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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
脾臓はにぎりこぶしほどの大きさの臓器で、腹部の左側に位置しています。
ですが交通事故など、腹部に強い外傷を受けたときにこの脾臓が損傷、または破裂してしまうことがあります。
そのときに支払われる慰謝料はいくらになるのでしょうか。
交通事故を専門とする弁護士が解説します。
目次
脾臓は左腹部に位置する臓器で、
など、免疫や血液に関する役割を担っています。
では交通事故などにより脾臓を破裂、損傷させてしまった場合、どのような後遺症が残るのでしょうか。
まず、脾臓が破裂(損傷)することにより以下のような症状が体に現れます。
脾臓内に血が溜まった場合、脾臓破裂を引き起こすことがあります。
これは受傷後数時間から、長い時は数か月後に起こることもあります。
よって、脾臓が傷ついた場合はより長い観察が必要です。
脾臓破裂は、腹部の超音波検査やCT検査で明らかになります。
損傷が小さい場合や状態が安定している場合などは、経過観察により回復が見込まれます。
出血が激しい時などは手術を行って止血・脾臓の部分切除を行います。
現在では脾臓の全摘出はなるべく避けるべきとされていますが、それでも摘出に至る場合があります。
脾臓は重要な役割を担ってはいますが、生存に欠かせない臓器というわけではありません。
脾臓が失われた場合は、主に肝臓などが脾臓の役割を代替して補います。
脾臓が破裂すると、以下のような後遺症が残る場合があります。
また、脾臓を摘出してしまうことで
感染に対する防御力が低下する
という症状もありますが、後遺障害としては評価されません。
もっとも、脾臓を損傷するほどの衝撃を受けた場合その他の内臓損傷や骨折などで、別の後遺症が生じる場合があります。
そのときは、複数の後遺障害を併合(後述)して評価します。
では実際に脾臓を摘出した場合、治療後も痛みなどが残る場合はどうしたらよいのでしょうか。
交通事故で受傷した場合には、後遺障害慰謝料の受け取りを考えましょう。
後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
後遺障害慰謝料は、14段階の後遺障害等級に応じて支払われます。
より高い(数字の小さい)等級に認定されれば慰謝料も増えますので、どの等級に認定されるかは非常に重要です。
実際の申請基準や方法については、以下のページをご覧ください。
では、実際に脾臓損傷の後遺障害が何級に該当するのかを見ていきます。
事故などで脾臓を摘出してしまった場合の後遺障害等級は、以下のようになります。
脾臓の摘出
等級 | 内容 |
---|---|
13級11号 | 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの |
この「胸腹部臓器の機能に障害を残すもの」として、「脾臓を失ったもの」が含まれます。
内臓を摘出したにも関わらず、後遺障害等級の下から2番目の13級、というのは少しばかり低いようにも思えます。
事実、多くの内臓の後遺障害は
などに該当します。
実際、平成18年の改正以前は「免疫機能を半分以上失う」として脾臓の摘出は8級に認定されていました。
ですが
などから、13級と認定されるようになりました。
交通事故で脾臓破裂などを起こしたものの、脾臓摘出には至らないという場合もあります。
そのような場合であっても、後遺障害13級程度に相当すると認められる場合があります。
これらの事情のもと、脾臓を摘出していなくとも後遺障害を認定した事案があります(東京地裁平成19年3月26日)。
すなわち、脾臓を損傷した事実のわかる画像的所見・血液の異常・免疫機能の不全などがあれば、脾臓を摘出せずとも後遺障害が認められる可能性があります。
脾臓摘出による後遺障害等級が認められた場合、受け取れる後遺障害慰謝料は以下のようになります。
脾臓の摘出
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
13級11号 | 57万円 | 180万円 |
等級によりますが、弁護士に依頼することで3倍以上の慰謝料を請求できるようになることがわかります。
示談交渉に精通した保険会社と交渉して増額を目指すことは、個人では非常に困難です。
より多額の慰謝料獲得を目指すときは、ぜひ弁護士にご相談ください。
