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交通事故で後遺障害と診断された…等級を認定する方法は?慰謝料はいくらもらえる?

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交通事故の被害にあって、怪我が完治しなかった…

後遺障害等級の認定を申請したいが、わからないことが多い!

  • 申請書類は、自分で準備しなくてはいけないのか
  • 認定されると、慰謝料示談金はどれくらい増えるのか
  • 医者は、等級認定の申請に協力してくれるのか

後遺障害等級の申請方法から慰謝料の相場まで、弁護士がお答えします!


1

交通事故の後遺障害、診断から等級認定まで

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Q1

後遺障害の定義とは?

症状固定と完治

交通事故で怪我を負ったら、病院で治療が開始されます。

怪我の治療がすすむと、やがて症状固定になります。

症状固定とは

それ以上の治療を続けても症状の大幅な改善が見込めなくなる段階のこと。

加害者側の保険会社による治療費の支払いは、症状固定時まで続けられます。

保険会社が症状固定と判断すると、治療費の打ち切りが打診されます。

打ち切りになった後の治療費は、被害者の自己負担となります。

症状固定のタイミングは、怪我の種類ごとにおおよそ予測できます。

症状ごとの症状固定タイミング(例)*
むちうち症
3ヶ月前後
骨折
6ヶ月前後
高次脳機能障害
1年以上

*症状の程度や被害者の年齢などにより変動します

軽傷であれば、症状固定の時点で完治していることが大半です。

完治とは、読んで字のごとく「怪我が完全に治る」ことです。

完治せずに残る後遺障害

重傷な怪我のときは、症状固定になっても完治しない可能性が高くなります。

そのような症状は後遺障害と呼ばれます。

後遺障害とは

症状固定時を過ぎても完治せず、残っている怪我の症状のこと。

後遺障害と判断される症状は様々です。

指や歯など身体の一部が欠損することは、後遺障害の典型例です。

視力や聴力の損失も、後遺障害と判断されます。

後遺障害の例

脚や腕の欠損

足指や手指の欠損

歯の欠損

内臓機能に障害が残る

神経系統の機能に障害が残る

片目や両目の視力の損失、失明

片耳や両耳の聴力の損失、失聴

顔に醜状が残る

局部に神経症状が残る(むち打ち)

Q2

後遺障害等級認定の申請方法は?

後遺障害には等級がある

後遺障害が残ると、労働能力が失われてしまいます。

たとえば手の指が欠損したら、業務に支障をきたしますよね。

視力が失われると、仕事自体が全くできなくなるおそれがあります。

労働能力が失われたことによる逸失利益は、加害者に請求可能です。

また、後遺障害が残った人は、そのことに対して精神的苦痛を感じます。

その精神的苦痛についても、後遺障害慰謝料を請求できます。

後遺障害慰謝料と逸失利益
後遺障害慰謝料
後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する賠償金
逸失利益
労働能力喪失により失われた、将来の収入に対する賠償金

後遺障害は、その症状の程度によって等級が定められます。

後遺障害慰謝料と逸失利益の金額は、この等級によって変わります。

ただし、等級は審査機関に申請して認定してもらう必要があります。

後遺障害が残っても、認定されなければ、慰謝料や逸失利益が請求できません。

申請に不備があったために等級が認定されないことも、あり得ます。

適切な等級が認定されるには、申請の準備と手続きが重要となります。

基本的に、後遺障害等級の認定は書面審査となります。

審査官が被害者に面接をするのではなく、書類の内容で判断されます。

提出書類の記載情報に不備がないよう、念入りな確認が必要になります。

加害者側による事前認定

後遺障害等級認定には二つの申請方法があります。

加害者側が行う事前認定と、被害者側が資料を集める被害者請求です。

まず、事前認定の流れをご覧ください。

事前認定の流れ

事前認定であれば、基本的に被害者自身が書類を準備する必要はありません。

被害者にとって手間や負担がかからない、というメリットがあります。

しかし、最低限の必要書類だけが提出されることになります。

後遺障害等級が認定されると、示談金の金額がはね上がります。

示談金を支払う保険会社としては、後遺障害等級の認定は避けたがります。

事前認定では、等級が認定されるための工夫は期待できません。

被害者側で行う被害者請求

被害者請求の流れはこちらです。

被害者請求の流れ

被害者請求では、被害者側が書類を収集します。

書類の取得は、弁護士に依頼して代理してもらうこともできます。

被害者請求では、被害者自身の利益に配慮した申請手続きが行えます。

等級が認定されやすくなるよう、工夫を行うこともできます。

事前認定で申請した場合より、適正な後遺障害認定手続きが望めます。

事前認定と被害者請求の特徴
事前認定 被害者請求
メリット 手間や負担がかからない 等級認定のための工夫ができる
デメリット 等級認定のための工夫がされない 手間や負担がかかる*

