作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
足関節脱臼骨折の後遺症|治療・リハビリ~後遺障害等級の解説まで
本記事は、「足関節脱臼骨折の後遺症」について解説しています。
本記事の概要
- 足関節脱臼骨折は後遺症が残るかもしれない
- 足関節脱臼骨折では8~14級の後遺障害等級が認定される可能性がある
- 適正額の慰謝料を得るには弁護士による示談交渉が必須
交通事故が原因で足関節脱臼骨折を負った場合は、事故の相手方に損害賠償請求することができます。適正額の慰謝料などの損害賠償を得られるように、症状の内容や後遺症についてしっかりおさえていきましょう。
目次
足関節脱臼骨折の症状・治療法
足関節脱臼骨折の症状
足関節脱臼骨折は、脛骨・腓骨・距骨から構成される足関節が骨折したことで骨をつなぐ靭帯が損傷し、足関節部分ではずれてしまうことをいいます。足関節脱臼骨折で引き起こされる症状はつぎのとおりです。
足関節脱臼骨折の症状
- 足関節の痛み
- 足関節の腫れ
- 皮下出血
- 足関節の変形
- 足に体重をかけての歩行が困難
など、主にこのような症状がみられることになります。症状によっては、
- 折れた骨が周りの神経や血管を圧迫する
- 折れた場所の皮膚が破れる(開放骨折)
などもおこり得ることが考えられます。
足関節脱臼骨折の治療(手術・ギプス)
足関節脱臼骨折を負ったら、早急な治療が必要です。基本的には手術によって骨のずれをもとの位置にもどし、骨折部分の固定と靭帯損傷の修復がおこなわれます。
足関節脱臼骨折の治療
足関節の位置を元に戻す整復処理
軽度:外固定(ギプスによる固定など)
重症:手術
後遺症の可能性を減らすには、早期のギプス固定・手術がポイントになってきます。
足関節脱臼骨折のリハビリ方法
足関節の位置が元に戻ったら、痛みに耐えられる範囲で早期からリハビリに入ります。手術後は安静が必要ですが、安静にしすぎても関節が固まってしまうことになります。関節が固まってしまう前からのリハビリが重要になります。
ここでは、一般的におこなわれるリハビリ方法を紹介していきます。
一般的なリハビリ内容
- 立位保持訓練
- 歩行器具を使った歩行訓練
- 関節可動域訓練(関節を動かす訓練)
など
このようなリハビリ方法で回復がはかられるのが一般的です。
足関節脱臼骨折が原因の後遺症
足関節脱臼骨折の後遺症
足関節脱臼骨折では、治療をつづけても残念ながら後遺症が残ってしまう可能性があります。
足関節脱臼骨折の後遺症
- 機能障害(可動域制限)
- 神経障害
などの後遺症が考えられます。後遺症の内容はつぎのとおりです。
▼機能障害(可動域制限) |
---|
足関節が健康な状態の時とくらべて曲げにくくなったりすること |
▼神経障害 |
痛み・しびれ・麻痺などが残ること |
交通事故の怪我が原因で後遺症が残ったら、後遺障害等級の認定が得られる可能性があります。
後遺障害とは?
後遺症が残ったことで、労働能力が低下したり労働能力を失ったりすること
後遺障害は症状の重さに応じて1~14級までの等級で区分されています。等級に応じて後遺障害に対する慰謝料や収入の減少に対する補償を事故の相手方に請求することができるようになります。
足関節脱臼骨折の後遺障害等級・慰謝料
足関節脱臼骨折で予想される等級
足関節脱臼骨折は、後遺症の内容から認定の可能性がある等級をある程度予想できます。認定の可能性がある等級をそれぞれ確認していきます。
等級 | 内容 | |
---|---|---|
8級 | 7号 | 足首の関節が硬直 |
足首の完全弛緩性麻痺(力が入らない状態)、またはそれに近い状態 | ||
人工関節などに置換し、その可動域が通常の50%以下に制限 | ||
10級 | 11号 | 足首の可動域が通常の50%以下に制限 |
人工関節などに置換した場合 | ||
12級 | 7号 | 足首の可動域が通常の75%以下に制限 |
等級 | 内容 | |
---|---|---|
12級 | 13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級 | 9号 | 局部に神経症状を残すもの |
足関節脱臼骨折ではこのような後遺障害等級が認定されることが予想されます。
後遺障害に対する慰謝料相場
交通事故で怪我や後遺症などの損害を被ったら、
- 治療費
- 収入の減額分
- 慰謝料
などの損害を金銭に換算して交通事故の相手方に請求することができます。とくに後遺障害に対する慰謝料は、後遺障害等級に応じて算定されることになります。
慰謝料を算定するにあたっては一定の基準が用いられるのですが、自賠責基準/任意保険基準/弁護士基準のいずれかで算定されることになります。これらの基準は一律の金額ではなく、それぞれで設定されている金額が異なります。つまり、どの基準を用いて算定するかで最終的に受け取ることができる金額に幅が出ることになります。
