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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故PTSD

交通事故のPTSD|事故の記憶がフラッシュバック。後遺障害慰謝料はいくら?

交通事故でPTSD…
この記事のポイント
  • 交通事故ではPTSDの後遺症が残る可能性がある
  • PTSDで認定を受けた等級ごとに慰謝料の金額は異なる
  • 弁護士に依頼することで2~3倍の慰謝料の増額が見込める

交通事故で負う後遺症は身体的なものだけとはかぎりません。恐ろしい体験をした記憶がフラッシュバックして恐怖を感じつづける精神的な後遺症「PTSD」になる可能性があります。
精神的な面の後遺症であっても、その損害にふさわしい補償は支払われるのでしょうか。

  • PTSDの治療は薬物療法カウンセリングが基本?
  • 悪夢にうなされるのはPTSDのせい?
  • PTSDは後遺障害に認定される?

藤井宏真医師

奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医

藤井 宏真医師

命の危険を感じるような体験をしてから1ヶ月ほど経過しても、当時の記憶がふと蘇ったり、情緒が不安定な状態がつづいているようであれば、すみやかに病院を受診するようにしましょう。

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PTSDの基礎知識|事故後から眠れない…何科に行く?

何が原因でPTSDは発症する?

PTSD (Post Traumatic Stress Disorder)は、強烈な心的ストレスを経験することが原因で発症します。

主な原因
  • 交通事故にあった
  • 自然災害に巻き込まれた
  • 犯罪被害にあった
  • 目の前で家族や友人を亡くした

同じような経験をしてもPTSDになるかどうかは人によって異なり、生まれ持った性格の部分が影響しているのではないかと考えられています。

PTSDの症状

PTSDには以下のような症状があります。

PTSDの症状

▼侵入症状

  • つらい記憶が突然思い出される(フラッシュバック)
  • 悪夢をみる

▼回避症状

  • つらい記憶を思い出すような状況・場面を避ける
  • 無意識に回避することもある

▼認知・気分の陰性の変化

  • 自分を責めたり、罪の意識にさいなまれる
  • 人を信用できない
  • 感情・感覚がにぶり、楽しさなどを感じなくなる

▼覚醒度・反応性の変化

  • 常に神経が張りつめる
  • 不眠
  • イライラ感・怒りっぽくなる
  • びくびくする
  • 物事に集中できない
  • 逃げ場を求めて依存症におちいる

このような症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら数か月にわたりつづくことになります。

PTSDは何科で治療を受けるべき?

精神科心療内科メンタルヘルス科などを受診しましょう。とくに、PTSDをふくむトラウマ治療を専門としている医師や臨床心理士がいる医療機関であればさらに望ましいです。

PTSDの治療|服薬以外の方法がある?

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PTSDの治療は、心理療法と薬物療法が併用されることが多いです。

主な治療方法

▼心理療法

  • 持続エクスポージャー療法
  • 認知療法
  • グループ療法

▼薬物療法

  • 抗うつ薬
  • 気分安定薬

などの治療が一般的ですが、各個人に適した治療方針がとられます。

PTSDは後遺障害に認定される?

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後遺症(後遺障害)

十分な治療うけても回復が期待できないという状態で残存する症状
交通事故の場合、障害の部位と程度により14段階の後遺障害等級で区分される

PTSDが後遺障害に認定されるには、

  • 少なくとも1つ以上の精神症状があること
  • 能力に1つ以上の障害が認められること

以上の2点を満たしている必要があります。

PTSDの後遺障害認定基準
精神症状
抑うつ状態
不安状態
意欲低下の上体
慢性化した幻覚・妄想性の状態
記憶または知的能力の障害
その他の障害(侵入・回避・過覚醒・感情麻痺)
能力項目
身辺日常生活
仕事・生活における積極性・関心
通勤・勤務時間の順守
作業持続性
意思伝達
対人関係・協調性
身辺の安全保持・危機の回避
困難・失敗への対応能力

精神症状と能力項目を総合評価した結果が、自賠責保険の後遺障害等級の認定基準を満たしているかどうかがみられます。後遺障害等級の認定基準については次の章で解説します。

PTSDで慰謝料を増加させるには?

