交通事故｜寝たきり…後遺障害は1級1号？慰謝料の相場は？介護費はどうなる？

後遺障害認定とは、後遺症の重さ（等級）を認定してもらう手続です。

等級は1級から14級まであり、数字が小さくなればなるほど重症です。

交通事故で寝たきりになる場合、介護を要する後遺障害第1級第1号に該当します。

遷延性意識障害とは？

遷延性意識障害（せんえんせいいしきしょうがい）とは、いわゆる植物状態といわれる最も重度な後遺障害です。

主として脳の大脳皮質へのダメージにより、交通事故の受傷後はほぼ寝たきりの状態が続きます。

具体的な症状は？

遷延性意識障害の場合、食事や、排せつなど生活のあらゆる場面において介護が必要になります。

発語も困難で、目を開けていても認識できていないことが多いようです。

具体的には、以下の6つの症状が3ヵ月以上ある場合に、植物状態とみなされます。

四肢麻痺（ししまひ）とは、四肢に麻痺があらわれ、体幹（からだの胴体）のコントロールが困難になることをいいます。

首のあたりの脊髄（頸髄）にダメージを受けると、下肢（あし）だけでなく上肢（手）にも麻痺があらわれ、四肢麻痺になることがあります。

治療期間の精神的苦痛には「入通院慰謝料」がもらえる

後遺障害に関する慰謝料とは別に、治療中にもらえる慰謝料もあります。

いわゆる入通院慰謝料（傷害慰謝料）というものです。

入通院慰謝料は、原則として治療期間（＝治療開始から治療終了までの日数）を基準に算定されます。

入通院慰謝料算定表はこちらです。⇊

弁護士基準の入通院慰謝料算定表（重傷）

入通院慰謝料の一覧表と計算方法について交通事故の弁護士が解説。このページでは弁護士基準（重傷）の入通院慰謝料を掲載中。「自分が貰える慰謝料はいくらか」詳しく知りたい方もご覧ください。

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寝たきりで後遺障害1級1号を認定された場合、次のような賠償金をもらえます。

後遺障害慰謝料の相場について

後遺障害第1級が認定された場合、後遺障害慰謝料の相場は2,800万円といわれています。

個別の事案では、相場を上回る慰謝料金額が認定されることも多いです。

慰謝料が増額される理由としては、介護が必要であること、特に重症であること、加害者側の運転態様が悪質であったこと等があげられます。

実際の裁判で認定された慰謝料の金額について、一例をあげました。

遷延性意識障害の慰謝料（裁判例）

①　仙台地判平19.6.8　自保ジ1737･3
②　仙台地判平24.7.31　自保ジ1884･49

四肢麻痺の慰謝料（裁判例）

③　東京地立川支判平26.8.27　自保ジ1947･1
④　徳島地判平28.8.25　交民49･4･1024
⑤　名古屋地岡崎支判平29.7.20　交民50･4･929

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事案によっては、症状固定までの治療費のほか、将来介護費が認められることもあります。

将来介護費については、医師の指示または症状の程度により必要があれば、被害者本人の損害として賠償の対象になります。

原則として、職業付添人については実費全額、近親者付添人については1日につき8,000円が認められます。

実際の裁判では、次のような金額が認められています。

遷延性意識障害の将来介護費（裁判例）

①横浜地判平21.5.14　自保ジ1802･3
②仙台地判平21.11.17　交民42･6･1498
③東京地判平22.3.26　交民43･2･455

頸髄損傷による四肢麻痺の将来介護費（裁判例）

④仙台地判平26.8.5　自保ジ1930･56
⑤東京地立川支判平26.8.27　自保ジ1947･1

慰謝料の算定基準には3種類ありますが、弁護士に相談すれば弁護士基準に従った適正な慰謝料の金額が分かるメリットがあります。

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