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示談交渉は、交通事故を解決するために重要な手段です。
ですが実際の手順はどのようなものなのか、その実態はなかなかわかりにくいものです。
これから示談交渉にあたる、という方でも不安な方はいらっしゃるのではないでしょうか。
目次
交通事故の示談交渉に詳しい専門家にお話を聞きつつ、解説していきます。
当事者間の話し合いによって紛争を終局的に解決する裁判外の合意。
示談交渉とは、終局的な解決に向けて
などの事項を当事者間で話し合うことを指します。
示談は終局的な解決を指すので、示談が成立した以上
示談で定められた以上の損害賠償を請求することはできなくなります。
また、すでに紛争は解決しているのですから新たに民事裁判などを起こすこともできません。
「当社の規定から最高の金額を提示します」
「これ以上の増額は不可能です」
示談交渉の際に相手方からこのように言われることがあるかもしれません。
ですが、保険会社が提示してくる金額は、実際に裁判で認められる金額よりも低額です。
まずは正しい知識を身に着け、相手方の言うことを鵜呑みにしないようにしましょう。
実際の示談交渉ではどのようなことが行われるのか、順を追って解説いたします。
示談は、「この事故でいくらの損害が出たからそれを補償して紛争を解決する」というものです。
よって、事故による損害額が確定したときが、示談交渉開始の時期です。
具体的にいつになるかは、事故によって生じた損害の種類によって異なります。
損害の種類 | 時期 |
物損 | 事故発生直後 |
傷害 | 完治・症状固定後 |
後遺障害 | 等級認定後* |
死亡 | 法要後** |
*後遺障害等級申請をする場合
**49日が過ぎた頃から始まることが多い
ぞれぞれの損害額が確定した時点で、加害者または加害者側の保険会社に通知します。
相手方が示談金を示してくることで示談交渉が始まります。
相手方が任意保険に加入していなかった場合、加害者本人が示談交渉の相手となります。
相手方が無保険の場合、慰謝料を支払えないと言われるようなことも多いです。
そういった場合、当初から弁護士に相談しておくとその後の賠償請求がスムーズにいきます。
無保険でも相手方の自賠責保険に請求することで保険金を受け取ることができます。
ですが、上限以上の金額については本人に請求する必要があります。
弁護士がいれば、そういった事態にも対応することが出来ます。
相手方が任意保険に加入している場合、
示談代行サービスにより、保険会社の担当者が示談交渉の相手となります。
手ごわい相手と交渉する必要が出てくるので、どちらにしても弁護士に相談するのが安全です。
示談成立から示談金が振り込まれるまでは
という手続きを踏みます。
すべての工程がスムーズにいっても、示談成立から示談金振込までは約2週間ほどかかることが多いです。
示談交渉が決裂した場合、調停、裁判という手段が考えられます。
調停 | 裁判 | |
費用 | 訴訟の目的の価格に応じる 裁判の場合の半額程度 (+弁護士費用) | 訴訟の目的の価格に応じる (+弁護士費用) |
期間 | 調停の回数×1カ月 | 紛争が長期化することが多い |
手続 | やや容易 | 困難 |
交通事故で
示談代行サービスにより、保険会社の担当者が示談交渉を代行してくれます。
被害者本人に過失のないもらい事故の場合、被害者側の保険会社は損害賠償金を払う必要がありません。
そのように金銭的な利害関係が無い時に示談代行をするのは、弁護士法に違反するのです。
そのような場合や、また任意保険に加入していない場合、被害者個人が示談交渉を行わなければなりません。
示談交渉は非常に複雑かつ、相手側の保険会社の担当者は示談のプロです。
ですから個人で対応することは困難ですが、
点は、個人で交渉する際のメリットとして考えられます。
ですが実際のところ、
という事実もあります。
これらの事項を証明するために必要な書類は、以下の通りです。
場合によって、更に別の書類が必要となることもあります。
必要書類 | 目的 |
診断書 | 治療関係費・慰謝料の 損害額確定 |
診療報酬明細書 | |
後遺障害診断書 後遺障害等級認定票* | |
各種費用の領収書 | |
休業損害証明書 | 休業損害・逸失利益の 損害額確定 |
前年度の源泉徴収票 | |
確定申告書の控え** | |
交通事故証明書 | 過失割合の認定 |
交通事故発生状況報告書 | |
被害者の除籍謄本 請求者の戸籍謄本*** | 請求権を持つ 遺族であることの証明 |
印鑑証明書 | 示談の署名・捺印 |
*後遺症が残ったときのみ
**自営業の場合など
***死亡事故の場合
では実際に示談の現場では、どのような交渉をしたらよいのでしょうか。
示談の流れを把握し、かつ交通事故について正確な知識を得ることが第一です。
そうすれば保険会社から不適切な提案をされても、きっぱりと断ることができます。
示談は、当事者間の話し合いにより紛争の妥協点を探っていくものです。
保険会社の担当者が「ここまで金額を下げてもらった」と言いやすい状況を作るために、
損害額を多めに見積もって提示し、少しずつ下げていくことも一つの手段です。
