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歩行者が悪い、原因の交通事故|慰謝料は?保険は使える?飛び出しなどケース別に解説

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交通事故に遭うと、多くの場合歩行者が被害者です。

しかし、被害者であっても、交通事故発生に対して責任があれば、それが慰謝料などに反映されます。

  • 歩行中に飛び出して交通事故になったけれどどうなるのだろう
  • 歩行者側に原因がある交通事故でも保険は使えるのだろうか
  • 歩行者の慰謝料が減るのは何故?

交通事故に遭った歩行者の方のこうした疑問に、弁護士とともにお答えします。

1

交通事故|歩行者が悪い場合の過失割合や慰謝料

Q1

交通事故|被害者(歩行者)の慰謝料は?

交通事故の被害者は、加害者側に対し損害賠償を請求することができます。

損害賠償金の中には治療費のように実際に被った金銭的損害の他、慰謝料も含まれます。

慰謝料とは、精神的苦痛に対して支払われる補償金のことです。

では、交通事故の被害者が受け取れることができる慰謝料の内訳を見てみましょう。

交通事故の慰謝料
内容
傷害慰謝料 交通事故のけがによる入通院で被った精神的苦痛に対する補償
後遺障害慰謝料 後遺障害が残ったことで今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償
死亡慰謝料 交通事故で亡くなった本人および遺族の精神的苦痛に対する補償

慰謝料の相場を知りたい場合には、こちらの慰謝料計算機もご利用ください。

Q2

過失割合とは?歩行者の責任を反映?

慰謝料を含む損害賠償額が決まっても、必ずしもその金額がそのままもらえるわけではありません。

過失割合をもとに過失相殺が行われるからです。

過失割合

交通事故が起こった責任が、被害者と加害者それぞれにどれくらいあるかを示したもの。

この割合を損害賠償額に反映させることを過失相殺という。

交通事故の中には、必ずしも加害者が100%悪いとは言えないというものもあります。

被害者が突然飛び出してきたとか、信号を無視したなどというときがそうです。

このように被害者にも一定の責任がある場合には、過失割合という形でそれを示します。

そして、加害者が払う損害賠償に反映させるのです。

ではここで、過失相殺がどのように行われるのかを見てみましょう。

過失相殺の計算方法
被害者
過失割合 2
損害の総額 1000万円
結果 1000万円×(10.2)=800万円
Q3

歩行者が被害者・死亡でも過失割合がある?

過失割合は、たとえ被害者であっても、被害者側に過失が認められれば付けられます。

それは、被害者が交通事故で死亡してしまった場合でも同じです。

被害者である以上、過失割合は加害者よりも少ないことが多いですが、過失に見合った割合がつけられるのです。

自分は被害者だから損害賠償は全額受けられると考えられがちです。

しかし、過失相殺によって受け取れる損害賠償額が減ることもあるので、注意が必要です。

Q4

過失割合があっても保険は使える?

交通事故の被害者が利用する保険には、以下のようなものがあります。

被害者側の保険の種類
特徴
対人賠償保険 相手の人身損害を補償する
対物賠償保険 相手の物的損害を補償する
車両保険 自分の車の物的損害を補償する
人身傷害補償保険 保険契約者やその家族が交通事故でけがをした場合の補償
搭乗者傷害保険 保険契約車の搭乗者が交通事故で死傷した際の補償
無保険車傷害保険 ひき逃げ、無保険車との事故で死亡したり後遺障害を被った際の補償

これらの保険は、たとえ過失割合があっても利用することができます。

ただし、故意や重過失、闘争行為や自殺行為などが認められた場合には利用することができません。

また、保険によって、受け取れる金額に過失割合が影響するかどうかが変わります。

では、過失割合が影響する保険と影響しない保険を見てみましょう。

過失割合が影響する保険

過失割合が影響する保険は、対人賠償保険対物賠償保険無保険車傷害保険です。

対人賠償保険対物対象保険は、相手から請求された金額をカバーするものです。

つまり、相手から請求された人身損害や物的損害額のうち、自分の過失割合分を負担してもらえるということです。

相手から請求される金額は、過失相殺を行った金額であるため、これらの保険が過失割合の影響を受けるのは自然なことです。

無保険車傷害保険は、加害者が任意保険に未加入、ひき逃げ等で加害者が分からない等の場合に利用します。

加害者側からの賠償金は通常加害者側任意保険会社から支払われますが、この場合それができません。

そこで、被害者側の任意保険会社が加害者側の任意保険会社のような役割を担おうというものが無保険車傷害保険です。

そのため、加害者側任意保険会社による賠償金支払いの場合と同様に、過失割合が適用されます。

その結果、被害者が被った損害賠償金のうち、相手の過失割合分を支払ってもらえるということです。

なお、無保険車傷害保険は、被害者が死亡または後遺障害を被った場合のみ利用できます。

では、これらの保険と過失割合の関係についてまとめてみましょう。

過失割合が影響する保険
補償範囲
対人補償保険 過失相殺後の相手からの請求額
(本人の過失割合分)
対物補償保険
無保険車傷害保険 被った損害額のうち、相手の過失割合分

