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後遺障害等級12級は、14級に次いで多くの方が認定される後遺障害等級です。
ですが、いざ認定されても、12級になることで何が起きるか知っておかなければ、納得のいく解決は目指せません。
後遺障害等級12級について、様々な症状の例をまじえて解説していきます。
障害者手帳には種類が複数ありますが、ここでは身体障害者手帳について解説します。
身体障害者手帳を受け取るには条件があります。
② の身体障害者障害程度等級は、厚生労働省によって定められています。
実際に後遺障害等級12級の主な症状を検討すると、以下のようになります。
身体障害者障害程度等級の5級に該当し、障害者手帳を受け取れるようにも思えます。
具体的には、以下の症状が必要です。
上肢の障害で身体障害者障害程度等級の5級に達するのは後遺障害等級8級6号が目安です。
身体障害者障害程度等級の5級などに該当し、障害者手帳を受け取れるようにも思えます。
具体的には、以下の症状が必要です。
こちらも、後遺障害等級12級の基準で身体障害者障害程度等級5級に該当するのは困難です。
原則として認定の対象とならず、障害者手帳の取得は難しいようです。
13号と同様に、原則として認定の対象とならず、障害者手帳の取得は難しいようです。
以上をまとめると、以下のようになります。
後遺障害等級と身体障害者障害等級の傾向
後遺障害等級 | 身体障害者等級 |
一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの | 認定は困難 |
一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの | |
局部に頑固な神経症状を残すもの | |
外貌に醜状を残すもの |
出典:身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/kijun_all.pdf)
12級の多くの方にとっては、障害者手帳を獲得するよりも慰謝料の増額などを目指す方が現実的です。
弁護士に交渉や請求を一任することで、より手厚い補償を受け取ることもできます。
後遺障害12級に該当する障害は以下の通りです。
後遺障害の症状
12級1号 | 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
2号 | 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
3号 | 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
4号 | 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの |
5号 | 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの |
6号 | 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの |
7号 | 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの |
8号 | 長管骨に変形を残すもの |
9号 | 一手のこ指を失ったもの* |
10号 | 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの** |
11号 | 一足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み二の足指を失ったもの 又は第三の足指以下の三の足指を失ったもの*** |
12号 | 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの**** |
13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14号 | 外貌に醜状を残すもの |
*手指を失ったものとは、おや指は指節間関節、その他の手指は近位指節間関節以上を失ったものをいう。
**手指の用を廃したものとは、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節若しくは近位指節間関節(おや指にあつては、指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
***足指を失ったものとは、その全部を失ったものをいう。
****足指の用を廃したものとは、第一の足指は末節骨の半分以上、その他の足指は遠位指節間関節以上を失つたもの又は中足指節関節若しくは近位指節間関節(第一の足指にあっては、指節間関節)に著しい運動障害を残すものをいう。
これらに該当しなくとも、後遺障害等級12級となることがあります。
13級の後遺障害が2つ以上残存する場合、併合12級として扱われます。
これらの中でも、症例の多いものを個別に解説します。
後遺障害等級12級でよく見られるものは、以下の「6号・7号・13号・14号」の症状です。
上肢の三大関節とは肩・肘・手首を指します。
また、1関節の機能に障害を残すものとは三大関節のどれかひとつの可動域角度が、障害の無い腕の4分の3以下に制限されたものをいいます。
具体的には、左手関節の可動域が160度であるのに対し,右手関節の可動域が105度である場合などです。
下肢の三大関節とは股・膝・足首を指します。
また、1関節の機能に障害を残すものとは、三大関節のどれかひとつの可動域角度が、障害の無い足の4分の3以下に制限されたものをいいます。
具体的には、大腿骨の骨折による股関節の機能障害などを指します。
体の一部に、神経由来の痛みや痺れが残る状態です。
14級の「局部に神経症状を残すもの」との主な違いは、他覚所見や画像所見で裏付けができるかどうかです。
他覚所見や画像所見が伴うむちうち症などがこれに該当します。
他覚所見や画像所見とは、例として以下のものを指します。
むちうち症の等級該当性については、以下の記事も参照してください。
外貌とは頭・顔・首など通常露出する部位を指します。
傷痕は人目につく程度のものである必要があります。
