弁護士無料相談をご利用ください
相談依頼は今すぐ!
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故の被害にあい、これまで通りに仕事ができなくなることがあります。その場合に「休業補償」という補償を受けとることができます。生活に直結する問題ですので、気になる方・不安な方は多いと思います。休業補償の計算方法、いつまで休業補償を受けられるのか、主婦の場合の計算方法は…いろんな疑問があげられます。
これらの疑問に加えて、よくある質問をQ&A形式で解説します。
目次
交通事故がなければ得られていた、と思われる給料や賞与などを休業損害といいます。この損害への支払いを加害者に求めることを休業補償といいます。請求時に必要な資料を例示します。
資料は、加害者側の任意保険会社に提出します(任意保険未加入の場合は、自賠責保険の会社になります)。「休業損害証明書」は、加害者の保険会社から送られてきます。送られてきたら、被害者は自身の勤め先(総務部など)に記入してもらい、提出しましょう。
加害者の保険会社は、事故の示談までやり取りをする相手になります。保険会社には、自賠責保険会社と任意保険会社の2つがあります。事故直後には、加害者の加入状況を必ず確認しましょう。関連記事「自賠責保険と任意保険の違い」も、参考にしてみてください。
休業補償は基礎収入から計算する日額と休業日数を掛け算します。この2点は、加害者と被害者の争点になりやすい部分です。結論から言うと、休業補償は「裁判・弁護士基準」で算出するのが最も高額になることが多いです。5,700円という金額を聞いたことがある人もいるでしょう。では、この金額の根拠は何でしょうか。
5,700円とは、自賠責保険の基準での金額です。自賠責保険は、運転者(加害者)に対して、加入が義務づけられている保険です。自賠責保険でも、実際の日額が5,700円を超えることが明らかに示せる場合は、上限を19,000円として支払われることはありますが、原則は5,700円です。詳細は下記リンクでご確認ください。
まず、自賠責基準での計算方法を確認してみましょう。
裁判・弁護士基準での計算方法はどうでしょうか。
事故前3か月の給料は手取り額では計算しません。税金などが差し引かれていない金額で計算します。計算すると、自賠責基準の「5,700円」を下回ることは少ないです。具体的な事例を、2つの基準で計算してみましょう。
半日休業の場合は休業日数を0.5日として計算します。
<自賠責保険算出基準>
日額5,700円
休業補償の金額 5,700円×20.5日=116,850円
<裁判・弁護士基準>
日額(240,000円×3か月)÷90=8,000円
休業補償の金額 8,000円×20日=164,000円
47,150円も差が出ていることがわかります。
裁判・弁護士基準で計算すると、休業補償は高額になることが多いです。加害者の任意保険会社が、必ず裁判・弁護士基準で算出してくれるわけではありません。経験豊富な弁護士に相談することが、休業補償の交渉に有効です。
休業補償は、具体的にいつまでもらえるとは決まっていません。「休業が必要と認められた期間」に発生します。休業が必要と認められる、ということは被害者だけの判断ではなく、医師など専門家の見解が重視されます。
もし打ち切りを提案されたり、保険会社からの調査が気になる方は、この記事の後半にも目を通してください。
通常は、示談後に支払われることが多いです。それは示談金の一部とされるためです。
示談成立までは時間がかかります。生活に不安な方もいるでしょう。その場合は仮渡金として、加害者の自賠責保険会社から事前に受けとることが1回のみ可能です。
死亡 | 傷害* | |
---|---|---|
金額 | 290万円 | 40万円 20万円 5万円 |
*傷害の程度により異なる
毎月もらうためには、加害者の任意保険会社との交渉になるでしょう。その際も、事前に示談金の一部を受けとっている、という認識を持っておきましょう。
主婦も休業補償は受けとれます。それは、家事労働ができなくなることも金銭的に評価できるという見方をするためです。
主婦の休業補償も、先に記載した自賠責基準か裁判・弁護士基準かで計算が異なります。裁判・弁護士基準の日額は、専業主婦の場合、賃金センサスの女性労働者の全年齢平均賃金から算出します。兼業主婦の場合は、実際の収入と賃金センサスの女性労働者の全年齢平均賃金の高いほうを採用します。