3つの基準のなかで最も高い基準の慰謝料が算定されるのは、弁護士基準を用いた場合です。足関節脱臼骨折で認定される可能性のある8~14級の等級ごとの慰謝料がどのくらいになるのか、自賠責基準と弁護士基準をくらべてみてみたいと思います。
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
8級 | 324万円 | 830万円 |
10級 | 187万円 | 550万円 |
12級 | 93万円 | 290万円 |
14級 | 32万円 | 110万円 |
いかがでしょうか。自賠責基準と弁護士基準を比べると後遺障害慰謝料の金額の差は一目瞭然です。比べてみると弁護士基準があまりに高いような気がするかもしれませんが、法外に高額であるということではありません。むしろ、弁護士基準による金額は過去におこなわれた裁判で適正な金額であると認められた金額なのです。
足関節脱臼骨折の損害賠償請求で不安なら
適正額の慰謝料なのか確認
交通事故に関する損害賠償問題は、事故の相手方が加入している任意保険会社と話し合い(示談)がおこなわれるのが基本です。
保険会社のほうで算定した損害賠償額(示談金)が提示されることになるのですが、適正な金額よりも相当低い金額が提示されていることが多いです。
慰謝料の相場を知らなければ適正額より低かったとしても「このくらいが妥当なのかな?」と思い込んでしまい、不十分な賠償額で示談を結んでしまう可能性があります。示談は一度でも成立してしまうと、原則的に撤回したりすることはできません。
事故の相手方と示談を結ぶ前に、どのくらいの金額を請求することができるのか相場を確認しておくことが大事です。損害賠償の算定は専門の計算式が用いられるので少々複雑なのですが、ここでは自動で計算してくれる自動計算機を紹介したいと思います。
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慰謝料増額を望むなら弁護士相談
弁護士基準による慰謝料の算定で適正な金額が得られることはお伝えしてきました。弁護士基準での算定を実現するには、示談交渉を弁護士に依頼ください。交通事故に関する専門的な知識がないと保険会社に交渉しても、慰謝料増額の可能性は極めて低いです。
交通事故に関する知識が豊富な弁護士が示談交渉に入ることで、慰謝料増額の可能性は格段に上がります。
話し合いで解決しない場合は、裁判などで損害賠償問題が争われることになります。裁判になると事件の処理が長期化するうえ裁判費用までかかることになります。このような事情から、保険会社は裁判に発展することを避けるため示談交渉に応じてくれる可能性があります。
アトムの無料相談
足関節脱臼骨折の慰謝料請求で不安があるという方は、アトム法律事務所の弁護士にご相談ください。アトムの弁護士は、
- 示談交渉の経験が豊富な弁護士
- 保険会社側の弁護士としての経験を持ち、保険会社の事情に詳しい弁護士
このような弁護士がそろっています。
随時、無料相談を受付けていますので気軽にお問い合わせください。こちらの窓口でお受付しています。
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受付窓口は24時間・365日いつでもご利用いただけます。こちらの窓口より弁護士相談の予約をお取りください。弁護士とは、電話・LINE・対面のいずれかの方法の相談が可能です。怪我の影響で外出しにくいという方は、電話やLINEを使ってご自宅から弁護士に相談することができます。
相談にかかる費用は0円ですので、気軽にご利用ください。お問い合わせお待ちしております。
弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
足関節脱臼骨折の後遺症Q&A
足関節脱臼骨折とはどんな症状?
足関節脱臼骨折の症状としては、主に足関節の痛み・足関節の腫れ・皮下出血・足関節の変形・足に体重をかけての歩行が困難などがあげられます。足関節脱臼骨折は外傷による強い力が足関節部分にかかり、関節が外れてしまうことでうける損傷です。 足関節脱臼骨折の症状
足関節脱臼骨折はどんな後遺症が残る?
足関節脱臼骨折における後遺症としては、足関節が曲げにくい機能障害(可動域制限)・痛みやしびれを感じる神経障害などが主にあげられます。足関節脱臼骨折では適切な治療を受けてもなんらかの症状が残存する可能性があります。 足関節脱臼骨折の後遺症
足関節脱臼骨折の後遺障害等級は?
足関節脱臼骨折による後遺障害では、機能障害(可動域制限)で8級7号・10級11号・12級7号、神経障害で12級13号・14級9号の等級が予想されます。等級の数字が低いほど残存した症状は重くなっています。 足関節脱臼骨折に関する後遺障害等級