PTSDで増える保険金|後遺障害慰謝料と逸失利益

PTSDが後遺障害等級に認定されると、事故の相手方から支払われる金銭が増えます。
後遺障害が認定されることで、後遺障害慰謝料という金銭が追加で支払われます。

後遺障害慰謝料

後遺障害を負ったことで味わった精神的苦痛に対して支払われる損害賠償

後遺障害慰謝料の他に追加で支払われるものとして逸失利益があります。

逸失利益

後遺障害を負ったこととで労働能力が低下したり失われたりして、将来的な収入が減ることへの補償
〈計算式〉
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数

逸失利益の計算で必要になる「労働能力喪失率」は、障害の部位・程度、事故前の年収・職業などを考慮して増減することがあります。
主婦などの場合における年収算定方法、ライプニッツ係数一覧などはこちらの記事をご確認ください。

後遺障害等級の申請方法|PTSDの場合

PTSDで後遺障害等級の申請をし、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。

後遺障害等級認定の手続きの流れ

①症状固定

治療を継続してもこれ以上、症状の改善が期待できなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を申請するのであれば、原則として事故から約6カ月以上経っている必要があります。
これよりも治療期間が短いと、後遺障害としては認められない可能性が高くなるのでご留意ください。

②後遺障害診断書・医学的所見の用意

症状固定の診断を医師から受けたら、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。

後遺障害の申請方法は、2通りのパターンがあります。

事前認定の流れ

事前認定▶被害者が後遺障害診断書のみを任意保険会社に提出

被害者請求の流れ

被害者請求▶被害者が経過証明書などその他の資料も用意して自賠責保険に提出
被害者請求は手間が必要になりますが、後遺障害等級の認定に有利な資料を自分でチェックできるのが強みです。弁護士に依頼することで資料収集作業を任せることもできるので安心です。

比較

事前認定と被害者請求

事前認定被害者請求
請求者相手方保険会社被害者自身
メリット資料収集の手間なし自分で資料の確認が可能
デメリット自分で資料の確認が不可能資料収集の手間あり

③損害保険料率算出機構による審査

提出した資料にもとづいて専門の認定機関である「損害保険料率算出機構」が後遺障害等級の審査を行います。
審査結果をふまえて自賠責保険会社が等級認定を行います。
PTDSは、レントゲン画像など目で見て分かるような資料で示すことがむずかしいです。後遺障害認定の知識がない状態でPTSDを主張しても、認めてもらえない可能性があります。
PTSDなど精神障害をはじめとした後遺障害全般の知識が豊富な弁護士に相談いただければ、判例・実例などを示しながら交渉をお手伝いすることができます。

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交通事故による「PTSD」の後遺障害

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交通事故によるPTSDの後遺障害等級は何級?

PTSDで認定される可能性のある後遺障害等級は以下の通りです。

後遺障害等級

交通事故によるPTSD

等級内容
9通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、就労可能な職種が相当な程度に制限されるもの
12通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、多少の障害を残すもの
14通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、軽微な障害を残すもの

交通事故によるPTSDの後遺障害慰謝料

慰謝料金額相場の3基準比較

慰謝料の金額は、相手方が算定に使用する基準(自賠責基準・任意保険基準)と弁護士が算定に使用する基準(弁護士基準)で大きな開きがあります。
交通事故によるPTSDに対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。

後遺障害慰謝料

交通事故によるPTSD

等級自賠責基準弁護士基準
9245万円690万円
1293万円290万円
1432万円110万円

等級にもよるので一概には言えませんが、弁護士に依頼することで2倍以上の後遺障害慰謝料の請求が可能になります。
慰謝料増額を希望される方は、早い段階から弁護士に相談しておくことをおすすめします。

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PTSDの後遺症に関するお悩みは弁護士にご相談ください

LINE相談

PTSDによる苦しみは自分以外の人からはなかなか理解されづらく、一人で悩みを抱えてしまうことも多いようです。さらに、PTSDは通常の目に見えるような怪我と違って、交通事故との因果関係の証明がむずかしく、適正な補償が支払われない可能性が高いです。
損害に対して十分な補償を受け取るためには、弁護士への依頼が一番です。
保険会社との示談交渉などを依頼すれば、慰謝料増額が叶うのみならず、煩雑な手続きなどすべて一任することができます。
PTSDによる慰謝料はいくらになるのか、後遺障害等級の申請など、気になる点はどのようなことでも結構です。
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弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。