臓器損傷が治癒しても痛みやしびれが残ることがあります。
これらは外傷により神経が損傷したり、圧迫されたりすることで起こる症状です。
こちらも、検査や画像所見によって損傷などが確認できれば後遺障害に認定される可能性があります。
脾臓破裂にともなう痛み・しびれ
等級 | 内容 |
---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
神経由来の痛みやしびれが体の一部に残っている場合は、後遺障害等級12級13号または14級9号に該当する可能性があります。
どちらになるかは、主に自覚的所見を裏付ける検査結果や画像所見などの医学的証拠があるかで決定します。
十分な医学的所見があり、症状を証明可能な場合は12級、一応の説明が可能な場合は14級となります。
特に痛み・痺れは主観的なものであるため、裏付けとなる検査結果などが重要です。
脾臓破裂による痛み・しびれ
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
12級13号 | 93万円 | 290万円 |
14級9号 | 32万円 | 110万円 |
腹部に衝撃を受けると、脾臓のみならず他の臓器にも後遺障害が残る場合があります。
そのようなときには、併合により後遺障害等級が繰り上がります。
存在する後遺症 | 併合の結果 |
---|---|
5級以上の後遺障害が2つ以上残存 | 重い方の等級を3つ繰り上げる |
8級以上の後遺障害が2つ以上残存 | 重い方の等級を2つ繰り上げる |
13級以上の後遺障害が2つ以上残存 | 重い方の等級を1つ繰り上げる |
14級の後遺障害が2つ以上残存 | 14級のまま |
それ以外 | 最高等級を後遺障害等級とする |
例えば、
の後遺障害が残った場合を考えてみます。
このとき、「13級以上の後遺障害が2つ残存」しているので、重い方の12級が1つくりあがります。
よって、併合11級の等級が認定されます。
脾臓は、肝臓とならんで交通事故で受傷しやすい臓器です。
ですが交通事故の相手方は「脾臓であれば労務に支障は出ない」と主張し、十分な保険金を支払わないということもあります。
被害者としては脾臓摘出により以後の人生で感染症にかかりやすい、免疫機能が落ちる可能性がある、ひいては労働能力に支障が出るということをしっかりと主張していく必要があります。
相手方との交渉を有利にすすめ、慰謝料を増額するためにも弁護士にお任せください。
まずは慰謝料増額の見込み、後遺障害等級に関する疑問、慰謝料獲得までの手続きなど、どのようなことでも結構です。
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(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
後遺障害に認定される可能性があります。脾臓破裂の結果、脾臓の摘出、脾臓に何らかの障害がのこる、受傷部の痛みやしびれなどが考えられます。また、脾臓を損傷するほどの衝撃を受けた場合は、その他の内臓損傷・骨折にも注視しなくてはいけません。 脾臓破裂の後遺障害について
脾臓の摘出は「13級11号:胸腹部臓器の機能に障害を残すもの」に認定される可能性があります。脾臓損傷については、後遺障害13級程度に相当すると認定される場合もあります。認定を受けるために主張すべきポイントをまとめましたので、以下のページもご覧ください。 脾臓損傷で後遺障害認定を受けるために
後遺障害慰謝料を請求することは可能です。後遺障害13級に認定されれば、自賠責保険の基準で57万円、弁護士基準で180万円が相場となります。後遺障害慰謝料は、後遺障害の等級ごとにおおよその目安が決まっています。 脾臓摘出に関する後遺障害慰謝料
後遺障害に認定される可能性があります。後遺障害等級は12級13号または14級9号の「神経症状」に該当する可能性があります。12級と14級、あるいは後遺障害に認定されない人を分ける大きなポイントに「検査結果」があげられます。 12級に認定される可能性を上げるには?
後遺障害に認定されれば、等級に応じて後遺障害慰謝料が算定されます。弁護士基準で慰謝料を算定する時、12級13号:290万円、14級9号:110万円が相場です。自賠責保険の基準で算定したり、相手方の任意保険会社の基準で算定するよりも相場は高くなります。 後遺障害等級ごとに慰謝料がこれだけ変わる