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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故で介護費用の損害賠償請求が認められるかどうかは、被害者にとっても周囲の近親者にとっても注目のポイントです。将来介護費について、相場や判例を知っておきましょう。
「将来介護費」としては次の2つが認められます。
それぞれ確認してみましょう。
まずは介護をするための物に関してみていきます。
介護費用として裁判で認められたことがあるものをいくつか表にまとめました。
被害者の障害の内容や状況により変わりますので、すべての方に認められるわけではありません。
リフォーム費用<前橋地高崎支判平16.9.17> |
リハビリ用スペース確保・車いす移動を可能にするための改修工事・電気設備工事・給排水衛生設備工事、角質段差工事、スロープ・手すり設置工事、アスファルト舗装工事 |
住宅建て替え費<神戸地判平29.3.30> |
居宅が古く、リフォームするより新築したほうがコストがかからない |
介護用品<千葉地佐倉支判平8.9.27> |
入浴担架、空気清浄機、痰吸引器および吸入器 |
他にも、紙おむつなどの日常的に必要なものから、車を介護車に改造する費用まで、認められたケースは幅広くあります。
被害者の障害の程度や置かれている環境に配慮して、「必要と認められるもの」が適切な範囲で認定されます。
介護には
の大きく2つがあります。
職業人介護はすべての場合で認められるわけではなく、まずは家族介護を前提として考えられることが多いです。
家族介護か職業人介護かは、次のような状況をもとに判断されています。
ちなみに、「家族介護」か「職業人介護」かという問題は、どちらか一方のみに限定されるわけではありません。平日・土日などの曜日別だったり、1日の中の時間帯だったり…家族介護と職業介護の併用を認めることは珍しいことではありません。
③ については、介護の主体者が67歳を超えた場合(就労可能年齢を超えた場合)や、病気の有無、被害者の体格などによって、家族介護と職業人介護の併用を認めることや、最初から職業人介護を認めることがあります。
介護費用の大まかな相場を紹介します。
家族介護 | 職業人介護 | |
費用相場/日 | 8,000円 | 実費 (12,000円~20,000円) |
弁護士(裁判所)基準の金額
介護費用の総額は次の計算式で算出します。
(介護費用の日額)✖ 365 ✖(介護費用が認められる期間の年数に対応するライプニッツ係数)
例えば、20年間の介護費用支払いが認められたとします。ですが、単純に「20」を掛け算するわけではありません。「20年」に相当するライプニッツ係数を使います。
基本的に介護費用はまとめて受けとります。
例えば「1億円」が介護費用として認定されたとします。実際に1億円を得た場合は、銀行に預けたりするでしょう。すると、この1億円には自然と「利息」が発生しますので、被害者が利息分を多く受領することになります。
被害者が利息分を余分に受領しないよう、支払われる段階で、本来受けとる時期までの利息分を引いているのです。
上記の場合を例に計算すると次のようになります。
8,000 ✖ 365 ✖ 12.4622(20年に相当するライプニッツ係数)
=3,638万9,624円
もしライプニッツ係数の影響を無視してよいのなら、
8,000 ✖ 365 ✖ 20
=5,840万円
おおよそ2,200万円の差額が出ます。
ライプニッツ係数は金額に大きく影響します。つまり、いつまで介護費用が認められるかも争点になりやすいポイントになるのです。
残念ながら、被害者感情からは受け入れられない余命を加害者側に設定されることもあります。
これまでの判例からも、原則は平均余命まで介護の必要性は認められる傾向にあります。加害者側からの提案をそのまま受け入れる前に、一度弁護士へ相談することをおすすめします。
定期金賠償方式という受け取り方があります。定期金賠償方式とは、一括で介護費用を受けとるのではなく、月ごとなどに定期的に賠償を受けとる方式です。
こうすることで、実際に受け取れる将来介護費の総額は大幅に増えます。なぜなら、ライプニッツ係数の影響を受けないからです。
被害者にとっての定期金賠償方式の長所と短所をそれぞれ示します。
長所 |
受けとる将来介護費の増額 ⇒ライプニッツ係数の影響を受けない |
リアルタイムにその時の状況を反映した介護費用になる ⇒介護費用の変化などにも対応できる |
必要な時に必要な介護費が入る ⇒一括で受けとった分を使い切ってしまうリスクが減る |
短所 |
加害者の将来的な支払い能力が不透明 ⇒履行が滞る可能性が否定できない |
ずっと加害者側と接点を持つことになる ⇒心理的な負担が大きい |
定期的に損害賠償を管理することになる ⇒心理的な負担が大きい |
加害者側から見ても、定期金賠償方式は被害者が亡くなった時点で支払い不要というメリットがあります。
しかし、この定期金賠償方式を採用するかは、裁判官の判断に左右されやすいのが現状です。
被害者が希望しても定期金賠償方式が認められなかったり、逆に希望していないのに定期金賠償方式が認められたりします。
どのように受けとるかは極めて重要なポイントです。長所と短所を踏まえて、弁護士と相談することをおすすめします。
どんな後遺障害の場合に介護費用が認められやすいかを考えてみましょう。
後遺障害はその障害の内容に応じて「等級」ごとに分けられます。等級は1級~14級まであり、特に1級と2級については別途「介護を要する後遺障害」として規定されているものもあります。
つまり、介護費用は「介護を要する後遺障害」の別表1級・2級ならびに、後遺障害の程度によって認められるものです。
<介護を要する後遺障害>
