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交通事故|PTSDの精神障害も後遺症?精神科の治療費請求、後遺障害慰謝料の相場とは

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交通事故によって精神障害を発症することもあります。

次のような症状があれば、PTSDかもしれません。

事故から1か月以上も経過しているのに・・・

フラッシュバックや不眠が続いている

運転することが怖くて、車に乗れなくなった

このようなPTSDでも、保険会社に対して治療費を請求したり、後遺障害を認定してもらえる可能性はあります。

  • 交通事故によるPTSDとは?精神障害の症状判断基準は?
  • 交通事故で精神障害になったとき精神科治療費は請求できる?
  • 交通事故で精神障害になったとき後遺障害等級は何級になる?PTSDの等級は?

今回は、このような「交通事故による精神障害(主にPTSD)に関する疑問」を解消していきましょう。


1

交通事故による精神障害|PTSDの症状・診断基準は?

Q1

PTSDの症状とは?

PTSDとは、心的外傷後ストレス障害の略語です。

生命・身体の脅威となるような外傷的出来事により心に大きな傷を負うことで、次のような症状が生じるのがPTSDです。

再体験症状(フラッシュバックなど)

回避・麻痺症状(刺激を避ける・感情の麻痺など)

覚醒亢進(かくせいこうしん)症状(神経の高ぶりによる不眠、イラつきなど)

より具体的には、次のような症状が出るといわれています。

PTSDはどんな症状?
再体験症状 フラッシュバックや体験記憶が再生される症状。
交通事故を再び体験する感覚におそわれるなど。
回避・麻痺症状 外傷と関連した刺激を避けようとする反応や感情・感覚が麻痺する症状。
事故の話題を避けるようになる、感情がなくなるなど。
覚醒亢進(かくせいこうしん)症状 神経の高ぶりなどによる、睡眠障害、イラつき、集中困難、刺激に対する過剰反応等の症状。
たえずびくびくした状態になることも。

交通事故によって誰もがPTSDになるとは限りません。

しかし、本人が恐怖を感じており、第三者からの目でも悲惨な重大事故だったといえるような場合では、PTSDの診断がでやすいでしょう。

Q2

PTSDの診断方法とは?

PTSDの診断基準としては・・・

米国精神医学会発行の「精神疾患の診断・統計マニュアル第4版修正版(2000年)」(DSM-IV-TR)

世界保険機関(WHO)の「疾患および関連保険問題の国際統計分類第10回修正版(1992年)」(ICD‐10)

があります。

2

交通事故による精神障害|PTSDで精神科を受診…治療費は?

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Q1

保険会社に請求できる治療費の金額は?

交通事故による外傷だと認めてもらえれば、保険会社に対する治療費の請求は可能です。

「症状の完治」または「症状固定」までの治療費を請求できます。

「症状固定」というのは、これ以上治療を続けても回復の見込みがない状態のことです。

治療をしてPTSDが完治することに越したことはないですが、症状固定に至ったと判断されてしまうこともあります。

そのような場合には、後遺障害等級を認定してもらい、後遺障害について慰謝料・逸失利益を支払ってもらい、通院を続けるという方法も考えられます。

自賠責保険への治療費の請求は、慰謝料や休業損害なども含めて、120万円が上限です。

加害者側が任意保険に加入していた場合は、交通事故と因果関係のある治療費について、全額の支払請求をすることができます。

Q2

保険会社に精神科の治療費は請求できる?

交通事故と因果関係のある外傷については、保険会社から治療費を支払ってもらえます。

PTSDのような精神障害も「外傷」に含まれます。

もっとも、精神障害で精神科や心療内科に通院したとしても、「個人の性格」の問題として、保険会社から支払いを拒否されることもあるようです。

しかし、誰が見ても悲惨な交通事故については、PTSDが起きても不思議ではありません。

交通事故と精神障害の因果関係が肯定されるべきケースもあるので、お悩みの方は弁護士にご相談ください。

所感としては、内臓破裂をともなう交通事故など、悲惨な交通事故では、精神障害に関する治療費を支払ってもらえる可能性が高いです。

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3

交通事故による精神障害|③PTSDの慰謝料

Q1

交通事故の慰謝料とは?

