部分発作(側頭葉)
原因 側頭葉で異常な信号が発せられる
症状 ▼急に止まる
▼口をもごもごさせる
▼手をたたく など
▼意識障害がある

単純部分発作も複雑部分発作も脳の一部で信号異常が発生します。
ただし、単純部分発作では意識障害が生じないため本人も発作中のことを覚えているのに対し、複雑部分発作では意識障害が生じるため、発作中の記憶が無かったり意識が朦朧としていたりします。

二次性全般化発作
原因 脳の一部での信号の異常が脳全体に波及する
症状 ▼手足を伸ばし硬直
▼歯を食いしばり呼吸停止
▼手足を一定のリズムでゆらす など
▼意識障害がある
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交通事故のてんかん|後遺障害として残ったら

てんかんの後遺障害等級と慰謝料

交通事故でてんかんが後遺症として残ると、その重さに合わせて後遺障害等級が決められます。
てんかんの後遺障害等級と慰謝料の金額目安は、以下のようになります。

てんかんの後遺障害等級と慰謝料
5級/1400万円
1ヶ月に1回以上発作Aがある
7級/1000万円
数ヶ月に1回以上発作Aがある
1ヵ月に1回以上発作Bがある
9級/690万円
数ヶ月に1回以上発作Bがある
薬の服用で発作がほぼ完全に抑制されている
12級/290万円
発作はないが、明らかにてんかん特有の脳波が認められる

発作A

  • 意識障害の有無を問わず転倒する
  • 意識障害があり状況にそぐわない行動をする

発作B

発作A以外の発作

てんかんの後遺障害等級認定のポイント

交通事故の後遺障害等級認定では、後遺症の存在や程度を医学的に証明することが重要です。
審査は基本的に申請者から提出された資料を見て行われるため、そうしたことを十分に伝えられる資料を用意する必要があります。
てんかんの場合は、以下の資料が有力です。

  • 脳波検査の結果
  • MRIやCTのなどの画像
  • 救急搬送証明書(発作が起きた証拠になる)

後遺障害等級認定の申請方法には2種類あります。
1つは必要資料を全て被害者自身で集める方法です。
添付したい追加資料を添付できるという利点がある一方、後遺障害が残った状態であちこちに資料を受け取りにいかねばならないというデメリットもあります。

もう一つはほとんどの資料を仲介役となる保険会社に集めてもらうという方法です。
こちらは手間がかからないという利点がある一方、添付したい追加資料を添付してもらえない場合があるというデメリットがあります。

弁護士に後遺障害等級認定のサポートを依頼して1つ目の方法をとると、弁護士に資料を集めてもらい、なおかつ添付資料もきちんと添付できます。

後遺障害等級認定の申請についてはこちら

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交通事故によるてんかん|弁護士相談のご案内

アトム法律事務所|事例と無料相談のご案内

交通事故でのてんかんを弁護士に相談すると、後遺障害等級認定のサポートを受けられるほか、示談交渉の代行もしてもらえます。

実際の示談交渉では加害者側保険会社は、ここでご紹介した金額よりも大幅に低額な金額を提示してきます。
しかし、これを増額させるためには弁護士による交渉が必要です。
保険会社は、弁護士による主張でないと聞き入れないという方針をとっていることが多いからです。

ではここで、アトム法律事務所での示談金増額実績をご紹介します。

満足度90%超え
アトム法律事務所の増額実績
傷病等 30代女性
・症候性てんかん、急性硬膜下血腫、脳挫傷、脳挫傷痕
等級 12
交渉前 412万円
交渉後 920万円
解説 ご相談をいただいた時点で後遺障害等級は認定済み。
提示された金額に増額の余地があり、弁護士による交渉で増額に成功

アトム法律事務所では、LINE・電話で無料相談を行っています。

相談時に無理に契約を勧めることはありません。

弁護士費用特約をご利用いただけます。

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まずはお気軽にご連絡ください。


弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。


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