別表1級・別表2級⇒介護を要することが前提の等級なので必ず認められる
<後遺障害>
⇒これらを考慮して介護認定(要介護●●)の有無を問わずに認められる可能性がある
介護費用が認められやすい後遺障害としては「遷延性意識障害」と「高次脳機能障害」があげられます。それぞれ確認してみましょう。
遷延性意識障害の場合は、
被害者の回復や、より安定した状況をつくるために家族が行う行為が介護費用として認められた判例は多数あります。必要とされる頻度や困難性によって日額は相場(8,000円)よりも増額・減額されます。
後遺障害3級・5級の高次脳機能障害では、
が被害者が日常生活を送る上で重要とされています。
ですので、見守りや声かけも介護に認められる傾向があります。必要とされる頻度や困難性によって日額は相場(8,000円)よりも増額・減額されます。
それでは、実際の判例をみてみましょう。
ここでは遷延性意識障害と高次脳機能障害による将来介護費の判例について確認してみます。
なお、この記事では事件自体の過失割合など判決のすべてを抜粋しているわけではありません。同じ「遷延性意識障害」、「高次脳機能障害」であっても、同じ金額が認められるわけではないと念頭においてください。
遷延性意識障害についてみていきましょう。
被害者(症状固定歳26歳)<仙台地判平19.6.8>
母67歳まで
<年間240日>日額20,000円(母8,000円、職業人介護12,000円)
<年間125日間>日額15,000円(父母介護)
母67歳以後
日額20,000円(職業人介護2名分)
被害者(症状固定歳8歳)<大阪地判平19.7.26>
祖母67歳まで
日額16,000円(近親者介護+職業付添人)
祖母67歳以後
日額24,000円(職業人介護2名分)
※母が常勤勤務で家計を支えているため祖母
被害者(症状固定歳69歳)<東京地判平22.3.26>
日額25,000円(職業人介護+公共介護サービス利用)
※妻が高齢であったため職業介護人
高次脳機能障害について確認してみましょう。
高次脳機能障害の症状のひとつに「性格の変化」があります。そのために、介護する人への負担が大きかったり、職業介護人だけでは対応ができなかったり…。それぞれの事情に応じた判断がなされています。
被害者(症状固定歳20歳)<大阪地判平17.7.25>
日額13,000円(近親者介護)
※絶えず見守りや声掛けが必要だが職業介護人への全面委託は被害者の症状から難しい
⇒両親に相当の減収が生じていることより8,000円から増額
被害者(症状固定歳24歳)<千葉地判平20.7.31>
症状固定から3年間
日額10,000円(近親者のみ)
父67歳まで
日額15,000円(近親者5,000円、職業人介護10,000円)
父68歳以降
日額25,000円(職業人介護)
※被害者の攻撃的・威嚇的態度、暴言などから近親者のみでは困難と判断
被害者(症状固定歳71歳)<長野地松本支判平22.3.19>
日額15,000円(近親者+職業人介護)
※被害者の興奮性、対人機能の低下などから日中の見守り+就寝中の見守りが必要
※日中は職業介護人、朝・夜は近親者を想定して認定
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実際にアトム法律事務所に任せてくださった方の声の一部です。
介護をしながら対面相談(来所相談)の時間をつくることは大きな負担かと思います。アトム法律事務所では、出張相談に応えやすい体制づくりにも注力しています。一度ご相談ください。
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介護費用は「必要」で「適切」かがポイントとなります。例えば、「被害者のために車を介護車にしたい」、「被害者のために家をリフォームしたい」…こういったことも、適切であると認めてもらう必要があります。被害者や介護されるご家族の負担を少しでも減らす工夫が認められるよう、弁護士も二人三脚で頑張ります。ご家族だけで悩まないでください。
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『刑事事件』と『交通事故』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
介護費用の対象範囲は多岐にわたります。これまでに認められた「物」への費用は、居宅や車のリフォーム費用から日常的に必要な紙おむつの費用まで認められた判例があります。被害者の障害の内容・おかれている環境に応じた「必要と認められる物」が認定されます。 介護費用として認められた3つの判例紹介
介護をするのは①家族②職業人とわかれていますが、家族介護が前提になっていることが多いです。求められる介護のレベル、同居する家族の有無、同居する家族が介護できるのかなどで判断されます。場合によっては、家族と職業人介護を組み合わせて認定されることもあります。 家族介護?職業人介護?
計算式は<(介護費用の日額)✖ 365 ✖(介護費用が認められる期間の年数に対応するライプニッツ係数)>となります。日額は、弁護士に依頼して交渉する時の相場が<家族介護:8.000円><職業介護:実費(12000円~20000円)となります。介護費用は「将来介護費」とも呼ばれる通り、将来何年分の介護が認められるのかもポイントです。 介護費用の相場は?
「介護を要する後遺障害」の別表1級・2級や他の後遺障害等級であっても後遺障害の程度によって認められます。別表の1級と2級は、生命維持に介護が必須となる後遺障害等級です。一方、後遺障害の程度によって決められる場合には、被害者の後遺障害の状況や日常生活の制限の程度など総合的に判断されます。認定されうる後遺障害としては、「遷延性意識障害」「高次脳機能障害」などがあげられるでしょう。 交通事故の介護費用が認められやすい後遺障害は?