2人の弁護士がこの記事に回答しています

交通事故紛争処理センターとは|アトム法律事務所弁護士法人

イメージ画像

交通事故紛争処理センターとは、交通事故の被害者が無料で法律相談や和解(示談)のあっ旋を依頼できる公益財団法人です。

裁判よりも時間や費用をかけず、交通事故の紛争を解決するための方法の一つです。

交通事故紛争処理センターは、誰がどのように活用できるのかについて、このページで解説していきます。


1

交通事故紛争処理センターで交通事故の相談をする方法は?

交通事故紛争処理センターでは、交通事故被害者の法律相談、和解あっ旋、和解が不調の場合の審査に対応しています。

Q1

いつ、誰が使える?

示談成立前であれば利用可能

交通事故紛争処理センターは、基本的に、交通事故の被害者と加害者側任意保険会社の間での示談交渉がまとまらない場合に利用するものです。
既に結ばれてしまった示談のやり直しはできませんので注意してください。

他の紛争解決手段(ADR、裁判など)を進めている場合も、紛争処理センターを併用することはできません。

利用できるのは治療終了後

被害者が治療中であったり、後遺障害認定の申請中である場合には、和解あっ旋は受けられません。
和解あっ旋や審査を進めるためには、被害者の受けた損害の額(損害賠償額)を確定できる状態である必要があるからです。

自転車対歩行者の事故、自転車同士の事故など、事故の種類によっても対象外となるものがあります。

加害者が任意保険に入っていない場合や、紛争処理センターの対応外の任意自動車共済である場合も、利用できません。

紛争処理センターが対応できる任意保険・共済
  • 日本損害保険協会に加盟する保険会社
  • 外国損害保険協会に加盟する保険会社
  • JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)
  • 全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)
  • 交協連(全国トラック交通共済協同組合連合会)
  • 全自共(全国自動車共済協同組合連合会)
  • 日火連(全日本火災共済協同組合連合会)
Q2

場所、連絡先は?

全国10拠点以上

交通事故紛争処理センターは、2018年11月現在、全国に11の拠点があります。

全国の紛争処理センター拠点

東京本部、札幌支部、仙台支部、名古屋支部、大阪支部、広島支部、高松支部、福岡支部、さいたま相談室、金沢相談室、静岡相談室
※2018年11月現在

各拠点には対応エリアが決まっており、原則的に申立人の住所地又は事故地に対応した拠点で相談・あっ旋を取り扱うことになります。

連絡先は電話窓口

交通事故紛争処理センターに法律相談・紛争解決を依頼したい場合は、まず電話で相談予約をする必要があります。
電話での相談は受け付けておらず、施設まで申立人自身が赴く必要があります。

各地域の対応エリアや連絡先はこちらのサイトをご参照ください。
紛争処理センターの利点や注意点について詳しく解説されています。

Q3

適正な慰謝料を受け取るための方法は?

交通事故の被害に遭われた方やご家族にとって、一番の関心事は、怪我の治療と十分な補償についてだと思われます。
特に、なるべく時間や手間をかけずに適正な慰謝料を受け取るための要点について説明していきます。

保険会社に対する拘束力あり

交通事故紛争処理センターは、被害者と加害者側任意保険会社の双方が、和解案に同意し示談が成立するようあっ旋します。
和解案に双方が同意した場合は、そこで示談が成立し紛争処理は終了ということになります。

和解あっ旋が不調に終わった(示談が成立しなかった)場合には、被害者は紛争処理センターに審査を申し立てることができます。
審査申し立てが受理された場合には、審査会を経て裁定が決まります。
この裁定は、被害者側の同意さえあれば有効と認められ、保険会社側はこの裁定の内容に拘束されます。

交通事故紛争処理センターと各種保険会社・共済は協定を結んでおり、保険会社側は紛争処理センターの裁定を尊重すべき義務を負っています。
和解(示談)は双方が同意して成立するものなので、その内容にお互いが従うのは当然のことです。
一方で、紛争処理センターの裁定も、被害者側の同意さえあれば、保険会社側も事実上それに従わなければいけない仕組みになっているのです。

紛争処理センターは『被害者の味方』ではない

交通事故紛争処理センターは、裁判ほど時間や手間もかからず、公正な手段で紛争を解決できる有益な手段です。
ただし、現実的に紛争処理センターを有効に活用するためには、ある程度のハードルを越える必要があります。

紛争処理センターの相談担当弁護士は、あくまで『中立な第三者』であり、『被害者の味方』というわけではありません。
必要な書類のアドバイスなどはしてくれますが、書類・資料を実際に用意する作業・費用は自身で負担することになります。
特に、相手方の保険会社と主張が真っ向から対立している部分については、自力で主張立証しなければ、望んだ増額が認められない可能性があります。

また、相談や和解あっ旋のためには、自身がセンターまで赴く必要があり、場合によっては軽くない負担となります。

これらのハードルに不安がある方は、自身の代理人として弁護士に依頼する手段も検討してください。
交通事故に詳しい弁護士に依頼すれば、

  • 書類の準備
  • 主張が対立する部分の立証
  • 和解あっ旋の立ち合い

などを弁護士に一任することができます。

交通事故紛争処理センターを利用して裁判よりもスムーズに解決したい場合に、弁護士に相談することはもちろん有効です。
しかし、自分の弁護士をつければ、そもそも紛争処理センターを利用する必要もなく、よりスムーズに適正な慰謝料を受け取れる可能性が高まります。
詳しくは以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
被害者が弁護士に相談するメリットは?

まずは、ご自分が本来受け取れる見込みの慰謝料金額を質問するだけでも、アトムの無料相談をご利用ください。

全国/24時間/無料相談

無料相談窓口のご案内