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交通事故にあってしまい、病院に通院しなければいけない…。
そんな時にかかる費用は治療費だけではありません。
目次
病院の通院に関する疑問を解消し、不安なく治療に専念できるようにしましょう。
交通事故で傷害を負ってしまったとき、治療費以外にも通院するための通院交通費が必要です。
通院交通費は、通院交通費明細書を相手方保険会社に提出することで支払ってもらえます。
治療費と通院交通費
治療費 | 通院交通費 | |
支払いの時期 | 先行して支払われる | 明細書提出の1ケ月後* |
支払ってもらう方法 | 相手方保険会社への連絡 | 通院交通費明細書の提出 |
*症状固定後に全額、または毎月提出することで月ごとの交通費を受け取ることもできる
原則として、電車やバスなどの公共交通機関の交通費は支払われます。
また、被害者の症状や交通の便などの理由で必要・相当な範囲でタクシーの利用も認められます。
自家用車を使用した場合、1kmあたり15円の燃料費とその他の実費が支払われます。
交通費として支払われるか | |
徒歩・自転車 | 支払われない |
電車・バス | 支払われる |
タクシー | 必要・相当な範囲で支払われる |
自家用車 | 15円/km+その他の費用*が支払われる |
*高速道路料金、駐車場代金など必要・相当な範囲
公共交通機関の料金は金額が確認できますが、タクシーや自家用車の場合はそうもいきません。
ですので、料金の領収書などは保管しておくようにしましょう。
実際に高速道路料金やタクシーなどの交通費が請求できるかはケースバイケースです。
事前に相手方保険会社の担当者に確認をとるのが安全でしょう。
交通事故を聞いて駆けつけてくれたり、通院に付き添ってくれる近親者の交通費を請求できるかは定まっていません。
交通費ではなく、別途付添費・入院雑費に含まれるとして請求できない場合もあります。
などは、近親者の交通費が認められやすい傾向にあります。
実際、判例では親の看護のためモスクワから帰国した子供の旅費を損害として算定したケースがあります。
交通事故の被害により出費を余儀なくされた治療費は原則として実費で支払われます。
その他治療に関する損害には以下のようなものがあります。
人体への損害 | 内容 |
治療費 | 治療にかかった費用 原則として、保険会社が先行して支払う |
通院交通費 | 通院に要した交通費 |
看護料 | 入通院の付添人が必要な時の費用 |
入院雑費 | 入院の場合、入院中必要になった日用雑貨や電話代など |
装具等購入費 | 義肢・車いすなどの購入費 |
家屋等改造費 | 家屋・自動車などの改造費 |
原則として、通院費は症状固定の時期まで支払われます。
治療を続けてもそれ以上症状が改善されない状態
相手方保険会社が電話などで、症状固定となったか尋ねてくることがあります。
症状固定がいつになるかは、治療費などの支払いにおいて重要な意味を持ちます。
症状固定かどうかは、医師の判断が重要視されます。
その場の判断で返事をせず、主治医の判断を仰ぎましょう。
原則として、治療費や通院費は症状固定まで相手方保険会社が支払ってくれます。
ですが、それより前に保険会社から治療費の打ち切りを打診されることがあります。
保険会社はどの症状がどのくらいの期間で症状固定となるかのデータを所持しています。
それに基づき、治療の途中で「これ以上の治療費は支払わない」と言ってくることがあります。
症状 | 打撲 |
打撲 | 1カ月 |
むちうち | 3カ月 |
骨折 | 6カ月 |
まだ治療を続ける必要があると感じるならば、打ち切りに同意する必要はありません。
などの方法で治療費の支払いを延長してもらえることもあります。
また、早急に治療費や通院費が欲しい際は自賠責保険に仮払いを請求する手段もあります。
受け取れる回数は1回限りですが、損害賠償に先んじてその一部を支払ってもらえる制度です。
実際に受け取れる金額は以下の通りです。
脊せき柱の骨折で脊せき髄を損傷したと認められる症状 上腕又は前腕の骨折で合併症 大腿たい又は下腿たいの骨折 内臓の破裂による腹膜炎の併発 十四日以上病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が三十日以上 |
40万円 |
脊せき柱の骨折 上腕又は前腕の骨折 内臓の破裂 病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が三十日以上 十四日以上病院に入院することを要する傷害 |
20万円 |
十一日以上医師の治療を要する傷害 |
5万円 |
治療費の打ち切りがされる原因として、通院頻度が低いことがあげられます。
あまり通院しなくとも生活を送れているのだから、これ以上の治療は必要ないと解釈されることがあります。
