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作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
ストレートネックとは、頸椎(首の骨)の生理的前湾(前方への湾曲)が消失した状態のことです。
交通事故で首付近に強い衝撃をうけると、ストレートネックになることがあります。首の痛み・しびれなどの後遺症がのこって生活に支障がでないか、不安に思われる方も多いでしょう。
ストレートネックでは、どのような後遺症が残るのか、慰謝料はいくら貰えるのか、弁護士が解説します。
目次
奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医
藤井 宏真医師
ストレートネックは放置すると、痛み等の症状が悪化するおそれがあります。治療で回復しない場合、傷病名が変わる可能性もあります。早期に整形外科の治療を受けましょう。
ストレートネックには以下のような症状があります。
スマホやデスクワークなど下を向く姿勢が原因といわれていますが、交通事故で首に強い衝撃をうけたことが原因で、ストレートネックになることもあります。
ストレートネックについては、問診とともに、レントゲン検査で診断されます。
ストレートネックの症状があらわれら早期に整形外科を受診しましょう。
交通事故の衝撃のような、日常生活ではありえない衝撃が加わると、頚部(首)周辺の筋肉や靱帯は緊張状態になり、ストレートネックが生じます。
ただ、このような過緊張によるストレートネックは一過性のものとされ、交通事故から3ヵ月程度経過すると、MRI画像の所見を得ることが出来なくなってしまうおそれがあるのです。
したがって、のちの後遺障害等級認定のことを考えると、受傷後すぐに通院し、MRI検査をうける必要があります。
このような事情から、整骨院・接骨院に通院を希望する方もおられます。しかし、整骨院への通院は治療として認められないことがあるので、治療費・慰謝料が少なくなる可能性があります。
どうしても整骨院に通院したい
このようにお考えの方は、整骨院に通院する前に保険会社に相談しましょう。
担当者によっては、整骨院通院でも治療費・慰謝料が認められることがあります。
治療効果を上げるためにも、整形外科と整骨院の併用が適切かどうか、医師に相談する必要もあるでしょう。
お悩みの際は、弁護士の無料相談をご活用ください。
ストレートネックについては、基本的に手術は必要ありません。
交通事故によるストレートネックは、頚部周辺の筋肉の過緊張によって生じることが多いようです。
そのため、筋肉の緊張をほぐしてあげると症状が回復にむかいます。適度なストレッチが必要です。
一説では、枕や整体(骨格矯正)により、ストレートネックの症状が改善されるといわれています。
ですが、推奨していない整形外科もあるため、まずは医師に相談したほうがよいでしょう。
首に負担のかからない姿勢を保つよう心がけたり、ストレッチングや運動で筋肉を柔軟に動かしてやったりすることも有効です。なお、いわゆるストレートネックが整体や枕で医学的に矯正されることはありません
引用元:東京ミッドタウンクリニック(https://www.tokyomidtown-mc.jp/outpatient/orthopedics.html)
ストレートネックを負うような怪我により、生じることのある後遺障害には以下のようなものがあります。
頚部の痛み・痺れ
このような症状について、等級が何級になるかは次の章で詳しく説明します。
上述した後遺障害等級に認定されると、相手方から支払われる金銭が増えます。
後遺障害が残った場合に追加で支払われる金銭の一つが、後遺障害慰謝料です。
後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
慰謝料相場は、後遺障害等級によって異なります。
また、後遺障害慰謝料の他に支払われるものとして逸失利益があります。
意味
後遺障害が残ったことで労働能力が失われ収入が減ることへの補償
計算方法
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳–症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数
なお、「労働能力喪失率」は障害の部位や程度、被害者の職業などを考慮して増減することがあります。
主婦などの場合の年収算定方法や、ライプニッツ係数一覧などはこちらの記事をご覧ください。
ストレートネックの場合、交通事故との因果関係、整骨院への通院によって、保険金が減額されてしまう可能性があります。
因果関係の立証や、整骨院の治療費・通院慰謝料の示談金額など、交通事故に詳しい弁護士に相談することで十分な補償を受けられるようにしましょう。
では、実際にストレートネックで後遺障害等級の申請をして、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。
治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6カ月以上経っている必要があります。
これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。
症状固定の診断を受けたならば、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。
後遺障害の申請には、2種類の方法があります。
