作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故びまん性軸索損傷

交通事故によるびまん性軸索損傷の後遺症慰謝料を計算|MRI診断とは?症状や予後は?

びまん性軸索損傷とは?

「交通事故で家族がびまん性軸索損傷の後遺症を負ってしまった…。」

脳挫傷やくも膜下出血、硬膜下血腫などと比べると「びまん性軸索損傷」という傷病名はあまり耳馴染みがありません。

「びまん性軸索損傷」を負ってしまったという方からは、よく以下のようなお悩みや質問が寄せられます。

  • 交通事故によるびまん性軸索損傷の適正な慰謝料金額を計算したい
  • 交通事故によるびまん性軸索損傷の慰謝料の実例を知りたい
  • びまん性軸索損傷の症状治療法予後とは?

ご覧のページでは、交通事故事案にくわしい弁護士がびまん性軸索損傷のこれら疑問について徹底解説していきます。


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交通事故によるびまん性軸索損傷の慰謝料を計算

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なお示談金計算機で計算された賠償額はあくまで「弁護士基準」による賠償額です。

慰謝料金額相場の3基準比較

一般的に、事故の相手方の保険会社はより低い金額で示談を締結しようとしてきます
早期に弁護士に相談することで元来被害者が受け取るべき補償の金額、「弁護士基準」で示談を締結できる可能性があがります。

びまん性軸索損傷の慰謝料実例|高次脳機能障害の重症度によって慰謝料は変わる?

慰謝料の金額は後遺障害の等級によっても大きく変わります。
びまん性軸索損傷の後遺症、後遺障害についてよりくわしい内容を知りたいという方はコチラの記事をご覧ください。

ここではびまん性軸索損傷の賠償額について争われた実際の交通事故裁判の事例をご紹介します。
びまん性軸索損傷の後遺症の内容によって、どれくらい賠償額に差が生じたかなどを見ていきましょう。

事例①賠償総額2億2324万7861円の事例

まずは後遺障害等級の中でも最も重い、

別表第一1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

の認定をうけた事例です。

賠償総額2億2324万7861円の事例
事故の内容 原動機付自転車に乗っていた被害者が、左折をした加害者自動車に巻き込まれ受傷したという事故
ケガの態様 びまん性軸索損傷
脾臓損傷
左肘粉砕脱臼骨折
右鎖骨骨折など
後遺障害の内容 高次脳機能障害について11*1
日常生活動作等をするに当たって、他人による指示や声かけ、一部介助が必要。
自発性が乏しく、傾眠傾向があり、中程度の見当識障害や記銘力障害も認められる。

*1その他肘の運動障害、目の機能障害なども認定された。また自賠責保険・共済紛争処理機構では高次脳機能障害部分について1級1号と認定されたが、裁判上は2級相当とされている。
*東京地方裁判所 事件番号平成20年(ワ)第1824号

この事例の賠償額の内訳は以下の通りです。

賠償総額2億2324万7861円の事例の内訳
賠償総額 223247861
うち、後遺障害慰謝料*1 2600万円
うち、逸失利益*2 66397546
事故に遭った年の推定年収5101451円をもとに、67歳までの27年分の逸失利益が計算された。
うち、介護看護費用*3 117303413

*1後遺障害を負った精神的苦痛に対する慰謝料
*2後遺障害を負ったことによって失われた賃金など将来得るはずだった利益に対する賠償
*3将来にわたってかかる付添看護への賠償と介護に必要となる器具や改築などへの賠償

事例②賠償総額9959万3603円の事例

続いては、賠償総額9959万3603円の事例です。

賠償総額9959万3603円の事例
事故の内容 横断歩道を渡っていた被害者と、交差点に進入した加害者自動車とが衝突したという事故。
ケガの態様 脳挫傷
頭蓋骨骨折
びまん性軸索損傷
前額部挫滅創眼瞼損傷など
後遺障害の内容 脳外傷に起因する高次脳機能障害について52
介護は不要なレベルで、IQも平均的なレベルであるものの記憶障害などが認められる。
顔や首の外貌醜状について1214
額に5センチの創傷痕と首に気管切開痕。
以上2つの後遺障害を併合して4級相当

*東京地方裁判所 事件番号平成23年(ワ)第9635号

この事例の賠償額の内訳は以下の通りです。

賠償総額9959万3603円の事例の内訳
賠償総額 99593603
うち、後遺障害慰謝料*1 1670万円
うち、逸失利益*2 65888782
事故の年の男女計学歴計の平均賃金4860600円をもとに、67歳までの40年分の逸失利益が計算された。
うち、介護看護費用*3 0

*1後遺障害を負った精神的苦痛に対する慰謝料
*2後遺障害を負ったことによって失われた賃金など将来得るはずだった利益に対する賠償
*3将来にわたってかかる付添看護への賠償と介護に必要となる器具や改築などへの賠償

賠償額について比べてみてみましょう。

賠償額の比較
総額223247861円の事例 総額99593603円の事例
賠償総額 223247861 99593603
うち、後遺障害慰謝料 2600万円 1670万円
うち、逸失利益 66397546 65888782
うち、介護看護費用 117303413 0

一見、逸失利益については同程度に見えますが、

計算の基となった年収は同程度

賠償額2億超の事例は27年分の逸失利益

賠償額1億弱の事例は40年分の逸失利益

という点を考慮すると、前者の方がより高額な基準で計算されているということがわかります。

後遺障害の等級がより重いほうが賠償の額は大きくなる。

介護が必要となった事例では介護看護の諸費用が認められ得る。

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交通事故によるびまん性軸索損傷の特徴を解説|症状や治療法、治る見込みとは?