また、後述する慰謝料を減額されないためにも、ある程度の通院頻度を保つことは大事です。
こちらが慰謝料を減額される心配のない通院頻度の目安です。
おおよそ3日に1回通院する必要があります。
交通事故で入院・通院する場合、その精神的苦痛に対し慰謝料が支払われます。
傷害事故の場合、原則として傷害の程度・通院日数・通院期間などで慰謝料の金額が決定します。
その他慰謝料に関する細かな事項については、以下の記事を参照してください。
慰謝料の算定には、3つの基準があります。
金額は、自賠責基準≦任意保険会社基準<弁護士基準となっています。
任意保険会社基準は一般に明らかになっていないため、自賠責基準と弁護士基準を比較してみましょう。
自賠責基準では、1日あたり4200円の傷害慰謝料が認められます。
日数として、通院開始から通院終了までの期間(通院期間)と実際に通院した日数(実通院日数)×2の小さい方をかけます。
弁護士基準では、以下の表に従って慰謝料を算定します。
むちうちなど症状が軽い場合は別表2、それ以外の場合は別表1を参照します。
日数については、原則として通院期間となります。
通院が長期に及ぶ場合、別表1のとき実通院日数×3.5、別表2の場合は実通院日数×3を目安とすることがあります。
1日あたりの慰謝料は、(翌月ぶんの金額-今月の金額)÷30日で導きます。
通院1日あたりの傷害慰謝料
通常の傷害の場合 | むちうちなど軽傷*の場合 | |
1ケ月目まで | 9333円 | 6333円 |
1~2ケ月目 | 8000円 | 5667円 |
2~3カ月目 | 7000円 | 5667円 |
3~4ケ月目 | 5667円 | 4667円 |
4~5ケ月目 | 5000円 | 4000円 |
5~6ケ月目 | 3667円 | 3333円 |
*むちうち、軽い打撲、挫傷などが該当する
自賠責基準と比較すると、より高い金額となっていることがわかります。
個人が保険会社と交渉して弁護士基準の慰謝料を勝ち取るのは困難です。
通院中に時間・身体的負担をかけてご自身で手続きをするより、弁護士に依頼することもお考えください。
では、実際にどれくらいの金額の差が出るのか計算してみましょう。
自賠責保険基準の場合、通院日数は実通院日数×2となり
4200円×(80日×2)=67万2000円
弁護士基準の場合、通院日数は通院期間となり
別表1の「通院6カ月」の欄を見るので116万円
傷害慰謝料だけでも、約50万円の差が出ます。
この例の場合、弁護士基準でも仮に実通院日数が51日以下だと慰謝料が減額されることがあります。
その場合、通院期間>実通院日数×3.5となり、実通院日数×3.5を目安として通院日数を計算することがあるからです。
適正な慰謝料を受け取るためにも、通院頻度を落とさないよう気を付けましょう。
リハビリは事故による症状を原状に近づけるために行うものです。
よって、症状を改善させるためのものなので通院期間に含まれます。
治療中の通院頻度や保険会社への対応で、後々貰える慰謝料は大きく変化します。
通院交通費の出る通院手段は何か。通院頻度は適切か。
保険会社に言われるがまま通院をやめてしまっていいのか。
そんな悩みを解消し、安心して治療に専念するためにもぜひ交通事故に詳しい弁護士にご相談ください。
アトム法律事務所ではLINEや電話での無料相談を受け付けています。
交通事故の通院中は、治療費が支払われるのか、この通院形態は正しいのかと常に不安が付きまといます。
そういったお悩みを弁護士が一手に引き受け、被害者の方がいち早く日常生活に戻れるようお手伝いいたします。
通院交通費は「通院交通費明細書」を相手方の保険会社に提出することで支払われます。明細書を提出してから1ヶ月程度が支払時期の目安でしょう。また、交通機関(通院手段)で支払いの可否や支払われる内容に違いがあります。 交通機関別の通院交通費のちがい
支払ってもらえるとは限りません。これまでには、交通費として認められた場合や、付き添い費・入院雑費に含まれるとして認められなかったケースもあります。近親者の交通費が認められやすい傾向は、以下のページにて紹介しています。 近親者の交通費が認められた事例
通院交通費や治療費は、原則、症状固定まで支払われます。保険会社は、打撲:1ヶ月、むちうち:3ヶ月、骨折:6ヶ月のように、怪我ごとにおおよその治療期間目安を設けているようです。その時期を元に、保険会社から打ち切りを打診されている可能性があります。症状固定かどうかの判断は医師の見解が尊重されますので、ご自身の判断だけで受け入れないようにしましょう。 通院交通費の打ち切りを迫られたときの対応
野尻大輔
通院交通費明細書は、相手方の保険会社から送られてきます。
それを記入して相手方保険会社に提出することで、約1ケ月後に支払いが行われます。
あるいは通院期間中の費用をいったんすべて立て替えて、示談金とともに全額受け取ることもできます。