そのためにも、事前の損害額の算定はきちんと行う必要があります。
実際のところ、交通事故の示談交渉を個人が行い、満足のいく示談金を得るのは困難です。
ですが弁護士に依頼するまではしたくない、という場合どのような方法があるのでしょうか。
などのADR機関は、双方の意見を聞いたうえで示談案を提示するなど、紛争解決を補助してくれます。
また、多くは無料です。
しかしながら、後遺障害の等級認定に関する紛争は上記ADR機関の利用の対象外です。
また、上記のADR機関に紛争処理を申し立てている間にも時効は進行します。
そのため、時効により損害賠償請求権などが消滅しないか注意する必要があります。
法務省から認可を受けた認定司法書士は、弁護士と同じく示談を行うことが出来ます。
ですが、認定司法書士が示談交渉や訴訟代理行為を行えるのは請求額が140万円を超えない場合に限られます。
交通事故で請求額が140万円を超えないのは、ごく軽い傷害事故や物損事故の場合に限られます。
請求額が判断できない場合などは、弁護士に相談するべきでしょう。
また、司法書士の業務範囲に自賠責保険への保険金請求は含まれていません。
そのため、まず自賠責からの補償を受けたい場合には不都合が生じます。
個人での交渉 | ADR機関の利用 | 司法書士への依頼 | |
メリット | 弁護士費用がかからない | 無料で利用できる 適正な示談金が期待できる | 弁護士よりも費用が安い 書類作成のみなどの依頼も可能 |
デメリット | 満足のいく結果を得ることは難しい | 事実関係に争いがある場合*は利用に適さない 時効が完成することがある | 請求額140万円を超す案件は受けられない 自賠責保険への請求にかかわれない |
*後遺障害等級や過失割合に争いがある場合
個人で示談交渉を思うように進めることは困難で、時間・精神的にも負担がかかります。
ではそれらを弁護士に任せた場合はどうなるのでしょうか。
保険会社が提示してくる金額は任意保険基準に従ったものですが、
弁護士が介入することでより高額な弁護士基準にのっとった慰謝料を請求できるようになります。
目安として保険会社の内部基準の1.5倍、最初に提示された金額の2倍以上になることもあります。
交通事故の示談交渉に関する弁護士費用は、事務所や弁護士によってまちまちです。
と定めている弁護士事務所が多いようです。
しかしながら、実際はそのような費用を払わなくても済む場合があります。
加害者に対する賠償請求で弁護士に依頼した場合、要した費用を保険から支払う特約。
自動車保険などに付帯されている。
このような場合に弁護士費用特約を活用することができます。
弁護士費用特約の利用対象 | |
人 | 保険契約者 配偶者 同居している家族 別居している未婚の子 同乗者 |
状況 | 契約車での事故 契約車以外の車に乗っていた時の事故 自転車乗車・歩行中の事故 |
重大な故意や過失とは、無免許運転、酒気帯び運転などが含まれます。
また、自然災害による事故や自損事故の場合、請求相手が近親者などの場合は使用できません。
相談料、着手金、日当、報酬金、実費などが含まれます。
相談料は10万円まで、その他の弁護士費用合計は300万円までの補償を受けられる場合が多いようです。
なお、弁護士費用特約を利用した場合、弁護士費用はLAC基準に従って算定されることが多いです。
その場合、損害賠償額約1700万円までであれば、補償の上限300万を超えることなく負担は一切かかりません。
補償上限を超えるような交通事故の件数はさほど多くありません。
また、そのような場合であっても弁護士費用が300万円軽減されるのは間違いありません。
金銭面で大きな助けになりますので、弁護士費用特約は積極的に利用してください。
メリット | デメリット |
面倒な手続きを一任できる 示談金の大幅な増額を見込める | 弁護士費用がかかる(弁護士費用特約で軽減可) 自身の主張が採用されない場合もある |
事案の内容にもよりますが、示談成立までは少なくとも約2~3カ月かかることが多いようです。
損害額のみならず、過失割合に争いがある場合は3カ月以上かかることが多いです。
また、後遺障害等級について争いがある場合も、再認定まで半年以上かかることがあります。
もっとも、個人で示談を行う場合と比べると
ことを考えれば、被害者の方の時間的負担は格段に軽くなると言えます。
交通事故後に、示談のための面倒な手続きや相手方との交渉をおこなうのは被害者にとっては大変困難なことです。
保険会社というプロと渡り合い、満足のいく結果を得るために弁護士の手をかりることもお考えください。
アトム法律事務所ではLINE、電話でのご相談を受け付けています。
お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
交通事故の示談金は、弁護士が介入することで大幅な増額が見込めることもあります。
金額の見積もりや弁護士費用のことについても、どうぞお聞きください。
成瀬潤
なお、例外として示談交渉が終わってから予測不可能だった後遺症が発見された場合があります。
そのため、示談書には「後遺症が発見された場合は別途協議する」旨を記載するのが良いでしょう。