過失割合が影響しない保険

一方、過失割合が影響しない保険としては、人身傷害補償保険搭乗者傷害保険車両保険があります。

人身傷害補償保険では、

事故時契約車に同乗していた人全員

他車搭乗中または歩行中、自転車運転中に交通事故に遭った契約者及びその家族

に対して保険金が支払われます。

契約時に決めた上限額内で、過失割合に関係なく保険金が支払われます。

搭乗者傷害保険では、事故時契約車に同乗していた人全員に保険金が支払われます。

その金額は、けがの部位や程度によって定められています。

車両保険は、車両に関する損害を、契約時に決めた上限額内で、過失割合に関係なく補償してもらえます。

では、これらの違いをまとめてみましょう。

過失割合が関係しない保険
補償範囲
人身傷害補償保険 上限額内での人身損害額
搭乗者傷害保険 けがの部位・程度ごとの定額
車両保険 上限内での車両の損害
2

ケース別|信号無視、飛び出し…ケース別歩行者の過失割合

ではここからは、歩行者と自動車の交通事故の過失割合を見ていきましょう。

過失割合は、事故類型ごとに基準が定められています。

では、信号無視、飛び出しの場合の過失割合を見てみましょう。

Q1

歩行者が信号無視をした交通事故は?

歩行者の信号無視が認められる交通事故の過失割合は、以下の通りです。

過失割合①
歩行者
信号
過失割合 70 30

参考:別冊判例タイムズ38(5)

歩行者赤信号、車青信号の状況で歩行者が信号無視した場合には、歩行者の方が過失割合が大きくなります。

ただし、このように過失割合が定められた事故類型と実際の交通事故がそのまま同じであるとは限りません。

夜間であるとか、歩行者が幼児で信号の意味を理解しかねたなど、それぞれの事故に個別的な事情があることがほとんどです。

そのような場合のために、事故類型ごとに定められた過失割合に修正要素というものを加えていきます。

この場合の修正要素の一部をご紹介します。

過失割合①の修正要素
歩行者
住宅街・商店街等 10
児童・高齢者
(歩行者)
-10
幼児・身体障碍者等
(歩行者)
-20
車の重過失 -20

参考:別冊判例タイムズ38(5)

修正要素

交通事故の個別的な事情を考慮し、過失割合に反映させるための項目のこと。

Q2

歩行者が飛び出した交通事故は?

飛び出しは、「直前直後横断」という修正要素として考えられることが多いです。

直前直後横断が認められると、一般的には歩行者の過失割合が+10になります。

では、歩行者が飛び出した場合の過失割合の一例を見てみましょう。

横断歩道でなく、なお且つ近くにも横断歩道や交差点のない場所での飛び出しです。

過失割合②
歩行者
過失割合 20 80
直前直後横断 10
結果 30 70

参考:別冊判例タイムズ38(37)

さらに、他の修正要素が加えられた場合の例も見てみましょう。

過失割合②の修正要素
歩行者
夜間 5
幹線道路 10
歩車道の区別なし -5

参考:別冊判例タイムズ38(37)

3

歩行者の交通事故は弁護士に相談

Q1

歩行者の交通事故|弁護士相談のメリットは?

歩行者の交通事故を弁護士に相談するメリットとして、以下のものがあげられます。

過失割合の交渉を代行してもらえる

適切な過失割合が分かる

示談交渉も代行してもらえる

過失割合を考える際、事故類型に応じた過失割合を参考にすることはできます。

しかし、必ずしも当該事故にぴったりな事故類型があるとは限りませんし、修正要素などを考慮していく必要もあります。

その結果、絶対にこれが正しい過失割合だ、と言えるかどうか、不安になることもあります。

そんな時でも弁護士がいれば、妥当な過失割合を専門家の目線から導き出してもらえます。

過失割合を導き出しても、その後加害者側と話し合う必要があります。

ここできちんと主張を通すことができなければ過失割合は不当なものになってしまいます。

しかし、交渉相手は示談交渉のプロともいえる加害者側任意保険会社であることが多く、簡単ではありません。

過失割合の交渉も弁護士に頼めるというのも、大きなメリットです。

Q2

無料相談|契約前に気になることがある時は?

弁護士に依頼すると安心、とわかっていても、

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本当に弁護士に相談するほどのことなのか

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