*弁護士などに依頼して、代行してもらうことが可能

以下に、被害者請求のために必要な書類の例を示します。

後遺障害等級認定の被害者請求のために必要な書類(一例) *
書類名 取得先
交通事故証明書 自動車運転安全センター
診断書* 医師
後遺障害診断書 医師
診断報酬明細書 医療機関
休業損害証明書 勤務先など

*「後遺障害診断書」とは別の、通常の治療時に作成される診断書のこと

書類の取得が負担に感じられたら、弁護士に相談してください。

後遺障害等級認定の申請方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。


2

交通事故、後遺障害等級ごとの慰謝料相場

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Q1

後遺障害等級の注意点は?

等級が示談金額を決定する

基本的に、交通事故では被害者と加害者との間で示談を目指します。

示談までの流れは、以下の図をご覧ください。

交通事故の示談までの流れ

被害者と加害者とで示談金の金額が合意できれば、示談成立です。

後遺障害慰謝料と逸失利益は、この示談金に含まれて支払われます。

示談金とは

示談が成立した後に、加害者から被害者に支払われるお金。

事故で被害者が負った損害を賠償するためのもの。

治療費、慰謝料、逸失利益、休業補償などの項目が含まれる。

等級ごとの慰謝料や逸失利益の差は大きいです。

同じような種類の障害でも、等級が違えば数百万円から数千万円の差がありえます。

原則的に、いちど示談金を受け取った後は追加で請求することはできません。

示談金を受け取った後に後遺障害が発覚した、という場合などしか追加請求できません。

示談金額で後悔しないため、後遺障害等級認定の申請は念入りに準備しましょう。

適切な等級が認定されるためには

後遺障害認定をしても、非該当と認定される場合があります。

また、想定していたものより低い等級に認定されることもあります。

そのような場合、審査結果に異議申立てを行うことができます。

しかし、いちど認定した等級を審査機関が変更することは稀です。

異議申立てが認められる可能性は非常に低いのです。

初回申請の時点で納得いく等級認定が得られるようにしましょう。

後遺障害等級の認定において、医師の影響は大きいです。

医師が作成する後遺障害診断書の記載内容は、等級認定の成否を決めます。

客観的な医学的所見治療状況・症状推移の記載が特に重要です。

客観的な医学的所見

各種検査結果

MRI、レントゲンなどの画像所見

治療状況・症状推移

病院での治療を定期的に行っていること

症状が消えず、継続していること

事故状況と後遺障害に関連性があること

等級が認定されやすい診断書を担当の医師が作成するとは限りません。

等級認定を目指すなら、被害者側から積極的に医師に関わる必要があります。

後遺障害等級が認定されるための、医師とのコミュニケーション

自覚症状はすぐに訴えて、診断書に記載してもらう

見た目にあらわれない症状があれば検査を行ってもらい、画像所見を取得する

定期的に通院して、治療に中断期間が生じないようにする

医師とのコミュニケーションや書類の取得が負担に感じられる方も多くいます。

弁護士から、被害者側の要望を医師に伝えることも可能です。

不安があれば、お気軽に相談ください。

Q2

後遺障害慰謝料の金額は?

等級により変わる後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、等級によって相場が決まります。

ただし、慰謝料には二つの相場が存在します。

保険会社の基準弁護士・裁判基準です。

保険会社の基準は、弁護士・裁判基準よりも低額です。

示談交渉を弁護士に依頼しないと、大半は保険会社の基準で慰謝料が決まります。

弁護士に依頼すれば、弁護士・裁判基準で慰謝料を請求できます。

弁護士基準による後遺障害慰謝料の相場は、以下の表をご覧ください。

弁護士基準による慰謝料の相場

逸失利益の計算方法

逸失利益の金額は、三つの要素から決まります。

逸失利益の三要素

後遺障害等級ごとの労働能力喪失率

被害者の基礎収入

被害者の年齢

等級ごとの労働能力喪失率について、例を示します。

等級ごとの労働能力喪失率(例)
後遺障害等級 労働能力喪失率
1 100%
8 45%
14 5%

被害者の基礎収入については、各種の所得証明書や確定申告書を参照します。

また、被害者の年齢から就労可能年数を計算します。

就労可能年数に法定利率を複利計算してライプニッツ係数を求めます。

年齢ごとのライプニッツ係数(例)
現在の年齢 就労可能年数 ライプニッツ係数
25 42 17.423
50 17 11.274
75 6 5.076

逸失利益の計算式は以下の通りです。

基礎収入 × 後遺症による労働能力喪失率 × ライプニッツ係数

(被害者が有職者または就労可能者の場合)

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交通事故による怪我の症状ごとの後遺障害等級

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Q1

歯の欠損や視力損失の等級は?