慰謝料は2種類?(傷害・後遺障害)

「慰謝料」とは、精神的苦痛に対する損害賠償金のことです。

交通事故の示談金には、治療費や休業損害の賠償金のほか、慰謝料も含まれます。

PTSDの場合に請求できる慰謝料は・・・

傷害慰謝料

後遺障害慰謝料

などです。

「傷害慰謝料」は、交通事故に遭った苦痛、交通事故で通院治療をしなければならない苦痛に対する賠償金です。

これに対し、「後遺障害慰謝料」は、後遺障害が残る苦痛に対する賠償金です。

後遺障害慰謝料は、後遺障害等級が認定された場合に請求できます。

後遺障害等級が認定されるかどうかは、最終的にもらえる示談金の金額に大きな影響を与えます。

後遺障害等級の認定には、医師の「後遺障害診断書」が必要です。

事故後、はやいうちに通院をはじめて、適切な診断書を作成してもらうことが肝心です。

まとめ

PTSDについて後遺障害等級が認定されれば、傷害慰謝料に加えて後遺障害慰謝料がもらえる。

後遺障害等級認定をうけるためには、後遺障害診断書が必須。

Q2

後遺障害の慰謝料をもらうには?

後遺障害等級認定を申請して、等級を認定してもらわなければなりません。

後遺障害等級認定の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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4

交通事故による精神障害|④PTSDの後遺障害認定基準は?

Q1

PTSDは非器質性精神障害

PTSDの後遺障害は、「非器質性精神障害」の有無で判断されます。

精神障害には、非器質性(脳の組織に物理的な損傷がない場合)と器質性(脳の組織に物理駅な損傷がある場合)の2種類があります。

PTSDでは、前者の精神障害の有無が問題になります。

交通事故による精神障害の種類
非器質性 器質性
脳組織
の損傷
ない ある
具体例 ・PTSD
・うつ病
・外傷性神経症
・高次脳機能障害
Q2

PTSDの等級は?(9級・12級・14級)

基本的に、PTSDの等級は・・・

9級10号

12級12号

14級 9号

に該当する可能性があります。

PTSDの症状が重度であればあるほど、等級は上がります。

9級が認定されるのは、かなり症状が重度であり、労務が相当な程度に制限されるケースです。

通達に、等級認定のルールが明記されています。

「平成15年8月8日付け基発第0808002号 神経系統の機能又は精神の障害の障害等級認定基準」という通達です。

どの程度の症状が何級にあたるかについて、まとめると次のとおりです。

PTSDの後遺障害等級
等級 精神障害の程度
910 (労務が相当な程度に制限)
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
1213 (労務に多少の障害を残す)
通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、多少の障害を残すもの
149 (労務に軽微な傷害を残す)
通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、軽微な障害を残すもの

自動車損害賠償保障法施行令2条の別表第二(以下、略。)9級10号は、「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」。
12級13号は、「局部に頑固な神経症状を残すもの」。
141級9号は、「局部に神経症状を残すもの」。

Q3

非器質性精神障害の基準は?

PTSDのような非器質性精神障害については、まず

A(精神症状)のうち1つ以上の精神症状を有していること

が条件です。

そのうえで、

B(能力に関する項目)に関する障害の有無

労働意欲の有無

によって、後遺障害等級が判断されます。

非器質性精神障害(PTSDなど)の認定基準
A(精神症状)
①抑うつ状態
②不安状態
③意欲低下の上体
④慢性化した幻覚・妄想性の状態
⑤記憶または知的能力の障害
⑥その他の障害(侵入、回避、過覚醒、感情麻痺)
B(能力項目)
①身辺日常生活
②仕事・生活における積極性・関心
③通勤・通勤時間の順守
④作業持続性
⑤意思伝達
⑥対人関係・協調性
⑦身辺の安全保持・危機の回避
⑧困難・失敗への対応能力

精神症状(A)があることに加えて、

就労意欲の有無

能力項目(B)

の組み合わせによって、等級が認定されます。

【早見表】9級・12級・14級(就労意欲と能力低下)
等級 就労意欲 能力低下
9 ある Bの②~⑧のうち1つを喪失
9 ある Bのうち4つ以上に、しばしば助言・援助が必要
9 ない Bの①について、時に助言・援助が必要
12 ある Bのうち4つ以上に、時に助言・援助が必要
12 ない Bの①について、適切または概ね出来る
14 ある Bのうち1つ以上に、時に助言・援助が必要
5

交通事故による精神障害|PTSDの等級によって慰謝料が決まる?

