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6人の弁護士がこの記事に回答しています
交通事故の被害者になってしまったら、示談金や慰謝料などの補償をどうやって受けられるのか、不安なことと思います。
示談金について、わからないことはありませんか?
交通事故の示談金を受け取るまでの流れを弁護士がお答えします。
ニュースなどで示談や慰謝料という言葉を聞くことがあると思います。
示談とは、加害者側が被害者に支払う損害金額を決定するための手続きです。
損害額について合意ができたら、示談成立となります。
事故などの不法行為の加害者が被害者に支払う、損害賠償金。
示談によって金額を決め、紛争解決のために支払う。
被害者が負う損害は人的損害と物的損害に分けられます。
人的損害は、積極的損害・消極的損害・精神的損害に分けられます。
積極的損害
事故のために、余儀なくされた支出。
消極的損害
事故のために、失われた収入。
精神的損害
事故のために発生した、精神的苦痛。
積極的損害 |
治療費・入通院費 車椅子購入代 |
消極的損害 |
休業補償 逸失利益 |
精神的損害 |
傷害慰謝料 後遺障害慰謝料 |
治療費や休業補償なら、病院の領収証や被害者の収入などから金額が算定できます。
一方、慰謝料の対象である精神的苦痛には、領収証などは存在しません。
慰謝料は、相場に基づいた金額を請求することになります。
相場には、保険会社の基準と弁護士・裁判基準の二つがあります。
通常、弁護士・裁判基準の方が保険会社の基準よりも高額です。
また、軽傷か重傷かによっても、慰謝料の金額が変わります。
基本的に、被害者本人が弁護士基準の慰謝料を請求することはできません。
保険会社に断られてしまうからです。
弁護士基準での慰謝料を請求する場合は、弁護士に依頼してください。
示談の流れは、以下のようになっております。
損害額は、過去に起こった類似の事故の例を参考にして計算します。
損害額を示談案にまとめて、加害者側に提示します。
この示談案をもとにして示談交渉を開始します。
示談案では、被害者側の視点から見た損害額を請求します。
示談交渉では、加害者側が意見を主張して、請求額を減らそうとします。
お互いの言い分を主張しつつ、示談金額をすり合わせていくのです。
ただし、通常示談交渉では加害者本人ではなく保険会社の担当者を相手にします。
ほとんどの任意保険のプランには示談代行制度が含まれているためです。
保険会社は示談交渉のプロであるため、加害者側に有利な点を見逃しません。
被害者側も、充分な準備をして示談にいどみましょう。
同じく専門家である弁護士に示談交渉を依頼することも、検討してください。
以下の記事では、示談交渉の注意点を解説しております。
加害者側と被害者側との間で示談が難航して、まとまらない場合があります。
そのようなときはADR機関や裁判所などの第三者の介入を検討してください。
任意交渉で示談がまとまらない理由(例)
ADR機関では、第三者である弁護士などが被害者と加害者との仲裁をします。
ADR機関は無料で示談あっせんをしてくれ、誰でも気軽に利用できます。
ADR機関での仲裁の流れは、以下のようになります。
民事調停は裁判所で行いますが、裁判ではありません。
調停委員に、示談の仲裁を依頼する手続きのことです。
調停は,裁判のように勝ち負けを決めるのではなく,話合いによりお互いが合意することで紛争の解決を図る手続です。
調停手続では,一般市民から選ばれた調停委員が,裁判官とともに,紛争の解決に当たっています。
引用元:http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_04_02_10/index.html(民事調停手続 - 裁判所 ホームページから)
ADRと同じく、民事調停も一般の人に利用しやすい制度です。
弁護士に依頼しなくても、比較的容易に申し立てすることができます。
ADR | 調停 | 裁判 | |
一般的な手続き期間 | 3か月程 | 3か月程 | 6か月~2年程 |
代表的な利用方法 | 被害者が申立て | 被害者が申立て | 弁護士に依頼 |
事故の損害額のすべてが、示談金でもらえるとは限りません。
多くの事故では、被害者側にも過失があります。
被害者と加害者との過失割合に応じて、示談金額は減ります。
交通事故における、加害者と被害者それぞれの過失を数値化したもの。
例:加害者の過失が80%、被害者の過失が20%のとき、過失割合は8対2
このとき、被害者が受け取る示談金額は20%減額される。