自賠責基準:1日あたり5,700円
裁判・弁護士基準:賃金センサスの女性労働者の全年齢平均年収を元に算出
裁判・弁護士基準で計算してみましょう。賃金センサスによると、平成29年の女性労働者の全年齢平均年収は<3,778,200円>です。日額に換算すると<10,351円>になります。主婦の場合、自賠責基準の5,700円を大幅に上回る金額といえます。
裁判・弁護士基準で交渉することが、休業補償の増額につながります。また、個別の事例によって、どこまでを休業補償として主張するのかが違います。ベビーシッターや家政婦など、代わりに「家事労働」をする人を雇った場合、人件費などの支出額を休業補償として認めたケースもあります。弁護士へ相談して、適正な休業補償を受けとりましょう。
他にも主婦の休業補償について解説している記事があります。参考にしてみてください。
休業補償の打ち切りを提案されたら、まず医師に相談するとよいでしょう。加害者の保険会社に、休業の必要性を説明するためには医師の見解が分かる診断書などの客観的な資料が必要です。
休業補償は最長でも症状固定までと考えてください。
症状固定とは、治療を継続しても、これ以上の改善が期待できなくなったタイミングのことです。「通院治療費」の停止も打診されるタイミングでもあり、後遺障害の有無を判断したり、最終的な示談金を決めていく段階に変わります。
加害者の保険会社は、被害者のケガの状況を正確に知る必要があります。そこで保険調査員が、被害者の状況確認を行います。被害者の勤め先などに、休業状況など確認することもあります。きちんとした手順を踏んでいれば、調査が入っても慌てる必要はありません。もし不安なことがあれば、弁護士に相談したり、保険調査員と対面する機会があれば弁護士に同席してもらうとよいでしょう。
休業補償の計算をする際、有給休暇を使っていてもそれは1日としてカウントします。
休業日数カウント | |
---|---|
早退・遅刻 | 就業時間に占める割合 |
半休 | 0.5日 |
有給休暇 | 1日 |
有給休暇は労働者の権利です。その権利に対する損害と考えますので、有給休暇の取得は休業日数にカウントして問題ありません。
赤字の場合、2パターンが考えられます。
場合に分けてみましょう。
① の場合は、前年の源泉徴収票が黒字ですので算出可能です。
休業補償は、事故で失った「本来得られたはずの利益」を想定しています。②の場合は、事故前から赤字なので、事故と赤字の因果関係は見えづらいです。しかし、事業をするうえでの固定費(家賃や光熱費など)を休業損害ととらえるなど、色々なアプローチがあります。
赤字だから休業補償を受けとれないということは必ずしもありません。一度、弁護士への相談を検討してください。「弁護士費用は高そう」と心配な方もいるでしょう。被害者が加入している保険に弁護士費用特約がついていれば、基本的に負担なしで弁護士に相談・依頼ができます。加入の保険内容を確認してください。
アルバイトやパートも、計算方法に変わりはありません。原則として事故前3か月の収入総額を基本として計算します。たとえば、アルバイトを退職した翌日、休職中の方が事故にあった場合、退職前のアルバイト収入(月額16万円)を基礎として算定するなどの判例も出ています(大阪地判平成10年1月23日交民31巻1号57頁)。
交通事故の休業補償を適切にもらうことは、被害者の生活に必要不可欠です。その一方で、給与や勤務形態など被害者の属性によって算出方法が異なっていて複雑です。裁判・弁護士基準で算出し、交渉することが有効です。専門家である弁護士に依頼してはいかがでしょうか。
アトム法律事務所では、24時間・365日無料の窓口で相談を受け付けています。お電話が混み合っていると、お待ちいただくこともあります。少しでも早めにご連絡いただくことをおすすめします。また、LINEでの相談も実施しています。「忙しくて電話は難しい…」という方も、簡単にご利用いただけます。
交通事故の休業補償は、事故によって失った「得られるはずの利益」への補償です。適切な補償を受けるための第一歩は、どのように損害を見積もるかといえるでしょう。それは、計算方法が分かっているだけでは十分とは言い切れません。弁護士に相談・依頼して、被害者一人ひとりの事情や背景を反映した補償を受けとることをおすすめします。
(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。弁護士プロフィール
岡野武志弁護士