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6人の弁護士がこの記事に回答しています
物損事故に遭うと、
弁護士に相談した方が良いのか?
が気になるところです。
今回は、弁護士への依頼を迷った時に気になる疑問について、お答えしていきます。
物損事故に遭った後の流れは、以下のようになります。
物損事故に遭う
↓
警察に届け出
↓
車等損傷を受けたものの修理
↓
示談交渉後、示談金を受け取る
物損事故の場合に受け取ることのできる示談金は、以下の通りです。
内容 | |
修理費 | 修理費がそのまま損害額に |
評価損 | 修理費の10~30%であることが多い |
代車費用 | 修理中の代車費用 |
休車費用 | 車を修理に出すことで生じた業務上の損害 |
積載物の損害 | ペットも含まれる |
評価損
という場合の補償のこと。
示談交渉内で認められるのは難しく、裁判になることが多い。
車の損傷から、買い替えが妥当だと認められると、
修理費・評価損に代わって
事故時の車の価格-売却して得た金額
を受け取ることができます。
評価損のことはさておき、その他の項目はほぼ実費のようなもの…。
ということは、評価損が付くような大きな物損事故でなければ
弁護士に相談する必要はない
と思いがちです。
しかし、それは大きな間違いです。
物損事故の示談交渉では、示談金額の他に、
過失割合が話し合われます。
過失割合
交通事故が起こった責任が、
加害者と被害者それぞれにどれくらいあるか
を割合で示したもの。
過失割合を示談金額に反映させることを過失相殺という
過失相殺によって、受け取れる金額が変わることがあるのです。
実際の過失相殺の例を見てみましょう。
事故内容 |
・信号機のない交差点に向かって申立人と相手方の車が直進。 ・相手方の道路には一時停止線あり。 ・交差点内で衝突、双方の車両が損傷。 |
請求額 |
(1)相手方への請求額 20万3047円 (2)申立人側への請求額 45万1950円 |
過失割合 |
申立人側:相手側=20:80 |
過失相殺の結果 |
(1)相手方の申立人側への支払額 20万3047円×(1‐0.2)⁼16万2438円 (2)申立人側の相手方への支払額 45万1950円×(1‐0.8)⁼9万390円 |
福岡支部平成27年9月7日裁定・福審第1156号
(『交通事故裁定例集34』交通事故紛争処理センター編集440ページ)
上記事例では、
別冊判例タイムズ38(104)
をもとに、
を考慮して過失割合が決められています。
ここで、別冊判例タイムズの内容を確認してみましょう。
にあたります。
減速せず 一時停止線なし | 減速 一時停止線あり | |
基本 | 30 | 70 |
著しい過失 | 該当する方に+10 | |
重過失 | 該当する方に+20 |
参考:『別冊判例タイムズ38』(判例タイムズ社)221ページ(104)
上の表では、著しい過失がある方に+10の修正がされることになっています。
上記の事例では相手方の安全確認不足が著しい過失と判断されたと考えられます。
ほぼ実費を請求するだけのような物損事故の示談交渉。
しかし、過失割合の交渉は争点になりがちです。
過失割合の詳細はこちら
つまり、過失割合を決める際には、
当該事故をどの事故類型に該当するとするのか
が非常に大切です。
しかし、それこそが争点となりやすいポイントなのです。
人身事故であれば、警察が
実況見分調書
を作成するので、これを事故状況の証拠として事故類型を考えられます。
実況見分調書
事故発生時の状況を詳しく調べ記録したもの。
実際に当事者が現場に立ち会いながら事故発生時の状況を確認する。
しかし物損事故の場合は通常実況見分調書は作成されません。
したがって、当事者の証言などから事故類型を考えます。
当事者の意見や認識が食い違うと、過失割合の交渉が難航します。
受け取れる示談金に影響する
上に、
争点になりやすい
過失割合の交渉。
しかも、交渉相手は加害者側の任意保険会社であることが多いです。
加害者側の任意保険会社は、
示談交渉のプロ
なので、被害者自身が対等に交渉することは困難です。
→過失割合の交渉は難航しやすい
交渉相手は、基本的に加害者側任意保険会社
上記のことを考えても、被害者自身が示談交渉に臨むのではなく、
弁護士に相談することが重要です。
ここまで見てきた物損事故における
メリット
とともに、デメリットもまとめます。
メリット |
・妥当な過失割合になるよう交渉してもらえる ・加害者側任意保険会社が相手でも対等な交渉が可能 ・示談交渉を代行してもらえるため負担が少ない |
デメリット |
・弁護士費用が掛かる |
という点から考えても、
ベストな交渉結果
という点では弁護士への依頼のメリットは大きいです。
弁護士費用についても、高いと思われがちですが、
弁護士費用特約
を使うことで、弁護士費用を抑えられます。
弁護士費用特約や弁護士費用の相場については、Q2をご覧ください。