過失割合を計算するときには、まず事故の類型を判断します。
そして、事故に含まれる諸々の要素を修正要素として計算に入れます。
過失が重いほど、その割合も高くなります。
過失には軽過失、著しい過失、重過失があります。
重過失>著しい過失>軽過失の順で、過失が重くなります。
過失の種類 | 過失の具体例 |
---|---|
軽過失 | 徐行違反 右左折の合図遅れ |
著しい過失 | スマホを見ながらの運転 わき見運転 |
重過失 | 居眠り運転 酒酔い運転* |
*酒気帯び運転の場合、著しい過失になります
過失割合を計算するときには、事故当時の状況を再現した図面などを用います。
過去の判例が計算された基準表を使って、数字を割り出します。
示談金額と同じく、過失割合の数字も加害者側と被害者側とですり合わせます。
客観的な証拠が残っていないとき、数字をめぐってもめることがあります。
合意がしない場合、裁判を提起して裁判所に割合を判断してもらう場合があります。
後遺障害が残った場合、後遺障害慰謝料と逸失利益が示談金に追加されます。
後遺障害慰謝料
事故で後遺障害を残されたことによる精神的苦痛に対する賠償金。
逸失利益
事故により失われた、被害者や遺族が将来得ていたはずの利益に対する賠償金。
後遺障害が残った場合、審査機関に等級の認定を申請します。
後遺障害慰謝料と逸失利益は、等級によって変わります。
等級認定を申請する時には、診断書などの書類を提出します。
提出する書類に不備があれば、等級が低く認定される場合があります。
最悪の場合は非該当になってしまうので、十分な準備が必要となります。
障害が存在する事実や、事故と障害の因果関係などを示す医学的所見が重要です。
後遺障害等級認定を申請する時には、主治医にも協力を頼みましょう。
収入を証明する資料など準備して、提出しなければいけません。
後遺障害等級認定の申請に必要な書類(例)
等級認定の申請には、二つの方法があります。
事前認定という方法では、加害者側の保険会社が書類を集めて申請します。
被害者請求では、被害者側が書類を集めて申請します。
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
メリット | 手間や負担がかからない | 等級認定のための工夫ができる |
デメリット | 等級認定のための工夫がされない | 手間や負担がかかる* |
*弁護士などに依頼して、代理してもらうことが可能
示談交渉では、加害者側と被害者側との利害が対立します。
交渉が険悪な雰囲気になり、示談が難航することも多いです。
保険会社側の担当者と被害者との相性が悪いこともあります。
保険会社の担当者ともめて、怒鳴ったりクレームを付けたりする被害者もいます。
しかし、保険会社との関係を悪化させると、示談金をもらえる日が遠のきます。
担当者の交代を保険会社に要求するなど、冷静な対応をしましょう。
保険会社は示談交渉のプロです。
自分自身で交渉するのは、不安に感じられる被害者もいます。
示談交渉は弁護士に依頼して代理してもらうこともできます。
示談交渉が難航し、あっせんや調停でもまとまらない場合があります。
そのようなときには裁判が行えます。
法律的には、一般人である被害者自身が裁判を提起することも可能です。
しかし、裁判の手続きは複雑であるため、ほとんどの場合は弁護士に依頼します。
裁判自体の費用と弁護士の費用が、かかることになります。
一般的に、裁判では判決が確定するまで半年~二年ほどかかります。
通常の示談より、示談金額が受け取れる時期が遅れます。
しかし、示談が難航する場合は、裁判を起こした方が早く受け取れることもあります。
…弁護士は、様々な場面において交通事故の被害者の助けとなります。
交通事故の示談交渉や裁判には、事故直後からの対応が関係します。
交通事故にあわれた方は、弁護士にスマホで無料相談をしてください。
加害者との示談開始から示談金の受け取りまで、どの段階でもアドバイスができます。
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交通事故の示談金は、請求項目が多岐にわたります。
それぞれの項目の計算方法も複雑で、事故ごとの事情に左右されます。
加害者側の保険会社に計算を任せるのではなく、被害者側で計算したいものです。
示談金額の計算は、弁護士にお任せください。
弁護士基準で、適正な金額を加害者に請求致します。
保険会社との交渉も、弁護士が対応いたします。
成瀬潤
慰謝料は精神的苦痛に対する賠償金のことです。
つまり、慰謝料は示談金の一項目なのです。
慰謝料のほかには、治療費や休業補償などの項目があります。