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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
脳震盪は、基本的には軽い症状がみられる程度ですが、その後再び脳震盪を起こすと致死率も高まりますし、重い神経症状が残る可能性もあります。
また、急性硬膜下血腫を併発する可能性もあります。
脳に関するけがということもあって、もし後遺症(後遺障害)が残ったらと不安な方も多いでしょう。
脳震盪によりどのような後遺症が残るのか、それにより受け取れる慰謝料はいくらなのか、弁護士が解説いたします。
目次
奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医
藤井 宏真医師
脳震盪は、脳に衝撃が加わることで発生します。
多くの場合一過性の意識障害等が見られますが、2度目の脳震盪など重度の場合には、重い障害が残る可能性もあります。
脳震盪には、以下のような症状があります。
軽度な脳震盪では、記憶障害やめまい、頭痛などが見られますが、一時的なものであることがほとんどです。
しかし、テレビゲームやインターネットなど集中力を使うものの利用は、症状の悪化や回復の遅れを招く可能性があります。
受傷後しばらくは避けた方が良いでしょう。
また、軽度の脳震盪では意識を失うことはあまりなく、脳震盪が発生していることに気づかないことも珍しくありません。
一方、重度の脳震盪の場合には、けいれんや血圧の低下、脈が遅くなるといった症状がみられることもあります。
脳震盪が疑われる場合は、脳神経外科を受診するようにしましょう。
脳震盪は、MRI画像やCT画像では確認できないこともありますので、本人や周囲の人への問診も行われます。
脳震盪ではほとんどの場合特別な治療は行われません。
しばらく安静にしておくことになります。
めまいや頭痛が激しいときには、鎮痛剤が処方されることもあります。
脳震盪の脳症状は一時的なものが多く、軽度なけがだと思われがちです。
しかし、脳震盪が治りきる前に再び脳震盪を起こすとセカンドインパクト症候群を引き起こす可能性があります。
セカンドインパクトでは致死率30~50%超とも言われており、回復しても神経症状が後遺症として残ることが多いため、細心の注意が必要です。
交通事故で脳震盪を引き起こした後は、医師の指示のもと、十分な期間安静にしておくことが大切です。
例えばスポーツ選手がプレー中に脳振盪を起こした場合は、脳震盪の再発防止のため14日間は運動を禁止することが推奨されています。
十分な治療を行っても、これ以上良くも悪くもならないという状態で残存する症状
交通事故の場合、その部位と程度により14段階の後遺障害等級で区分される
脳震盪は、基本的には後遺症が残りにくいと言われています。
しかし、2度目の脳震盪などで症状が重い場合には、神経障害が残ることが多いです。
具体的な神経症状の内容は以下の通りです。
それぞれがどのような症状であり、等級が何級になるかは次の章で詳しく説明します。
2度目の脳震盪ではほとんどの場合急性硬膜下血腫を伴うと言われています。
そのため、脳震盪による後遺症だけでなく急性硬膜下血腫による後遺症が残ることも考えられます。
急性硬膜下血腫についてはこちら
上述した後遺障害等級に認定されると、交通事故の加害者から支払われる金銭が増えます。
後遺障害が残った場合に追加で支払われる金銭の一つが、後遺障害慰謝料です。
後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
また、後遺障害慰謝料の他に支払われるものとして逸失利益があります。
後遺障害が残ったことで労働能力が失われ収入が減ることへの補償
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数
なお、「労働能力喪失率」は障害の部位や程度、被害者の職業などを考慮して増減することがあります。
主婦などの場合の年収算定方法や、ライプニッツ係数一覧などはこちらの記事をご覧ください。
注意点として、示談交渉で交通事故の加害者側から提示される後遺傷害慰謝料や逸失利益は妥当な金額よりも低額であるということがあります。
後遺障害に対する補償金額をいくらにするべきかについて争いになったときは、弁護士に相談することで十分な補償を受けられるようにしましょう。
では、実際に脳震盪で後遺障害等級の申請をして、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。
治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6カ月以上経っている必要があります。
これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。
症状固定の診断を受けたならば、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。
後遺障害等級認定の審査は、基本的に申請者から提出された資料のみを見て行われます。
そのため、後遺障害の有無や程度を後遺障害診断書やMRI画像などで証明できるよう工夫する必要があります。
後遺障害の申請には、2種類の方法があります。
被害者請求は手間がかかりますが、後遺障害等級の認定に有利な資料を自分で精査できるのが強みです。なお、弁護士に資料収集作業を任せることもできます。
事前認定と被害者請求
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
請求者 | 相手方保険会社 | 被害者自身 |
メリット | 資料収集の手間がない | 自分で資料を確認できる |
デメリット | 自分で資料を確認できない | 資料収集の手間がかかる |
提出された資料をもとに、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。
結果は30日以内に出ることが多いですが、判断が難しい・経過を見る必要があると判断された場合には、数ヶ月~数年かかることもあります。
こうした審査が長期化するケースは、高次脳機能障害などに多いです。
より細かな認定手順、後遺障害診断書の書き方などについては以下の記事を参照してください。
後遺障害等級の申請について
特に2度目の脳震盪を引き起こすと、回復後も神経症状が残ると言われています。
その場合に認定される後遺障害等級は以下の通りです。
脳震盪による神経症状
等級 | 症状 |
---|---|
9級10号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
後遺障害12級13号と14級9号については、「頑固な」という言葉で分けられています。
とはいっても障害の程度のみではなく、
が大きな判断要素となります。
痛みやしびれ症状が医学的に証明可能な場合は12級13号、一応の説明や推定が可能な場合は14級9号に該当します。
ですので、おおよそ半年以上通院して症状の経過を明らかにし、適宜検査を受けることが重要です。
脳震盪による神経症状の症状に対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。
痛み・しびれの後遺障害
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
9級10号 | 245万円 | 690万円 |
12級13号 | 93万円 | 290万円 |
14級9号 | 32万円 | 110万円 |
脳震盪は軽い症状しかないと思われがちですが、万一2度目の脳震盪が起こった場合には、急性硬膜下血腫の併発も考えられ、重い障害が残る可能性もあります。
にも関わらず、相手方保険会社から提示される慰謝料・逸失利益は被害者の受けた損害に対して不十分なことがあります。
損害に対する十分な補償を受け取るためには、弁護士に依頼することが一番です。
保険会社との示談交渉などを一任することで慰謝料増額が叶うだけではなく、手続きの煩雑さなどから解放されます。
脳震盪による慰謝料はいくらになるのか、通院に関する注意、後遺障害等級の申請方法など、どのようなことでも結構です。
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(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
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