歯の欠損と後遺障害等級

手指の欠損や歯の欠損などの症状であれば、等級認定は比較的難しくありません。

障害の程度が見た目に明らかであり、基準が明確であるからです。

歯の欠損について、程度ごとの後遺障害等級を見てみましょう。

歯の欠損と後遺障害等級
欠損した歯の数* 後遺障害等級
14歯以上 10
7~9 12
3~4 14

*後遺障害等級表における「歯科補てつを加えた」歯の数を参照しています

視力損失と後遺障害等級

視力や聴力の損失の場合、体の欠損のように見た目でわかるとは限りません。

検査によって現在の視力や聴力を測り、それに基づいて等級が任意されます。

たとえば視力については、後遺障害等級表では以下のように指定されてます。

備考

一 視力の測定は、万国式試視力表による。

屈折異状のあるものについては、矯正視力について測定する。

引用元:後遺障害等級(国土交通省ホームページから)

http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment_pop.html

万国式試視力表は、現代の視力検査で標準的に用いられています。

健康診断でおなじみの「C字」やアラビア数字を用いた検査です。

視力の損失について、程度ごとの後遺障害等級をまとめみました。

視力の損失と後遺障害等級
視力状態* 後遺障害等級
両目が失明 1
1眼が失明、片目の視力が0.6以下 7
両目の視力が0.6以下 9
片目の視力が0.6以下 13

*矯正視力の測定結果が参照されます

Q2

むちうち症の等級は?

むちうち症の認定は難しい

車両同士の衝突事故などでは、むち打ち症を発症することが多いです。

むち打ち症とは

頚椎捻挫(けいついねんざ)の俗称。

事故の際に首に強い負担がかかることで発症する。

首筋や背中の痛みのほか、目まいや頭痛など様々な症状を併発する。

むち打ち症は、手指や歯の欠損のように外傷にはあらわれません。

また、視力検査のように統一された検査基準がある訳でもありません。

そのため、むち打ち症を審査機関に証明することは難しいのです。

見た目にあらわれない症状の場合、医師による診断書の記載が重要になります。

すこしでも身体に異常があれば、自覚症状を医師に訴えましょう。

早期からの症状推移が記載されると、後遺障害等級が認定されやすくなります。

14級9号と12級13号

むち打ち症の等級が認定される場合、12級14級のいずれかになります。

後遺障害等級表における、14級9号の記載は以下の通りです。

第一四級

(略)

九 局部に神経症状を残すもの

引用元:後遺障害等級(国土交通省ホームページから)

http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment_pop.html

12級13号の記載は以下の通りです。

第一二級

(略)

一三 局部に頑固な神経症状を残すもの

引用元:後遺障害等級(国土交通省ホームページから)

http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment_pop.html

14級9号と12級13号の違いは、「頑固」であるか否かです。

何を「頑固な神経症状」とするか、明確な基準はありません。

多くの場合、むち打ち症は14級に認定されます。

客観的な医学的所見が存在する場合、12級に認定される可能性が高まります。

たとえば、神経を圧迫している異常部分を特定したMRI画像などです。

むち打ち症を自覚した場合、医師には精密検査の実施を要求しましょう。

12級と14級、それぞれの場合に得られる慰謝料や逸失利益は以下の通りです。

後遺障害等級第14級と第12級の比較
14 12
自賠責保険の限度額 75万円 224万円
後遺障害慰謝料* 110 290万円
労働能力喪失率 5% 14

*弁護士基準の場合

労働能力喪失率から単純計算すると、12級と14級では逸失利益に3倍近い差があります。

保険金や慰謝料を合わせれば、数百万円の差となることが多いです。

等級認定の結果に後悔を残さないため、申請書類の準備は念入りに行いましょう。

4

後遺障害は交通事故に詳しい弁護士に相談

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Q1

後遺障害の認定に不安があれば?

申請書類の準備や提出

医師とのコミュニケーション

慰謝料や逸失利益の計算

…後遺障害等級の認定までには、いくつものハードルがあります。

後遺障害がのこったら、まずは弁護士スマホで無料相談をしてください。

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後遺障害等級認定の申請は、専門家である弁護士に任せられます。

また、もし等級の結果に異議申し立てを行う際にも、弁護士に相談しましょう。

医師との関わり方についても、相談することができます。

後遺障害等級の認定には、早い段階からの対応が鍵となります。

事故の被害にあわれた方は、すぐに弁護士に連絡してください。

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