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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

鎖骨骨折後遺症

鎖骨骨折の後遺症|手術や治療は必要?変形や傷痕も後遺症?後遺障害慰謝料はいくら?

鎖骨骨折の後遺症は?
この記事のポイント
  • 鎖骨骨折の後遺障害には「肩の可動域制限」「鎖骨の変形・偽関節」「しびれの残存」などがある
  • 慰謝料の金額は骨折の程度、他覚所見の有無などで異なる
  • 弁護士に依頼することで、2~3倍の慰謝料増額が可能

鎖骨骨折は骨折の中でも10~15%を占めると言われています。
肩関節や神経も近くにあるため、もし後遺症(後遺障害)が残ったらと不安な方も多いでしょう。
鎖骨骨折によりどのような後遺症が残るのか、それにより受け取れる慰謝料はいくらなのか、弁護士が解説いたします。

  • 鎖骨骨折の治療に手術は必要?
  • 鎖骨骨折の後遺症はどのようなものがある?
  • しびれの残存は後遺障害になる?

藤井宏真医師

奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医

藤井 宏真医師

鎖骨は癒合しやすい骨ですが、癒合には通常1ヶ月以上かかります。
また、薄い皮膚の下にあるため開放骨折となったり、近くの神経を傷つけたりする場合があります。

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鎖骨骨折の基礎知識|鎖骨骨折したら何科に行く?

鎖骨骨折の症状

鎖骨骨折には、以下のような症状があります。

  • 骨折部分や肩の痛み、腫れ
  • 痛みにより肩があげられない
  • あざ
  • 鎖骨付近の皮膚が飛び出て見える
  • 手のしびれや痛み

鎖骨骨折では、折れた骨が周辺の血管や神経、肺を傷つけている場合もあります。

また、鎖骨を覆う皮膚は薄いため、骨折時に骨が飛び出る開放骨折になる場合もあります。

鎖骨骨折は何科で治療を受けるべき?

鎖骨骨折の場合は、整形外科を受診するようにしましょう。
レントゲン撮影は、一つの方向からのみの撮影では詳細が分からないこともあります。
そうした場合には、複数の方向から撮影することになります。

鎖骨骨折の治療&整復&手術|放置でもいい?手術費用は?

鎖骨骨折では、手術をしない場合とする場合があります。

手術しない場合

鎖骨は比較的癒合しやすい骨ですので、ずれが小さい場合には手術は行われません。
鎖骨バンドや三角巾などで骨折部を固定して、骨の癒合を待ちます。
癒合までには4週間から12週間ほどかかることが一般的で、これは手術をした場合でも同じです。

手術をする場合

骨のずれが大きい場合や折れた骨が粉砕している場合、開放骨折になっている場合は手術が行われます。
特に鎖骨の肩側1/3の骨折(鎖骨遠位端骨折)の場合は、手術が行われることが多いです。
ワイヤーで骨折部分を巻いたり、プレートやねじを骨折部に埋め込んで内側から固定し、骨を癒合させます。

手術費用はいくら?

一般的に術後の入院期間は5~15日程度で、手術費用は3割負担とすると12万~20万円程度です。

鎖骨骨折の後遺症|しびれの残存は後遺症になる?

後遺症(後遺障害)

これ以上治療を行っても大幅な改善は見られないと判断された症状。
交通事故の場合、その部位と程度の審査を経て、14段階の後遺障害等級が認定される。

鎖骨骨折により、生じることのある後遺障害には以下のようなものがあります。

鎖骨骨折の後遺症
  • 肩関節の可動域制限
  • 鎖骨の変形、偽関節
  • 痛みの残存

それぞれがどのような症状であり、等級が何級になるかは次の章で詳しく説明します。

鎖骨骨折で慰謝料が増えるって本当?

鎖骨骨折の後遺症により増える保険金|後遺障害慰謝料と逸失利益

上述した後遺障害等級に認定されると、相手方から支払われる金銭が増えます。
後遺障害が残った場合に追加で支払われる金銭の一つが、後遺障害慰謝料です。

後遺障害慰謝料

後遺障害により今後も受け続ける精神的苦痛に対する損害賠償

また、後遺障害慰謝料の他に支払われるものとして逸失利益があります。

後遺障害の逸失利益

後遺障害による労働能力の喪失で得られなくなった将来の収入に対する補償。(異動・退職を余儀なくされた、出世が難しくなったなど)
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数

「労働能力喪失率」は後遺障害等級ごとに定められています。
しかし、障害の部位や程度、被害者の職業などを考慮して増減することがあります。
主婦などの場合の年収算定方法や、ライプニッツ係数一覧などはこちらの記事をご覧ください。

注意点として、

  • 後遺障害が残っても必ずしも等級認定されるとは限らない
  • 示談交渉で加害者側から提示される後遺傷害慰謝料や逸失利益は、低めに計算されている

ということがあります。

後遺障害等級認定も示談交渉も、弁護士に相談することで専門家としてのアドバイス・サポートを受けることができます。

加害者側から示談金額の提示を受けたら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

後遺障害等級の申請方法|鎖骨骨折の場合

では、実際に鎖骨骨折で後遺障害等級の申請をして、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。

後遺障害等級認定の手続きの流れ

①症状が固定される

治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6カ月以上経っている必要があります。
これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。

②後遺障害診断書など書類の用意

症状固定の診断を受けたら、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。

後遺障害の申請には、2種類の方法があり、どちらを選択するかによって申請者自身で集める資料が変わります。

事前認定の流れ
被害者請求の流れ
  • 事前認定:被害者が後遺障害診断書のみを任意保険会社に提出する
  • 被害者請求:被害者が提出資料一式を自賠責保険に提出する

両者の違いを表にして比較します。

比較

事前認定と被害者請求

事前認定被害者請求
請求者相手方保険会社被害者自身
メリット資料収集の手間がない自分で資料を確認できる
デメリット自分で資料を確認できない資料収集の手間がかかる

被害者請求は手間がかかりますが、後遺障害等級の認定に有利な資料を自分で精査できるのが強みです。なお、弁護士に資料収集作業を任せることもできます。

③損害保険料率算出機構による審査

提出された資料をもとに、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。
結果は30日以内に出ることが多いです。

より細かな認定手順についてはこちらの記事を参照してください。

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鎖骨骨折による「可動域制限」の後遺障害

鎖骨骨折による可動域制限の後遺障害等級は何級?

