作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故で性格が変わることはある?高次脳機能障害が原因で性格変化する?
交通事故に遭った家族の性格が変わった気がする…
身近な方が交通事故に遭った後、性格や行動に違和感を感じることがあるかもしれません。
交通事故に遭うと、身体の外傷以外にも影響を及ぼすことがあります。
- 交通事故で性格が変わる?
- 性格変化と高次脳機能障害は関係ある?
- 高次脳機能障害とは?
など、交通事故で性格が変わる原因をみていきましょう。
最後には、交通事故の被害者が弁護士に無料相談できる窓口をご紹介します。
目次
交通事故で性格が変わる可能性はある?
交通事故後、性格が変わる可能性がある?
「家族が交通事故に遭って以来、性格が違う…交通事故で性格が変わることはある?」
交通事故に遭うと、身体の怪我以外にも影響がでる場合があります。
急に家族の性格が変わってしまい戸惑う方も多いと思います。
交通事故で性格が変わる変化が見られた場合、脳に損傷が生じていることが考えられます。
脳に損傷が生じ、考えられる症状はくも膜下出血や脳梗塞などです。
くも膜下出血や脳梗塞など、脳に損傷が残ると記憶力低下や人格が変わってしまうという後遺症が残る場合があります。
その後遺症が
高次脳機能障害
と診断されることがあります。
交通事故に遭ったご家族の性格が変わるなどの変化があった場合は高次脳機能障害が疑われます。
交通事故で性格が変わる原因は高次脳機能障害?高次脳機能障害とは?
高次機能障害の症状は?後遺症は?
交通事故に遭うと後遺症として、高次脳機能障害を引き起こすことがあります。
交通事故で性格が変わる原因として高次脳機能障害が挙げられます。
高次脳機能障害:脳の損傷によって認知障害や社会的行動障害などを引き起こすこと。
症状が目に見えないので、自覚症状がないことも多い。
高次脳機能障害とは、脳の損傷により、認知障害や社会的行動障害などを引き起こすことがあります。
認知障害などの症状として挙げられるのは、記憶力・記銘力注意力・集中力・遂行機能などに障害が起きます。
それらの症状から周りの人が「性格変化」を起こしたと感じることも考えられます。
高次脳機能障害の認知障害の症状の具体例としては、
- 新しいことを覚えられない
- 同じ質問を何度も繰り返す
- 気が散りやすい
- 指示されないと行動できない
などが挙げられます。
社会的行動障害とは、意欲・自発性の低下や、感情・欲求のコントロールの低下、対人関係の障害などのことをいいます。
たとえば、
- 周囲に合わせた適切な行動ができない
- 我慢ができない
- すぐ怒る
- 相手の気持ちを考えられない
などが挙げられます。
以上のような症状が起こると、仕事をしたり学校生活を送ることが困難になります。
このような症状が発症すると「性格が変わった」と感じることもあるかもしれません。
また、高次脳機能障害が重症である場合は、介護が必要となることもあります。
また、高次脳機能障害の症状は、骨折などのように目で見て確認することができない症状です。
事故後、すぐに気づくことが難しいケースもあります。
高次機能障害の治療法は?
ご家族が高次脳機能障害になり、性格が変わってしまったら…
交通事故に遭う前の性格に戻ってほしいと思いますよね。
高次脳機能障害自体は、リハビリによって症状が改善される場合があります。
もっとも、高次脳機能障害の症状や程度の種類は様々なので一概には言えません。
どの程度の期間、リハビリを続けると症状が改善するのかは人によって異なります。
一般的には、高次脳機能障害の発症から数年ほどで症状回復の限界が来てしまうようです。
ご家族が高次脳機能障害を発症した場合は、できる限り早くリハビリを開始しましょう。
高次脳機能障害は、身近な方が気づくことが多いです。
また、リハビリなどの際はご家族をはじめ周りのサポートが非常に大切です。
身近な方が被害者の日常生活やリハビリのサポートを行うことが回復への第一歩です。
高次脳機能障害の治療などについてさらにくわしく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
高次脳機能障害の後遺症の等級は?
交通事故によって、くも膜下出血や脳梗塞を負い高次脳機能障害の後遺症が残った場合、被害者は「後遺障害の認定手続きを行います。
高次脳機能障害が後遺障害として認定され、「後遺障害等級」が認められると、被害者は等級に見合った自賠責保険金などを受け取ることができます。
後遺障害認定の手続きについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
後遺症の等級は1~14級まであり、等級ごとに認定基準が定められています。
高次脳機能障害の後遺障害等級も1~14級の中から定められます。
後遺障害等級は後遺症が重いほど数字の低い等級となります。
高次脳機能障害の場合、症状が事故ごとに大きく異なるので等級も1~9級までで定められます。
その中でも高次脳機能障害では、1級・2級・3級・5級・7級・9級の認定がされる可能性があります。
内容については以下の表で確認しましょう。
まとめ
高次脳機能障害の後遺障害等級
1級1号 |
---|
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
2級1号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの |
3級3号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
5級2号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
7級4号 |
神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
9級10号 |
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
後遺障害等級の申請を行った後、以上の中から等級が定められます。
以上の等級によって、受け取れる保険金などの金額が大きく異なってきます。
高次脳機能障害について適切な等級認定を受けることが十分な保険金を受け取るための第一歩です。
後遺症の等級の申請などについてさらに詳しくは以下の記事をご覧ください。
後遺症の等級認定についてのページ
また、高次脳機能障害は、目で障害を確認することができず、判断することが非常に困難です。
明らかに画像診断で脳に異常が見られる重症の場合は、画像で判断することが可能です。
しかし、中度・軽度の症状だと、画像所見の確認も難しいといわれています。
また、本人に自覚症状がなく身近にいる方が異変に気づくケースがほとんどであり、発見が遅れてしまうこともあるようです。
高次脳機能障害を医学的に判断する方法としては、意識障害や画像所見、医師による所見、家族や介護者等から得られる情報が用いられます。
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ご家族が交通事故の被害者となり、性格変化を起こした…
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当事務所では、弁護士に無料相談できる窓口をご用意しております。
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(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
交通事故による性格変化のQ&A
交通事故後に性格が変わることはある?
交通事故で脳が何らかの損傷を受けた結果、性格が変わることも考えられます。例えば、くも膜下出血、脳梗塞などがあげられるでしょう。そしてそれらは「高次脳機能障害」として後遺障害に認定される可能性もあります。 交通事故で性格が変わることがある
交通事故で性格が変わる原因は?
高次脳機能障害が原因にあげられます。高次脳機能障害は、脳が傷つくことで、記憶力が下がったり、注意力が散漫になったり、対人関係がうまく築けないなどの症状が表れます。これらの変化について「性格が変わった」と感じることが考えられます。 高次脳機能障害の症状|チェックしてみる
性格変化は後遺障害に認定される?
性格が変わったことの原因に応じて変わります。例えば、性格の変化を引き起こしていた原因が「高次脳機能障害」にあると診断されれば、高次脳機能障害として後遺障害認定を受けられる可能性があります。可能性がある後遺障害等級は、生命維持に介護を必要とする1級・2級、そのほか3級・5級・7級・9級と非常に幅が広いです。 高次脳機能障害の後遺障害等級一覧