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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
うつ病とは、気分の落ち込み、喜びや興味の減退などの症状が一定期間(2週間以上が目安)持続するものです。
そして、交通事故が原因でうつ病になってしまうことも…。
記憶力低下、物忘れ、不眠、イライラなど、うつ病になってしまうと日常生活のあらゆる場面で支障がありますよね。
目次
奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医
藤井 宏真医師
うつ病を放置すると慢性化するおそれがあります。抑うつ気分、健忘・記憶力低下など日常生活に支障がある方は、早期に精神科・心療内科を受診しましょう。
うつ病には、以下のような症状があります。
など
これらの症状について、2週間以上持続する場合、うつ病と診断されることが多いです。
うつ病は、医師がその診断基準に照らして、該当する症状の有無を調べます。
そして、必要に応じて、
が行なわれます。
画像検査は、うつ病と似た症状をひきおこす病気と、うつ病とを区別するためのものです。
血液検査は、うつ病と関係するホルモンバランスの異常を調べるものです。
うつ病について、セルフチェックリストが公表されていることも多いです。
精神科・心療内科の受診をする前に試してみてはいかがでしょうか。
うつ病の場合、精神科および神経科(精神神経科)、メンタルヘルス科、一部の心療内科を受診しましょう。
うつ病は、放置すると慢性化しやすいともいわれています。日常生活に少しでも支障があると思ったら、早期に受診しましょう。
うつ病については
などの治療が行なわれます。
重度のうつ病では、入院治療が必要になることがあります。退院後は、生活支援のためのデイケアに通ったり、カウンセリングを継続することで仕事復帰を目指します。
治療のための薬物療法だとはいえ、薬の副作用で薬物依存になってしまうのが怖いとお考えの方もおられるかもしれません。
依存の知識がなく漫然と処方を続けてしまう医師や、中には患者の求めるままに言われた薬を処方して、結果的に乱用を手助けしてしまう医師もいます。(中略)自分の飲んでいる薬が心配になって「やめなければ」と思うかもしれませんが、自己判断で減薬・断薬を行なうのは非常に危険です。
引用元:特定非営利活動法人アスク(https://www.ask.or.jp/article/%E8%96%AC%E7%89%A9%E4%B9%B1%E7%94%A8%E3%83%BB%E4%BE%9D%E5%AD%98/%E8%96%AC%E7%89%A9%E4%B9%B1%E7%94%A8%E3%83%BB%E4%BE%9D%E5%AD%98%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8D%E3%81%86/%E5%87%A6%E6%96%B9%E8%96%AC%E4%BE%9D%E5%AD%98)
薬物依存について不安なときは、担当医師に相談するか、セカンドオピニオンを求めましょう。
うつ病は、治る病気といわれる一方、再発しやすい病気です。
慢性化しやすいものも特徴で、後遺障害としては、以下のような精神症状があります。
抑うつ状態
悲しい、寂しい、憂うつ、絶望感、おっくう感
不安の状態
強い不安、強い苦悩など
意欲低下の状態
自発性に乏しい、口数が少ない
慢性化した幻覚・妄想
記憶又は知的能力の障害
その他の障害
衝動性、不定愁訴など
それぞれがどのような症状であり、等級が何級になるかは次の章で詳しく説明します。
上述した後遺障害等級に認定されると、相手方から支払われる金銭が増えます。
後遺障害が残った場合に追加で支払われる金銭の一つが、後遺障害慰謝料です。
後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
慰謝料相場は、後遺障害等級によって異なります。
また、後遺障害慰謝料の他に支払われるものとして逸失利益があります。
なお、「労働能力喪失率」は障害の部位や程度、被害者の職業などを考慮して増減することがあります。
主婦などの場合の年収算定方法や、ライプニッツ係数一覧などはこちらの記事をご覧ください。
うつ病の特徴としては、個人の性格の問題であると認定される可能性があることです。
そのような認定がされてしまうと、等級認定されない(=非該当)という結果も考えられます。
等級認定の確率を高めるには、立証のための医学的証拠をそろえることが重要です。
交通事故に詳しい弁護士に相談することで十分な補償を受けられるようにしましょう。
では、実際にうつ病で後遺障害等級の申請をして、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。
治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6カ月以上経っている必要があります。
これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。
