6人の弁護士がこの記事に回答しています

交通事故の慰謝料|パートや主婦の休業日数・休業補償計算方法を解説!主婦手当とは?

イメージ画像

交通事故に遭った時、けがの様子とともに気になるのがお金の問題です。

  • 主婦だけど、休業補償は出るのだろうか
  • 主婦も給与所得者と同じ慰謝料がもらえるのか
  • 兼業主婦の場合慰謝料計算はどうなるのか

主婦の場合、所得がなかったり兼業していたりして、慰謝料のことが分かりにくいものです。

今回は、そんな主婦の慰謝料について、弁護士とともに解説していきます。


1

交通事故の慰謝料|主婦がもらえる項目・計算方法は?

Q1

交通事故で主婦がもらえる慰謝料は?

主婦がもらえる慰謝料は、

サラリーマンや自営業者の場合と同じ

です。

主婦だからと言って受け取れない慰謝料はありません。

具体的な慰謝料の内容は、以下の通りです。

主婦がもらえる交通事故慰謝料
内容 条件
傷害慰謝料 交通事故による入通院で受けた精神的苦痛に対する慰謝料 交通事故で入通院した場合
後遺障害慰謝料 後遺障害が残ったことで今後も受け続ける精神的苦痛に対する慰謝料 後遺障害等級が認定された場合
死亡慰謝料 死亡した場合の本人及び遺族に対する慰謝料 被害者が死亡した場合

慰謝料とは、

精神的苦痛に対して支払われるもの

です。

これらの慰謝料はすべて、主婦、サラリーマン、子供などの身分に関係なく

条件に該当すれば皆受け取れます。

Q2

交通事故の慰謝料|主婦の場合の計算方法は?

各慰謝料の計算方法も、主婦以外の場合と同じです。

ただし、主婦であることを考慮して相場が高くなっているものもあります。

慰謝料計算方法を確認する上で重要なのは、

計算方法の基準には3種類ある

ということです。

今回は、示談交渉の際に加害者側が主張してくる

任意保険基準の慰謝料計算方法

被害者が慰謝料計算の際に用いる

弁護士基準の慰謝料計算方法

について解説していきます。

①傷害慰謝料

入通院期間に応じて入通院慰謝料算定表を参照する

傷害慰謝料は入通院期間に応じて決められます。

まず、被害者側が傷害慰謝料を算出するときに用いる

弁護士基準の入通院慰謝料算定表

をご紹介します。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

入通院慰謝料算定表に記載されている金額は、

任意保険基準と弁護士基準で異なります。

そのため、続いて両者を比較してみます。

入院を1ヵ月した場合の傷害慰謝料
通院期間 弁護士基準 任意保険基準*
1ヵ月 77万円 37.8万円
2ヵ月 98万円 50.4万円
14ヵ月 189万円 113.4万円
15ヵ月 191万円 115.9万円

*以前各社共通で用いられていたもの。現在は各社で異なり非公開。

主婦の場合、幼児がいる関係で通常より早く退院したということもあります。

その場合には、本来ならもっと長く入院していたはずと考え、

傷害慰謝料が増額される

こともあります。

被害者が幼児を持つ母親であったり、仕事等の都合など被害者側の事情により特に入院期間を短縮したと認められる場合には、上記金額を増額することがある。

引用元:『損害賠償額算定基準2016』(日弁連交通事故損団センター東京支部)

②後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、

認定された後遺障害等級に応じて

決められる。

こちらもまず、

被害者側が用いる弁護士基準の後遺障害慰謝料

をご紹介します。

弁護士基準による慰謝料の相場

後遺障害等級に応じた後遺障害慰謝料の金額も、

任意保険基準と弁護士基準で異なる

ため、つづいて一部を比較したものをご紹介します。

各基準による後遺障害慰謝料
弁護士基準 旧任意保険基準*
1 2800万円 1300万円
2 2370万円 1120万円
3 1990万円 950万円
12 290万円 100万円
13 180万円 60万円
14 110万円 40万円

*以前各社共通で用いられていたもの。現在は各社で異なり非公開。

後遺障害主婦としての仕事に特に影響するもの

だった場合には、それが考慮されて増額する場合もあります。

ただし、通常の示談での増額は難しいです。

裁判に持ち込むと、個別的な事情が考慮され、増額の可能性もあるということです。

右足関節傷害(12級)の主婦兼警備員(44歳)につき、PTSDの主張は認められないが、事故後不安障害を発症し、右足関節傷害の症状固定後も家事等に制限が生じたことを考慮し、傷害分170万円、後遺傷害分380万円を認めた。(事故日平13.4.20 京都地判平16.6.7 自保ジ1571・8)

引用元:損害賠償額算定基準2016(日弁連交通事故相談センター東京支部)

③死亡慰謝料

死亡慰謝料の基準は、身分によって決まっている

死亡慰謝料は、

主婦・一家の支柱・子供などの身分

に応じて金額が決められています。

この基準も、

任意保険基準と弁護士基準で異なる

のです。

主婦家庭における貢献度が非常に高い存在です。

したがって、主婦の死亡慰謝料の相場は

一家の支柱に次いで高めに設定

されています。

交通事故による死亡慰謝料
任意保険基準 弁護士基準
一家の支柱 一家の支柱
1500万~2000万円
一家の支柱
2800万円
主婦 1300万~1600万円 2500万円
その他 18歳未満で未就労
1200万~1600万円
65歳以上
1100万~1400万円
2000万~2500万円

主婦一家の支柱を兼ねている場合には、そのことを考慮した金額になる場合もあります。

娘が9歳の時に離婚し、以降娘が17歳になるまで扶養してきた兼業主婦(49歳)につき、本人分2600万円、娘400万円、合計3000万円をみとめた。

(事故日平15.12.5 東京地判平17.7.12 交民38・4・948)

引用元:『損害賠償額算定基準2016』(日弁連交通事故相談センター東京支部)

2

主婦やパートの休業補償|主婦手当とは?休業日数はどうなる?