被害者請求は手間がかかりますが、後遺障害等級の認定に有利な資料を自分で精査できるのが強みです。なお、弁護士に資料収集作業を任せることもできます。
事前認定と被害者請求
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
請求者 | 相手方保険会社 | 被害者自身 |
メリット | 資料収集の手間がない | 自分で資料を確認できる |
デメリット | 自分で資料を確認できない | 資料収集の手間がかかる |
提出された資料をもとに、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。
レントゲン画像と自覚症状の一致などについて、審査されます。
審査結果をふまえ、自賠責保険会社が等級認定を行います。
ストレートネックについては、交通事故との因果関係が問題とされやすいです。
交通事故と受傷との因果関係とは、「被害者の怪我は、交通事故が原因で生じた」という関係のことをいいます。
ストレートネックは、頸椎の前湾消失ですが、これは、そもそも年齢変性(加齢による変化)や生活習慣が原因になることが多く、交通事故に遭わなくてもストレートネックになっていた可能性があります。
したがって、「被害者のストレートネックは、交通事故が原因で生じた」という因果関係の立証がむずかしいものなのです。
しかし、このような場合でもレントゲン撮影を必ず行ないます。そして、交通事故にあって初めて、首の痛み・しびれなどの症状があらわれたことを立証していくことで、等級認定を目指せる可能性があります。
より細かな認定手順、後遺障害診断書の書き方などについては以下の記事を参照してください。
後遺障害等級の申請について
認定される後遺障害等級は以下のようになります。
ストレートネックによる痛み・しびれ
等級 | 症状 |
---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
ここでの等級は「頑固な」という言葉で分けられています。
とはいっても障害の程度のみではなく、
が大きな判断要素となります。
痛みやしびれ症状が医学的に証明可能な場合は12級13号、一応の説明や推定が可能な場合は14級9号に該当します。
ですので、おおよそ半年以上通院して症状の経過を明らかにし、適宜検査を受けることが重要です。
慰謝料の金額の算定方法は、相手方が提示してくるもの(自賠責基準・任意保険基準)と、弁護士が交渉することで請求できるもの(弁護士基準)で大きく異なります。
痛み・しびれの症状に対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。
痛み・しびれの後遺障害慰謝料の相場
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
12級13号 | 93 | 290 |
14級9号 | 32 | 110 |
※単位:万円
等級にもよりますが、弁護士に依頼することで2倍以上の後遺障害慰謝料を請求できます。
慰謝料の増額を目指すのであれば、できるだけ早い段階から弁護士と相談しておくことが重要です。
ストレートネック以外の首の後遺症については、こちらをご覧ください。
ストレートネックになると、首の痛みや痺れなど、日常生活に支障をきたす後遺障害が残る可能性があります。
また、そもそもストレートネックだった方が、交通事故による衝撃を首にうけることで、痛みや痺れを感じるようになることもあります。
にもかかわらず、相手方保険会社から提示される慰謝料・逸失利益は被害者の受けた損害に対して不十分なことがあります。
損害に対する十分な補償を受け取るためには、弁護士に依頼することが一番です。
保険会社との示談交渉などを一任することで慰謝料増額がかなうだけではなく、手続きの煩雑さなどから解放されます。
首の痛み・しびれによる慰謝料はいくらになるのか、通院に関する注意、後遺障害等級の申請方法など、どのようなことでも結構です。
まずはお気軽にLINE・電話での無料相談をご利用ください。
(第二東京弁護士会) 第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
ストレートネックの主な症状として、首こり・肩こり・首の痛み・耳鳴り・めまい・頭痛・自律神経失調症・手、腕のしびれなどがあげられます。ストレートネックの原因はスマホやデスクワークなど下を向く姿勢が原因といわれていますが、交通事故で首に強い衝撃をうけたことが原因で、ストレートネックになることもあります。 ストレートネックの症状とは?
交通事故に遭ったあと、腕のしびれや首の痛み、めまいなどのストレートネックの症状があらわれたら早期に整形外科を受診しましょう。交通事故によるストレートネックは一過性のものとされ、交通事故から3ヵ月程度経過するとMRI画像の所見を得ることが出来なくなってしまうおそれがあります。後遺症となったときに医学的に証明するためにもすみやかに通院し、MRI検査を受ける必要があります。 ストレートネックの治療は何科でうける?
ストレートネックが後遺症になった場合、後遺障害等級の申請をすれば14級9号または12級13号に認定される可能性があります。症状の程度が大きかったり、レントゲン・MRI画像などによって障害の存在を医学的に証明できる場合は12級13号の獲得が期待できます。また、一応の説明や推定が可能な場合は14級9号が認定される可能性があります。 痛み・しびれの後遺障害等級は何級?