鎖骨骨折では、肩関節に可動域制限が生じる場合があります。
その場合に認定される後遺障害等級は以下のようになります。

後遺障害等級

鎖骨骨折による可動域制限

等級内容
86可動域を失った
1010可動域が1/2以下になった
126肩関節可動域が3/4以下になった

肩関節の可動域の測り方は、以下のようになります。
なお、この可動域は本人が自力で動かせる範囲ではなく、医師など他人が動かして動く範囲になります。

肩関節の可動域
屈曲手首と肘を伸ばし、気を付けの状態から体の前を通り天井へ向かって腕を上げる
伸展手首と肘を伸ばし、気を付けの状態から体の後ろに腕を上げる
外転・内転手首と肘を伸ばし、気を付けの状態から体の横を通って天井まで腕を上げる(外転)。
同じようにしてもう一方の腕がある方向に腕を動かす(内転)。
外旋・内旋手首と肘を伸ばし、体の前に地面と水平になるよう腕を伸ばす。
そこから左右に腕を動かす。

鎖骨骨折による可動域制限の後遺障害慰謝料の相場は?

慰謝料の金額の算定方法は、相手方が提示してくるもの(自賠責基準・任意保険基準)と、弁護士が交渉することで請求できるもの(弁護士基準)で大きく異なります。
鎖骨骨折による顔面醜状・鼻の欠損に対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。

後遺障害慰謝料

鎖骨骨折による可動域制限

等級自賠責基準弁護士基準
86324万円830万円
1010187万円550万円
12693万円290万円

等級にもよりますが、弁護士に依頼することで2倍以上の後遺障害慰謝料を請求できます。
慰謝料の増額を目指すのであれば、できるだけ早い段階から弁護士と相談しておくことが重要です。

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鎖骨骨折による「鎖骨の変形・偽関節」の後遺障害

鎖骨骨折による鎖骨の変形・偽関節の後遺障害等級は何級?

鎖骨は比較的癒合がしやすい骨ですが、それでも鎖骨の変形が残る場合もあります。
また、そうした骨癒合の不良が偽関節につながることもあります。

偽関節
骨の癒合不全により、実際には関節ではない部分が関節のようになること。

特に鎖骨の肩側1/3を骨折した場合や鎖骨の真ん中1/3で2cmを超えるずれがあった場合には、変形が残りやすいと言われています。

その場合の後遺障害等級は以下のようになります。

後遺障害等級

鎖骨骨折による鎖骨の変形・偽関節

等級症状
125鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの

なお、ここでいう変形とは、裸眼でも確認できる程度の変形となっています。

鎖骨骨折による鎖骨の変形・偽関節の後遺障害慰謝料の相場は?

鎖骨骨折による鎖骨の変形に対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。

後遺障害慰謝料

鎖骨骨折による鎖骨の変形・偽関節

等級自賠責基準弁護士基準
12593万円290万円
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鎖骨骨折による「しびれ」の後遺障害

鎖骨骨折によるしびれの後遺障害等級は何級?

鎖骨の近くには、腕神経叢という神経が通っています。
骨折のためこの神経が損傷したり、偽関節で圧迫されたりすると、腕や手の小指側の側面にしびれなどの感覚障害が生じる場合があります。
こうしたときの後遺障害等級は、以下のようになります。

後遺障害等級

鎖骨骨折によるしびれ

等級症状
1213局部に頑固な神経症状を残すもの
149局部に神経症状を残すもの

ここでの等級は「頑固な」という言葉で分けられています。

これは主に、

  • 神経学的な検査結果があるか
  • レントゲン・MRI画像などの所見があるか

によって判別されます。

痛みやしびれ症状が医学的に証明可能な場合は12級13号、一応の説明や推定が可能な場合は14級9号に該当します。

ですので、おおよそ半年以上通院して症状の経過を明らかにし、適宜検査を受けることが重要です。

鎖骨骨折によるしびれの後遺障害慰謝料の相場は?

鎖骨骨折によるしびれに対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。

後遺障害慰謝料

痛み・しびれの後遺障害

等級自賠責基準弁護士基準
121393万円290万円
14932万円110万円
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鎖骨骨折の後遺症に関するお悩みは弁護士にご相談ください

LINE相談

交通事故で鎖骨骨折をすると、治療や手術で大変な思いをする上、後遺症が残る可能性もあります。
にも関わらず、相手方保険会社から提示される慰謝料・逸失利益は被害者の受けた損害に対して不十分なことがあります。
損害に対する十分な補償を受け取るためには、弁護士に依頼することが一番です。
保険会社との示談交渉などを一任することで慰謝料増額が叶うだけではなく、手続きの煩雑さなどから解放されます。
骨折による慰謝料はいくらになるのか、通院に関する注意、後遺障害等級の申請方法など、どのようなことでも結構です。
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弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。