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今回は、交通事故における「過失相殺」に焦点をしぼって解説していきます。
交通事故にくわしい弁護士による解説ですすめます。
目次
交通事故が起きたとき、ほとんどの事故ではお互いに過失があったとみなされます。
過失とは、不注意のことです。
過失割合は、最終的に受け取ることができる損害賠償の金額に影響を与えます。
被害者に過失があるのなら、その過失分まで加害者に請求することはできません。
自分の過失割合分を損害賠償額から差し引かれることを過失相殺といいます。
過失相殺された損害賠償が、最終的に被害者が受け取る損害賠償の金額となります。
過失相殺は、被害者と加害者の双方に公平な損害賠償の金額を計算するという点で不可欠です。
ここまで解説してきた過失相殺は、任意保険会社から支払われる損害賠償に対しておこなわれるというものです。
交通事故にあったときにうけられる補償は、相手方の任意保険会社だけではありません。
勤務中などに交通事故にあった場合は、労災を利用することができます。
労災から交通事故の補償をうける場合、労災補償に対して過失相殺はおこなわれません。
労災保険では、治療費・通院交通費といった実際の出費に関しては全額支給されます。
もっとも、労災保険は傷害慰謝料・入通院慰謝料など適応外の項目も多くあります。
適応外の慰謝料などは別途、加害者に対して請求する必要があります。
このとき、双方に過失があるなら「慰謝料に対して過失相殺されることになる」という点はご留意ください。
過失相殺の計算は、まず過失割合を決めるところからはじまります。
過失割合は、交通事故の典型的な「事故類型」をまとめた書籍から決められることになります。
これらは、過失割合の基準が掲載されています。
書籍には交通事故で過去におこなわれた裁判の結果がまとめられており、「過失割合の基準」となります。
過去の判例と似た事故内容であれば、過失割合もその判例と同じように考えることができます。
もっとも、交通事故の内容は複雑でそれぞれ異なります。
すべての事故を安易に事故類型として分類することはできません。
個別の事情を過失割合に反映できるよう、「修正要素」も考慮されます。
修正要素とは、
など事故類型によってさまざまで、細かく設定されています。
事故類型に対応する基本の過失割合に、修正要素を加味して決められる
過失割合は、基準書から決められることが分かりました。
では、過失相殺はどうやって計算されるのでしょうか。
過失相殺の計算を端的に表すなら
「自分の総損害賠償額」-「自分の過失割合分」
となります。
過失相殺されると、受け取る賠償金額が少なくなるのはお分かりいただけると思います。
ただ、具体的な数字を見ないとイメージがつかないと思います。
例を出して考えていきたいと思います。
被害者が最終的に受け取る賠償金の金額は?
被害者 | |
---|---|
過失割合 | 加害者90:被害者10 |
総損害額 | 300万円 |
過失相殺分 | 30万円 |
受け取る損害賠償金 | 270万円※ |
※先行して支払われた治療費などの既払金がある場合は、既払分がさらに差し引かれる
このような事故が想定されます。
判例についてさらに詳しくはこちら
過失割合は最終的に受け取る損害賠償の金額を左右します。
できればより多くの賠償が受けられるに越したことはありません。
9対1の過失割合を、9対0や10対0に変更することはできるのでしょうか。
過失割合は、任意保険会社が検討して提示してくることになります。
提示を受けた過失割合が適正なものなのかどうかの判断は、弁護士にお任せいただきたいです。
交通事故にくわしい弁護士であれば、過去の判例に沿った適切な過失割合を導き出すことができます。
適正な過失割合を裏付ける証拠を集めたりして、保険会社と示談交渉をおこないます。
過失割合・過失相殺について、不明瞭な点があるとお悩みではないですか?
「提示された過失割合に納得できない」
「過失割合は妥当なものなのか」
「過失割合が9:1といわれたけど10:0にはならないのか」
過失割合・過失相殺は、最終的に手元に入ってくる損害賠償額にかかわってきます。
早まって合意する前に、弁護士に一度、ご相談ください。
アトム法律事務所の弁護士は、交通事故の被害者の方に代わって保険会社との示談交渉を数多くおこなっています。
交通事故について相談するなら、交通事故を数多く取りあつかう弁護士に相談してみましょう。
過失相殺などに関しては、随時無料相談を実施していますので、些細な点でも気軽にご相談ください。
専属スタッフが24時間・365日対応していますので、気軽にお問い合わせください。
順番に弁護士より回答させていただきます。
野尻大輔
過失割合とは、不注意の程度がどのくらいだったのかということを割合で示しています。
「9対1」(90:10)、「8対2」(80:20)といった風に表されます。