うつ病(非器質性精神障害)については、後述する「労災認定基準」を参考に認定されることが多いです。
そのため、以下のような項目について、日常生活の具体的なエピソード(日付・時間・行動)を記録しておくと、診断書作成の際に役立ちます。
症状固定の診断を受けたならば、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。
後遺障害の申請には、2種類の方法があります。
被害者請求は手間がかかりますが、後遺障害等級の認定に有利な資料を自分で精査できるのが強みです。なお、弁護士に資料収集作業を任せることもできます。
事前認定と被害者請求
事前認定 | 被害者請求 | |
請求者 | 相手方保険会社 | 被害者自身 |
メリット | 資料収集の手間がない | 自分で資料を確認できる |
デメリット | 自分で資料を確認できない | 資料収集の手間がかかる |
提出された資料をもとに、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。
交通事故が原因となって、どのような精神症状があらわれ、結果として、いかなる損害が発生したのかが審査されます。
審査結果をふまえ、自賠責保険会社が等級認定を行います。
より細かな認定手順、後遺障害診断書の書き方などについては以下の記事を参照してください。
後遺障害等級の申請について
交通事故によるうつ病(非器質性精神障害)について、認定される後遺障害等級は以下のようになります。
うつ病(器質性精神障害)の後遺障害等級
等級 | 内容 |
9級 10号 | 神経系統の機能又は精神に障害を 残し、服することができる労務が 相当な程度に制限されるもの |
12級 13号 | 局部に頑固な神経症状を 残すもの |
14級 9号 | 局部に神経症状を 残すもの |
具体的な認定基準は、次のとおりです。
うつ病(器質性精神障害)の認定基準
等級 | 基準 |
9級 10号 | 精神障害のため、日常生活において 著しい支障が生じる場合 |
12級 13号 | 精神障害のため、日常生活において 頻繁に支障が生じる場合 |
14級 9号 | 精神障害のため、日常生活において 時々に支障が生じる場合 |
このような交通事故の後遺障害等級の認定基準については、やや具体性を欠くことから、以下のような労災認定基準が参考にされます。
一定の精神症状(a)が1つ以上ある場合
によって等級を認定する。
①抑うつ状態 ②不安の状態 ③意欲低下の状態 ④慢性化した幻覚・妄想 ⑤記憶又は知的能力の障害 ⑥その他の障害 |
うつ病(器質性精神障害)の認定基準
等級 | 内容 |
9級 10号 | ▼就労意欲がある場合 ・b②~⑧のうち1つの能力が、欠ける ・bの4つ以上の能力について、しばしば助言や援助が必要 |
▼就労意欲が低下・欠落した場合 ・身辺日常生活(b①)について、時に助言や援助が必要 | |
12級 13号 | ▼就労意欲がある場合 ・bの4つ以上の能力について、時に助言や援助が必要 |
▼就労意欲が低下・欠落した場合 ・身辺日常生活(b①)について、適切または概ねできる | |
14級 9号 | ・bの1つ以上の能力について、時に助言や援助が必要 |
※aに該当する精神症状が一つ以上あることが前提となる。
①身辺日常生活の状況 ②仕事・生活に積極性・関心 ③通勤・勤務時間の厳守 ④普通に作業を持続すること ⑤他人との意思伝達 ⑥対人関係・協調性 ⑦身辺の安全保持、危険の回避 ⑧困難・失敗への対応 |
慰謝料の金額の算定方法は、相手方が提示してくるもの(自賠責基準・任意保険基準)と、弁護士が交渉することで請求できるもの(弁護士基準)で大きく異なります。
うつ病(非器質性精神障害)に対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。
うつ病(器質性精神障害)の慰謝料の相場
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
9級10号 | 245 | 690 |
12級13号 | 93 | 290 |
14級9号 | 32 | 110 |
※単位:万円
等級にもよりますが、弁護士に依頼することで2倍以上の後遺障害慰謝料を請求できます。
慰謝料の増額を目指すのであれば、できるだけ早い段階から弁護士と相談しておくことが重要です。
交通事故の後遺症として、うつ病になると、記憶力低下、イライラする、不眠など生活に影響の大きな影響がでてしまいます。
にもかかわらず、相手方保険会社から提示される慰謝料・逸失利益は被害者の受けた損害に対して不十分なことがあります。
損害に対する十分な補償を受け取るためには、弁護士に依頼することが一番です。
保険会社との示談交渉などを一任することで慰謝料増額が叶うだけではなく、手続きの煩雑さなどから解放されます。
うつ病による慰謝料はいくらになるのか、通院に関する注意、後遺障害等級の申請方法など、どのようなことでも結構です。
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(第二東京弁護士会)
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。