PTSDについて、後遺障害等級が認定されれば、交通事故に遭ったことによる慰謝料のほか、後遺障害部分に関する慰謝料を支払ってもらうことができます。

等級が上がれば上がるほど、後遺障害慰謝料の相場は上がります。

後遺障害等級認定の申請手続きに是非チャレンジしてほしいです。

Q1

弁護士に依頼するメリットは?

そもそも慰謝料算定基準は3つ(裁判基準・任意保険基準・自賠責基準)

交通事故の慰謝料の算定基準は、次の3種類です。

① 裁判基準(弁護士基準)

② 任意保険会社独自の支払基準

③ 自賠責基準

です。

裁判基準
裁判の相場を基準化
高額
・被害者側の弁護士が、慰謝料を算定に用いる。
・示談交渉、裁判で争うとき、参照される。
任意保険会社の支払基準
任意保険のルール
中くらい
・任意保険会社が、慰謝料算定に用いる。
自賠責基準
自賠責保険のルール
低額
・被害者が、自賠責保険へ支払請求するとき用いる。
裁判基準 任意保険の支払基準 自賠責基準
高額 中くらい 低額

加害者側が自賠責保険にしか加入していなかった場合、基本的には自賠責保険の基準(③)で計算された慰謝料金額しか支払ってもらえません。

加害者側が任意保険にも加入している場合、任意保険会社独自の支払基準(②)で計算された慰謝料金額の支払いを受けることができます。

また、任意保険会社の支払基準によると、自賠責保険と同等か、少し高い金額しか支払ってもらえません。

ですが、被害者が弁護士に相談すれば、弁護士は裁判基準(①)で示談交渉を進めてくれます。

裁判基準(弁護士基準)は、実際の裁判例の相場を基準にしたものであり、②③に比べてはるかに高額の慰謝料が期待できます。

裁判基準と自賠責基準の相場の違いは一目瞭然!弁護士に示談交渉を任せよう!

ここでは、裁判基準と自賠責基準の相場に違いを見てみましょう。

慰謝料の目安|弁護士基準と自賠責基準・差額
等級 裁判基準・
弁護士基準
自賠責基準
(弁護士基準との差額)
9 690 245445
12 290 93197
14 110 3278

※慰謝料の単位は万円

交渉しだいで、こんなに差が出ることに驚かれる方も多いのではないでしょうか。

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Q2

実際に【14級】が認定された裁判例

PTSDが非器質性精神障害として後遺障害等級認定を受けるような事案では、ほかにも目立った外傷があるのが通常です。

こちらの事案でも、脊椎の障害と非器質性精神障害が併存しています。

あくまでも個別の事案で結論は変わりますが、こちらの事案では以下のような症状があったことから精神障害について14級が認定されています。

給与所得者・女・症状固定時27歳
脊椎の障害(74号)
手指を使用した作業がむずかしい。軽易な労務以外には就くことが困難な状態。
非器質性精神障害(PTSD・14級)
頭痛・めまい・吐き気・手先のしびれ・不眠・焦燥感・リストカットなど希死念慮が強まる
・フラッシュバック・乗り物に乗ることが困難であるなど回避傾向が強くなる
Q3

アトムの解決事例は?

アトム法律事務所で過去あつかった交通事故のなかでも、精神障害をかかえる事案について、14級を獲得し、示談金を0円から146万円まで引き上げた例があります。

無職・男・症状固定時30代
症状
うつ病、胸骨骨折、大腸外傷性血腫、むち打ち、左手の痺れ
等級
149
金額
0円→146万円
Q4

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Q1

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