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交通事故の過失割合|なぜ示談でもめる?事例でみる10対0・9対1・8対2の違い

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交通事故における過失割合は、どのような意味を持つのでしょうか。

  • 交通事故の過失割合とは
  • 判例から過失割合を知ることはできるのか
  • 過失割合について納得できないときは

交通事故に力を入れる弁護士が解説します。


1

交通事故における過失割合の基本

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Q1

過失割合とは?

過失割合とは、交通事故の当事者双方の過失(不注意)の程度を割合で示したものです。

交通事故でも、とくに車同士の交通事故では、怪我をした方だけが全面的に被害者であると言い切ることはできません。

事故当事者のどちらにも何らかの過失があることが多くなっています。

お互いに過失がある場合は、どちらも加害者であり被害者であるといえます。

双方の過失を割合で示すことで、事故で生じた結果に対してお互いどう責任をとっていくのかを数字で見ることができます。

過失割合は「基準」から決められることになり、過去の民事裁判例から基準が作られています。

過失割合の認定基準
  • 「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(通称:赤い本
  • 「別冊判例タイムズ38号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準〔全訂5版〕」(通称:判例タイムズ
Q2

過失割合の示談はなぜもめる?慰謝料との関係

過失割合は、相手方の保険会社ともめる点の一つとも言えます。

慰謝料といった損害賠償の金額に大きく影響してくるからです。

たとえば、Aさんの過失割合が「1」、Bさんの過失割合が「9」の交通事故があったとします。

Aさんの損害総額が100万円であれば、Bさんが負う賠償額は90万円となります。

Bさんに10万円の損害があれば、Aさんが負う賠償額は1万円となります。

自分が被った全損害額から過失割合分が差し引かれることになり、これを過失相殺といいます。

さらに、過失割合に応じて、事故の当事者はお互いに賠償責任を負います。

過失割合と慰謝料(損害賠償)の関係
Aさん Bさん
過失割合 1 9
自分の損害額 100万円 10万円
過失相殺後の損害額 90万円 1万円
▼相殺払いすると▼
受け取れる賠償額 89万円 0

過失割合でもめるときは、客観的な証拠が少ないようなときが多くなっています。

ドライブレコーダーや目撃証言などといった動かぬ証拠を提示することができればもめることも少なくなるでしょう。

2

交通事故の事例から過失割合をしる

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Q1

過失割合「10対0」の事例は?

過失割合が「10対0」となる交通事故の事例は、次のようなものが考えられます。

  • 駐停車していた車両に追突した
  • センターラインをオーバーして対向車と衝突した

このような交通事故は10対0の過失割合が基準となることが想定されます。

過失割合が10対0であれば、被害者は被ったすべての被害を金額に換算して加害者に対して損害賠償請求することができます。

Q2

過失割合「9対1」の事例は?

過失割合が「9対1」となる交通事故の事例は、次のようなものが考えられます。

一方が優先道路を走行中の車と交差点で衝突した

このような交通事故は9対1の過失割合が基準となることが想定されます。

過失割合が9対1であれば、被害総額の9割を加害者に対して損害賠償請求することができます。

残りの1割は自己負担となり、相手方が受けた損害の1割に対する賠償責任を負います。

Q3

過失割合「8対2」の事例は?

過失割合が「8対2」となる交通事故の事例は、次のようなものが考えられます。

交差点で右折車直進車が衝突した

このような交通事故は8対2の過失割合が基準となることが想定されます。

過失割合が8対2であれば、被害総額の8割を加害者に対して損害賠償請求することができます。

残りの2割は自己負担となり、相手方が受けた損害の2割に対する賠償責任を負います。

3

交通事故の過失割合が納得できないとき

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Q1

過失割合はいつ決まる?

過失割合については、被害者と加害者が示談交渉という話し合いを通して決まります。

多くの場合は、相手方が任意で加入している保険会社とおこなうことになります。

交通事故による損害のすべてが算定できたら、相手方の保険会社と過失割合について協議して合意を結ぶことになります。

合意はお互いが納得しなければ結ぶことはできません。

過失割合について納得できない場合は、弁護士にご相談ください。

あなたに代わって弁護士が保険会社と話し合いをおこないます。

弁護士が代わりに示談交渉をおこなうことで、主張が通る可能性が高まります。

増額交渉(弁護士あり)
Q2

過失割合が決まらないなら弁護士に相談?

過失割合があると、受け取る損害賠償の金額に影響をおよぼすことになります。

「より多くお金を受け取りたい」
「支払う金額をおさえたい」
というのが本心のため、過失割合がなかなか決まらないことが多いようです。

保険会社から提示を受けた過失割合に疑問があるなどという方は、弁護士にご相談ください。

交通事故を専門とする弁護士に相談することがポイントです。

アトム法律事務所は、交通事故の案件を数多く取りあつかっています。

交通事故に精通した弁護士に相談したいという方は、ぜひアトムの弁護士にご相談ください。

アトム法律事務所では、24時間365日、相談予約を受け付け中です。

LINE窓口電話窓口では順番に弁護士に直接、相談することができます。

※弁護士相談は順番にご案内していますので、お時間をいただく可能性があります。

交通事故の過失割合でお悩みの方は、気軽にご相談ください。

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交通事故の過失割合でもめる場合のQ&A

交通事故における過失割合とは?

過失割合は、交通事故を引き起こした原因となった過失(不注意)の程度を割合で示したものをいいます。車同士の交通事故では怪我を負ったほうが全面的に被害者だとは言い切れません。お互いに何らかの過失があるケースが多いです。過失割合は過去の裁判例を基準として決められることになります。 過失割合の意味について

なぜ過失割合は争われるのか?

過失割合は慰謝料をはじめとした損害賠償の金額に影響を与えます。過失割合に応じて当事者はお互いの損害に対して賠償責任を負うことになります。得られる金額に影響がでるので、ドライブレコーダーなどの客観的証拠がないような場合はもめることが多いです。 過失割合と慰謝料の関係

過失割合はいつ頃決まる?

交通事故の当事者双方による話し合い(示談交渉)を通して過失割合は決められることになります。交通事故による損害のすべてが算定できたら、過失割合についての協議をおこない、納得できたら合意を結びます。納得のいかない過失割合を相手方から主張されている場合は弁護士に相談してみましょう。 過失割合の決定時期について

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