Q1

交通事故での専業主婦の休業日数は?主婦手当とは?

給与所得のない主婦でも、

主婦業は労働とみなされる

ため、交通事故で主婦業ができなければ、その間の休業補償を受けられます。

これを主婦手当と呼ぶこともあります。

休業補償計算方法は以下の通りです。

休業補償

算定基礎日額×実休業日数

算定基礎日額とは、一日当たりの収入を算出したもの

ここで問題になるのが、

主婦の算定基礎日額はどうなるのか

主婦の休業日数はどう考えるのか

ということです。

算定基礎日額

給与所得者であれば、事故前の収入から算定基礎日額を算出できます。

しかし主婦の場合はそうもいかないので、以下のように算出します。

算定基礎日額の算出方法
弁護士基準 任意保険会社基準
計算方法 全女性の平均賃金から算出(10351円ほど) 原則日額5,700
休業日数

会社に勤務している人などであれば、休業日数は明らかです。

しかし、主婦の場合、はっきりとした休業日数を決めるのが難しいです。

主婦の場合は、通常

実際の入通院日数

を休業日数として考えます。

ただし、

入院はしなかったものの寝たきりで主婦業ができなかった

主婦業に影響が大きいけがのためしばらく主婦業ができなかった

という場合には、入通院日数以外の日数も休業日数に含まれることがあります。

Q2

パートの兼業主婦が交通事故で休業…休業補償の計算方法は?

主婦パートを両立する兼業主婦が休業すると、

主婦業の休業

パートの休業

が発生します。

この場合、どのように休業補償額を算出するのでしょうか。

兼業主婦の場合、一週間当たりの仕事時間によって、

主婦としての休業損害額が受け取れるか

パートとしての休業損害が受け取れるか

が変わります。

兼業主婦の計算方法
パート・アルバイトの時間
30時間/週未満 30時間/週以上
計算方法 主婦とパート・アルバイトで
算定基礎日額が高い方
の計算方法を採用
パート・アルバイトの計算方法を採用

パート休業補償額を算出する場合も、計算式は

算定基礎日額×休業日数

です。

算定基礎日額と休業日数

は以下のように考えます。

算定基礎日額

 月収÷ひと月の出勤数

休業日数

 復帰までの期間中に考えられる出勤数をひと月当たりの出勤数から算出

ただし、場合によっては

算定基礎日額

 月収÷30日  

休業日数

 復帰までにかかった日数

と考えることもあります。

Q3

交通事故はむちうちでも休業補償は出る?

交通事故でよくあるけがとして、

むちうち

があります。

しかしこれは、軽いけがとして扱われることが多いです。

むちうちでも、その治療のために通院が必要であったなら、

その間主婦業を休まざるを得なかった

ということができます。

したがって、むちうちでも休業補償の対象となります。

3

主婦の交通事故慰謝料は弁護士に相談

Q1

主婦の交通事故慰謝料の注意点

主婦で交通事故に遭ってしまった場合には、

慰謝料について弁護士に相談

することをお勧めします。

ここまででご紹介したように、主婦の場合、

休業日数

休業前の収入

を明確に証明するものがありません。

そのため、保険会社が不当に低い慰謝料を算出してくることも多いのです。

また、ここまででご紹介した通り、

幼児の育児のため入院期間が短くなった

後遺障害による主婦業への影響が非常に大きい

という場合には、慰謝料の増額も考えられます。

しかしこれらは、弁護士を通して主張しなければ難しいと言わざるを得ません。

慰謝料の金額は、加害者側の任意保険会社と話し合います。

任意保険会社は示談交渉に非常に慣れているため、

被害者自身で交渉するのは難しい

のです。

Q2

交通事故で主婦が弁護士に相談するメリットは?

交通事故慰謝料に関して、主婦が弁護士に相談するメリットは以下の通りです。

主婦の場合特有の難しい交渉をしてもらえる

増額の可能性が高くなる

任意保険会社提示の低い慰謝料金額をアップさせられる可能性が高い

実際に弁護士に相談したことで、

任意保険会社の提示額からアップした事例

をご紹介します。

アトム法律事務所での事例です。

アトム法律事務所での休業補償アップ例
交渉期間 金額の変化 内容
2か月 351万円→2100万円 主婦の方の休業損害や逸失利益がかなり低額に算出されていた。
法的根拠に基づき再計算、交渉したことで増額に成功。

主婦の交通事故慰謝料は、給与所得者の場合と比べて考慮すべき事情が違います。

そこを相手側の任意保険会社にも認めさせ、妥当な慰謝料を受け取るためには、

弁護士に相談することが非常に大切

なのです。

Q3

時間がなくても相談可能?

弁護士に相談とは言っても、

家事や育児などで忙しい

「パートにも復帰したのでそれどころではない

ということもあるかと思います。

そのようなときには、

アトム法律事務所の無料相談

をご利用ください。

事務所での対面相談だけではなく、

LINE

電話

での無料相談も行っています。

忙しい中でも、隙間時間で手軽に相談できます。

無料相談の結果、本格的に弁護士へ依頼することになったら、

弁護士費用特約

が使えるかどうか確認してみましょう。

弁護士費用特約を使うことができれば、

弁護士費用を保険会社に負担してもらえます。