具体的には、以下のような症状を指します。
傷痕が髪の毛などで隠れる部位である場合、認定がされにくくなる傾向があります。
後遺障害等級認定全体の中で、「12級」に認定されている割合は17.22%です。
これは最も多い14級(58.07%)に次ぐ割合です。
後遺障害等級に認定される確率は決して高くはありません。
ですが弁護士に相談し、適切な検査の実施や診断書の作成を促すことで、等級認定の確率はあがります。
後遺障害等級が認定された場合、等級に応じて後遺障害慰謝料が相手方から支払われます。
慰謝料には3つの算定基準があります。
任意保険基準は各保険会社内部で規定されており、非公開です。
ですが、実際は自賠責基準に少し上乗せしたものであることがほとんどです。
ここでは、自賠責基準と弁護士基準を比較してみましょう。
後遺障害等級12級に認定された場合、自賠責保険からは93万円補償されます。
弁護士に依頼して交渉を行う場合、過去の裁判例に基づいた金額を請求できます。
その場合、約290万円を請求することができます。
後遺障害慰謝料の比較
自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準 |
93万円 | 自賠責基準よりやや高額 | 290万円 |
弁護士に依頼することで、およそ3倍の慰謝料を獲得できることがわかります。
症状固定の後に、労働能力を喪失する障害によって見込まれる収入の減少
後遺障害が残った場合、相手方保険会社から逸失利益が支払われます。
後遺障害の逸失利益は、次の計算式で算出されます。
一日あたりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
それぞれの数字について、簡単に解説していきます。
基礎収入は、基本的には前年度の収入となります。
自営業の場合は前年度の確定申告、主婦の場合は女子労働者の平均賃金などを参照します。
その他の考慮要素などについては、以下のページを参照してください。
労働能力喪失率とは、その後遺障害によりどの程度労働能力が失われるかの数値です。
12級の場合は、14%の労働能力が喪失したとされます。
なお、後遺障害が労働能力に影響しないと考えられる場合は逸失利益が認められないケースもあります。
実際にこのような例があります。
特に14号(外貌醜状)では、労働能力の喪失が認められにくい傾向があります。
原則として、労働能力喪失期間は症状固定時期から労働者として稼働可能な期間までで計算されます。
具体的には、以下のような計算式になります。
67歳(稼働可能期間の終わり)-症状固定時の年齢
ですがこの原則には例外も多いです。
他に、以下のように労働能力喪失期間が認定されることもあります。
5年~15年
(時間の経過による回復や馴れが見込まれる場合)
(平均余命-症状固定時の年齢)÷2
(被害者が高齢者の場合)
最初の10年は労働能力喪失率14%、それ以後は5~10%
(段々と労働能力が回復する可能性がある場合)
逸失利益が支払われると、本来であれば長期間かけて受け取る収入を一括で受け取ったことになります。
それを運用することによって得られる額を控除するものを、ライプニッツ係数と言います。
では、以下のような事例で逸失利益を考えてみましょう。
前年度の年収が500万円である49歳男性が交通事故にあい、股関節骨折の傷害を負った。
その後50歳で症状固定し、後遺障害12級7号に認定された。
まず、基礎年収が500万円。
12級ですので、労働能力喪失率は14%です。
症状固定から67歳まで、労働能力喪失期間は17年となります。
17年に対応するライプニッツ係数は、11.274となります。
5000000×0.14×11.274=7891800円
よって、相手方保険会社に請求できる逸失利益は789万1800円となります。
実際は、被害者の年齢・性別・職業・傷害の程度などの具体的な事情によって数値が細かく変化します。
弁護士に依頼することで、より多くの逸失利益を受け取るのに有利な事情を引き出すことが出来ます。
後遺障害12級に認定されるとされないとでは、後遺障害慰謝料や逸失利益に大きく違いが出ます。
特に弁護士に依頼することで、あわせて数百万円以上を追加で請求することも可能です。
提出する資料や、等級認定後の慰謝料額などにご不安があるときはどうぞ気軽にご相談ください。
アトム法律事務所ではLINE・電話での無料相談を受け付けています。
医師といえども、後遺障害認定の専門家ではありません。
適切な後遺障害診断書を書いてもらい12級の認定を得るには、交通事故に関する専門的な知識が不可欠です。
アトムの弁護士は、交通事故案件を数多くとり扱っています。
交通事故に関するどんな段階のお悩みの相談も受け付けております。
LINEや電話での相談をぜひご利用ください。
後遺障害12級は1号から14号まであります。眼、歯、耳、腕・脚、手足の指、神経症状など、12級の認定範囲は広く全身にあります。後遺障害13級の後遺障害が2つ以上ある場合は、併合12級として扱われます。 後遺障害12級の症状を一覧でチェック
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級に応じておおよその目安が設けられています。相場は①自賠責保険の基準:93万円②任意保険の基準:非公表③弁護士基準:290万円となります。任意保険の金額は保険会社により異なりますが、自賠責保険の基準をやや上回る程度とされています。弁護士基準での慰謝料獲得には、弁護士依頼が欠かせません。 弁護士依頼で約3倍の慰謝料を獲得?
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後遺障害認定を受けると逸失利益を受けとることが可能です。ただし、労働能力への影響が認められない場合は、逸失利益が認められないこともあります。12級14号の外貌醜状では、特に労働能力が下がったかが争点となりやすいです。 後遺障害12級の逸失利益を実例と共に解説
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岡野武志
12級の基準では、肩関節の可動域は135度、肘は110度、手首で125度となります。
徒手筋力テストでも、5級に該当するのは困難でしょう。