続いては、びまん性軸索損傷そのものについて解説していきます。

びまん性軸索損傷の解説①|症状、原因、MRIなどによる診断

びまん性軸索損傷とは、脳全体に何らかの損傷が及んだということを総括する傷病名です。
局所性脳損傷(脳挫傷、急性硬膜下血腫、脳内血腫など、頭蓋内の特定の部位に損傷が及んでいるという状態)の対となる言葉です。
ただ、びまん性軸索損傷と局所性脳損傷が合併しているケースなどもあります。

原因

事故の衝撃など頭部に大きな力が加わった際に頭が激しく揺さぶられて「せん断損傷」を負う。

これがびまん性軸索損傷の原因とされています。

せん断損傷

脳は均一な構造にはなっていない。
そのため事故などの衝撃により脳が揺さぶられると、脳の各部位の運動に相対的なずれが生じる
そのずれによる断裂損傷をせん断損傷という。

診断

びまん性軸索損傷はCTで診断することは困難なためMRIで検査されます。

なお受傷直後はMRIでもはっきりしないことがあり、臨床的には、

意識障害を呈しているのに、局所性脳損傷の所見が示されない

といったとき、びまん性軸索損傷と診断されます。

意識障害

意識が混濁していたり変容していたりしている状態。

受傷後数日でびまん性軸索損傷のMRI所見は明瞭化するといわれています。

症状

軽傷かつ予後も良好な症例から、受傷直後より重篤な意識障害など示し後遺障害が残存する重症例まで、病態は多種多様です。

受傷直後には昏睡などの意識障害が表れ、意識回復後も以下のような後遺症が残存することもあります。

びまん性軸索損傷の主な後遺症
神経認知障害 ・記憶力や判断力の低下
・物事を計画を立てて達成する能力の低下
・自己洞察性(病識)の低下など
社会行動障害 ・攻撃性、易怒性、幼稚性の高まり
・意欲低下
・病的嫉妬など
神経症状 ・正しく言葉を発せない、発しにくくなる
・四肢の麻痺
・起立や歩行の傷害など

また重症例では昏睡状態から遷延性意識障害(俗にいう植物状態のこと)になる可能性のほか、死亡するケースもあります。

びまん性軸索損傷の解説②|予後、回復の可能性、看護の必要性

びまん性軸索損傷に対して、根本的な治療法は現状ありません。
治療はすべて対症療法となります

ただし、合併損傷を負っている場合などでは血腫の除去頭蓋内圧亢進の改善を目指し薬物療法や手術療法の適応になるケースもあります。

頭蓋内圧亢進

脳が損傷を負い腫れるなどして頭蓋内の圧力が高まりつつある状態
圧力が高まりすぎると脳の損傷が拡大する。(二次的脳損傷
通常、びまん性軸索損傷では頭蓋内圧について亢進していない例が多いが、何らかの合併損傷により頭蓋内圧が亢進する可能性もある。

予後、回復の可能性

びまん性軸索損傷による脳の機能の障害などは、通常長い目で見れば改善の傾向を示します
とくに若年であるほど、軽傷であるほどこの改善傾向は速やかなものとなります。
ただ最終的にどこまで回復するかは、びまん性軸索損傷の程度、年齢、受傷直後の意識障害の長さや程度によって大きく異なり、一概には言えません。

またリハビリテーションを始めとした理学療法は機能回復の促進という点で重要です。
専門医の指導の元、怪我の態様に合わせて積極的にリハビリに励むことが重要となります。

看護の必要性

びまん性軸索損傷のすべての症例について、将来にわたっての看護、介護が必要になるというわけではありません。
介護、看護が必要ないレベルにまで回復するという症例は数多くあります

一例としては先に「びまん性軸索損傷の慰謝料実例|高次脳機能障害の重症度によって慰謝料は変わる?」の項でも取り上げた、

賠償総額9959万3603円の事例

などが挙げられます。

判決文から一部引用してみます。

(略)
(事故被害者は)高次脳機能障害による脱抑制,自発性意識低下,注意障害,記銘力障害,遂行機能障害,観念・観念運動失行などが認められたものの,その後高次脳機能障害は改善傾向を示し(中略)相当回復をし,常時介護が不要なレベルに達した
(略)

引用元:東京地方裁判所 事件番号「平成23年(ワ)第9635号」 平成24年8月24日判決

ただケガの態様により、看護や介護が必要なレベルの後遺症が残るケースもあります。
そのような場合には事故の相手方保険会社に対し、将来の看護や介護に必要な実費のほか、面倒を見る家族などへの補償も請求できます。

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弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

全国10事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2019年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。