弁護士への相談、というと、法テラスも考えられます。
まず、法テラスの利用について簡単に解説します。
法テラスとは |
・国が母体となって作った独立行政法人 ・法律の相談窓口 |
利用できる条件 |
・収入が一定額以下 ・勝訴の見込みがないわけではない ・民事法律扶助の趣旨に適する |
交通事故に遭った場合、以下のように法テラスを利用することができます。
法テラスに費用を払ってもらい、後から分割返済が可能
(=民事法律扶助)
では次に、法律事務所への依頼と法テラスへの依頼を比較してみます。
弁護士事務所 | 法テラス | |
弁護士の選択の幅 | 〇 | △ |
利用条件 | △ | △ |
対応のスピード | 〇 | △ |
費用 | △ | 〇 |
法テラス
法テラス
利用条件の審査に2週間~1ヵ月かかる
※弁護士費用特約を使うと費用を保険会社に負担してもらえる
上記のような特徴を考慮して、相談先を決めましょう。
物損事故について、弁護士に相談する場合には、弁護士費用がかかります。
弁護士費用の設定は、各弁護士事務所で行われています。
そのため、弁護士費用は事務所によって異なります。
ただ、相場としては、
としている事務所が多いように感じられます。
着手金 | 報酬金 | |
意味 | 結果の成功・不成功に関係なく支払う、案件に着手してもらうための料金 | 結果の成功の程度に応じて支払う料金 |
依頼前に、相談という形で弁護士と話すこともできます。
その場合には相談料がかかり、この相場は
30分5500円(税込)
が相場です。
ただし、無料で相談を受け付けている法律事務所もあります。
交通事故の弁護士費用相場
① 着手金:無料
報酬金:22万円+損害賠償額の11%(税込)
② 着手金:22万円
報酬金:損害賠償の11%(税込)
相談料の相場
30分5500円(税込)
※無料相談をしている法律事務所もある
弁護士費用を見るとやはり厳しいかも…
そうあきらめてしまう前に、弁護士費用特約を確認してみましょう。
弁護士費用特約
弁護士への相談・依頼にかかる費用を負担してもらえる保険の一種。
弁護士費用特約の詳しい内容は、加入している保険によって変わります。
そのため、利用の際には加入している保険の内容を確認しましょう。
ここでは、一般的な保険内容をご紹介します。
限度額 | |
弁護士報酬 | 300万円 |
司法書士報酬 | |
行政書士報酬 | |
訴訟費用 | |
相談費用 | 10万円 |
弁護士費用特約は、
自動車保険のオプション
としてついていることが多く、
加入していることを忘れている
人も多くいます。
弁護士への相談を考えた時には、必ず確認してみてください。
弁護士費用特約の使い方は、以下の通りです。
弁護士費用特約を使う際には、まず保険会社に報告しましょう。
その後、依頼する弁護士を探します。
弁護士は保険会社から紹介されることがあります。
しかし基本的には自分で探した弁護士でも大丈夫です。
自分で探した弁護士の場合には、負担してもらえる金額が部分的になることもあります。
事前に保険会社に確認しておきましょう。
依頼する弁護士が決まったら、契約内容を保険会社に伝えます。
こうした手順を経て、弁護士費用特約が適用されます。
物損事故での弁護士への依頼は、
加害者側との示談交渉を開始する前
までにするようにしましょう。
示談交渉開始後に依頼をすると、交渉がすでに不利になっていることもあります。
また、示談が成立した後では、いくら弁護士が介入しても示談結果を変えることはできません。
弁護士選びに時間がかかる可能性を考えると、弁護士探しは
事故直後から開始
するのがベターです。
弁護士費用特約が使える場合はなおさら、
早めに弁護士相談に向けて動き出しましょう。
交通事故での弁護士相談で後悔しないためには、
が必要です。
どちらも、弁護士への相談で直接弁護士に会って確認することがお勧めです。
依頼するかもわからない弁護士に費用を払って相談なんて…と思うかもしれません。
しかし、弁護士費用特約を利用すれば、安心して相談ができます。
また、弁護士相談が無料な法律事務所も多いので、ぜひ確認してみましょう。
交通事故に遭うことはそれほど多くありません。
そのため、分からないことがたくさんあって当然です。
小さなことだと思っていたことが、実は弁護士の力が必要な大きなポイントかもしれません。
心配なことがあるのであれば、軽い相談内容でも、弁護士に相談してみましょう。
今回は物損事故について解説しましたが、場合によっては
物損事故を人身事故に切り替えて対応
すべきこともあります。
物損事故から人身事故への切り替えについてはこちら。
物損事故から人身事故に切り替えた際には、アトム法律事務所にご相談ください。
LINEや電話で、無料相談を受け付けています。
野尻大輔
物損事故の場合、基本的に慰謝料は認められません。
慰謝料とは精神的損害を補填するものであり、
物損事故では財産的損害の填補により、精神的損害も同時に填補
されると考えられているからです。